ブロック・パーティ。スティーヴ・キューン(・トリオ)&カーリン・クローグ
2006年11月2日 取材を2本やって、その合間に打合せとCDの探し物……。ちょいヘロっ
て、代官山・ユニット。
日本に紹介されたのは04年ながらフェスを含めすでに何度も来日している
UKロック4人組、ぼくは初めて見る。なんでも、東京1か所だけのライヴ
で来ているんだとか。すごい混んでて、後からだとあまり見えず。ぼくは場
内設営モニターを主に見ていた。今のUK温故知新型バンドのなかではけっこ
う好印象のバンド。実演も、リズム設定をはじめあまり突出している所はな
いものの、言いたいことを主張している=音の端々に輝きがあるバンドと感
じる。なんか、表現が響いていると感じさせるところがあるんだよなあ。1
時間ちょいのパフォーマンス。最後はドラムを蹴飛ばしたり、床にギターを
持っていったり。これまでのライヴはどーだったんだろ。
その後、渋谷・Jzブラットで、デュオ・アルバムを出して間もない米国人
ピアニストのスティーヴ・キューンとノルウェー人シンガーのカーリン・ク
ローグが重なる公演のセカンド・ショウを見る。両者とも確かな個性を持つ
人だが、ぼくのお目当てはカーリーン・クローグ。彼女のような人がいるか
ら、今のノルウェーの音楽的先進性をアイデンティファイするジャズランド
も存在するのだと思わせるアドヴァンテージとココロをしかと持つ異才。実
験的なことからしっとり系までなんでもこなす人だが、ここではわりと素直
な感じで品格あるジャズ・ヴォーカリスト像を出す。1曲はそれなりにスキ
ャットをかました。歌った曲数も少なかったし、いたって普通だったが、見
れて良かったと思わせるところは絶対にあった。
で、クローグが出てくるまでの1時間近くはキューンのトリオ演奏(ビリ
ー・ドラモンドらリズム隊も名のある人達)だったのだが、これがあらら。
思索派、内側に刃もあるというイメージもある彼なのだが、スタンダード曲
をなんともまったりとやってくれちゃってて。もったいねー。確かに軟弱な
アルバムも出している人だが、「ブルー・ボッサ」なんて手垢にまみれた曲
も出てきたときには虚脱しました。だが、最後のほうで少しではあるが、右
手にマイクを持ち、左手でピアノを爪弾きながら歌を歌う(!)。うっひょ
ー。それで、なんか全てが許せてしまった。
て、代官山・ユニット。
日本に紹介されたのは04年ながらフェスを含めすでに何度も来日している
UKロック4人組、ぼくは初めて見る。なんでも、東京1か所だけのライヴ
で来ているんだとか。すごい混んでて、後からだとあまり見えず。ぼくは場
内設営モニターを主に見ていた。今のUK温故知新型バンドのなかではけっこ
う好印象のバンド。実演も、リズム設定をはじめあまり突出している所はな
いものの、言いたいことを主張している=音の端々に輝きがあるバンドと感
じる。なんか、表現が響いていると感じさせるところがあるんだよなあ。1
時間ちょいのパフォーマンス。最後はドラムを蹴飛ばしたり、床にギターを
持っていったり。これまでのライヴはどーだったんだろ。
その後、渋谷・Jzブラットで、デュオ・アルバムを出して間もない米国人
ピアニストのスティーヴ・キューンとノルウェー人シンガーのカーリン・ク
ローグが重なる公演のセカンド・ショウを見る。両者とも確かな個性を持つ
人だが、ぼくのお目当てはカーリーン・クローグ。彼女のような人がいるか
ら、今のノルウェーの音楽的先進性をアイデンティファイするジャズランド
も存在するのだと思わせるアドヴァンテージとココロをしかと持つ異才。実
験的なことからしっとり系までなんでもこなす人だが、ここではわりと素直
な感じで品格あるジャズ・ヴォーカリスト像を出す。1曲はそれなりにスキ
ャットをかました。歌った曲数も少なかったし、いたって普通だったが、見
れて良かったと思わせるところは絶対にあった。
で、クローグが出てくるまでの1時間近くはキューンのトリオ演奏(ビリ
ー・ドラモンドらリズム隊も名のある人達)だったのだが、これがあらら。
思索派、内側に刃もあるというイメージもある彼なのだが、スタンダード曲
をなんともまったりとやってくれちゃってて。もったいねー。確かに軟弱な
アルバムも出している人だが、「ブルー・ボッサ」なんて手垢にまみれた曲
も出てきたときには虚脱しました。だが、最後のほうで少しではあるが、右
手にマイクを持ち、左手でピアノを爪弾きながら歌を歌う(!)。うっひょ
ー。それで、なんか全てが許せてしまった。
銀座ジャズ(ステファノ・ボラーニ、他)。レ・ポム・ドゥ・マ・ドゥーシュ
2006年11月3日 祝日の銀座は人が気持ち悪いぐらいにいっぱい。正式名称、銀座インター
ナショナル・ジャズ・フェスティヴル2006。去年から秋に二日間行われてい
るジャズ・フェス。百貨店の屋上からホールまで、いくつも組まれているラ
イヴの場はどれも無料なのが売り(ホール公演は事前に応募することが必要
となるようだが)。ブランド店たちがお金を出し合っているらしいが、さす
が銀座は景気がいいのだナ。
時事通信ホールに行く。新しい立派な通信社のビル内にあるホールで、向
かいは日産の本社ビル。昔はモダンな建物だったのだろうが、妙に煤けて見
える。なるほど、横浜に移転するまでの辛抱ということか。ここでまず、カ
イル・イーストウッドのグループを見る。クリント・イーストウッドの息子
(親父の作った映画の音楽に、彼は毎度係わっている)で現在はパリ在住。
フランス人主体で2管、ピアノ兼キーボード、ギター兼プリセット音担当者
、そして電気/アップライト両刀の彼という内訳。そんな編成にあらわれて
いるように、ジャズ〜フュージョン〜ポップを重ねたような表現を志向する
。本人もカッコいいし、ジャズの入門版としては大ありでしょう。数曲ゲス
ト・ヴォーカルが出てきて、それなてりにポップなヴォーカル曲もやる。そ
のゲストはジェイミー・カラム(2004年6月13日、2006年6月13日)の兄の
ベン・カラム。友達だそうで、新譜にも参加している。実は最新CDではや
はり仲良しらしいマヌ・カチェが叩いていて本人も日本に来たがったそうだ
が、現在彼はフランスのTV番組の素人タレント発掘番組の審査員を毎週し
ており、そのため来ることができなかったらしい。
その後、同じホールでイタリアのジャズ・ピアニスト、ステファノ・ボラ
ーニのグループを見る。最新CDとなるECM発のソロ・ピアノ作(やっぱ
、優れたソロ作が同社から出ているのでビビったそう)はまあまあだが、そ
の前作の仏ラベル・ブリュから出たグループ作『ヴィジョンズ』は相当いい
コンテンポラリー・ジャズ盤で勧める。そんな彼はジャズだけでなく、ロッ
ク(かつては、ジョヴァノッティ〜2002年6月1日〜のバッキングもやって
いたそう。彼は歌うのも好き)やクラシックなどいろんな音楽を別け隔てな
く愛好している人で、それは彼の『ヴィジョンズ』を聞けば自然に納得でき
る。で、この日のライヴはリード二人とベースとドラムを率いて、そのノリ
の演奏を繰り広げる。
やっぱり、素晴らしい。腕も十分たつが、コンセプトも相当にいけてる。
ちょっと切れ気味のグループ表現を基調にいろんな曲が出てくるのだが、と
きにユーモアたっぷりにシアトリカル。ベース奏者以外みんな引っ込んでベ
ース単独演奏が始まり、少しするとリード奏者が左右から出てきて吹きはじ
め、最後にはグループ演奏に戻ったり……。全員で歌い出す局面もあったし
、演奏中に発せられるボラーニのイタリア語をリード奏者の一人が片言の日
本語で言いなおしたり……。アーティスティックなのに、一方でユーモアや
娯楽精神もたんまり持っている。それ、カーラ・ブレイの「歌うのなんか好
きじゃない」のころのあり方とも似ているか。隣の隣の席にはこのフェスの
出演者であるオースティン・ベラルタ(2006年9月3日)が。非常に喜ん
で聞いていたよーだが、ボラーニのような人にたくさん触れさらに視野を
広げて、立派なプロのピアニストになってネと切に思う。それにしても、ボ
ラーニ(サイドマンたちも)は見かけはカッコ悪い。服装もほとんど気にして
いる感じがないし。だが、その冴えに触れると、彼はすべての興味を音楽
に注ぎ込んでいるんだろうなと思わずにはいられないナ。実は彼、文章を
書くことも好きで本国では小説を上程したそうだが。今、若いまっとうな耳
を持つ人が聞くべきジャズ・ピアニストはブラッド・メルドーではない、ボラー
ニだ! と、ブチ上げておく。
続いて、バーバリーのショップ・ビル(階段に張られていた絨毯も、バー
バリー柄)のホールで、日野晧正(2005年6月5日)のクインテット。100
人ぐらいの会場で、リズム隊はマイクで音を拾っているが、トランベットと
