下北沢・ラカーニャ。まず、女性3人(ヴァイオリン、ピ
アノ/アコーディオン、ベース)を引き連れた、五郎さんの
パフォーマンス。この軽妙な大先輩のパフォーマンスは前に
ほんの少しだけ見たことがあったが(1999年8月9日)、だ
いぶ印象が違う。まあ、バンドでやっているせいもあるけど、
生理として強かった。最近、けっこうライヴをやっている
せいもあってか、ちゃんと声も出ているし、動くし。激しい
曲ではフォーク・ギターの弦が何本も切れた。

 ステージを終えた五郎さん、「(こんなステージ見て)怒
った?」。いや、全然怒ってないですよ。まあ、ぼくと世代
も感性も違うなというのは感じたけど。でも、ちゃんと歌心
あるなと思ったし、その人間性に通じる不思議な味があるよ
な。一部、赤裸々な私生活の吐露の様は“フォーク界のマー
ヴィン・ゲイ”と例えておこうか。こんど、彼のカヴァー、
官能的にやってよ。あと、クスクス笑いを誘うMCは上手い
ですね。新作用のレコーディングも終わったようで近々出る
ようだ。

 続いて、五郎さんとは70年代同じ吉祥寺周辺のサークルに
いたという、ギタリスト(バンジョーやウクレレもうまい)
のキヨシ小林。率いるグループ名にあるように、ジャンゴ・
ラインハルトを根っこに置く、ジプシー・スウィング表現を
飄々とやるグループ。生ギター2本と生ベースが、彼をフォ
ロウする。うち、ギターの一人は彼の高一という息子さん。
家族内継承。それって、ジプシー・スウィングとして正しい
あり方かも。ほのぼのとした時間が流れる……もう少し音が
大きくても良かったかな。最後に五郎さんとの共演も。