青山・ブルーノート東京。人気テナー・サックス奏者(20
00年3月2日)、なんと今回は、ホーン・セクションとスト
リングス・セクション付きの15人編成のバンドを率いてのも
の。おお、只のセクション奏者として、ピーター・ゴードン
、ボブ・シェパード、ロビン・ユーバンクスといった名手た
ちがいる。さすが、ステージ上にそれだけの人数がいると壮
観ではありますね。なんか、それだけで非常に手間がかかっ
た感じとか、リッチな感じが非常に増幅される。

 大きな編成との共演……、凝ってて重厚な音の帯の上でゆ
うゆうと、ときにスリリングにソロを歌わせる。それは秀で
たソリストなら、やはり一度は取り組んでみたいものだろ
う。その絡みの部分の仕切り役はギル・ゴールドスタイン。
最後に彼のアコーディオンから始まった曲はアタマのほうが
アイリッシュ・トラッドっぽく、途中からジャズっぽくなる
という面白い構成のものだった。全体的な印象は保留。もう
少し、大胆な何かを示していても良かったかもしれない。そ
れから、今回マイケル・ブレッカーを見ていて思ったのは、
やっぱりテナー・サックス奏者は身長があったほうが吹き姿がいいナと
いうこと。その点、平均的な日本人は小さなアルトのほうが
持っていては様になる。逆に、アーサー・ブライスのような
大きめの人がアルトを吹くと、楽器がちょっと小さすぎると
感じ、音がきつく感じてしまう。まあ、全盛期の彼は、刺激
的なサウンドに乗ってリードをビリヒリ鳴らしている
というところが快感でもあったわけだけど。