アルトは生音にての実演。こんな小さな所でやるのとムクれてもおかしくな
い規模の会場だが、“スター日野”は嬉しそうに誠心誠意全力投球。かつての
銀座の思い出話も飛び出す。新作からの曲を中心に、客層のことも考えてか
、少し前のアルバムでやっていたミーシャの「エヴリシング」も披露。CD
のときは非常にどんくさいステディなビートを採用していたが、この日はブ
ラシを使ってスモーキィなヴァージョンになっていて良かった。なんにせよ
、非常に重みとストロングさのあるジャズを聞かせていた。
どの出演者もちゃんとメンバーを揃え、十分な尺を持つ演奏時間で、実に
まっとうな演奏をする。いろんな出演者がいるフェスだし、無料でもあるか
ら多少は簡素版演奏になるのかと思ったら、そうであらず。人が出入り自由
でガサつくだろうオープンな会場(ショップ内ステージとか)の場合はどう
なんだろうか。へえ、と感心した次第。
そして、その銀座ジャズの出演者でもあったフランスのレ・ポム・ドゥ・
マ・ドゥーシュのシークレット・ギグを見に、池袋のブルードラッグという
店に行く。デカいジャンゴの写真とかが飾ってあって、ジプシー(マヌーシ
ュ)・スウィング系を聞かせるお店らしい。5人組のレ・ポム・ドゥ・マ・
ドゥーシュは非マヌーシュながら、飄々とヌーシュ・スウィングをやるグル
ープ。ただし、アコーディンオン奏者とヴァイオリン奏者がいてミューゼッ
トやシャンソン系のナンバー、ジャズ・スタンダード等もそれ風に洒脱にや
るのがポイントか。日本人奏者も出入りしての、開かれたパフォーマンス。
アフターアワーズではとキヨシ小林(2004年2月1日、2005年2月4日)周
辺にいる人達のグループ演奏にメンバーが混ざったり、尺八奏者(で、スタ
ンダードを吹く。けっこう、上手かった)とアコーディオン奏者の場当たり
セッションがあったり。その様子は、日常と隣り合わせで伝承されてきたマ
ヌーシュ・スウィングの現場の楽しまれ方を彷彿とさせるところがありまし
た。
ナショナル・ジャズ・フェスティヴル2006。去年から秋に二日間行われてい
るジャズ・フェス。百貨店の屋上からホールまで、いくつも組まれているラ
イヴの場はどれも無料なのが売り(ホール公演は事前に応募することが必要
となるようだが)。ブランド店たちがお金を出し合っているらしいが、さす
が銀座は景気がいいのだナ。
時事通信ホールに行く。新しい立派な通信社のビル内にあるホールで、向
かいは日産の本社ビル。昔はモダンな建物だったのだろうが、妙に煤けて見
える。なるほど、横浜に移転するまでの辛抱ということか。ここでまず、カ
イル・イーストウッドのグループを見る。クリント・イーストウッドの息子
(親父の作った映画の音楽に、彼は毎度係わっている)で現在はパリ在住。
フランス人主体で2管、ピアノ兼キーボード、ギター兼プリセット音担当者
、そして電気/アップライト両刀の彼という内訳。そんな編成にあらわれて
いるように、ジャズ〜フュージョン〜ポップを重ねたような表現を志向する
。本人もカッコいいし、ジャズの入門版としては大ありでしょう。数曲ゲス
ト・ヴォーカルが出てきて、それなてりにポップなヴォーカル曲もやる。そ
のゲストはジェイミー・カラム(2004年6月13日、2006年6月13日)の兄の
ベン・カラム。友達だそうで、新譜にも参加している。実は最新CDではや
はり仲良しらしいマヌ・カチェが叩いていて本人も日本に来たがったそうだ
が、現在彼はフランスのTV番組の素人タレント発掘番組の審査員を毎週し
ており、そのため来ることができなかったらしい。
その後、同じホールでイタリアのジャズ・ピアニスト、ステファノ・ボラ
ーニのグループを見る。最新CDとなるECM発のソロ・ピアノ作(やっぱ
、優れたソロ作が同社から出ているのでビビったそう)はまあまあだが、そ
の前作の仏ラベル・ブリュから出たグループ作『ヴィジョンズ』は相当いい
コンテンポラリー・ジャズ盤で勧める。そんな彼はジャズだけでなく、ロッ
ク(かつては、ジョヴァノッティ〜2002年6月1日〜のバッキングもやって
いたそう。彼は歌うのも好き)やクラシックなどいろんな音楽を別け隔てな
く愛好している人で、それは彼の『ヴィジョンズ』を聞けば自然に納得でき
る。で、この日のライヴはリード二人とベースとドラムを率いて、そのノリ
の演奏を繰り広げる。
やっぱり、素晴らしい。腕も十分たつが、コンセプトも相当にいけてる。
ちょっと切れ気味のグループ表現を基調にいろんな曲が出てくるのだが、と
きにユーモアたっぷりにシアトリカル。ベース奏者以外みんな引っ込んでベ
ース単独演奏が始まり、少しするとリード奏者が左右から出てきて吹きはじ
め、最後にはグループ演奏に戻ったり……。全員で歌い出す局面もあったし
、演奏中に発せられるボラーニのイタリア語をリード奏者の一人が片言の日
本語で言いなおしたり……。アーティスティックなのに、一方でユーモアや
娯楽精神もたんまり持っている。それ、カーラ・ブレイの「歌うのなんか好
きじゃない」のころのあり方とも似ているか。隣の隣の席にはこのフェスの
出演者であるオースティン・ベラルタ(2006年9月3日)が。非常に喜ん
で聞いていたよーだが、ボラーニのような人にたくさん触れさらに視野を
広げて、立派なプロのピアニストになってネと切に思う。それにしても、ボ
ラーニ(サイドマンたちも)は見かけはカッコ悪い。服装もほとんど気にして
いる感じがないし。だが、その冴えに触れると、彼はすべての興味を音楽
に注ぎ込んでいるんだろうなと思わずにはいられないナ。実は彼、文章を
書くことも好きで本国では小説を上程したそうだが。今、若いまっとうな耳
を持つ人が聞くべきジャズ・ピアニストはブラッド・メルドーではない、ボラー
ニだ! と、ブチ上げておく。
続いて、バーバリーのショップ・ビル(階段に張られていた絨毯も、バー
バリー柄)のホールで、日野晧正(2005年6月5日)のクインテット。100
人ぐらいの会場で、リズム隊はマイクで音を拾っているが、トランベットと
アルトは生音にての実演。こんな小さな所でやるのとムクれてもおかしくな
い規模の会場だが、“スター日野”は嬉しそうに誠心誠意全力投球。かつての
銀座の思い出話も飛び出す。新作からの曲を中心に、客層のことも考えてか
、少し前のアルバムでやっていたミーシャの「エヴリシング」も披露。CD
のときは非常にどんくさいステディなビートを採用していたが、この日はブ
ラシを使ってスモーキィなヴァージョンになっていて良かった。なんにせよ
、非常に重みとストロングさのあるジャズを聞かせていた。
どの出演者もちゃんとメンバーを揃え、十分な尺を持つ演奏時間で、実に
まっとうな演奏をする。いろんな出演者がいるフェスだし、無料でもあるか
ら多少は簡素版演奏になるのかと思ったら、そうであらず。人が出入り自由
でガサつくだろうオープンな会場(ショップ内ステージとか)の場合はどう
なんだろうか。へえ、と感心した次第。
そして、その銀座ジャズの出演者でもあったフランスのレ・ポム・ドゥ・
マ・ドゥーシュのシークレット・ギグを見に、池袋のブルードラッグという
店に行く。デカいジャンゴの写真とかが飾ってあって、ジプシー(マヌーシ
ュ)・スウィング系を聞かせるお店らしい。5人組のレ・ポム・ドゥ・マ・
ドゥーシュは非マヌーシュながら、飄々とヌーシュ・スウィングをやるグル
ープ。ただし、アコーディンオン奏者とヴァイオリン奏者がいてミューゼッ
トやシャンソン系のナンバー、ジャズ・スタンダード等もそれ風に洒脱にや
るのがポイントか。日本人奏者も出入りしての、開かれたパフォーマンス。
アフターアワーズではとキヨシ小林(2004年2月1日、2005年2月4日)周
辺にいる人達のグループ演奏にメンバーが混ざったり、尺八奏者(で、スタ
ンダードを吹く。けっこう、上手かった)とアコーディオン奏者の場当たり
セッションがあったり。その様子は、日常と隣り合わせで伝承されてきたマ
ヌーシュ・スウィングの現場の楽しまれ方を彷彿とさせるところがありまし
た。
ハッピー&アーティ・トラウム
2006年11月5日 下北沢のラ・カーニャ。60年代後期以降、ウッドストックにずっと住みつ
づけているという、39年生まれと43年生まれの兄弟フォーク・チーム。それ
ぞれに、味ある活動も残している。そんな二人はともに生ギターを持ち、曲
ごとにどちらかがリード・ヴォーカルを取る。自分たちの曲、ボブ・ディラ
ンら仲間うちの曲、ミシシッピ・ジョン・ハートのブルース曲、トラッド曲
などを阿吽の呼吸のもと自由自在に。円満、ほのぼの。なんか、温和なアメ
リカがそこにはあったな。枯れた二人はいまだ音楽を続けていて、多数では
なくてもそれを熱心に愛好する人がいる。幸せなことだと思う。
づけているという、39年生まれと43年生まれの兄弟フォーク・チーム。それ
