わあ。ジャスティン・ヴァーノンの個人的プロジェクトたるボン・イヴェールって、こんな感じのライヴ・パフォーマンスをするのか。もともとエンジニアリングやプロデューシングもできるマルチ派ミュージシャンなので、なんの不思議もないと納得もできるわけだけど。新木場・スタジオコースト。ソールド・アウトが報じられていたが、なるほど混んでいた。これまで発表したアルバムは2枚で、近作がリリースされてから、すでに4年。うーぬ、日本のロック・マーケットは米国ものに弱いとも言われるなか、この盛況はすごい。
ステージ美術の設定のされ方を見ても、これは普段デカい会場でやっているのがよく分る。2人のドラム(一人は、キーボードも弾く)や3人の女性コーラス(一人は、曲によっては生ギターも弾く)は中段、および高い位置にいて、その配置は立体的。そして、前のほうにはギターや鍵盤を弾きながら歌うヴァーノン、そしてギターやベースや鍵盤やサックスを扱う男性が2人がいて全8人。でもって、バリ・ライトもばりばり使用する。何気に、派手やんけー。そういえば、ジャスティン・ヴァーノンが8月中旬に地元ウィスコンシン州オウクレアで持つフェスティヴァル“Eaux Claires”の出演者って果てはエリカ・バドゥ(2000年11月19日、2006年4月2日、2015年9月30日)までいろいろ揃えられていてすごいんだよなあ。
でっかいヘッドフォンをモニター用につけた(声の返しを受けるためイヤフォンをする人はときどき見るが、ヘッドフォンを堂々つける人は初めてかも)バーノンのサウンド/構成員の把握の仕方がすごい。フォーク・ロックを根に持ちつつ拡大しちゃっているサウンド回路は、どんどん構成員をふやしてかっとばしているウィルコ(2003年2月9日、2004年9月19日、2010年4月23日、2013年4月13日)みたいなものかともふと思う。あ、違うか。レディオヘッド(2001年10月4日、2004年4月18日、2008年10月4日)の愛好者とかもボン・イヴェールの方に流れてきているという話もあるが(レディオヘッド好きの働き盛りジャズ・マンが集ったネクスト・コレクティヴがボン・イヴェールの「パース」をカヴァーしていることも、その親和性の証左となるかな)、往年のプログ・ロックのファンが来たとしても、壮大かつ起伏に富んだ音楽性に触れると不思議はないなと思ってしまう。そこには、大昔のジェネシスとかを想起させるものはあった? そういえば、そのリーダーだったピーター・ゲイブリエルもジャスティン・ヴァーノンと2012年作で絡んでいるなー。
新作がどうして出ないかというと、ヴァーノンがザ・ブラインド・ボーイズ・オブ・アラバマ(2004年9月17日、他)とか、英国の3姉妹フォーク・ユニットのザ・ステイヴズとかのプロデュースをやっているのも一因と思われるが、けっこうシンプル目に作っているザ・ステイヴスの2作目『If I Was』(Atlantic,2015)は相当な傑作。で、今回のアジア・ツアーに参加している女性コーラスの3人が実はザ・ステイヴズの面々。彼女たち、ブルガリアン・ヴォイスみたいな重なり方をするときもあり、個が立っていた。
アコースティックな感触を持つものから、かなり電気的な手触りを持つものまで自由自在。いろんな行き方をしたいというヴァーノンの意志は生ギター弾き語り曲を披露したり、ハーモナイザーを用いての一人電気歌声パフォーマンスを見せるあたりにも表われる。彼はファルセット多用(でも、地声歌唱も力あり)、アルバム ではファルセット・ヴォーカルを重ねてもいるが、それがある種の幻想感、浮世離れした感じを出しているのは間違いない。ぽわっと、表現総体は浮かび上がっていた。テクノロジーや他の音楽様式を見渡した末の、我が道を行くアメリカン・ロック表現……。そのめくるめく実演に触れるのは、まさに体験だった。
▶過去の、エリカ・バドゥ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200604050124430000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20120302
▶過去の、ウィルコ
http://www.myagent.ne.jp/%7Enewswave/live-2003-2.htm
http://43142.diarynote.jp/200410121003440000/
http://43142.diarynote.jp/201004250658039897/
http://43142.diarynote.jp/201304150854159566/
▶過去の、レディオヘッド
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-10.htm
http://43142.diarynote.jp/200404180058130000/
http://43142.diarynote.jp/200810061856366600/
▶過去の、ザ・ブラインド・ボーイズ・オブ・アラバマ
http://43142.diarynote.jp/?day=20040917
<今日の、徒労>
