渡辺貞夫(サラ・タヴァレス)
2006年10月4日 普段やることが多い、日本人ミュージシャン(に、プラスしてセネガル出
身のパーカッション奏者)を率いてのもの。うち、ギターとベースはJ&B
(2001年6月13日、2003年8月28日)のお二人。わりと軽快な
フュージョン的ノリによるものだが、そういう行き方で人気を得た彼だけに
ハマっているナと実感。いろいろと、いい曲持っているもんな。
六本木・スイートベイジル139 にて、2部構成によるもの。後半に出てき
たときの渡辺貞夫(2006年9月3日、他)の第一声は、「まだ0対0ですよ」。
この日は対ガーナとのサッカー国際親善試合の日。すごくサッカーに入れ込
んでいるらしくて、彼はドイツにもワールド・カップを見に行ったようだ。
その後半はカボ・ヴェルテ(セザリア・エヴォラで知られるようになった
、西アフリカのセネガルの横にぽっかりある島国群ですね。なんでもエヴォ
ラが言うには、「日本とは交流があったのよ。かつて漁業関連会社があって
日本人が住んでいた。だから、日本人の父を持つ子供も沢山いるわ(笑)」
)出身の両親を持つポルトガル生まれの女性歌手のサラ・タヴァレスがゲス
ト入り。彼女のアルバムはエヴォラをもっと若くしなやかにして、広がりを
持たせたような感じで凄く良い。アルバムで表出していたそよ風のようなと
言いたくなる妙味を全面的にアピールというわけにはいかなかったが、うき
うきしながら聞けたナ。彼女は自分の曲と渡辺貞夫の曲を数曲歌った。うち
、アンコールで歌ったのは、渡辺の「マイ・ディア・ライフ」。スクイーズ
の「テンプテッド」(オリジナルで歌っていて、ソロになってからもこの曲
を取り上げているポール・キャラックの曲だとぼくはずっと思いこんでいた
のだが、今回調べたらクリス・ディフォードとグレン・テルブルック:2005
年8月8日の共作だったのねー。あららあ)ともちょい持ち味が重なるスピ
リチュアルな味を持つ名曲。カボ・ヴェルテはポルトガル語が公用語だが、
彼女は英語でMCしていた。
彼女の歌を聞きながら、実は渡辺貞夫って自分のイヴェントでいろいろと
変な人(ではなく、見どころ聞きどころある人)をめざとく呼んできている
よナとも思う。80年代中期のアフリカ・バンバータ以降、いろいろと。
蛇足だが、この日は父の命日。この10月1日には一周忌法要を終えて一段
落。ふう。決して音楽嫌いの父ではなかったけど(音感とかは、ぼくより良
かったはず)、彼は音楽べったりのぼくの生活をどう考えていたのかな?
あまり、親とはコミュニケーション取っていなかったから……。3時すぎま
で六本木で知人と飲み、タクシーで帰宅しようとしたら懐かしい知り合いか
ら電話があってそのまま中目黒に。そして、朝まで。やんちゃな生活いつま
で続くかなーと思いつつ、なんとなく続いてるなー。
身のパーカッション奏者)を率いてのもの。うち、ギターとベースはJ&B
(2001年6月13日、2003年8月28日)のお二人。わりと軽快な
フュージョン的ノリによるものだが、そういう行き方で人気を得た彼だけに
ハマっているナと実感。いろいろと、いい曲持っているもんな。
六本木・スイートベイジル139 にて、2部構成によるもの。後半に出てき
たときの渡辺貞夫(2006年9月3日、他)の第一声は、「まだ0対0ですよ」。
この日は対ガーナとのサッカー国際親善試合の日。すごくサッカーに入れ込
んでいるらしくて、彼はドイツにもワールド・カップを見に行ったようだ。
その後半はカボ・ヴェルテ(セザリア・エヴォラで知られるようになった
、西アフリカのセネガルの横にぽっかりある島国群ですね。なんでもエヴォ
ラが言うには、「日本とは交流があったのよ。かつて漁業関連会社があって
日本人が住んでいた。だから、日本人の父を持つ子供も沢山いるわ(笑)」
)出身の両親を持つポルトガル生まれの女性歌手のサラ・タヴァレスがゲス
ト入り。彼女のアルバムはエヴォラをもっと若くしなやかにして、広がりを
持たせたような感じで凄く良い。アルバムで表出していたそよ風のようなと
言いたくなる妙味を全面的にアピールというわけにはいかなかったが、うき
うきしながら聞けたナ。彼女は自分の曲と渡辺貞夫の曲を数曲歌った。うち
、アンコールで歌ったのは、渡辺の「マイ・ディア・ライフ」。スクイーズ
の「テンプテッド」(オリジナルで歌っていて、ソロになってからもこの曲
を取り上げているポール・キャラックの曲だとぼくはずっと思いこんでいた
のだが、今回調べたらクリス・ディフォードとグレン・テルブルック:2005
年8月8日の共作だったのねー。あららあ)ともちょい持ち味が重なるスピ
リチュアルな味を持つ名曲。カボ・ヴェルテはポルトガル語が公用語だが、
彼女は英語でMCしていた。
彼女の歌を聞きながら、実は渡辺貞夫って自分のイヴェントでいろいろと
変な人(ではなく、見どころ聞きどころある人)をめざとく呼んできている
よナとも思う。80年代中期のアフリカ・バンバータ以降、いろいろと。
蛇足だが、この日は父の命日。この10月1日には一周忌法要を終えて一段
落。ふう。決して音楽嫌いの父ではなかったけど(音感とかは、ぼくより良
かったはず)、彼は音楽べったりのぼくの生活をどう考えていたのかな?
あまり、親とはコミュニケーション取っていなかったから……。3時すぎま
で六本木で知人と飲み、タクシーで帰宅しようとしたら懐かしい知り合いか
ら電話があってそのまま中目黒に。そして、朝まで。やんちゃな生活いつま
で続くかなーと思いつつ、なんとなく続いてるなー。
マイケル・フランティ
2006年10月5日 シスコをベースとする、男気あふれるアーティスト。2000年8月12日、同
16日、2003年7月27日に続いて、彼のライヴは見る。あと、90年代中期に
プロモーション来日したことがあって(格好良かった。当時、キャピトルと
スピアヘッドとして契約した彼は同社の社長マターの一推しアーティストだ
った。まるで、それはアリスタ設立時のギル・スコット・ヘロンの扱いのよ
うに、と言う事が出来るか)、インタヴューしたことがあった。そのとき、
小さなライヴ・ハウスに飛び入りしてちょいパフォーマンスした、なんて話
も聞いたことがあるような気もするが、ぼくは見ていない。
ギター、ベース(超レゲエ仕様の弾き方)、ドラム、キーボードを従えて
のパフォーマンス。本人はギター(生ギターも)を持ったりもたなかったり
。途中にしっかりと、「上を向いて歩こう」を日本語中心でやったりも。よ
り、レゲエっぽく、多少ロックぽくという行き方は、アンタイと契約しての
新作と同じ行き方ですね。
恵比寿・リッキッドルーム。前回のフジ・ロック出演時ほどは凄くなかっ
たが、やっぱり今トップ級に訴求力のあるライヴ・パフォーマンスをする人
物。どーしてぼくは音楽を愛好し続けているのかという問いに対する答えを
しっかりと返しているような実演ではあったもの。ポップ・ミュージックべ
ったりという感じでかなり歪んだ人生をこれまで歩んできているワタシだが、
それでもいいんぢゃんとも思わさせられたかな? かつてぼくは現役で絶対
服従のバンドはフィッシュボーンと言っていた(彼らを見捨てたわけではな
いけど。アンジェロ・ムーアの05年ソロ・アルバムは本当に素晴らしい出来
だ)が、今なら、それはまずフランティになるかな、な〜んてこともぼくは
発汗した頭のなかで思った。
16日、2003年7月27日に続いて、彼のライヴは見る。あと、90年代中期に
プロモーション来日したことがあって(格好良かった。当時、キャピトルと
