アウル・シティー。パトリック・ブリュエル
2009年11月24日 音楽 うわー、朝10時からの取材。しかも、場所が(生理的に遠さを感じさせる)お台場のホテルということで、久しぶりに目覚ましをセットして起きる。余裕を見て、8時40分に家を出た。普通だったら、車で行くところだが、時間もいまいち読めないこともあり素直に電車を用いる。どんどん、運転が好きくなくなっているかも。この時間の池尻大橋駅はまだまだ車両が混む。田園都市線の沿線に引っ越した知人は行き帰りの混んだ車内が嫌で、みんな後悔してるよなー。渋谷駅手前にさしかかると、前が詰まっているのかのろのろ運転。それも、なんかストレス溜まる。そして、車内放送は、銀座線が渋谷〜三越前の間で止まっている事を伝える。表参道乗り換えで銀座線経由でゆりかもめを使うか、渋谷乗り換えでりんかい線で行くかキブンで選ぼうと思っていたが、OK、東京テレポートで降りてから少し歩くけどりんかい線で行きましょう。複数の選択肢があると問題ないが、一つだけの交通手段しかなかったら、こういう事があると怖いな。
正午少し前に家に戻ってきてガンガン原稿を打ち、日が暮れて、またライヴの時間。渋谷・クラブクアトロで、米国でブレイクしちゃった(シングル1位とアルバム8位)、アウル・シティーと名乗るはミネソタ州在住のニュー・カマーを見る。ラヴリーなポップ曲を自宅録音ぽい設定で聞かせるというイメージがあったが、プリセットの同期音はつかっていたものの、ちゃんとアルバムから発展したものを開こうとしていたのはあっぱれ。それを具現するために用意したミュージシャンはヴァイオリン、チェロ、キーボード、ドラム。ドラマー以外は女性で、20代半ばとおぼしき彼はけっこうまっすぐな情緒を出しながら歌う。電気ギターやキーボードを弾く場合もあるが、ただ立って歌う場合も多かった。ちゃんと、曲を書く事ができる人が売れるのはいいこと。そして、そんな彼はちゃんと色づけに留意する意欲を持っているというのを了解。実は、彼は前座で、このあとメイ(2008年2月15日)がフロント・ライナーとして登場したはずだが、移動する。入場時に、かつてフジ・ロックでのファットボーイ・スリム公演(2005年7月30日)の際に配ったような3Dの眼鏡をもらったが、彼らはそういう設定の実演をしたのだろうか。
次は、ホテルグランパシフィック・ル・ダイバのバカでかい宴会場で、フランスのスーパー・スターのパトリック・ブリュエルを見る。ほんと、映画俳優でもある彼(過去の来日は、映画祭がらみ)は本国では物凄い人気者らしい。そんな大物シンガー・ソングライターが突然ひょっこりやってきたのは、在日フランス商工会議所が威信をかけた豪華ガラ・パーティ(正装の方々が650人いたよう)に出演するため。前日に来日し、翌日には帰国。彼にはその様を収めるTVクルーが同行してきているという。
9時すぎに、彼は生ギターを弾きながら登場。もう、フランス人はまさに拍手喝采、文字通りに。ピアノを弾くときも少しあったが、基本はギターの弾き語り。途中からはサポートのギタリストも加わり、二人でショウを進める。驚いたのは、いつ覚えたのか、日本語のMCをけっこうしたこと。2曲目はなんと日本語で歌う。うわあ。よほど耳や頭がいいのか、努力の人であるのか。主のMCもあまりフランス語はつかわず、まだ日本人には分かり易いと判断したのか、英語でする。若い頃はやんちゃ坊や的な魅力でアイドル人気を得たんだろうと思わせる彼は、気配りパフォーマンスの見事な達人だった。
ショウは1時間を超えるものだったが、簡素なお膳立てにも関わらず、華やかになんら飽きさせることなく、聞き手を引き付けていたのは流石。いろんな曲をうまく並べ、巧みなステージ・マナーとともに思うまま自分を開く様には力がたっぷり。あと、歌声が朗々、よく通る。それも、聞く者をしっかりと引き付けますね。やはり、タマが違います。最後の方で、古いシャンソン「メニルモンタン」をやった際は、うながされてフランス人の方々は男女で腕を組んで踊る。途中にはキャロル・キングの「ユーヴ・ガット・ア・フレンド」を、広がりのある和音の置き換えを施して披露もした。
冒頭に触れた朝一の仕事はそのブリュエルのインタヴューだったわけだが、面白かった。やはり、名をなす人はそれなりのモノを持っていますね。彼はアルジェリア生まれ(1959年当時は、まだフランス領)で、3歳からパリ在住。アルジェリアという事項だと著名サッカー選手のジダンを思い出すが、彼も子供のころはサッカーに夢中だったという。とうぜん、パリ・サンジェルマンの熱烈応援者。サッカー界では、いまワールドカップ予選のフランスvs.アイルランドの試合の誤審が話題(フランスのアンリがハンドの反則をしたあとに点が入って勝利。それで、アイルランドは本大会出場を逃した。FIFAは再試合しないことを決定)だが、彼は“あれは再試合をするべきだと思っている”ときっぱり。リベラルな人。彼はライヴ・アルバムを数多く出していることにも表れているように、ライヴが好きで力を入れている人だが、でも人種差別を掲げる極右政党に所属する市長が選ばれている都市では公演をしないようにしているらしい。そんな彼はめっぽう腕の立つポーカー(トランプ)・プレイヤーで、それでものすごい額を稼いでいることでも本国では知られるよう。また、ミレニアム以降でも3度結婚しているとの情報があるなど、女性についてもお盛んとか(でも、4歳と6歳の息子がかわいい、とも言っていた)。ロッド・スチュアートのように女性についてはどん欲なようですがと問うと、「声がかれているから似ているんじゃないかナ」。ポーカーと女性、どちらが音楽にいいリアクションを与えていいますかと聞いたら、さらりと女性と言って微笑む。ブリュエルさん、素敵です。