ぞれに、味ある活動も残している。そんな二人はともに生ギターを持ち、曲
ごとにどちらかがリード・ヴォーカルを取る。自分たちの曲、ボブ・ディラ
ンら仲間うちの曲、ミシシッピ・ジョン・ハートのブルース曲、トラッド曲
などを阿吽の呼吸のもと自由自在に。円満、ほのぼの。なんか、温和なアメ
リカがそこにはあったな。枯れた二人はいまだ音楽を続けていて、多数では
なくてもそれを熱心に愛好する人がいる。幸せなことだと思う。
フアネス
2006年11月9日 渋谷・アックス。ほぼ定時に出てきたコロンビア出身のスーパースターは
髪をバッサリ切っている。なんと、健康的な坊主頭。一瞬、誰かと思った。
でも、デビュ−作のときのPVを見るとけっこう短髪だったりするからなー
。なるほど、スリムで恰好いい。控え目な感じもあるが華をしかと持つ。ち
ょっと斜めな(?)ギターの持ち方はさぞや小僧のとき鏡の前でポーズをと
ったんではと思わせるか。声もちゃんと出ているし、とてもまっすぐな風情
を与えもして、すぐに信頼できる人だなあとも感じる。実際はどうか知らな
いが、それをあっさりと出せるのも才能なはずだ。ギタ−2、ベース、キー
ボード、ドラム、パーカッションという編成のバンドはちゃんと腕が立つ。
とくに、ドラム、パーカッションは効いている。本人はギターを持たないと
きもあるが、結構ソロをとったりもする。
いいエスノ・ロックを送っているナ。米欧ロックに対する憧れと自分の出
自をうまく重ねた曲群は独特な臭みを持ち、コロンビアという属性を確実に
感じさせ、そこがいいのダと思わせる。が、その臭みのある表現を聞きなが
ら、彼がフツーの米国人だったらどう感じるのかなともふと思う。ドン臭
いと感じるか。ましてや日本人だったら? だって、日本的な臭みを持つロ
ックにぼくは往々にして拒否反応を示すはずだから。ウ−ム。頭や耳を柔ら
かくしなきゃと、ふと自戒。とともに、日本人の根を持つロック表現とは、
という問いに約53秒アタマを悩ます。が、目の前の好演にすぐにそんなクエ
スチョンも吹っ飛ぶ。マジ、質と味と気持ちのあるパフォーマンスだったと
思う。ぼくは多大な満足感を得た。
客のラティーノ度数はなかなか高い。コロンビアの国旗を持参している人
、散見。へえ、カラフルな国旗なんだ(無知を恥じる)。で、あれれれえっ
てぐらいみんなフアネスに合わせて歌う。すごいっ。後半、客側からステー
ジに下着がぽんぽん投げ入れられる。ほほえましいっ。それ、彼のコンサー
トの倣わしのよう。最後はラテン濃度が高い曲をやり、クラーベの手拍子を
要求。みんな、それなりに応える。いいなっ。
なお、この文章は富士通独自の親指シフト変換(ぼく、大愛好者なんです
う)ではなく、通常のローマ変換のキーで四苦八苦しながら打っている。普
段の5倍ぐらいは時間が掛かっているか。とともに、勢いで書けないので、
どうも文章のリズムがつかめない。もともと、気分でころころと文体が変わ
る人間だが、やはり違いは出ているだろうか。知人の感想求む。
髪をバッサリ切っている。なんと、健康的な坊主頭。一瞬、誰かと思った。
でも、デビュ−作のときのPVを見るとけっこう短髪だったりするからなー
。なるほど、スリムで恰好いい。控え目な感じもあるが華をしかと持つ。ち
ょっと斜めな(?)ギターの持ち方はさぞや小僧のとき鏡の前でポーズをと
ったんではと思わせるか。声もちゃんと出ているし、とてもまっすぐな風情
を与えもして、すぐに信頼できる人だなあとも感じる。実際はどうか知らな
いが、それをあっさりと出せるのも才能なはずだ。ギタ−2、ベース、キー
ボード、ドラム、パーカッションという編成のバンドはちゃんと腕が立つ。
とくに、ドラム、パーカッションは効いている。本人はギターを持たないと
きもあるが、結構ソロをとったりもする。
いいエスノ・ロックを送っているナ。米欧ロックに対する憧れと自分の出
自をうまく重ねた曲群は独特な臭みを持ち、コロンビアという属性を確実に
感じさせ、そこがいいのダと思わせる。が、その臭みのある表現を聞きなが
ら、彼がフツーの米国人だったらどう感じるのかなともふと思う。ドン臭
いと感じるか。ましてや日本人だったら? だって、日本的な臭みを持つロ
ックにぼくは往々にして拒否反応を示すはずだから。ウ−ム。頭や耳を柔ら
かくしなきゃと、ふと自戒。とともに、日本人の根を持つロック表現とは、
という問いに約53秒アタマを悩ます。が、目の前の好演にすぐにそんなクエ
スチョンも吹っ飛ぶ。マジ、質と味と気持ちのあるパフォーマンスだったと
思う。ぼくは多大な満足感を得た。
客のラティーノ度数はなかなか高い。コロンビアの国旗を持参している人
、散見。へえ、カラフルな国旗なんだ(無知を恥じる)。で、あれれれえっ
てぐらいみんなフアネスに合わせて歌う。すごいっ。後半、客側からステー
ジに下着がぽんぽん投げ入れられる。ほほえましいっ。それ、彼のコンサー
トの倣わしのよう。最後はラテン濃度が高い曲をやり、クラーベの手拍子を
要求。みんな、それなりに応える。いいなっ。
なお、この文章は富士通独自の親指シフト変換(ぼく、大愛好者なんです
う)ではなく、通常のローマ変換のキーで四苦八苦しながら打っている。普
段の5倍ぐらいは時間が掛かっているか。とともに、勢いで書けないので、
どうも文章のリズムがつかめない。もともと、気分でころころと文体が変わ
る人間だが、やはり違いは出ているだろうか。知人の感想求む。
モグワイ、ラタタット
2006年11月11日 新木場・スタジオコ−スト。前回のホール公演(2004年10月4日)のとき
と同じように、前座がついてのもの。
その前座は、在NYのインスト・デュオ、ラタタット。大味なトラック音
を流しつつ、当人たちはギターとベース(だと、思う。あまりに混んでてス
テージが見づらいのと照明が暗いのとで、一人のほうの持っている楽器がギ
タ−かベースかいまいち判別できず)を弾く。で、これがセンチなマイナー
・キー基調の泣き曲のもと、大泣きのメロデイ/フレイズを見栄を切りつつ
まったりと綴って行くのだ。あまりバックトラックとの有機的な絡みはなく
、印象としてはカラオケをバックに自慰的にブライアン・メイ(クイーン)
ぽいギター・ソロを弾いているという印象。ビョークもファンでその2作目
となる新作は彼女のスタジオで録音されたとういう触れ込みだが、ぼくには
そのアルバム同様に古臭くチープな音の面白さが分からなかった。このあと
、彼らはオセアニア・ツアーに出向くようだ。
で、モグワイ・フロム・スコッランド。繰り返しになるが、都内スタンデ
ィング系ヴェニューのなかでも最も広いだろう会場はぱんぱん。明日もリキ
ッドルームでやるし、本当に支持者がついているのだナと実感する。でもっ
て、観客のマナーにも感心。淡々と送り出される幽玄インストを息をひそめ
てじっくり聞いて、サイケに音が沸き上がるときには大いに沸く。海外では
なかなかそうは行かないだろう。モグワイにとって日本のオーディエンスは
最良の客ではないのか。肝心の演奏も、大き目のハコに見合う威厳のような
ものがありスケールがデカくなっているな。照明も凝ってはいないが大バコ
に合うもので、ミラーボールを使用したときもあるがここのミラーボールは
デカいので映えてた。ここのところの新機軸である、ときに披露されるヴォ
ーカル曲もちゃんと歌えていて、魅力的に思えた。
と同じように、前座がついてのもの。
その前座は、在NYのインスト・デュオ、ラタタット。大味なトラック音
を流しつつ、当人たちはギターとベース(だと、思う。あまりに混んでてス
テージが見づらいのと照明が暗いのとで、一人のほうの持っている楽器がギ
タ−かベースかいまいち判別できず)を弾く。で、これがセンチなマイナー
・キー基調の泣き曲のもと、大泣きのメロデイ/フレイズを見栄を切りつつ
まったりと綴って行くのだ。あまりバックトラックとの有機的な絡みはなく
、印象としてはカラオケをバックに自慰的にブライアン・メイ(クイーン)
ぽいギター・ソロを弾いているという印象。ビョークもファンでその2作目
となる新作は彼女のスタジオで録音されたとういう触れ込みだが、ぼくには
そのアルバム同様に古臭くチープな音の面白さが分からなかった。このあと
、彼らはオセアニア・ツアーに出向くようだ。
で、モグワイ・フロム・スコッランド。繰り返しになるが、都内スタンデ
ィング系ヴェニューのなかでも最も広いだろう会場はぱんぱん。明日もリキ
ッドルームでやるし、本当に支持者がついているのだナと実感する。でもっ
て、観客のマナーにも感心。淡々と送り出される幽玄インストを息をひそめ
てじっくり聞いて、サイケに音が沸き上がるときには大いに沸く。海外では
なかなかそうは行かないだろう。モグワイにとって日本のオーディエンスは