スピアヘッドとして契約した彼は同社の社長マターの一推しアーティストだ
った。まるで、それはアリスタ設立時のギル・スコット・ヘロンの扱いのよ
うに、と言う事が出来るか)、インタヴューしたことがあった。そのとき、
小さなライヴ・ハウスに飛び入りしてちょいパフォーマンスした、なんて話
も聞いたことがあるような気もするが、ぼくは見ていない。
ギター、ベース(超レゲエ仕様の弾き方)、ドラム、キーボードを従えて
のパフォーマンス。本人はギター(生ギターも)を持ったりもたなかったり
。途中にしっかりと、「上を向いて歩こう」を日本語中心でやったりも。よ
り、レゲエっぽく、多少ロックぽくという行き方は、アンタイと契約しての
新作と同じ行き方ですね。
恵比寿・リッキッドルーム。前回のフジ・ロック出演時ほどは凄くなかっ
たが、やっぱり今トップ級に訴求力のあるライヴ・パフォーマンスをする人
物。どーしてぼくは音楽を愛好し続けているのかという問いに対する答えを
しっかりと返しているような実演ではあったもの。ポップ・ミュージックべ
ったりという感じでかなり歪んだ人生をこれまで歩んできているワタシだが、
それでもいいんぢゃんとも思わさせられたかな? かつてぼくは現役で絶対
服従のバンドはフィッシュボーンと言っていた(彼らを見捨てたわけではな
いけど。アンジェロ・ムーアの05年ソロ・アルバムは本当に素晴らしい出来
だ)が、今なら、それはまずフランティになるかな、な〜んてこともぼくは
発汗した頭のなかで思った。
横浜ジャズプロムナード
2006年10月8日 毎年、行われている地域空間型ジャズ・フェスティヴァル(2001年10月
6日、2004年10月10日)。パンフを見ると本当に演奏の場所と出演者、
多いものなあ。今回はみなとみらい駅で降りたが、あっちこちでフリー・ラ
イヴをやっている。ちょっと覗いた横浜みなとみらいホールはクラシック用
途のそれでとても立派。でも、今年はホール公演群はパスにして、ジャズ・
クラブをまわる。出入り自由の提携店もいろいろあり(25店)、横浜にもジ
ャズ・ライヴを見せる場がけっこうあるのにはびっくり。エアジンなんかは
それに混ざっていないから、実際はもっとあるのだろうけど。
ちなみに、この日は競馬をやっている日。野毛にあるドルフィーとダウン
ビートに行こうと思ったのだが、場外馬券場があるためおっさんどもが昼間
から溢れていて(競馬とはなんの縁もない者にとっては)なかなかに強烈。
昔、何度かこの辺で飲んだことはあるがこんなにディープだったっけか?
うひょ。奥のほうにあるドルフィーでは井上淑彦(リード)とつの犬(ドラ
ム)のデュオを見る。まあ、見やすい感じのハコ。歴史ありそうな感じもあ
ったが、パンフを見たら1990年開店なので、そんなに古いハコではないのだ
ナ。1曲目にやった曲は二人が組んでいるフューズというグループの曲らし
いが、BS&Tの「スピニング・ホイール」に似ていると思った。MCのマ
イク以外は生音だったのか。
そして、少し桜木町駅のほうに戻って、ダウンビート。とっても場所が見
つからなくて困ったが、なかなかに感興を与えるハコ(パンフ見たら、1956
年開店とある。まさかこの場所から始まったのではないだろうが……)。か
なり小さなハコながらちゃんとグランド・ピアノが置いてあり、狭いステー
ジに向かって椅子とテーブルが横に並んでいる。なんか、古い良き時代のジ
ャズ・クラブという感じはむんむん、且つ無条件で日々の営業ごくろう様で
すと言いたくなる雰囲気を持っている。出演はNY在住のピアニストである
早間美紀が若い日本人リズム・セクションとチャック・スティーヴンスとい
う白人ギタリストを伴ってのもの。真摯なジャズ。早間はもっとリズムに鋭
敏なセンスを出せればとも思うが、秀でた弾き手に必要な自覚を持つ奏者だ
と思う。近く出る、トリオによる新作もそう思わせられる。演奏の始まりと
終わりにおじさんが出演者のどうってことない、でもなんか和める紹介をす
る。それも、(日本的に)老舗らしい?
ご飯を食べたあと、もう一軒。馬車道にあるKAMOME live matters という
お店へ。こちらは開店して2年とかで、今様。広さもそこそこあり、飲み物
や食べ物もいろいろサーヴするようだし、テーブル席のほかにソファー席も
あったりする。店の外に演奏音が漏れていたが、夜のオフィス街だとそれで
も問題ないのか。出演者はハーモニカ奏者の今出宏のグループ。で、ジャズ
/フュージョン的なハーモニー感覚を少し経由した、笑える歌謡ラテンをや
っててびっくり。演目は「伊勢佐木町ブルース」、他。アゲアゲのパートになる
とサンタナ濃度が強まったりも。前はジャミロクワイ的とも少し言えそうな
ファンク・ポップをやっていたという記憶があるが、最近はこういう路線で
行っているの? MCで28才と紹介されていた和泉聡志というギタリストは
ソロでやるパートを与えられていたが、ベタな歌謡ムード曲をもろなジミヘ
ン・マナーで炸裂させて大笑い。こういうギタリストがいるからこそのグル
ープの方向性?
いろんなライヴ・ヴェニューをハシゴできて有意義でした。
6日、2004年10月10日)。パンフを見ると本当に演奏の場所と出演者、
多いものなあ。今回はみなとみらい駅で降りたが、あっちこちでフリー・ラ
イヴをやっている。ちょっと覗いた横浜みなとみらいホールはクラシック用
途のそれでとても立派。でも、今年はホール公演群はパスにして、ジャズ・
クラブをまわる。出入り自由の提携店もいろいろあり(25店)、横浜にもジ
ャズ・ライヴを見せる場がけっこうあるのにはびっくり。エアジンなんかは
それに混ざっていないから、実際はもっとあるのだろうけど。
ちなみに、この日は競馬をやっている日。野毛にあるドルフィーとダウン
ビートに行こうと思ったのだが、場外馬券場があるためおっさんどもが昼間
から溢れていて(競馬とはなんの縁もない者にとっては)なかなかに強烈。
昔、何度かこの辺で飲んだことはあるがこんなにディープだったっけか?
うひょ。奥のほうにあるドルフィーでは井上淑彦(リード)とつの犬(ドラ
ム)のデュオを見る。まあ、見やすい感じのハコ。歴史ありそうな感じもあ
ったが、パンフを見たら1990年開店なので、そんなに古いハコではないのだ
ナ。1曲目にやった曲は二人が組んでいるフューズというグループの曲らし
いが、BS&Tの「スピニング・ホイール」に似ていると思った。MCのマ
イク以外は生音だったのか。
そして、少し桜木町駅のほうに戻って、ダウンビート。とっても場所が見
つからなくて困ったが、なかなかに感興を与えるハコ(パンフ見たら、1956
年開店とある。まさかこの場所から始まったのではないだろうが……)。か
なり小さなハコながらちゃんとグランド・ピアノが置いてあり、狭いステー
ジに向かって椅子とテーブルが横に並んでいる。なんか、古い良き時代のジ
ャズ・クラブという感じはむんむん、且つ無条件で日々の営業ごくろう様で
すと言いたくなる雰囲気を持っている。出演はNY在住のピアニストである
早間美紀が若い日本人リズム・セクションとチャック・スティーヴンスとい
う白人ギタリストを伴ってのもの。真摯なジャズ。早間はもっとリズムに鋭
敏なセンスを出せればとも思うが、秀でた弾き手に必要な自覚を持つ奏者だ
と思う。近く出る、トリオによる新作もそう思わせられる。演奏の始まりと
終わりにおじさんが出演者のどうってことない、でもなんか和める紹介をす
る。それも、(日本的に)老舗らしい?
