新木場・スタジオコ−スト。前回のホール公演(2004年10月4日)のとき
と同じように、前座がついてのもの。

 その前座は、在NYのインスト・デュオ、ラタタット。大味なトラック音
を流しつつ、当人たちはギターとベース(だと、思う。あまりに混んでてス
テージが見づらいのと照明が暗いのとで、一人のほうの持っている楽器がギ
タ−かベースかいまいち判別できず)を弾く。で、これがセンチなマイナー
・キー基調の泣き曲のもと、大泣きのメロデイ/フレイズを見栄を切りつつ
まったりと綴って行くのだ。あまりバックトラックとの有機的な絡みはなく
、印象としてはカラオケをバックに自慰的にブライアン・メイ(クイーン)
ぽいギター・ソロを弾いているという印象。ビョークもファンでその2作目
となる新作は彼女のスタジオで録音されたとういう触れ込みだが、ぼくには
そのアルバム同様に古臭くチープな音の面白さが分からなかった。このあと
、彼らはオセアニア・ツアーに出向くようだ。

 で、モグワイ・フロム・スコッランド。繰り返しになるが、都内スタンデ
ィング系ヴェニューのなかでも最も広いだろう会場はぱんぱん。明日もリキ
ッドルームでやるし、本当に支持者がついているのだナと実感する。でもっ
て、観客のマナーにも感心。淡々と送り出される幽玄インストを息をひそめ
てじっくり聞いて、サイケに音が沸き上がるときには大いに沸く。海外では
なかなかそうは行かないだろう。モグワイにとって日本のオーディエンスは
最良の客ではないのか。肝心の演奏も、大き目のハコに見合う威厳のような
ものがありスケールがデカくなっているな。照明も凝ってはいないが大バコ
に合うもので、ミラーボールを使用したときもあるがここのミラーボールは
デカいので映えてた。ここのところの新機軸である、ときに披露されるヴォ
ーカル曲もちゃんと歌えていて、魅力的に思えた。