最良の客ではないのか。肝心の演奏も、大き目のハコに見合う威厳のような
ものがありスケールがデカくなっているな。照明も凝ってはいないが大バコ
に合うもので、ミラーボールを使用したときもあるがここのミラーボールは
デカいので映えてた。ここのところの新機軸である、ときに披露されるヴォ
ーカル曲もちゃんと歌えていて、魅力的に思えた。
アンドレア・マルチェリ・トリオ。ボストン・ホーンズ
2006年11月13日 九段下・イタリア文化会館で、まずアンドレア・マルチェリ(ドラム)の
トリオを見る。リーダーはイタリア人で、ピアニストはデンマーク人。演目
はマルチェリの曲を中心にやっていたようで、途中で彼はピアノとベースを
バックに粛々とクラリネットを吹いたりも。薄口気味ながらも、含みとある
種の美意識を持つジャズ演奏を披露。実はマルチェリには15年前ぐらいに、
当時彼が居住していたLAで取材したことがあった。そのときフランク・ザ
ッパ好きを公言していて、LAでは突撃精神で有名プレイヤーにアタックし
て自分のレコーディングに参加してもらっている、なんてことも言っていた
っけ。そんな彼、現在はベルリンに居住し、ちょい小綺麗にもなり、こんな
こともするようなっているわけだ。
その後 渋谷・クアトロ。P-ヴァインが送りだす英・米の温故知新型ジャ
ズ・ファンク・グループをカップリングした出し物で、" JAZZ FUNK EX
PO 2006"と題されている。会場入りすると、先発のベイカー・ブラザースの
最後の曲だった。前(2004年4月27日)に見たときよりも,とってもサバけ
た感じが増してて、より親しみやすくなっている印象を得たが……。
で、米国ボストンをベースとする、ホーン付きインスト・バンドのボスト
ン・ホーンズをしっかり見る。ドラマーはキック・ドラムもスネアも弱く、
ベース奏者も一瞬フレットレスを使っているのかと思わせるぐらいに音の輪
郭が甘いなど不備に感じるところもあるが、難しいことぬきに快楽的に行き
、客から受けまくっている様に触れるうちにまいいかという気になった。ア
ンコールではベイカー・ブラザースが混ざって一緒にやる。
トリオを見る。リーダーはイタリア人で、ピアニストはデンマーク人。演目
はマルチェリの曲を中心にやっていたようで、途中で彼はピアノとベースを
バックに粛々とクラリネットを吹いたりも。薄口気味ながらも、含みとある
種の美意識を持つジャズ演奏を披露。実はマルチェリには15年前ぐらいに、
当時彼が居住していたLAで取材したことがあった。そのときフランク・ザ
ッパ好きを公言していて、LAでは突撃精神で有名プレイヤーにアタックし
て自分のレコーディングに参加してもらっている、なんてことも言っていた
っけ。そんな彼、現在はベルリンに居住し、ちょい小綺麗にもなり、こんな
こともするようなっているわけだ。
その後 渋谷・クアトロ。P-ヴァインが送りだす英・米の温故知新型ジャ
ズ・ファンク・グループをカップリングした出し物で、" JAZZ FUNK EX
PO 2006"と題されている。会場入りすると、先発のベイカー・ブラザースの
最後の曲だった。前(2004年4月27日)に見たときよりも,とってもサバけ
た感じが増してて、より親しみやすくなっている印象を得たが……。
で、米国ボストンをベースとする、ホーン付きインスト・バンドのボスト
ン・ホーンズをしっかり見る。ドラマーはキック・ドラムもスネアも弱く、
ベース奏者も一瞬フレットレスを使っているのかと思わせるぐらいに音の輪
郭が甘いなど不備に感じるところもあるが、難しいことぬきに快楽的に行き
、客から受けまくっている様に触れるうちにまいいかという気になった。ア
ンコールではベイカー・ブラザースが混ざって一緒にやる。
リトル・マン・テイト。サム・ムーア
2006年11月14日 まず、代官山・ユニットで、英国シェフィールド出身の新鋭リトル・マン
・テイトを見る。モッズぽいと言い方もあるだろう、サクっとしたビート・
バンド。みんな格好良くないが、妙な媚びや甘さもなく、なかなかの好印象
。が、次のライヴ時間が迫り、途中退出。
そして、南青山・ブルーノート東京。オーティス・レディングとともにア
トランティッック・ソウルを代表したサム&デイヴの片割れサム・ムーアの
ライヴ。通常ブルーノートは2部入替え制が取られているが、彼の場合は1
日1回とういう仕様にて。それも、大御所らしいか。ムーアは1時間30分強
、無敵のソウル・ショウを繰り広げたのだった。
バンドはベース(唇にピアスしていた彼が音楽監督なのかな?)、キーボ
ード、ギター、ドラム、パーカッション(デュエット役を担ったりも)、女
性バッキング・コーラス二人(そのなかの一人、エレイン・キャスエルはジ
ョー・ジャクソン絡みとかで知られる人らしい)、ホーンが4人(うち、二
人日本で雇っているようで、トロボーン奏者はヴィンセント・アトミクスや
デートコースに在籍する青木タイセイだったみたい)で、ドラマー以外はみ
な非アフリカン。横できっちり見守る、マネイジャーをしている彼の奥さん
も白人だ。
スプリングスティーンやマライア・キャリー他スター満載だった新作は36
年ぶりのアルバムという触れ込みだったが、とにかく歌えていて、おおっ。
なんで、そんなに出さなかった? 70歳を過ぎているし、それほどライヴを
やっていないという話もあるが、もうバリバリ。張りのあるちょい甲高目の
声がでてくるだけで、目茶引き込まれる。もちろん、客は随時熱烈反応。で
、サム&デイヴ時代の珠玉の名曲から新作曲まで、さらにアトランティック
の他人の名曲やスライ・ストーン曲までいろいろと歌う。結果、口惜しいぐ
らいに、ソウルの味わい深さ、威厳が溢れ出る。もう大充実のソウル・ショ
ー、満たされた気持と高揚した気持ちが入り交じった、なんとも最高の心持
ちをぼくは得た。
最後の「ユー・アー・ソー・ビューティル」(ビリー・プレストンやズッ
ケロを迎えて新作でカヴァーしていた、プレストン曲)を歌っていたとき、
ムーアは涙を流していた。それは今年1月に亡くなってしまったビリー・プ
レストンの事を思ってか。また、とんでもなく熱狂的でココロのあるオーデ
ィエンス反応を受けた事も働いてる? そして、そんなサムの様子とは関係
なくぼくの目もたっぷり潤んでいた。ああ、なんと嬉しい夜!
・テイトを見る。モッズぽいと言い方もあるだろう、サクっとしたビート・
バンド。みんな格好良くないが、妙な媚びや甘さもなく、なかなかの好印象
。が、次のライヴ時間が迫り、途中退出。
そして、南青山・ブルーノート東京。オーティス・レディングとともにア
トランティッック・ソウルを代表したサム&デイヴの片割れサム・ムーアの
ライヴ。通常ブルーノートは2部入替え制が取られているが、彼の場合は1
日1回とういう仕様にて。それも、大御所らしいか。ムーアは1時間30分強
、無敵のソウル・ショウを繰り広げたのだった。
バンドはベース(唇にピアスしていた彼が音楽監督なのかな?)、キーボ
ード、ギター、ドラム、パーカッション(デュエット役を担ったりも)、女
性バッキング・コーラス二人(そのなかの一人、エレイン・キャスエルはジ
ョー・ジャクソン絡みとかで知られる人らしい)、ホーンが4人(うち、二
人日本で雇っているようで、トロボーン奏者はヴィンセント・アトミクスや
デートコースに在籍する青木タイセイだったみたい)で、ドラマー以外はみ
な非アフリカン。横できっちり見守る、マネイジャーをしている彼の奥さん
も白人だ。
スプリングスティーンやマライア・キャリー他スター満載だった新作は36
年ぶりのアルバムという触れ込みだったが、とにかく歌えていて、おおっ。
なんで、そんなに出さなかった? 70歳を過ぎているし、それほどライヴを
やっていないという話もあるが、もうバリバリ。張りのあるちょい甲高目の
声がでてくるだけで、目茶引き込まれる。もちろん、客は随時熱烈反応。で
、サム&デイヴ時代の珠玉の名曲から新作曲まで、さらにアトランティック
の他人の名曲やスライ・ストーン曲までいろいろと歌う。結果、口惜しいぐ
らいに、ソウルの味わい深さ、威厳が溢れ出る。もう大充実のソウル・ショ
ー、満たされた気持と高揚した気持ちが入り交じった、なんとも最高の心持
ちをぼくは得た。
最後の「ユー・アー・ソー・ビューティル」(ビリー・プレストンやズッ
ケロを迎えて新作でカヴァーしていた、プレストン曲)を歌っていたとき、
ムーアは涙を流していた。それは今年1月に亡くなってしまったビリー・プ
レストンの事を思ってか。また、とんでもなく熱狂的でココロのあるオーデ
ィエンス反応を受けた事も働いてる? そして、そんなサムの様子とは関係
なくぼくの目もたっぷり潤んでいた。ああ、なんと嬉しい夜!