ご飯を食べたあと、もう一軒。馬車道にあるKAMOME live matters という
お店へ。こちらは開店して2年とかで、今様。広さもそこそこあり、飲み物
や食べ物もいろいろサーヴするようだし、テーブル席のほかにソファー席も
あったりする。店の外に演奏音が漏れていたが、夜のオフィス街だとそれで
も問題ないのか。出演者はハーモニカ奏者の今出宏のグループ。で、ジャズ
/フュージョン的なハーモニー感覚を少し経由した、笑える歌謡ラテンをや
っててびっくり。演目は「伊勢佐木町ブルース」、他。アゲアゲのパートになる
とサンタナ濃度が強まったりも。前はジャミロクワイ的とも少し言えそうな
ファンク・ポップをやっていたという記憶があるが、最近はこういう路線で
行っているの? MCで28才と紹介されていた和泉聡志というギタリストは
ソロでやるパートを与えられていたが、ベタな歌謡ムード曲をもろなジミヘ
ン・マナーで炸裂させて大笑い。こういうギタリストがいるからこそのグル
ープの方向性?
いろんなライヴ・ヴェニューをハシゴできて有意義でした。
ロブ・ヴァン・バヴェル・トリオ
2006年10月11日 オランダ人たちによるピアノ・トリオを、南青山・ボディ&ソウルで見る
。リーダーのバヴェルは40才ちょいで、オランダでは教鞭業でも活躍してい
るらしているらしい。なるほど、適切に指が動き、適切にスウィンギンで奔
放な演奏はジャズ・ピアニスト予備軍にはかなり“有り難い参考書”となる
のではないか。生理的に優しく、明解。演目は有名スタンダードが主、それ
をきちんと自分たちであらんと崩して演奏する。左利き(のセットを組んで
いた)ドラマーは71才らしいが、とっても興味深い。なんか音の感じが違う
なあと思ったら、4枚使っているシンバルのうち3枚が鋲打ち。そんな設定
にもあらわれているように、叩き出すビートもオイラの主張に富んだもので
、普段ロックしか聞かない人にはジャズ・ドラムとしか聞こえないだろうが
、ジャズを知っている人にはかなり異なる感触を与えるものだったに違いな
い。音響的(笑い)でもあり、けっこう“立った”感触もあるドラミングを
披露する彼は、ピアノ奏者とベース奏者(彼もピアノと同年代か)が丹精で
生真面目そうな人達だけに対比もあってやんちゃな人に見えた。なんか、ハ
ンス・ダルファーと同じ匂いを発するというか。……ジャズはドラムで決ま
る。ジャズにはそんな格言もあるが、そういう意味でもバヴェルの表現はジ
ャズ入門者への適切なメッセージを含んでいたかもしれない。
。リーダーのバヴェルは40才ちょいで、オランダでは教鞭業でも活躍してい
るらしているらしい。なるほど、適切に指が動き、適切にスウィンギンで奔
放な演奏はジャズ・ピアニスト予備軍にはかなり“有り難い参考書”となる
のではないか。生理的に優しく、明解。演目は有名スタンダードが主、それ
をきちんと自分たちであらんと崩して演奏する。左利き(のセットを組んで
いた)ドラマーは71才らしいが、とっても興味深い。なんか音の感じが違う
なあと思ったら、4枚使っているシンバルのうち3枚が鋲打ち。そんな設定
にもあらわれているように、叩き出すビートもオイラの主張に富んだもので
、普段ロックしか聞かない人にはジャズ・ドラムとしか聞こえないだろうが
、ジャズを知っている人にはかなり異なる感触を与えるものだったに違いな
い。音響的(笑い)でもあり、けっこう“立った”感触もあるドラミングを
披露する彼は、ピアノ奏者とベース奏者(彼もピアノと同年代か)が丹精で
生真面目そうな人達だけに対比もあってやんちゃな人に見えた。なんか、ハ
ンス・ダルファーと同じ匂いを発するというか。……ジャズはドラムで決ま
る。ジャズにはそんな格言もあるが、そういう意味でもバヴェルの表現はジ
ャズ入門者への適切なメッセージを含んでいたかもしれない。
アメル・ラリュー
2006年10月13日 元グルーヴ・セオリー(10年前以上のグループ、どのぐらい人が記憶に止
めているか。なんて書くのは、ぼくにとってあまりピンと来るグループでは
なかったからか)の、才気走った流動系R&B表現を追求しているオルタナ派
の黒人女性シンガー。過去の項(2000年6月13日、2004年5月10日)で
はアメール・ラリューと記してきたけど、新譜表記(その『モーニング』は
かなりの出来と思う)とかアメルになっているので今回はそれに従う。丸の
内・コットンクラブ、セカンド・ショウ。
おお、相変わらず、スキャットかましまくり。いや、その全体表現に占め
る割合は過去以上か。歌う曲もぬめぬめしたメロディ/質感を持つものゆえ
、そういう印象はより増幅される。彼女は普通に歌っている場合も肉声の多
重効果を求めるために、バッキング・コーラス担当者との絡みを鋭意求めた
りもする。繰り返すが、スキャット活用頻度は普通のジャズ・シンガー以上
だろう。だが、彼女は今のビート、今のネオ・ソウル的感性と繋がりを持っ
た設定のなかで、それを延々としようとする。だからこそ、ジャズ・ヴォー
カルとは一線を画す妙味や今の先鋭R&Bとしての輝きが出る……というわけ。
00年のときのように不可解なエフェクトをヴォーカルにかますこともなかっ
たし、04年時のように過剰に気張って聞く者を退かせることもなく、そうし
た彼女のクールな目論見はかなりいい感じで出されていたのではないか。
そんな好印象を引き出したのはバッキング・ミュージシャンの質が高か
ったせいもあったと思う。バンドはベース、ドラム、キーボードという簡素
な編成ながらきっちりとグルーヴと間(ま)を併せ持つサウンドを出してい
たし、多少年配の女性バッキング・シンガーも確かな音程でラリューをサポ
ートしていた。多彩な音色や奏法により小人数であることをカヴァーしよう
としていたベース奏者(ジェフリー・コナー)はかつてのスティーヴィ・サ
ラス(2004年8月3日参照)のアルバムに名前が見られる人だが、あまり名
前は有名ではないものの、それぞれに確かな仕事をしてきている人達であろ
うと推測する。
めているか。なんて書くのは、ぼくにとってあまりピンと来るグループでは
なかったからか)の、才気走った流動系R&B表現を追求しているオルタナ派
の黒人女性シンガー。過去の項(2000年6月13日、2004年5月10日)で
はアメール・ラリューと記してきたけど、新譜表記(その『モーニング』は
かなりの出来と思う)とかアメルになっているので今回はそれに従う。丸の
内・コットンクラブ、セカンド・ショウ。
おお、相変わらず、スキャットかましまくり。いや、その全体表現に占め
る割合は過去以上か。歌う曲もぬめぬめしたメロディ/質感を持つものゆえ
、そういう印象はより増幅される。彼女は普通に歌っている場合も肉声の多
重効果を求めるために、バッキング・コーラス担当者との絡みを鋭意求めた
りもする。繰り返すが、スキャット活用頻度は普通のジャズ・シンガー以上
だろう。だが、彼女は今のビート、今のネオ・ソウル的感性と繋がりを持っ
た設定のなかで、それを延々としようとする。だからこそ、ジャズ・ヴォー
カルとは一線を画す妙味や今の先鋭R&Bとしての輝きが出る……というわけ。
00年のときのように不可解なエフェクトをヴォーカルにかますこともなかっ
たし、04年時のように過剰に気張って聞く者を退かせることもなく、そうし
た彼女のクールな目論見はかなりいい感じで出されていたのではないか。
そんな好印象を引き出したのはバッキング・ミュージシャンの質が高か
ったせいもあったと思う。バンドはベース、ドラム、キーボードという簡素
な編成ながらきっちりとグルーヴと間(ま)を併せ持つサウンドを出してい
たし、多少年配の女性バッキング・シンガーも確かな音程でラリューをサポ
ートしていた。多彩な音色や奏法により小人数であることをカヴァーしよう
としていたベース奏者(ジェフリー・コナー)はかつてのスティーヴィ・サ
ラス(2004年8月3日参照)のアルバムに名前が見られる人だが、あまり名
前は有名ではないものの、それぞれに確かな仕事をしてきている人達であろ
うと推測する。
ザ・バーケイズ
2006年10月18日 オーティス・レディングのバック・バンドをやっていて、67年にオーティ
スがツアー中に飛行機事故で亡くなったときも同乗していたメンフィス出身
のバンド。が、運良く飛行機に乗っていなかったベーシストのジェイムズ・