正午少し前に家に戻ってきてガンガン原稿を打ち、日が暮れて、またライヴの時間。渋谷・クラブクアトロで、米国でブレイクしちゃった(シングル1位とアルバム8位)、アウル・シティーと名乗るはミネソタ州在住のニュー・カマーを見る。ラヴリーなポップ曲を自宅録音ぽい設定で聞かせるというイメージがあったが、プリセットの同期音はつかっていたものの、ちゃんとアルバムから発展したものを開こうとしていたのはあっぱれ。それを具現するために用意したミュージシャンはヴァイオリン、チェロ、キーボード、ドラム。ドラマー以外は女性で、20代半ばとおぼしき彼はけっこうまっすぐな情緒を出しながら歌う。電気ギターやキーボードを弾く場合もあるが、ただ立って歌う場合も多かった。ちゃんと、曲を書く事ができる人が売れるのはいいこと。そして、そんな彼はちゃんと色づけに留意する意欲を持っているというのを了解。実は、彼は前座で、このあとメイ(2008年2月15日)がフロント・ライナーとして登場したはずだが、移動する。入場時に、かつてフジ・ロックでのファットボーイ・スリム公演(2005年7月30日)の際に配ったような3Dの眼鏡をもらったが、彼らはそういう設定の実演をしたのだろうか。
次は、ホテルグランパシフィック・ル・ダイバのバカでかい宴会場で、フランスのスーパー・スターのパトリック・ブリュエルを見る。ほんと、映画俳優でもある彼(過去の来日は、映画祭がらみ)は本国では物凄い人気者らしい。そんな大物シンガー・ソングライターが突然ひょっこりやってきたのは、在日フランス商工会議所が威信をかけた豪華ガラ・パーティ(正装の方々が650人いたよう)に出演するため。前日に来日し、翌日には帰国。彼にはその様を収めるTVクルーが同行してきているという。
9時すぎに、彼は生ギターを弾きながら登場。もう、フランス人はまさに拍手喝采、文字通りに。ピアノを弾くときも少しあったが、基本はギターの弾き語り。途中からはサポートのギタリストも加わり、二人でショウを進める。驚いたのは、いつ覚えたのか、日本語のMCをけっこうしたこと。2曲目はなんと日本語で歌う。うわあ。よほど耳や頭がいいのか、努力の人であるのか。主のMCもあまりフランス語はつかわず、まだ日本人には分かり易いと判断したのか、英語でする。若い頃はやんちゃ坊や的な魅力でアイドル人気を得たんだろうと思わせる彼は、気配りパフォーマンスの見事な達人だった。
ショウは1時間を超えるものだったが、簡素なお膳立てにも関わらず、華やかになんら飽きさせることなく、聞き手を引き付けていたのは流石。いろんな曲をうまく並べ、巧みなステージ・マナーとともに思うまま自分を開く様には力がたっぷり。あと、歌声が朗々、よく通る。それも、聞く者をしっかりと引き付けますね。やはり、タマが違います。最後の方で、古いシャンソン「メニルモンタン」をやった際は、うながされてフランス人の方々は男女で腕を組んで踊る。途中にはキャロル・キングの「ユーヴ・ガット・ア・フレンド」を、広がりのある和音の置き換えを施して披露もした。
冒頭に触れた朝一の仕事はそのブリュエルのインタヴューだったわけだが、面白かった。やはり、名をなす人はそれなりのモノを持っていますね。彼はアルジェリア生まれ(1959年当時は、まだフランス領)で、3歳からパリ在住。アルジェリアという事項だと著名サッカー選手のジダンを思い出すが、彼も子供のころはサッカーに夢中だったという。とうぜん、パリ・サンジェルマンの熱烈応援者。サッカー界では、いまワールドカップ予選のフランスvs.アイルランドの試合の誤審が話題(フランスのアンリがハンドの反則をしたあとに点が入って勝利。それで、アイルランドは本大会出場を逃した。FIFAは再試合しないことを決定)だが、彼は“あれは再試合をするべきだと思っている”ときっぱり。リベラルな人。彼はライヴ・アルバムを数多く出していることにも表れているように、ライヴが好きで力を入れている人だが、でも人種差別を掲げる極右政党に所属する市長が選ばれている都市では公演をしないようにしているらしい。そんな彼はめっぽう腕の立つポーカー(トランプ)・プレイヤーで、それでものすごい額を稼いでいることでも本国では知られるよう。また、ミレニアム以降でも3度結婚しているとの情報があるなど、女性についてもお盛んとか(でも、4歳と6歳の息子がかわいい、とも言っていた)。ロッド・スチュアートのように女性についてはどん欲なようですがと問うと、「声がかれているから似ているんじゃないかナ」。ポーカーと女性、どちらが音楽にいいリアクションを与えていいますかと聞いたら、さらりと女性と言って微笑む。ブリュエルさん、素敵です。