FES、渋さ知らズ,
2006年11月15日 FES(フラット・アース・ソサエティ)はフリー・ジャズ語彙が入った
はみだし型ジャズ・ビッグ・バンド音を聞かせるベルギーの大所帯グループ
。元Xレッグド・サリー、Aグループ出身で、シンク・オブ・ワン(20年9
月1日)のファーストのプロデユースもしているクラリネット奏者のペーテ
ル・ヴァルメールシュが率い、マイク・パットン(2500年9月5日)がファ
ンだったりする(ベスト盤の選曲をしてる)。渋谷・Oイースト。露払い役
の渋さ知らズ(2004年9月1日、2005年1月14日、2005年1月21日、2006
年8月27日、他)が出た後、連中が登場。と思ったら、どんどん場が冷えて
行く。渋さがやんちゃするぎるのかもしれないが、踊れないビートで真面目に
行きすぎ、だな。確か全14人で、アコーデイオン奏者もいるし、チューバ奏
者は女性。楽しいお座敷があって中座したが、後半はビートがビッグになり
、肉声などもがんがん用い、当初とは180 度ちがったものとなったらしい。
へえ。なるほど、そういうひねた落差の提出の仕方もあるのか。まあ、メン
バーのなかにはシンク・オブ・ワンの人たちもいるはずなので、当然と言え
ば当然なのかも知れないが。リーダーのペーテルさんは非常に人懐こい、柔
和であったかい感じを与えるおやじ。人間好きで大人数の音楽をやっている
んだろうなと、思わせる人だ。
はみだし型ジャズ・ビッグ・バンド音を聞かせるベルギーの大所帯グループ
。元Xレッグド・サリー、Aグループ出身で、シンク・オブ・ワン(20年9
月1日)のファーストのプロデユースもしているクラリネット奏者のペーテ
ル・ヴァルメールシュが率い、マイク・パットン(2500年9月5日)がファ
ンだったりする(ベスト盤の選曲をしてる)。渋谷・Oイースト。露払い役
の渋さ知らズ(2004年9月1日、2005年1月14日、2005年1月21日、2006
年8月27日、他)が出た後、連中が登場。と思ったら、どんどん場が冷えて
行く。渋さがやんちゃするぎるのかもしれないが、踊れないビートで真面目に
行きすぎ、だな。確か全14人で、アコーデイオン奏者もいるし、チューバ奏
者は女性。楽しいお座敷があって中座したが、後半はビートがビッグになり
、肉声などもがんがん用い、当初とは180 度ちがったものとなったらしい。
へえ。なるほど、そういうひねた落差の提出の仕方もあるのか。まあ、メン
バーのなかにはシンク・オブ・ワンの人たちもいるはずなので、当然と言え
ば当然なのかも知れないが。リーダーのペーテルさんは非常に人懐こい、柔
和であったかい感じを与えるおやじ。人間好きで大人数の音楽をやっている
んだろうなと、思わせる人だ。
エドガー・ジョーンズ&ザ・ジョーンゼズ
2006年11月17日 ぼくは来日が報じられるまで認知してなかったが、ジョーンズはかつてゴ
ー!ディスクスからアルバムを出したザ・ステアーズをやってた人で、それ
で93年に来日をしたこともあるそうだ。渋谷・クラブクアトロ。
登場した痩身のジョーンズさんははとにかく嬉しそうに歌う。ほう。やっ
ていることは、R&Bを中心とする米国黒人音楽憧憬表現、そのもの。芸が
ないとも言えるが、なんか健全なひたむきさがあり、これはあってしかるべ
きだと見ているうちに思わされる。なんか、真実がそこにはあったかな。
ちゃんとしていたバンドは、ギター、ウッド・ベース、キーボード、ドラ
ム、サックス(最初の方は、ギターを弾いたりも)。31歳から24歳、ピアノ
はビル・エヴァンス、ベースはポール・チェンバース、サックスはウエイン
・ショーターの大ファンといったように、みんなジャズ好き。途中とアンコ
ール時に、エゴ・ラッピンのお二人が無理なく加わった。
ー!ディスクスからアルバムを出したザ・ステアーズをやってた人で、それ
で93年に来日をしたこともあるそうだ。渋谷・クラブクアトロ。
登場した痩身のジョーンズさんははとにかく嬉しそうに歌う。ほう。やっ
ていることは、R&Bを中心とする米国黒人音楽憧憬表現、そのもの。芸が
ないとも言えるが、なんか健全なひたむきさがあり、これはあってしかるべ
きだと見ているうちに思わされる。なんか、真実がそこにはあったかな。
ちゃんとしていたバンドは、ギター、ウッド・ベース、キーボード、ドラ
ム、サックス(最初の方は、ギターを弾いたりも)。31歳から24歳、ピアノ
はビル・エヴァンス、ベースはポール・チェンバース、サックスはウエイン
・ショーターの大ファンといったように、みんなジャズ好き。途中とアンコ
ール時に、エゴ・ラッピンのお二人が無理なく加わった。
エリック・クラプトン
2006年11月20日 九段下・日本武道館(客の年齢層はやはりそうとう高かったな)。クラプ
トンを見るなんていつ以来だろう。前に見たのははるか昔、代々木の屋内プ
ールだったような気がするが。そんなワタシがけっこう浮き浮き見にいった
のは大幅にメンバ−が入れ換えになってて、リズム・セクションがスティー
ヴ・ジョーダン(2005年11月13日)とウィリー・ウィクースだったから。
また、デレク・トラックス(2004年5月20日)とドイル・ブラムホールⅡと
いう中年(ちゅうねん)前の米国人ホワイト・ブルースの敏腕ギタリストを
二人も雇っているのも興味深い。
にっこり、見れた。やっぱリズム隊がいいってのはいいナ(って前も、ス
ティーヴ・ガッドとネイザン・イーストなはずだから悪いはずはないが)。
100 パーセント人力のノリで、余裕たっぷりに襞と含蓄のあるパフォーマン
スを進めていく様にゃオールド・スクールかくあるべきというテーゼのよう
なものを感じたかも。クラプトンの歌もドミノズの頃と比べると本当にうま
くなったと思う。ソロはやはりクラプトンの取る時間が一番多いが、結構他
の人達にも回していた。ぼくがEC作品のなかで一番大好きな『オーシャン
・ブールヴァード461 』に収録の「マザーレス・チルドレン」のときは若い
衆が二人ともボトル・ネックを嵌めて演奏。こういうヴァイタルなビートの
ときはジョーダンの有り難みがもろに出ますね。
音を出してからアンーコールが終わるまで、ぴったり2時間。本編は3つ
に大きく分けられていて、真ん中のやつはアコ−スティック傾向にて。客が
一番沸いたのは、「レイラ」が始まったときか。ぼく、このセンチな曲、な
んか昔から嫌いデス。
夜半に家に帰ると、映画「ブルース・ブラザース2000」が光ファイバーT
Vの映画チャンネルで放映されていた。偶然だあ。そしたら、クラプトンと
ウィークスがオールター・バンドで一緒にやっているじゃないか。そういえ
ば、ジョーダンの初期仕事の一つがブルース・ブラザースの1枚目の録音だ
ったりするんだよな。ジャケ裏側の写真には、しっかり彼も写っています。
蛇足だが、11月14日のムーアもそこでJBとペアで牧師役で出ている。
トンを見るなんていつ以来だろう。前に見たのははるか昔、代々木の屋内プ
ールだったような気がするが。そんなワタシがけっこう浮き浮き見にいった
のは大幅にメンバ−が入れ換えになってて、リズム・セクションがスティー
ヴ・ジョーダン(2005年11月13日)とウィリー・ウィクースだったから。
また、デレク・トラックス(2004年5月20日)とドイル・ブラムホールⅡと
いう中年(ちゅうねん)前の米国人ホワイト・ブルースの敏腕ギタリストを
二人も雇っているのも興味深い。
にっこり、見れた。やっぱリズム隊がいいってのはいいナ(って前も、ス
ティーヴ・ガッドとネイザン・イーストなはずだから悪いはずはないが)。
100 パーセント人力のノリで、余裕たっぷりに襞と含蓄のあるパフォーマン
スを進めていく様にゃオールド・スクールかくあるべきというテーゼのよう
なものを感じたかも。クラプトンの歌もドミノズの頃と比べると本当にうま
くなったと思う。ソロはやはりクラプトンの取る時間が一番多いが、結構他
の人達にも回していた。ぼくがEC作品のなかで一番大好きな『オーシャン
・ブールヴァード461 』に収録の「マザーレス・チルドレン」のときは若い
衆が二人ともボトル・ネックを嵌めて演奏。こういうヴァイタルなビートの
ときはジョーダンの有り難みがもろに出ますね。
音を出してからアンーコールが終わるまで、ぴったり2時間。本編は3つ
に大きく分けられていて、真ん中のやつはアコ−スティック傾向にて。客が
一番沸いたのは、「レイラ」が始まったときか。ぼく、このセンチな曲、な
んか昔から嫌いデス。
夜半に家に帰ると、映画「ブルース・ブラザース2000」が光ファイバーT
Vの映画チャンネルで放映されていた。偶然だあ。そしたら、クラプトンと
ウィークスがオールター・バンドで一緒にやっているじゃないか。そういえ
ば、ジョーダンの初期仕事の一つがブルース・ブラザースの1枚目の録音だ
ったりするんだよな。ジャケ裏側の写真には、しっかり彼も写っています。
蛇足だが、11月14日のムーアもそこでJBとペアで牧師役で出ている。
ザ・マーズ・ヴォルタ