アレクサンダーらを中心にその後もバンドを維持。ブラック・ロック的スタ
ンスを打ち出したスタックス/ヴォルト時代を経て、マーキューリーと契約
していた70年代中期からの約10年間がシングル・ヒットもいろいろと出て、
バンドの黄金期ということが出来るのか。この晩やった演目はほんとんどそ
の時期の曲だったはず。丸の内・コットンクラブ、セカンド・ショウ。
派手な格好をした二人、アレクサンダーと事故後にバンド入りたラリー“
D”ドッドソンの古参(意外に、二人ともそんなに爺に見えない)を中心に
、もう一人のヴォーカル、ギター、ベース、キーボード二人、ドラムが一丸
となってサウンドと歌を送りだす。けっこうがちんこなノリ、ぐいぐい感あ
り。なんか、無条件に鼓舞するところもありましたね。客(ぼくも男友達と
見にいったのだが、なんか男性占有率がとても高かったような……)が立ち
上がる速さと頻度はコットンクラブのソウル・ショーのなかでもトップクラ
スではなかったか。
曲はほとんど切れ目なしに。また、曲によってはフロントに立つ4人が一
緒にポーズを付けたりして、それでまた客が沸く。先にゴツゴツと書いたが
、屈強であってもちゃんとメロディを持っているのが黄金期ザ・バー・ケイ
ズ・ファンクのポイント。そこらへんが、JBに代表される王道ファンクと
は大きく異なる。かつ、ビートが前のめりにカツカツと進んでいく曲も少な
くなく、それはプリンスのポップ・ファンク・ビートとのほのかな近似性を
感じさせたりもする。という具合で、やっぱり偉大な個性を有したバンドで
あることも再確認でき、うふふ。そういえば、この日は初日だったのだが、
ステージ横にはコワそうなオヤジ(マネージャーか)が座ってしっかり演奏
にチェック入れつつ、見守っていたな。それもショービズのまっとうな側面
ですね。芸人らしくしっかり物販をMCでアピール、メンバーたちは終演後
しっかりと御買上の方々相手にサイン会をやっていた。
終わって上機嫌。銀座のすずらん通りにある二つのソウル・クラブに流れ
る。他にもソウル・バーみたいなのもあったし、普段はあまり縁がないけど
銀座にもいっぱいそーゆーのあるのだなー。
スがツアー中に飛行機事故で亡くなったときも同乗していたメンフィス出身
のバンド。が、運良く飛行機に乗っていなかったベーシストのジェイムズ・
アレクサンダーらを中心にその後もバンドを維持。ブラック・ロック的スタ
ンスを打ち出したスタックス/ヴォルト時代を経て、マーキューリーと契約
していた70年代中期からの約10年間がシングル・ヒットもいろいろと出て、
バンドの黄金期ということが出来るのか。この晩やった演目はほんとんどそ
の時期の曲だったはず。丸の内・コットンクラブ、セカンド・ショウ。
派手な格好をした二人、アレクサンダーと事故後にバンド入りたラリー“
D”ドッドソンの古参(意外に、二人ともそんなに爺に見えない)を中心に
、もう一人のヴォーカル、ギター、ベース、キーボード二人、ドラムが一丸
となってサウンドと歌を送りだす。けっこうがちんこなノリ、ぐいぐい感あ
り。なんか、無条件に鼓舞するところもありましたね。客(ぼくも男友達と
見にいったのだが、なんか男性占有率がとても高かったような……)が立ち
上がる速さと頻度はコットンクラブのソウル・ショーのなかでもトップクラ
スではなかったか。
曲はほとんど切れ目なしに。また、曲によってはフロントに立つ4人が一
緒にポーズを付けたりして、それでまた客が沸く。先にゴツゴツと書いたが
、屈強であってもちゃんとメロディを持っているのが黄金期ザ・バー・ケイ
ズ・ファンクのポイント。そこらへんが、JBに代表される王道ファンクと
は大きく異なる。かつ、ビートが前のめりにカツカツと進んでいく曲も少な
くなく、それはプリンスのポップ・ファンク・ビートとのほのかな近似性を
感じさせたりもする。という具合で、やっぱり偉大な個性を有したバンドで
あることも再確認でき、うふふ。そういえば、この日は初日だったのだが、
ステージ横にはコワそうなオヤジ(マネージャーか)が座ってしっかり演奏
にチェック入れつつ、見守っていたな。それもショービズのまっとうな側面
ですね。芸人らしくしっかり物販をMCでアピール、メンバーたちは終演後
しっかりと御買上の方々相手にサイン会をやっていた。
終わって上機嫌。銀座のすずらん通りにある二つのソウル・クラブに流れ
る。他にもソウル・バーみたいなのもあったし、普段はあまり縁がないけど
銀座にもいっぱいそーゆーのあるのだなー。
JAZZTODAY06"bodyelectric"
2006年10月19日 渋谷・デュオ。電気効果とジャズ的素養/語彙をかみ合わせようとする、
3つのアクトが出た“ボディエレクトリック”と題された催し。それぞれに
40分、35分、60分の流動演奏を1曲づつ披露する。
まず、ギター/ラップトップの大島輝之率いる6人編成のoshima teruy
uki’into the black’ ensemble force001。リーダーにプラスして、ツイン
・ドラムス、ウッド・ベース、キーボード、シンセ、そして前に出るフル
ート/バリトン・サックスという面々。音が効果的に重ならない局面もあ
ったが十分に面白い。リズムの処理に関しては菊地雅章(1999年11月3日、2002年9月22日、2003年6月10日。そーいえば、今来日中らしく
2006年10日11日の会場にいました)の『ススト』から多大な薫陶を受け
ているという感じもあったかな。
続いて、元PHAT(2003年3月6日、他)の藤原大輔(2003年6月
28日、2003年8月8日)のquartz-head01。テナーとシンセ系機材の藤原(
サックスも例によってサンプリング効果付き。だがサックスを吹いているよ
りもシンセを弄っている時間のほうが長い)ともう一人シンセ系機材担当者
に加え、アフリカ出身だろうジャンベ/肉声担当者が加わる。ヴィヴィッド
なようでいまいち画一的と感じたというか、ぼくは藤原が求める面白さがい
まいち判らない。
3番目は、東京ザヴィヌル・バッハ(2002年12月27日)の坪内昌恭とN
UMBの丁々発止パフォーマンス。基本はNUMBの繰り出す変化していく
ビートに、坪内が自在にエレピ音やシンセ音/効果を重ねるというもの。こ
れはキカイと人間力の興味深い拮抗があるなーと思う。フムフム。
3つのアクトが出た“ボディエレクトリック”と題された催し。それぞれに
40分、35分、60分の流動演奏を1曲づつ披露する。
まず、ギター/ラップトップの大島輝之率いる6人編成のoshima teruy
uki’into the black’ ensemble force001。リーダーにプラスして、ツイン
・ドラムス、ウッド・ベース、キーボード、シンセ、そして前に出るフル
ート/バリトン・サックスという面々。音が効果的に重ならない局面もあ
ったが十分に面白い。リズムの処理に関しては菊地雅章(1999年11月3日、2002年9月22日、2003年6月10日。そーいえば、今来日中らしく
2006年10日11日の会場にいました)の『ススト』から多大な薫陶を受け
ているという感じもあったかな。
続いて、元PHAT(2003年3月6日、他)の藤原大輔(2003年6月
28日、2003年8月8日)のquartz-head01。テナーとシンセ系機材の藤原(
サックスも例によってサンプリング効果付き。だがサックスを吹いているよ
りもシンセを弄っている時間のほうが長い)ともう一人シンセ系機材担当者
に加え、アフリカ出身だろうジャンベ/肉声担当者が加わる。ヴィヴィッド
なようでいまいち画一的と感じたというか、ぼくは藤原が求める面白さがい
まいち判らない。
3番目は、東京ザヴィヌル・バッハ(2002年12月27日)の坪内昌恭とN
UMBの丁々発止パフォーマンス。基本はNUMBの繰り出す変化していく
ビートに、坪内が自在にエレピ音やシンセ音/効果を重ねるというもの。こ
れはキカイと人間力の興味深い拮抗があるなーと思う。フムフム。
“テイスト・オブ・ケイオス”ツアー。ザ・レッド・クレイオラ、他
2006年10月22日 まず夕方、新木場・スタジオ・コースト。“テイスト・オブ・ケイオス”
と題された今様な激情を抱えるロック・バンドがいろいろと出る催しをチェ
