臨海副都心・ゼップ東京。おお、このUKバンド(2000年2月11日、2002年11月16日、2005年7月31日)を見るのはなんか久しぶりのキブン。でもって、ゼップ東京(やっぱ、広い会場だなと再認識)に行くのもけっこう久しぶり。ここは飲めなくてもちんたら電車乗り継ぐよりはマシと車で行く会場なのだが、家を出ようとしたら車の鍵が見つからず、いじけつつ電車でゴー。銀座線で新橋まで行き、ゆりかもめに乗り換える。本当にこの無乗務員システムを取るモノレールはゆっくり動く。メトロポリスな夜景が綺麗だからまあいっかという気になるが、そんなの関係ない毎日の通勤客による負の情念が車両の天井にべったり張り付いている、なーんて思う。

 相変わらずスリムで、歌が上手いんだか下手なんだかよくわからぬぶっきらぼうな歌い方をするボビー・ギレスビー(その様に触れながら、これはこれで英国ロック的なありかただよなーと思う)を中心に、扇情度の高いギター・ロックを送り出す。ときには、シークエンス音を膨らし粉っぽく効果的にまぶす。ステージ後方にはデカいヴィジョン、そしてそこからは派手な緑色のレーザー光線がときに発されたりもする。よく練られた、鼓舞する力が大きいロック・ショウ……。ただし、「ロックス」だったか、プリセットの女性バッキング・ヴォーカルがしらーっと重ねられたのには興ざめ。今のサポートのギタリストはケヴィン・シールズ(1999年12月5日参照)を経て、リトル・バーリー(2005年6月6日、2006年12月11日)のバーリー・ギャドガン。彼、歌えるんだから、もっとバッキング・ヴォーカルで活用すればいいのに。ギレスピーはアンコールで、「ハロルド・メルヴィン&ザ・ブルーノーツに捧げる」と言ったような。彼らは、テディ・ペンダーグラスも在籍したことがある、スウィート・ソウルの名コーラス・グループだ。

 帰路は知り合いの手引きで、JRりんかい線に初めて乗る。うわー、近い。20分かからず、渋谷についてしまう。ゆりかもめに乗っている時間よりも短いか。不思議、魔法みたい。往復で1.000円かかるものの、少しゼップ東京が身近になった。長年、東京に住んでいても、知っている事なんて、微々たるもんだよなー。