2006年11月21日 米国テキサス州のメキシコとの国境の街、エルパソ出身のアット・ザ・ド
ライヴ・イン(2000年5月24日、2000年8月6日)のギターのオマー(彼は
アフロ・ヘアーじゃなくなっちゃった。ローディは崩れたアフロをしていた
けど)とシンガーのセドリック(依然、アフロ)が中央に立つ、この流動性
バンドを見るのは2002年4月7日、2004年1月7日以来。2年弱の間に、こ
んなに変わるとはなあ。フェラ・クティみたいなアフロ・ファンク調の曲に
続き、メキシコを想起させるトランペット使用の哀愁曲が場内に流された後
に彼らは登場した。
え。なんと、8人もいるじゃないか。歌、ギター2、ベース、キーボード
、リード、ドラム、打楽器という布陣。後ろに張られたバカでかい幕にも8
人が描かれているので、ここところはこの顔ぶれでライヴをやっているんだ
ろう。そして、彼らがドバーっと音を出した途端、とんでなく進化している
ことを了解。この演奏のクオリティの高さ、噴出感の見事さはなんなのだ。
前にも彼らのことをジャム・バンドと書いたことがあるが、即興の密度や熱
さがまるで違う。実は1時間半強のパフォーマンスでやった曲数はたった4
曲。しかも、2曲目の「トウデイズ・ジャム」という曲は50分くらいの尺だっ
たのだ。でも、全然あきないし、ウッキッキで見れちゃう。もう、怒濤のビ
ートに乗っていろんな楽器音やセドリックの肉声が放り出され、それらは魅
惑的な色や模様をダイナミックに描いていく。いやあこれを聞いちゃうと、
アルバムなんてままごとみたいなもの。これだけ完璧な実演なんだし、彼ら
はライヴ作品をプロダクツの柱に据えていくべき、と思わずにはいられませ
んね。
その演奏面を重視したそれはCD上だとプログレッシヴ・ロック回帰っぽ
いイメージを抱かせるのだが、生だとそういう印象は皆無。それは、実演で
はよりグルーヴィだったりソウルフルだったりするからであり、より確かな
即興性を有しているからなはず。そうした演奏に触れながらぼくが比較対象
として思い起こしたのは、フランク・ザッパ・バンドと70年代前半のマイル
ス・デイヴィスのエレクトリック・バンド。ザ・マーズ・ヴォルタは彼らが
やっていたことをオルタナ・ロックのなかでやっているという感じだ。でも
って、彼らの演奏に接しながらもっと似ているバンドがあるぞと感じつつそ
のバンド名がなかなか思い出せなかったのだが…………なんと、それはRO
VO(2004年11月19日、2006年7月7日、2006年8月27日、他)ではない
か。自分でも気づいてびっくりしたんだけど、両者の持ち味はかなり重なり
ますよ。それにしても、ザ・マーズ・ヴォルタの面々は皆うまい。とくにド
ラマー。ロックという枠のなかでエルヴィン・ジョーンズ流儀で叩いてる(
!)ような彼、近年で一番オオって感じたドラマーだな。
とかなんとか、与えられた感興や示唆は多々。別に彼らことを嘗めていた
わけではないが、まさかこんなにジャイアント・ステップするとは。やっぱ
り、何度も見ているグループでも見どころありそうな奴らは毎度チェック
しないといけないなあ。
場所は、青海・ゼップ東京。この大き目のハコで二日間やるとはいえ、入
りはよくなかった。正義はむくわれないものなのだなあ。。。。。
ライヴ・イン(2000年5月24日、2000年8月6日)のギターのオマー(彼は
アフロ・ヘアーじゃなくなっちゃった。ローディは崩れたアフロをしていた
けど)とシンガーのセドリック(依然、アフロ)が中央に立つ、この流動性
バンドを見るのは2002年4月7日、2004年1月7日以来。2年弱の間に、こ
んなに変わるとはなあ。フェラ・クティみたいなアフロ・ファンク調の曲に
続き、メキシコを想起させるトランペット使用の哀愁曲が場内に流された後
に彼らは登場した。
え。なんと、8人もいるじゃないか。歌、ギター2、ベース、キーボード
、リード、ドラム、打楽器という布陣。後ろに張られたバカでかい幕にも8
人が描かれているので、ここところはこの顔ぶれでライヴをやっているんだ
ろう。そして、彼らがドバーっと音を出した途端、とんでなく進化している
ことを了解。この演奏のクオリティの高さ、噴出感の見事さはなんなのだ。
前にも彼らのことをジャム・バンドと書いたことがあるが、即興の密度や熱
さがまるで違う。実は1時間半強のパフォーマンスでやった曲数はたった4
曲。しかも、2曲目の「トウデイズ・ジャム」という曲は50分くらいの尺だっ
たのだ。でも、全然あきないし、ウッキッキで見れちゃう。もう、怒濤のビ
ートに乗っていろんな楽器音やセドリックの肉声が放り出され、それらは魅
惑的な色や模様をダイナミックに描いていく。いやあこれを聞いちゃうと、
アルバムなんてままごとみたいなもの。これだけ完璧な実演なんだし、彼ら
はライヴ作品をプロダクツの柱に据えていくべき、と思わずにはいられませ
んね。
その演奏面を重視したそれはCD上だとプログレッシヴ・ロック回帰っぽ
いイメージを抱かせるのだが、生だとそういう印象は皆無。それは、実演で
はよりグルーヴィだったりソウルフルだったりするからであり、より確かな
即興性を有しているからなはず。そうした演奏に触れながらぼくが比較対象
として思い起こしたのは、フランク・ザッパ・バンドと70年代前半のマイル
ス・デイヴィスのエレクトリック・バンド。ザ・マーズ・ヴォルタは彼らが
やっていたことをオルタナ・ロックのなかでやっているという感じだ。でも
って、彼らの演奏に接しながらもっと似ているバンドがあるぞと感じつつそ
のバンド名がなかなか思い出せなかったのだが…………なんと、それはRO
VO(2004年11月19日、2006年7月7日、2006年8月27日、他)ではない
か。自分でも気づいてびっくりしたんだけど、両者の持ち味はかなり重なり
ますよ。それにしても、ザ・マーズ・ヴォルタの面々は皆うまい。とくにド
ラマー。ロックという枠のなかでエルヴィン・ジョーンズ流儀で叩いてる(
!)ような彼、近年で一番オオって感じたドラマーだな。
とかなんとか、与えられた感興や示唆は多々。別に彼らことを嘗めていた
わけではないが、まさかこんなにジャイアント・ステップするとは。やっぱ
り、何度も見ているグループでも見どころありそうな奴らは毎度チェック
しないといけないなあ。
場所は、青海・ゼップ東京。この大き目のハコで二日間やるとはいえ、入
りはよくなかった。正義はむくわれないものなのだなあ。。。。。
ザ・S.O.S.バンド
2006年11月24日 サウンド・オブ・サクセスという略なのか。MCを聞いて初めて知った。
そういやあ、ベースとするジョージア州アトランタのことを「ATL(エイ
ティーエル)、ジョージア」と紹介していたなあ。確かに、シンセ/打ち込
み音を巧みに使った表現で80年代にけっこうな成功を収めたR&Bグループ。
ジャネット・ジャクソン他、現在もトップ制作者チームとして活躍するジャ
ム&ルイスの秀でたプロデュース力をその初期に知らせたグループでもあっ
た。
丸の内・コットンクラブ(セカンド)。オリジナル・メンバーであるヴォ
ーカルのメアリー・デイヴィス(とても、若く見える)とトランペットと歌
のアブドュール・ラウーフがオリジナル・メンバーなようで、そこにサック
ス奏者、女性バッキング・ヴォーカル、二人のキーボード(ベース音も出す
)、ギター、ドラムが加わる。どの曲もプリセット音併用にて、その方策は
彼らのヒット曲の体裁を知れば納得ですね。
男性メンバーは汚すと大変だろうなという白色基調のお洒落な出で立ち。
管楽器奏者たちはそんなには吹かず、盛り上げ要員という感じもあって、女
性陣ともにフロントに位置し、4人でいろいろと振りをつけたりして、ショ
ウを盛り上げる。「日本の客は世界で最高」みたいなMCを何度も言ったり
(親身な反応受けまくりで、本当にうれしかったんだろうナ)とか話も長め
だったが、1時間50分ぐらいはやったはず。
そういやあ、ベースとするジョージア州アトランタのことを「ATL(エイ
ティーエル)、ジョージア」と紹介していたなあ。確かに、シンセ/打ち込
み音を巧みに使った表現で80年代にけっこうな成功を収めたR&Bグループ。
ジャネット・ジャクソン他、現在もトップ制作者チームとして活躍するジャ
ム&ルイスの秀でたプロデュース力をその初期に知らせたグループでもあっ
た。
丸の内・コットンクラブ(セカンド)。オリジナル・メンバーであるヴォ
ーカルのメアリー・デイヴィス(とても、若く見える)とトランペットと歌
のアブドュール・ラウーフがオリジナル・メンバーなようで、そこにサック
ス奏者、女性バッキング・ヴォーカル、二人のキーボード(ベース音も出す
)、ギター、ドラムが加わる。どの曲もプリセット音併用にて、その方策は
彼らのヒット曲の体裁を知れば納得ですね。
男性メンバーは汚すと大変だろうなという白色基調のお洒落な出で立ち。
管楽器奏者たちはそんなには吹かず、盛り上げ要員という感じもあって、女
性陣ともにフロントに位置し、4人でいろいろと振りをつけたりして、ショ