ック。ハーレイというアパレル・メイカーのスポンサードのもと昨年からス
タートし世界中を回っているパッケージ・ツアー、日本に来る前はオセアニ
アを回り、日本の後は欧州をいろいろと巡業するようだ。
まず、日本のバンドのニュースターティングオーヴァーが演奏。ちゃんと
自分たちの表現に対する自覚的な問い掛けを持つ連中(なよーな気がした)
で悪くないなと思って聞いていたが、次の米国カリフォルニア5人組( 歌、
ギター2 、リズム隊) のセイオシンが出てきたらパワーが違う。エンジニア
/機材などの問題もあるのだろうが、音圧がまるで違う。うひょー。とくに
感心したのはドラム。別にグルーヴはないが、すばらしくパワフルで、切れ
のある叩き方をする。そして、それはバンドに確実に今をもたらしていると
思った。うんうん。メジャーと契約を持っているバンドながらまだ日本盤は
出ていないが、(だからこそ?)客への働きかけ風情もとてもケナゲ。続く
米国東海岸出身のセンシズ・フェイルも同じ編成で突っ走る。見てくれはフ
ツーのロック・バンドみたい、と感じたっけか。音楽自体はぼくはずっとセ
イオシンのほうに共感が持てた。みんな30分前後の演奏時間なり。
米国フロリダ出身のアンダーオースのパフォーマンスは笑えた。もう、み
んなちゃらく動き回り、見栄を切ったポーズを一生懸命に取る。ギャグ、見
事なコメディ……。このバンドにはキーボード奏者がいるがあんまり演奏に
は集中せずに(?)、夢中で身体を揺すっている(笑)。はははは。あと二
つは最低出たはずだが、それで新木場を後にする。この日、ぼくが見たバン
ドでヒッフホップ要素が入っていたバンドはゼロ。たまたまなのか、そうい
う選択基準があるのか。でも、だからこそ、彼らはフツーのハード・ロック
・バンドの今様版なのだと、思える部分はあったか。客も実に健全そうな風
体の若者だらけだった。
そして、渋谷のO・ネストに向かう。アメリカの不可解、その素敵を体感
するために……。日本人前座複数、あり。あぶらだこ からちゃんと見る。
いや、聞く。だって、混みまくりだし、ここはステージ高がないから後方か
らだとステージがあまり見えないので、ドアの外に出て漏れる音を知人と話
ながら聞いていた。なんか、久しぶりにそのライヴに接するような気もする
が、あぶらだこをメインで見に来ている人もいるのかな。そうであっても不
思議はないゾと思わせるしっかりした内実とキャリアを持つバンド。壁を隔
てた音に触れる分には、依然として確かなテンションを維持、正義を感じた。
そんなわけだから、ザ・レッド・クレイオラのパフォーマンスは上階のバ
ー・フロアでゆったりお酒を飲みながら当初は接した。そこでも、ぼやっと
した場内映像が映され、かなり小さいながら演奏音が流れるから。これぞ、
オトナ聞き、なんっちって。今回のメンバーは主体者メイヨ・トンプソン(
歌とギター)に加えて、ここ10年ぐらいつるんでいるベースのトム・ワトソ
ン、90年代中期のメイヨ・トンプスソン復活に尽力したトータス/シー・ア
ンド・ケイクのジョン・マッキンタイア(ドラム。2001年11月7日、2003
年1月30日、2005年1月7日)、新作でフィーチャーされているスコット
ランド在住のロックを全然知らないらしいアコーディオン奏者のチャーリー
・アヴェルという布陣。加えて、やはり90年代中期のトンプソン復活を手伝
った東京在住のジム・オルーク(2001年2月20日、2006年4月18日)も
ギターで全面的にからむ。彼が歌い、ハーモニカを吹いた曲もあった。
で、途中からはたまらず場内に入って見たのだが、驚いたのは音の聞こえ
方がまるで違うこと。バー・フロアでは非常に非ロック的言語と言っていい
だろうアコーディオン音がしっかりと聞こえたのに、下だとあんまり聞こえ
ない。よく聞こえるともう一つの不思議なロックに聞こえ(お馬鹿に乱暴に
言ってしまえば、ワールド・ロック?)、会場内だともっとロックっぽい、
本来イメージできるトンプソン表現に近いように感じた。それぞれに感興を
与えるものであり、一度で二度おいしい……。
まあ、そんなことは些細なこと、か。どう行こうと、どう聞こえようと、
それらは前代未聞な個体の才や持ち味と直結したものであり、だからこそ、
生理的に自由な、歌心も持つロックとなっていたもの。そこには、閃きから
嵐やエラーの感覚まで、澄んだ何かが口惜しいほど埋め込まれている。そう
いう部分では、トンプソン表現は見事に外れたロックと言える。でも、だか
らこそ、ロックなんだよなあ。なんか、禅問答みたいになっちゃうけど。彼
の表現はオルタナティヴとも言われるが、本当はロックの道理としてはまっ
とうというか基本となるべきものであり、エヴァーグリーンなものであるの
だと、ぼくは思わずにはいられなかった。
と題された今様な激情を抱えるロック・バンドがいろいろと出る催しをチェ
ック。ハーレイというアパレル・メイカーのスポンサードのもと昨年からス
タートし世界中を回っているパッケージ・ツアー、日本に来る前はオセアニ
アを回り、日本の後は欧州をいろいろと巡業するようだ。
まず、日本のバンドのニュースターティングオーヴァーが演奏。ちゃんと
自分たちの表現に対する自覚的な問い掛けを持つ連中(なよーな気がした)
で悪くないなと思って聞いていたが、次の米国カリフォルニア5人組( 歌、
ギター2 、リズム隊) のセイオシンが出てきたらパワーが違う。エンジニア
/機材などの問題もあるのだろうが、音圧がまるで違う。うひょー。とくに
感心したのはドラム。別にグルーヴはないが、すばらしくパワフルで、切れ
のある叩き方をする。そして、それはバンドに確実に今をもたらしていると
思った。うんうん。メジャーと契約を持っているバンドながらまだ日本盤は
出ていないが、(だからこそ?)客への働きかけ風情もとてもケナゲ。続く
米国東海岸出身のセンシズ・フェイルも同じ編成で突っ走る。見てくれはフ
ツーのロック・バンドみたい、と感じたっけか。音楽自体はぼくはずっとセ
イオシンのほうに共感が持てた。みんな30分前後の演奏時間なり。
米国フロリダ出身のアンダーオースのパフォーマンスは笑えた。もう、み
んなちゃらく動き回り、見栄を切ったポーズを一生懸命に取る。ギャグ、見
事なコメディ……。このバンドにはキーボード奏者がいるがあんまり演奏に
は集中せずに(?)、夢中で身体を揺すっている(笑)。はははは。あと二
つは最低出たはずだが、それで新木場を後にする。この日、ぼくが見たバン
ドでヒッフホップ要素が入っていたバンドはゼロ。たまたまなのか、そうい
う選択基準があるのか。でも、だからこそ、彼らはフツーのハード・ロック
・バンドの今様版なのだと、思える部分はあったか。客も実に健全そうな風
体の若者だらけだった。
そして、渋谷のO・ネストに向かう。アメリカの不可解、その素敵を体感
するために……。日本人前座複数、あり。あぶらだこ からちゃんと見る。
いや、聞く。だって、混みまくりだし、ここはステージ高がないから後方か
らだとステージがあまり見えないので、ドアの外に出て漏れる音を知人と話
ながら聞いていた。なんか、久しぶりにそのライヴに接するような気もする
が、あぶらだこをメインで見に来ている人もいるのかな。そうであっても不
思議はないゾと思わせるしっかりした内実とキャリアを持つバンド。壁を隔
てた音に触れる分には、依然として確かなテンションを維持、正義を感じた。
そんなわけだから、ザ・レッド・クレイオラのパフォーマンスは上階のバ
ー・フロアでゆったりお酒を飲みながら当初は接した。そこでも、ぼやっと
した場内映像が映され、かなり小さいながら演奏音が流れるから。これぞ、
オトナ聞き、なんっちって。今回のメンバーは主体者メイヨ・トンプソン(
歌とギター)に加えて、ここ10年ぐらいつるんでいるベースのトム・ワトソ
ン、90年代中期のメイヨ・トンプスソン復活に尽力したトータス/シー・ア
ンド・ケイクのジョン・マッキンタイア(ドラム。2001年11月7日、2003
年1月30日、2005年1月7日)、新作でフィーチャーされているスコット
ランド在住のロックを全然知らないらしいアコーディオン奏者のチャーリー
・アヴェルという布陣。加えて、やはり90年代中期のトンプソン復活を手伝
った東京在住のジム・オルーク(2001年2月20日、2006年4月18日)も
