毎年ひらかれるケルト系アクトが出演する年末開催のイヴェント、錦糸町
・すみだトリフォニーホール。まず、チーフタンズ(1999年5月29日、20
01年5月29日、2007年6月1日)の若手外様メンバーたち、アイルランドと
カナダの若手ミュージシャンらによるトレッドがパフォーマンス。ハープ
(トリーナ・マーシャル:2007年6月18日)、フィドル、ギターによるト
ラッド曲演奏に、随所に挿入される男性2と女性1のダンス。やっぱ、踊りが
すごっ。もう、こっくりしちゃう。そして、もわーんとケルト圏文化の嬉し
い流儀を感じることができる。
    
 休憩を挟んで、アイルランドの中世の宗教曲から静謐オリジナル曲までを
清楚な混声コーラスにて届けるアヌーナ。キャンドルを沢山配した舞台上
が綺麗。ステージに登場したのは女性/男性ともに6人。一番若い女性メン
バーがこの日ハタチの誕生日を迎えたようだが、意外に皆さん若めに見えた
。で、1曲だけ生ギターを男性メンバーが弾いた曲があったが、それ以外は
どの曲も無伴奏にて。一応、マイクが立っている感じもあったけど、ほば生
音だったのではないか。というのも、曲によっては一部の女性メンバーが客
席側に下りて歌ったりもし(2階席に一人が出たときもあった)、それでも
ちゃんと歌声はホールに響いていたから。で、メンバーが通路を移動しなが
ら歌たったりもする(歌声の動きがよく判る)、アナログなサラウンド表現
は興味深くもとても感心。アヌーナは音響が練られたこのホールに向いた(
ある意味、ダイナミックな)出演者であったし、彼女たちは今トップ・クラ
スにSACDマルチ・チャンネル録音に適したグループであると言えるので
はないか。そんなわけで、当初は綺麗綺麗すぎてぼくには辛いかもな〜んて
思っていたのだが、かなり興味津々に聞くことができた。

 例年ケルティック・クリスマスには3組のアーティストが出るが、2組の
ほうが世話しなく各々のパフォーマンスを楽しめるし、最終部の両者の絡み
も丁寧になるし、2組のほうがぼくはいいと思う。出演者の数の多さを美徳
と考える客層でもないだろうし。