ウを盛り上げる。「日本の客は世界で最高」みたいなMCを何度も言ったり
(親身な反応受けまくりで、本当にうれしかったんだろうナ)とか話も長め
だったが、1時間50分ぐらいはやったはず。
ソニア・ローザ
2006年11月25日 なんか、とってもいい雰囲気を振りまいていたコンサート。しっかり、あ
ったかい、満たされた気分になれた。ああ、この晩の流れていたキブンをち
ゃんと伝えられないのがもどかしい。南青山・ブルノート東京、セカンド。
主役のローザさんは今回ぼくは初めて知ったが、60年代後期にブラジルか
らやってきて渡辺貞夫なんかとも絡み、ボサノヴァ普及に勤めた、けっこう
知られるシンガーのよう。ラヴリーな歌い方をし、日本語はかなりうまい。
で、27年ぶりに作ったというアルバムを下敷きにするパフォーマンスなのだ
が、人徳があるんだろうな(それは、生に触れると感じマス)サポート陣は
豪華。基本のバックバンドは生ギター(ロメロ・ルバンボ:2003年5月6日
)、電気ベース、ピアノ、サックス、ドラム(アントニオ・カルロス・ジョ
ビンのバンドで叩いていた人だそう)、パーカッションという布陣。で、そ
こにギタリストとして知られるオスカー・カストロ・ネヴィスがこの編成な
のに指揮者として加わる。で、彼は大げさなアクションで、生真面目に指揮
をする。うひゃあ、もうその姿に爆笑。だが、それは嘲笑ではなく、共感や
リスペクトを多大に持たせるもので、それを見れるだけでぼくは来たかいが
あったゾと大きく頷いたのだった。彼はピアノとギターを1曲づつ弾き、ちょ
い歌ったりもした。
で、そこにブラジルからやってきたジャイル・オリヴェイラとウィルソン
・シモニーニャ(彼も見れただけで、嬉しかった)のソウルフルでもあるシ
ンガー・ソングライター陣がステージに上がってローザとデュエットしたり
も。とか、書いていくと世話しない、顔見せ興行のような感じになるが、そ
ういうことは一切なく、終始ゆったりした円満な情緒に満ちていたのは驚異
的。それはローザをはじめ皆気持ちがあり、各々に尊敬しあう気持ちがあっ
たからと思う。素晴らしいショウでした。拍手。
ったかい、満たされた気分になれた。ああ、この晩の流れていたキブンをち
ゃんと伝えられないのがもどかしい。南青山・ブルノート東京、セカンド。
主役のローザさんは今回ぼくは初めて知ったが、60年代後期にブラジルか
らやってきて渡辺貞夫なんかとも絡み、ボサノヴァ普及に勤めた、けっこう
知られるシンガーのよう。ラヴリーな歌い方をし、日本語はかなりうまい。
で、27年ぶりに作ったというアルバムを下敷きにするパフォーマンスなのだ
が、人徳があるんだろうな(それは、生に触れると感じマス)サポート陣は
豪華。基本のバックバンドは生ギター(ロメロ・ルバンボ:2003年5月6日
)、電気ベース、ピアノ、サックス、ドラム(アントニオ・カルロス・ジョ
ビンのバンドで叩いていた人だそう)、パーカッションという布陣。で、そ
こにギタリストとして知られるオスカー・カストロ・ネヴィスがこの編成な
のに指揮者として加わる。で、彼は大げさなアクションで、生真面目に指揮
をする。うひゃあ、もうその姿に爆笑。だが、それは嘲笑ではなく、共感や
リスペクトを多大に持たせるもので、それを見れるだけでぼくは来たかいが
あったゾと大きく頷いたのだった。彼はピアノとギターを1曲づつ弾き、ちょ
い歌ったりもした。
で、そこにブラジルからやってきたジャイル・オリヴェイラとウィルソン
・シモニーニャ(彼も見れただけで、嬉しかった)のソウルフルでもあるシ
ンガー・ソングライター陣がステージに上がってローザとデュエットしたり
も。とか、書いていくと世話しない、顔見せ興行のような感じになるが、そ
ういうことは一切なく、終始ゆったりした円満な情緒に満ちていたのは驚異
的。それはローザをはじめ皆気持ちがあり、各々に尊敬しあう気持ちがあっ
たからと思う。素晴らしいショウでした。拍手。
GOMA,ビル・ラズウェル,カーシュ・カーレイ&フレンズ
2006年11月26日 住吉・ティアラ江東。フェスティヴァル・アースビートという催しのなか
の、ディジェリドゥ奏者のGOMA(2006年3月24日)のパフォーマンスを
見る。ラズウェル&カーレイ連合軍(2004年9月5日)は彼の新作『S0UL
OF RITE 』に係わったことが縁で、二人はこの仕事だけのために来日したと
いう。贅沢ね。だが、その二人が出ずっぱりなわけではなく、他に日本人の
ドラム、二人のパーカッション、ギター(エゴ・ラッピンの森雅樹)なんか
も関わり、いろんな編成にて。パーカッション陣だけがバックを付けるとき
もあり、その場合はトランス濃度の高いものになる。いっぽう、ラズウェル
たちが加わるときはダウン・テンポ調のしっとりダークなもの主体。なんに
せよ、ディジェリドゥという肉体と直結したようなプリミティヴな楽器が持
つ地に足を付けた感じや太古と繋がったような感覚が総体を導く(映像もそ
ういう感覚のものが主に付けられていた)、という言い方は出来るだろう。
実際、肉声増幅という単純な楽器ながら、GOMAのディジェリドゥは曲趣
によりいろいろな使われかたをする。
の、ディジェリドゥ奏者のGOMA(2006年3月24日)のパフォーマンスを
見る。ラズウェル&カーレイ連合軍(2004年9月5日)は彼の新作『S0UL
OF RITE 』に係わったことが縁で、二人はこの仕事だけのために来日したと
いう。贅沢ね。だが、その二人が出ずっぱりなわけではなく、他に日本人の
ドラム、二人のパーカッション、ギター(エゴ・ラッピンの森雅樹)なんか
も関わり、いろんな編成にて。パーカッション陣だけがバックを付けるとき
もあり、その場合はトランス濃度の高いものになる。いっぽう、ラズウェル
たちが加わるときはダウン・テンポ調のしっとりダークなもの主体。なんに
せよ、ディジェリドゥという肉体と直結したようなプリミティヴな楽器が持
つ地に足を付けた感じや太古と繋がったような感覚が総体を導く(映像もそ
ういう感覚のものが主に付けられていた)、という言い方は出来るだろう。
実際、肉声増幅という単純な楽器ながら、GOMAのディジェリドゥは曲趣
によりいろいろな使われかたをする。
J.T.テイラー
2006年11月27日 J.T.テイラーにはこれまで良い印象を持ったことがない。彼が所属したク
ール&ザ・ギャングはとっても好き。だが、ぼくが愛でているのは70年代中
期までのディライト時代。ようは、無骨なホーン隊を揃えてファンク・グル
ーヴを追求していた時期で、J.T.がフロントに立った70年代後期以降はがち
んこなセルフ・コンテインド・ファンク・バンドとしての矜持を捨てさった
悪夢のような時期であり、J.T.は軟弱化したクール&ザ・ギャングをアイデ
ンティファイする存在なのだ。昨年に続いての来日であり、過去にも何度も
来日しているはずだが、ぼくは今回初めて見る。前にも書いたが、ここに出
るキャリア組の実演って本当にいい気分にさせてくれるし、ぼくも大人にな
ってブラック・ミュージック観もだいぶ変わってきているから。丸の内・コ
ットンクラブ(セカンド)。
なぜか、ステージ中央に椅子が3つ置いてある。定時にバック・バンドた
ちが出てくる。立派な体躯の女性が出てきたと思ったら、彼女はなんとドラ
マー。バカみたいに力まかせの演奏はそれだけでお金が取れるかもと、ドラ
マー・フェチであるのを最近やっと気付いたぼくは思った。バッキング・バ
ンドはキーボード2、ギター、ベース、ドラムという布陣。
で、黒いスーツに白いシャツと白いネクタイをしているJ.T.が登場する。
ほう、お洒落にまとめていると思ったら、途中からモロマジなウェデイング
ドレス姿の女性たちが麗々しく出てきて椅子に座るじゃないか。へええ。彼
女たちはバッキング歌手なのだが、こういう酔狂な設定は初めて接した(P
−ファンクで女装の花嫁姿のおバカさん;アンドレ・フォックスはいたが、
それとはあまりに位相がちがいます)。フフフフ。絶対にロックではありえ
ない、ソウル実演の美学。最初はサングラスをしていたJ.T.の風体はなんか
小柄なフィリップ・ベイリーという感じだが,サングラスを取ると腫れぼっ
たい垂れ目があってああJ.T.だァとなる。ファンではないぼくでも、人気者
だった彼の顔ぐらいは知っている。でもって、ヒットした曲が多かったよう
で聞いたことがある曲が多いな。大ヒット曲「ジョアンナ」はもろにホール
&オーツの曲みたいだった。
数曲やって、コーラス隊とJ.T.は一度ステージを去る。で、お召し替えの
間バンドはぼくが心酔する旧時代の曲をインストでする(「ジャングル・ブ
ギー」だったかな。高揚の繰り返しでわすれちゃった)。興味深かったのは
、ギター奏者が途中で用いたエフェクター。口に管をくわえないのに、フッ
トペダルのコントロールだけでヴォイス・モジュレイター音を出していた(
判らない人は?だろうが、しょうがない。車に縁がない人にマニュアル・シ
フトとオートマの説明をするようなものだから)。今、そういうエフェクタ
ーもあるのか?