朝起きてから昼一まで、いろいろなメールの返信なりなんなりで時間をついやす。4月のホテルの予約なんてことも、してしまった。同業諸氏が頭を痛める申告作業は、例年どおり支払い調書と領収書の束を税理士に送付済みで、オッケ〜。しかし、今年は明けてからずっと忙しい。別に単行本仕事を受けているわけでもないのに、けっこう根を詰めて原稿を書いている。すごいゾ、オレ。3月いっぱいはそういう感じになっちゃうかなー。
ステージ美術の設定のされ方を見ても、これは普段デカい会場でやっているのがよく分る。2人のドラム(一人は、キーボードも弾く)や3人の女性コーラス(一人は、曲によっては生ギターも弾く)は中段、および高い位置にいて、その配置は立体的。そして、前のほうにはギターや鍵盤を弾きながら歌うヴァーノン、そしてギターやベースや鍵盤やサックスを扱う男性が2人がいて全8人。でもって、バリ・ライトもばりばり使用する。何気に、派手やんけー。そういえば、ジャスティン・ヴァーノンが8月中旬に地元ウィスコンシン州オウクレアで持つフェスティヴァル“Eaux Claires”の出演者って果てはエリカ・バドゥ(2000年11月19日、2006年4月2日、2015年9月30日)までいろいろ揃えられていてすごいんだよなあ。
でっかいヘッドフォンをモニター用につけた(声の返しを受けるためイヤフォンをする人はときどき見るが、ヘッドフォンを堂々つける人は初めてかも)バーノンのサウンド/構成員の把握の仕方がすごい。フォーク・ロックを根に持ちつつ拡大しちゃっているサウンド回路は、どんどん構成員をふやしてかっとばしているウィルコ(2003年2月9日、2004年9月19日、2010年4月23日、2013年4月13日)みたいなものかともふと思う。あ、違うか。レディオヘッド(2001年10月4日、2004年4月18日、2008年10月4日)の愛好者とかもボン・イヴェールの方に流れてきているという話もあるが(レディオヘッド好きの働き盛りジャズ・マンが集ったネクスト・コレクティヴがボン・イヴェールの「パース」をカヴァーしていることも、その親和性の証左となるかな)、往年のプログ・ロックのファンが来たとしても、壮大かつ起伏に富んだ音楽性に触れると不思議はないなと思ってしまう。そこには、大昔のジェネシスとかを想起させるものはあった? そういえば、そのリーダーだったピーター・ゲイブリエルもジャスティン・ヴァーノンと2012年作で絡んでいるなー。
新作がどうして出ないかというと、ヴァーノンがザ・ブラインド・ボーイズ・オブ・アラバマ(2004年9月17日、他)とか、英国の3姉妹フォーク・ユニットのザ・ステイヴズとかのプロデュースをやっているのも一因と思われるが、けっこうシンプル目に作っているザ・ステイヴスの2作目『If I Was』(Atlantic,2015)は相当な傑作。で、今回のアジア・ツアーに参加している女性コーラスの3人が実はザ・ステイヴズの面々。彼女たち、ブルガリアン・ヴォイスみたいな重なり方をするときもあり、個が立っていた。
アコースティックな感触を持つものから、かなり電気的な手触りを持つものまで自由自在。いろんな行き方をしたいというヴァーノンの意志は生ギター弾き語り曲を披露したり、ハーモナイザーを用いての一人電気歌声パフォーマンスを見せるあたりにも表われる。彼はファルセット多用(でも、地声歌唱も力あり)、アルバム ではファルセット・ヴォーカルを重ねてもいるが、それがある種の幻想感、浮世離れした感じを出しているのは間違いない。ぽわっと、表現総体は浮かび上がっていた。テクノロジーや他の音楽様式を見渡した末の、我が道を行くアメリカン・ロック表現……。そのめくるめく実演に触れるのは、まさに体験だった。
▶過去の、エリカ・バドゥ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-11.htm
http://43142.diarynote.jp/200604050124430000/
http://43142.diarynote.jp/?day=20120302
▶過去の、ウィルコ
http://www.myagent.ne.jp/%7Enewswave/live-2003-2.htm
http://43142.diarynote.jp/200410121003440000/
http://43142.diarynote.jp/201004250658039897/
http://43142.diarynote.jp/201304150854159566/
▶過去の、レディオヘッド
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-10.htm
http://43142.diarynote.jp/200404180058130000/
http://43142.diarynote.jp/200810061856366600/
▶過去の、ザ・ブラインド・ボーイズ・オブ・アラバマ
http://43142.diarynote.jp/?day=20040917
<今日の、徒労>
朝起きてから昼一まで、いろいろなメールの返信なりなんなりで時間をついやす。4月のホテルの予約なんてことも、してしまった。同業諸氏が頭を痛める申告作業は、例年どおり支払い調書と領収書の束を税理士に送付済みで、オッケ〜。しかし、今年は明けてからずっと忙しい。別に単行本仕事を受けているわけでもないのに、けっこう根を詰めて原稿を書いている。すごいゾ、オレ。3月いっぱいはそういう感じになっちゃうかなー。