名古屋公演はリード・シンガーの喉の不調でキャンセルになったようだが、丸1日おいた東京公演は無事おこなわれた。渋谷・アックス。ここは音響のいい会場として認められているが、その恩恵をこの晩は如実に感じたな。
 
 リード・ヴォーカル/ギター、ギター/鍵盤/サックス、ベース、キーボード、ドラムからなる、今米国ではかなりな集客力を持つ5人組(2005年7月30日)。長髪のメンバーが2人いると思えば、そうじゃない2人はシャツにネクタイとベストという格好をしていたりするように、画一的な色に染まる事を良しとしない集団とも言えるか。アメリカン・バンドらしい渋さや大風呂敷さを持つ一方、今様な音の響きや繊細な佇まいに気をつかっているところがあるとともに、通常のロック表現/ライヴよりは演奏パートがぐぐいっと長かったりするのも、そうした一例と言える。まあ、開始後1時間すぎあたりでやった単純なフレーズをこれでもかと延々と繰り返すのには、ぼくは飽きちゃったけど。まあ、それも彼らなりのサイケデリアの具現であるのか。

 自分たちの“目”で行かんとし、大回りさと小回りを兼ね備える。と書くのが、まあ適切なんだろう。なお、1曲目はMountain Mocha Kilimanjaro(2011年7月2日、他)のトランペット奏者ら3人の日本人管楽器奏者がつき、広がりを助ける。ぼくは用事があったため、退出してしまい見ていないが、アンコールでも彼らは出て来て、一筋縄ではいかない色づけに貢献したはず。

<今日の、注意書き>
 地震があった場合は、係員の指示があるまでには絶対に場外に出ないでください。というような、但し書き表示が会場のあちこちに。どうやら、地震時に観客が出口に殺到する際の事故をおおいに危惧してのもののよう。だったら、もう一言、音響がいいことで有名な当会場は頑丈にできていて、地震による倒壊などの危険性はありません、とか付記してほしいものだが。ともかく、気付かないだけかもしれないが、他にこういうお知らせを出している会場を、ぼくは知らない。逆に言えば、アックスはそれぐらい、これでもかと告知されている。ま、なんにせよ、本当にデカい地震が来たときライヴ会場にいたら、普通の場所にいるより怖い思いするのは間違いないか。そんときはそんとき、と思いつつ、一応ココロにとめておきましょう。