聖から俗へ。戻って来たヴォーカル陣は黒色基調で、ちょい悪オヤジとミ
ニスカのビッチという出で立ち。で、4人はそろって愛嬌ある振りをつけま
くり。また、ときにセックスを想起させる絡みをしたり、女性陣は腰をブン
ブン振ったり。これもR&Bショウの醍醐味なり。客も、大沸き。それから
途中で4人はマスクとマントを身につけ、シアトリカルにパフォーマンスし
たりも。喜んでもらえることだったら何でもやります……ほんと、あんたた
ちは偉いっ。
締めは、80年全米1位曲「セブレイション」。全然いい印象がない曲だったが、鬼のようにキャッチーな好曲でびっくり。ライヴでは途中で、ゴスペル調になる。どんな歌詞を持つのか知らないが、ゴスペル的祝福曲が都会的にコペルニクス的展開をすると、こんな曲になるのかと思わせるものがあったな。グッド・ニューズ! ぼくはなぜか福音に触れた気持ちになり、えも言われぬ気持ちになった。
ぼくはライヴに行き、また極上な心持ちを得てしまった。
ール&ザ・ギャングはとっても好き。だが、ぼくが愛でているのは70年代中
期までのディライト時代。ようは、無骨なホーン隊を揃えてファンク・グル
ーヴを追求していた時期で、J.T.がフロントに立った70年代後期以降はがち
んこなセルフ・コンテインド・ファンク・バンドとしての矜持を捨てさった
悪夢のような時期であり、J.T.は軟弱化したクール&ザ・ギャングをアイデ
ンティファイする存在なのだ。昨年に続いての来日であり、過去にも何度も
来日しているはずだが、ぼくは今回初めて見る。前にも書いたが、ここに出
るキャリア組の実演って本当にいい気分にさせてくれるし、ぼくも大人にな
ってブラック・ミュージック観もだいぶ変わってきているから。丸の内・コ
ットンクラブ(セカンド)。
なぜか、ステージ中央に椅子が3つ置いてある。定時にバック・バンドた
ちが出てくる。立派な体躯の女性が出てきたと思ったら、彼女はなんとドラ
マー。バカみたいに力まかせの演奏はそれだけでお金が取れるかもと、ドラ
マー・フェチであるのを最近やっと気付いたぼくは思った。バッキング・バ
ンドはキーボード2、ギター、ベース、ドラムという布陣。
で、黒いスーツに白いシャツと白いネクタイをしているJ.T.が登場する。
ほう、お洒落にまとめていると思ったら、途中からモロマジなウェデイング
ドレス姿の女性たちが麗々しく出てきて椅子に座るじゃないか。へええ。彼
女たちはバッキング歌手なのだが、こういう酔狂な設定は初めて接した(P
−ファンクで女装の花嫁姿のおバカさん;アンドレ・フォックスはいたが、
それとはあまりに位相がちがいます)。フフフフ。絶対にロックではありえ
ない、ソウル実演の美学。最初はサングラスをしていたJ.T.の風体はなんか
小柄なフィリップ・ベイリーという感じだが,サングラスを取ると腫れぼっ
たい垂れ目があってああJ.T.だァとなる。ファンではないぼくでも、人気者
だった彼の顔ぐらいは知っている。でもって、ヒットした曲が多かったよう
で聞いたことがある曲が多いな。大ヒット曲「ジョアンナ」はもろにホール
&オーツの曲みたいだった。
数曲やって、コーラス隊とJ.T.は一度ステージを去る。で、お召し替えの
間バンドはぼくが心酔する旧時代の曲をインストでする(「ジャングル・ブ
ギー」だったかな。高揚の繰り返しでわすれちゃった)。興味深かったのは
、ギター奏者が途中で用いたエフェクター。口に管をくわえないのに、フッ
トペダルのコントロールだけでヴォイス・モジュレイター音を出していた(
判らない人は?だろうが、しょうがない。車に縁がない人にマニュアル・シ
フトとオートマの説明をするようなものだから)。今、そういうエフェクタ
ーもあるのか?
聖から俗へ。戻って来たヴォーカル陣は黒色基調で、ちょい悪オヤジとミ
ニスカのビッチという出で立ち。で、4人はそろって愛嬌ある振りをつけま
くり。また、ときにセックスを想起させる絡みをしたり、女性陣は腰をブン
ブン振ったり。これもR&Bショウの醍醐味なり。客も、大沸き。それから
途中で4人はマスクとマントを身につけ、シアトリカルにパフォーマンスし
たりも。喜んでもらえることだったら何でもやります……ほんと、あんたた
ちは偉いっ。
締めは、80年全米1位曲「セブレイション」。全然いい印象がない曲だったが、鬼のようにキャッチーな好曲でびっくり。ライヴでは途中で、ゴスペル調になる。どんな歌詞を持つのか知らないが、ゴスペル的祝福曲が都会的にコペルニクス的展開をすると、こんな曲になるのかと思わせるものがあったな。グッド・ニューズ! ぼくはなぜか福音に触れた気持ちになり、えも言われぬ気持ちになった。
ぼくはライヴに行き、また極上な心持ちを得てしまった。
サウス
2006年11月28日 DJミュージック・レーベルであるモ・ワックスが契約したロック・バン
ドとして、98年デヴュー時に騒がれたこともあったロンドンをベースとする
バンド。その後、発売元は二転しているわけだが。渋谷・クラブクアトロ。
3人組なはずだが、5人にてパフォーマンスする。その仲良さそうな、和気
あいあいとした風情はなかなか良かった。
ベースが主で、ときに生ギターを持って歌うヴォーカル君はアンコール時
の2曲は完全生ギター弾き語りにて。彼が醸しだすシンガー・ソングライタ
ー的佇まい(曲は共作のようだが)に、広がりあるバンド・サウンドが寄り
添うという感じもライヴ実演ではある。そのバンドの音はニュー・オーダー
ぽいときが散見され、彼らの大きなインスピレーションのもとになっている
よう。あと、初期トラフィックとすこしかする場合もあったかな。メロディ
アスな方向を求めると少女趣味的と言いたくなるスウィートネスを感じさせ
たりしてちょい退かせるが、比較的いいバンドだと感じる。
ドとして、98年デヴュー時に騒がれたこともあったロンドンをベースとする
バンド。その後、発売元は二転しているわけだが。渋谷・クラブクアトロ。
3人組なはずだが、5人にてパフォーマンスする。その仲良さそうな、和気
あいあいとした風情はなかなか良かった。
ベースが主で、ときに生ギターを持って歌うヴォーカル君はアンコール時
の2曲は完全生ギター弾き語りにて。彼が醸しだすシンガー・ソングライタ
ー的佇まい(曲は共作のようだが)に、広がりあるバンド・サウンドが寄り
添うという感じもライヴ実演ではある。そのバンドの音はニュー・オーダー
ぽいときが散見され、彼らの大きなインスピレーションのもとになっている
よう。あと、初期トラフィックとすこしかする場合もあったかな。メロディ
アスな方向を求めると少女趣味的と言いたくなるスウィートネスを感じさせ
たりしてちょい退かせるが、比較的いいバンドだと感じる。