ギターで全面的にからむ。彼が歌い、ハーモニカを吹いた曲もあった。
で、途中からはたまらず場内に入って見たのだが、驚いたのは音の聞こえ
方がまるで違うこと。バー・フロアでは非常に非ロック的言語と言っていい
だろうアコーディオン音がしっかりと聞こえたのに、下だとあんまり聞こえ
ない。よく聞こえるともう一つの不思議なロックに聞こえ(お馬鹿に乱暴に
言ってしまえば、ワールド・ロック?)、会場内だともっとロックっぽい、
本来イメージできるトンプソン表現に近いように感じた。それぞれに感興を
与えるものであり、一度で二度おいしい……。
まあ、そんなことは些細なこと、か。どう行こうと、どう聞こえようと、
それらは前代未聞な個体の才や持ち味と直結したものであり、だからこそ、
生理的に自由な、歌心も持つロックとなっていたもの。そこには、閃きから
嵐やエラーの感覚まで、澄んだ何かが口惜しいほど埋め込まれている。そう
いう部分では、トンプソン表現は見事に外れたロックと言える。でも、だか
らこそ、ロックなんだよなあ。なんか、禅問答みたいになっちゃうけど。彼
の表現はオルタナティヴとも言われるが、本当はロックの道理としてはまっ
とうというか基本となるべきものであり、エヴァーグリーンなものであるの
だと、ぼくは思わずにはいられなかった。
G・ラヴ&ザ・スペシャル・ソース。ジャッキー・ネイラー
2006年10月23日 雨が降る日、まずは渋谷・アックス。今回のG・ラヴ(2000年1月25日
、2004年11月17日、2005年5月25日、2005年6月2日)はキーボード奏
者を伴ってのもの。それ、初めてのこととなる。もう少し腕の立つ人を雇っ
てもいいのではと思わせる、常識的なサポートを鍵盤奏者はしていた。また
、フェイセズの「ステイ・ウィズ・ミー」(72年)とルー・リードの「ウォ
ーク・オン・ザ・ワイルド・サイド」(72年)を自分の曲にくっつける形で
やったりも。
現在、ジャック・ジョンソンのブラッシュファイアー入りしている彼。音
楽的な妙味はそれほど変わらないものの、受け手側はジャック・ジョンソン
(2003年9月30日、2005年5月25日、2005年6月2日)やベン・ハーパ
ー側(2001年6月18日、2004年3月4日、2006年6月3日)からも入り込
み、デビュー後10年強を来てかなり変わっているんじゃないかとも感じさせ
られた。CB誌レヴューと重なるといけないので、このぐらいにしておく。
そして、南青山・ブルーノート東京に移動して、サンフランシスコ在住の
、米国の若手女性ジャズ歌手のジャッキー・ネイラーを聞く。やはり全員シ
スコ在住というピアノ・トリオをバックに歌う。キース・ジャレットやハー
ビー・ハンコックら定番が好きというピアノ奏者はときにギターも弾く。あ
んまし、うまくない(ローディがピアノやギターを弾いたときもあった)。
当のネイラー(30少し超えぐらいかな?)は突き抜けた歌い方をする人では
ない。だが、ロックとジャズが横並びになれる時代のジャズ・ヴォーカルを
意識的に押し出そうとしている人と言えるだろう。ときに、彼女は著名ジャ
ズ曲とロック曲を騙し絵的に重ねたようなことをやったりもするが(オリジ
ナル曲もけっこう歌う)、この日はトーキング・ヘッズの「ワンス・イン・
ア・ライフタイム」とウェザー・リポートの「バードランド」を巧みに重ね
たブツをやっていた。また、ジミ・ヘンドリックスの「エンジェル」(ぼく
は何よりフェイセズのヴァージョンで親しんでいるナ)のジャジーな処理も
良かった。
そういえば、夕方にスティング・バンドに長年在籍するギタリストのドミ
ニク・ミラー(韓国で人気で、トリオで2回ライヴやったあと東京に来たと
か)にインタヴューしたのだが、ソロ作ではアコースティック・ギターを用
いる彼をして「ジミになりたいと思わないギタリストがいると思うかい?」
。スティング・バンドに入る直前にフィル・コリンズのレコーディングに起
用されたとたん、噂が広がり仕事が殺到するようになったとのこと。彼は現
在、自己バンドに元レヴェル42のキーボード奏者のマイク・リンダップの才
を買い、起用している。リンダップの89年ポリドール盤のなかに入っている
メロディアス曲を現在組んでいるコンピレーションに入れたくてユニバーサ
ル本家に願い出ているのだが許諾がなぜか降りないんですと、思わずミラー
に言ってしまった。彼は、ニコっと心に留めておくよ。そこから、アプルー
ヴに発展しないかな。
話はだいぶとんだが、あんましアルバムを聞かずにライヴに触れたんだけ
ど、ネイラーさんの行く路線はアリでしょう。
、2004年11月17日、2005年5月25日、2005年6月2日)はキーボード奏
者を伴ってのもの。それ、初めてのこととなる。もう少し腕の立つ人を雇っ
てもいいのではと思わせる、常識的なサポートを鍵盤奏者はしていた。また
、フェイセズの「ステイ・ウィズ・ミー」(72年)とルー・リードの「ウォ
ーク・オン・ザ・ワイルド・サイド」(72年)を自分の曲にくっつける形で
やったりも。
現在、ジャック・ジョンソンのブラッシュファイアー入りしている彼。音
楽的な妙味はそれほど変わらないものの、受け手側はジャック・ジョンソン
(2003年9月30日、2005年5月25日、2005年6月2日)やベン・ハーパ
ー側(2001年6月18日、2004年3月4日、2006年6月3日)からも入り込
み、デビュー後10年強を来てかなり変わっているんじゃないかとも感じさせ
られた。CB誌レヴューと重なるといけないので、このぐらいにしておく。
そして、南青山・ブルーノート東京に移動して、サンフランシスコ在住の
、米国の若手女性ジャズ歌手のジャッキー・ネイラーを聞く。やはり全員シ
スコ在住というピアノ・トリオをバックに歌う。キース・ジャレットやハー
ビー・ハンコックら定番が好きというピアノ奏者はときにギターも弾く。あ
んまし、うまくない(ローディがピアノやギターを弾いたときもあった)。
当のネイラー(30少し超えぐらいかな?)は突き抜けた歌い方をする人では
ない。だが、ロックとジャズが横並びになれる時代のジャズ・ヴォーカルを
意識的に押し出そうとしている人と言えるだろう。ときに、彼女は著名ジャ
ズ曲とロック曲を騙し絵的に重ねたようなことをやったりもするが(オリジ
ナル曲もけっこう歌う)、この日はトーキング・ヘッズの「ワンス・イン・
ア・ライフタイム」とウェザー・リポートの「バードランド」を巧みに重ね
たブツをやっていた。また、ジミ・ヘンドリックスの「エンジェル」(ぼく
は何よりフェイセズのヴァージョンで親しんでいるナ)のジャジーな処理も
良かった。
そういえば、夕方にスティング・バンドに長年在籍するギタリストのドミ
ニク・ミラー(韓国で人気で、トリオで2回ライヴやったあと東京に来たと
か)にインタヴューしたのだが、ソロ作ではアコースティック・ギターを用
いる彼をして「ジミになりたいと思わないギタリストがいると思うかい?」
。スティング・バンドに入る直前にフィル・コリンズのレコーディングに起
用されたとたん、噂が広がり仕事が殺到するようになったとのこと。彼は現
在、自己バンドに元レヴェル42のキーボード奏者のマイク・リンダップの才
を買い、起用している。リンダップの89年ポリドール盤のなかに入っている
メロディアス曲を現在組んでいるコンピレーションに入れたくてユニバーサ
ル本家に願い出ているのだが許諾がなぜか降りないんですと、思わずミラー
に言ってしまった。彼は、ニコっと心に留めておくよ。そこから、アプルー
ヴに発展しないかな。
話はだいぶとんだが、あんましアルバムを聞かずにライヴに触れたんだけ
ど、ネイラーさんの行く路線はアリでしょう。
PE’Z
2006年10月24日 なんと渋谷公会堂が、渋谷C.C.LEMON ホールと名前を変えた。正面にレモ
ンをかたどった同商品のロゴ看板がどかーんと据えられている。おお。で、
リフォームされ、少し明るい感じになっていた。渋谷区はサントリーからど
のぐらいのふんだくっているのか。
例によって、定時ぴったり開始。PE’Z(2005年5月2日、9月21日
、2006年5月29日、他)の面々はドリフの「8時だよ、全員集合!」の公開
撮影会場だったことで感無量の場とか。前半は日本の名曲をカヴァーした『
日本のジャズ』から8曲。ちょっと窮屈そうというか、お行儀良く聞こえる
感じもある。意義はたっぷりあるけど。後半はPE’Zのオリジナル曲が並
ぶ。おお、やっぱ勢いある、アイデアあると痛感。お客のノリも全然違う。
1時間30分のパフォーマンス。キーボードのヒイズミはすべてグランド・ピ
アノを演奏。
ンをかたどった同商品のロゴ看板がどかーんと据えられている。おお。で、
リフォームされ、少し明るい感じになっていた。渋谷区はサントリーからど
のぐらいのふんだくっているのか。
例によって、定時ぴったり開始。PE’Z(2005年5月2日、9月21日
、2006年5月29日、他)の面々はドリフの「8時だよ、全員集合!」の公開
撮影会場だったことで感無量の場とか。前半は日本の名曲をカヴァーした『
日本のジャズ』から8曲。ちょっと窮屈そうというか、お行儀良く聞こえる
感じもある。意義はたっぷりあるけど。後半はPE’Zのオリジナル曲が並
ぶ。おお、やっぱ勢いある、アイデアあると痛感。お客のノリも全然違う。
1時間30分のパフォーマンス。キーボードのヒイズミはすべてグランド・ピ
アノを演奏。
橋本一子Ub−X、BOZO
2006年10月25日 まるまる二日間降り続いた雨があがり、非常に晴天。日が差し込み、青空が広がる。気持ちいい。で、夜は六本木・スイートベイジル139。
まず、橋本一子のトリオ。リズムは井野信義(2004年8月20日、2004年10月10日、2005年8月19日)と藤本敦夫。前回見たとき(2001年5月3日)とも同じ毎度の顔ぶれながらUb−Xと名乗っているのは、全編で橋本が淡く漂うハナモゲラ調の歌を聞かせるから? ぼく、彼女の歌も大好きなはずだがなんとなく全面的に感情移入できない部分も。たまたま、だと思いたい。オリジナル(なのかな?)に交じって、「イパネマの娘」、「マシュケナダ」(途中で、「フロッグ」の諧謔フレーズの差し込みあり)といったセルジオ・メンデスで広く知られるボサノヴァ曲アダプテイションもやった。そんなにがんがん弾かないが、随所でするっと行くピアノの指裁きはやはり素晴らしいっ。井野信義はほとんどエレクトリック・アップライト・ベースを使っていた。
2部はONJQ関連(2002年3月17日、2003年6月28日、2004年2月6日、2004年10月10日、2006年1月21日、他)やデートコースペンタゴンロイヤルガーデン(2001年9月22日、他)でも吹いているリード奏者の津上研太を中心に、南博(2001年10月29日、2005年6月9日)、やはりONJQや芳垣安洋のエマージェンシーやヴィンセント・アトミクスや山下洋輔グループのベースの水谷浩章(2004年1月21日、2005年2月19日、他)、UA他の外山明(2004年8月20日、他)からなるBOZO。ぼくには、とても王道に感じられる、まっとうなジャズ。用事ありで、途中退出したが。
まず、橋本一子のトリオ。リズムは井野信義(2004年8月20日、2004年10月10日、2005年8月19日)と藤本敦夫。前回見たとき(2001年5月3日)とも同じ毎度の顔ぶれながらUb−Xと名乗っているのは、全編で橋本が淡く漂うハナモゲラ調の歌を聞かせるから? ぼく、彼女の歌も大好きなはずだがなんとなく全面的に感情移入できない部分も。たまたま、だと思いたい。オリジナル(なのかな?)に交じって、「イパネマの娘」、「マシュケナダ」(途中で、「フロッグ」の諧謔フレーズの差し込みあり)といったセルジオ・メンデスで広く知られるボサノヴァ曲アダプテイションもやった。そんなにがんがん弾かないが、随所でするっと行くピアノの指裁きはやはり素晴らしいっ。井野信義はほとんどエレクトリック・アップライト・ベースを使っていた。
2部はONJQ関連(2002年3月17日、2003年6月28日、2004年2月6日、2004年10月10日、2006年1月21日、他)やデートコースペンタゴンロイヤルガーデン(2001年9月22日、他)でも吹いているリード奏者の津上研太を中心に、南博(2001年10月29日、2005年6月9日)、やはりONJQや芳垣安洋のエマージェンシーやヴィンセント・アトミクスや山下洋輔グループのベースの水谷浩章(2004年1月21日、2005年2月19日、他)、UA他の外山明(2004年8月20日、他)からなるBOZO。ぼくには、とても王道に感じられる、まっとうなジャズ。用事ありで、途中退出したが。
ニック・ベルチュ
2006年10月26日 かつてチューリッヒ市の援助で奈良に半年住んだことがあるという、スイ
スのピアニスト/作曲家。彼はローニン(浪人、から来ているんだろーな。
かつてワディ・ワクテルやリック・マロッタらが組んだグループも浪人と名
乗ったナ)というグループを組んでいて、その名義で今年ECMから出して
いる。同作はミニマルっぽい反復構成を広げていくような行き方を通して、
現代的な綻びや強迫観念をすうっと開いていくようなアルバム。ときに、ヴ
ァイタルな変則ビートを伴い、それはプログレシッヴ・ロックやある種のフ
ュージョンと重なったりもする(と、ゆーか、なんとなく既知感を抱かせる
)。だが、この晩はソロ・パフォーマンスにて。ぼくはECM盤より、薄口
のこっちのほうが気に入ったナ。時に見せるピアノの弦の抑え方(手をピア
ノのお腹の中にに伸ばして、抑えるわけですね)がかなり上手で、あれれエ
フェクター使っているのと思わせるような場面も。
広尾・スイス大使館大使公邸。大使はかなりのジャズ・ファン。8月に着
任したばかりだそうだが、ブルーノートにもコットンクラブに行っていると
のこと。一番好きなアーティストメはジョン・コルトレーンや黄金期ブルー
ノートのハード・バップ。また、来日して3年とかいう文化官は日本語ペラ
ペラ。スイスの大学で日本語を学んだそうだが、5か国語を喋れるという。
そのことに、一番スイスを実感したかな。
スのピアニスト/作曲家。彼はローニン(浪人、から来ているんだろーな。
かつてワディ・ワクテルやリック・マロッタらが組んだグループも浪人と名
乗ったナ)というグループを組んでいて、その名義で今年ECMから出して
いる。同作はミニマルっぽい反復構成を広げていくような行き方を通して、
現代的な綻びや強迫観念をすうっと開いていくようなアルバム。ときに、ヴ
ァイタルな変則ビートを伴い、それはプログレシッヴ・ロックやある種のフ
ュージョンと重なったりもする(と、ゆーか、なんとなく既知感を抱かせる
)。だが、この晩はソロ・パフォーマンスにて。ぼくはECM盤より、薄口
のこっちのほうが気に入ったナ。時に見せるピアノの弦の抑え方(手をピア
ノのお腹の中にに伸ばして、抑えるわけですね)がかなり上手で、あれれエ
フェクター使っているのと思わせるような場面も。
広尾・スイス大使館大使公邸。大使はかなりのジャズ・ファン。8月に着
任したばかりだそうだが、ブルーノートにもコットンクラブに行っていると
のこと。一番好きなアーティストメはジョン・コルトレーンや黄金期ブルー
ノートのハード・バップ。また、来日して3年とかいう文化官は日本語ペラ
ペラ。スイスの大学で日本語を学んだそうだが、5か国語を喋れるという。
そのことに、一番スイスを実感したかな。
オマール・ソーサ
2006年10月28日 毎年といっていいほどやってくる(2001年8月24日、2002年7月22日、
2004年8月2日、2005年9月24日)、南青山・ブルーノート東京に近しい、
キューバ出身の自由世界人。今回はピアノ(ときに、キーボードもさわる)
の本人に加え、電気ベース奏者、ドラマー、シンガー(ときに、変な弦楽器
を手にする)という布陣。今回は手に鳴り物を持ちつつ、皆でチャントしな
がら出てきて、ステージに上がる。前回の項でも書いているが、いつ見ても
、行き方なり演奏内容が違う。ふふふふ。で、またなかなか説明に困るジャ
ズ派生表現を聞かせる。一言で言えば、グルーヴィに、人間的に自由であれ
ということになるかな。ときにサンプリング音やプリセット音を下敷きにす
るときもあったが(ドラマーの横にも装置があってどっちが出しているのか
は判明がつかない。ま、どっちでもいいけど)アンコールを終えるとプリセ
ット音をそのまま流しつつ、陽気に声を出しながら楽屋に彼らは引き上げる
。1時間40分近く。あー、ぼくはあと何度、彼を見ることになるのだろう?
2004年8月2日、2005年9月24日)、南青山・ブルーノート東京に近しい、
キューバ出身の自由世界人。今回はピアノ(ときに、キーボードもさわる)
の本人に加え、電気ベース奏者、ドラマー、シンガー(ときに、変な弦楽器
を手にする)という布陣。今回は手に鳴り物を持ちつつ、皆でチャントしな
がら出てきて、ステージに上がる。前回の項でも書いているが、いつ見ても
、行き方なり演奏内容が違う。ふふふふ。で、またなかなか説明に困るジャ
ズ派生表現を聞かせる。一言で言えば、グルーヴィに、人間的に自由であれ
ということになるかな。ときにサンプリング音やプリセット音を下敷きにす
るときもあったが(ドラマーの横にも装置があってどっちが出しているのか
は判明がつかない。ま、どっちでもいいけど)アンコールを終えるとプリセ
ット音をそのまま流しつつ、陽気に声を出しながら楽屋に彼らは引き上げる
。1時間40分近く。あー、ぼくはあと何度、彼を見ることになるのだろう?
ジ・エモーションズ
2006年10月30日 丸の内・コットンクラブ。スタックス/ヴォルトからデビューしたゴスペ
ル界隈出身のシカゴ発の3人姉妹コーラス・グループで、EW&F(2006
年1月19日)のモーリス・ホワイトのファミリーに入り洗練された70年代中
期から数年の間がピーク時となる人達か。80年代中期にはモータウンからア
ルバムをリリースしたこともあった。……なんて、能書きはそれなりに知っ
ていても、そんなに彼女たちのことを熱心に聞いたことはないワタシ。が、
張り切って行きました。ここに出るヴェテラン・ソウル勢はみんな充実した
ライヴを聞かせてくれることに加え、彼女たちご一行のツアー・マネイジャ
ーが知人(日本人)であったから。彼のシンガーの奥さんがエモーションズ
と同じ事務所に所属してて、その流れで今回同行したらしい。元ベーシスト
(かつてラリー・グラハムが持っていたような、マイク付き特殊をベース持っ
ていたっけなあ)で、一時は大手レコード会社のディレクターもしていた人
。年は離れていたけど仲良くさせていただいて、LAに行ってから(きっか
けはクジでグリーン・カードが当たったから、だったけか。来年は同様の理
由でハワイに移住する知り合いもいるなー)も複数回家庭訪問し御馳走して
もらったりしている。人間的で魅力的な人物、元気悠々なのもいい感じで、
見習わなきゃナと感じるところあるよなー。東京に住む、とっくに成人して
いる彼の息子を紹介された。
長女のジーネット・ハッチンソンが出産で抜け、末妹のパメラが参加し、
同じく三姉妹で活動している。ステージに登場した彼女たちはとても小
柄、コロコロした感じの小太り(格好は銀色のキラキラ)。圧倒的な喉の力
で聞く者の息を飲ませるという所はなかったが、嬉しそうに彼女たちは声を
重ねる。リードを取るのはオリジナル・メンバーのシーラかワンダのようで、
成熟した姿を伝えるようとするかのようにスタンダード系楽曲をそれぞれがソ
ロでしっとり歌ったりもした。4人編成のバンドの腕はなかなか、リズム隊は
アフリカン(とくに、ベースは素晴らしい)で、ギターはアルゼンチン人、キ
ーボード奏者はホワイト・ストライプス(2006年3月5日)のジャック・ホワ
イトを少し痩せさせたような感じの人。最後は彼女たちも関与したEW&F
の「ブギーワンダーランド」(モーリス・ホワイトの歌部分はギタリストが
代行)、彼女たち当たり曲「ベスト・オブ・マイ・ラヴ」を連発。客、熱狂。
ル界隈出身のシカゴ発の3人姉妹コーラス・グループで、EW&F(2006
年1月19日)のモーリス・ホワイトのファミリーに入り洗練された70年代中
期から数年の間がピーク時となる人達か。80年代中期にはモータウンからア
ルバムをリリースしたこともあった。……なんて、能書きはそれなりに知っ
ていても、そんなに彼女たちのことを熱心に聞いたことはないワタシ。が、
張り切って行きました。ここに出るヴェテラン・ソウル勢はみんな充実した
ライヴを聞かせてくれることに加え、彼女たちご一行のツアー・マネイジャ
ーが知人(日本人)であったから。彼のシンガーの奥さんがエモーションズ
と同じ事務所に所属してて、その流れで今回同行したらしい。元ベーシスト
(かつてラリー・グラハムが持っていたような、マイク付き特殊をベース持っ
ていたっけなあ)で、一時は大手レコード会社のディレクターもしていた人
。年は離れていたけど仲良くさせていただいて、LAに行ってから(きっか
けはクジでグリーン・カードが当たったから、だったけか。来年は同様の理
由でハワイに移住する知り合いもいるなー)も複数回家庭訪問し御馳走して
もらったりしている。人間的で魅力的な人物、元気悠々なのもいい感じで、
見習わなきゃナと感じるところあるよなー。東京に住む、とっくに成人して
いる彼の息子を紹介された。
長女のジーネット・ハッチンソンが出産で抜け、末妹のパメラが参加し、
同じく三姉妹で活動している。ステージに登場した彼女たちはとても小
柄、コロコロした感じの小太り(格好は銀色のキラキラ)。圧倒的な喉の力
で聞く者の息を飲ませるという所はなかったが、嬉しそうに彼女たちは声を
重ねる。リードを取るのはオリジナル・メンバーのシーラかワンダのようで、
成熟した姿を伝えるようとするかのようにスタンダード系楽曲をそれぞれがソ
ロでしっとり歌ったりもした。4人編成のバンドの腕はなかなか、リズム隊は
アフリカン(とくに、ベースは素晴らしい)で、ギターはアルゼンチン人、キ
ーボード奏者はホワイト・ストライプス(2006年3月5日)のジャック・ホワ
イトを少し痩せさせたような感じの人。最後は彼女たちも関与したEW&F
の「ブギーワンダーランド」(モーリス・ホワイトの歌部分はギタリストが
代行)、彼女たち当たり曲「ベスト・オブ・マイ・ラヴ」を連発。客、熱狂。