サマーソニック05

2005年8月13日
 午後1時少し前についたのだが、気分でメッセの駐車場のほうに停めたら、
マジ一番奥のほう。ほう、混んでいるのね。今年は恐竜展を横でやってたりし
ないのに。例によって、フジ・ロックと比べるとお客の年齢層は低め。幕張メ
ッセ側の会場に入ると、ザ・ディパーチャー(マウンテン・ステージ)がやっ
ている。で、すぐに久しぶりの知り合いと会い、1時間近くまったり。あらら
。まあ、そういうのもフェスのありかたであると思うことにした。

 TV・オン・ザ・レイディオ(マウンテン)をちょい見たあと、隣のステー
ジのジ・アーケイド・ファイア(ソニック・ステージ)を見る。サポート奏者
も加わっていたのか、10人近くステージ上にいたんじゃないか。ヴァイオリン
奏者も二人。曲によっては、担当楽器をかえてみたり。とにかく、大勢が好奇
心おうせいに自分たちの表現にあたっているという風情がよろしい。かなり、
ニッコリ見れる。音楽的にはなんとなくブームタウン・ラッツとの親和性を感
じた。そんなこともあって、カナダのモントリオールの出身だそうだが、ぼく
はある種UKぽいなという印象も得た。

 電気グルーヴ+スチャダラパー(マウンテン)を30分ぐらい見る。3MC+
2DJ、という内訳となる。けっこう、動きを含め事前の準備を経てのパフォ
ーマンスであるように思われたが。軽妙、やはり貴重な日本人であることをぼ
くは再認識した。その前後には、重なってやっていたミュー(ソニック。20
03年4月24日)やフリップサイド(アーバン。2005年3月7日参照)
も一瞥。しかし室内会場、冷房の効き具合がもう少し強くても良いのではない
だろうか。

 そして連絡バスに乗って千葉マリーン球場(マリーン・ステージ)に移動し
、ディープ・パープルを見る。追加発表になったときなぜ彼らが出るの?と思
ったが、なんとなく見てもいっかなあとなって、意外に出演に納得っス。単独
で来日したら絶対に行かないだろうけど、フェスの一コマなら気軽に触れられ
る。で、70年代前半のころのかつて熱心に聞いた曲を聞けたら嬉しい……(で
も、ぼくはフジ・ロックに出演したザ・ビーチ・ボーイズはぜんぜん見る気が
しなかった。生理の問題なんだよなあ)。イアン・ギラン以外、誰がいたかは
知らないが、まあまあの演奏。ギランもそこそこ声が出ていた。良いんじゃな
いでしょうか。だが、いまだと予定調和に聞こえてしまう長いソロの応酬(そ
れもまたディープ・パープルの昔のからの肝ではあったのだが)には辟易して
、途中で新設された球場横のDJ主体のアクトが出るHMVダンス・テントに
逃避。僕が行ったときの出し物にはなじめなくて、すぐに球場に戻ったけど、
こういう場もアリでしょう。

 ディープ・パープル終了後、やはり球場横のビーチ・ステージに。おお、規
模が大きくなったな。そこで、スライトリー・ステューピッドを。ギター、ベ
ース、ドラム、パーカョション。レゲエ系を中心に、ちょいハード・コアまで
。音盤だと存在の軽さにめげるところもあるのだが、乱暴で開放的な場だとO
K。演奏力もそれなりに持つし、ハモリもできるし。昨年の項でも書いている
が、やっぱりこの場をぼくは好き。だが、整備されたぶんだけ、違和感を感じ
る部分も。前回はなんの囲いもされていなかったのだが、今回は海岸の一部が
仕切りされていた(入るときは、リスト・バンド・チェックがある)。その囲
いは低く、その外からでも容易にステージを見られるわけで(外から見ている
人も多くはリストを付けていたと思う)、なんであんな無粋なことをするのか
? もともとパブリックのスペース(公園内の海岸)に設けた場だし、去年の
ようにすべてフリーの状態でやるほうが道理でしょう。だいいち申し訳程度に
せよ、枠で囲われているというのは解放感をおおいに削ぐ。太っ腹で行ってほ
しい。それにいいじゃん、サマソニと関係なく浜辺に遊びに来た人がふらりと
見れる、フリー・スペースがあっても。貧乏な中高校生なら、タダのここだけ
を目当てにコンビニで買った食べ物/飲み物と往復の電車賃だけ持って来るの
も素敵じゃないか。それが、のちのフェス・リピーターになる可能性もあるわ
けだし。今回、ビーチ・ステージにはタワー・レコードがスポンサーとして付
いていたが、タワーも賢いとは言いにくい会社だなあ。フェスに来た人以外も
顧客になりえるわけで、ぼくがその責任者だったら、柵を外すことを強硬に要
求するけど。そのほうが太っ腹な企業というイメージが増幅されて、宣伝効果
があるのは明らかでしょう。

 そして、またメッセ側に戻る。イアン・ブラウン(ソニック)のステージは
びっくり。ストーン・ローゼズ曲を連発して。で、悪びれないのはいいのだが
、強力に音痴で大笑い。一緒に見てた知り合いがカラオケみたいだと言ってい
たが、あれカラオケの採点だったら、50点以下だろう。おまけに、アクション
がなんか猿みたいでどんくさい。あれに、萌えることができる人はすごいっ。
ぼくは呆れるのを通り越して、大爆笑。なんか、存在が近くなったけど。

 で、ア・トライヴ・コールド・クエストにいた曲者、Q・ティップ(アーバ
ン)を見たが、DJとさしでラップした彼は素晴らしかった。もう、ばっりち
力をこめて。手応えやスキルもあり。やっぱ、あっちの本物は違う。やっぱり
、相当に日本の担い手とは差があると痛感させられたパフォーマンス。拍手。
それ終わってナイン・インチ・ネイルズ(マリーン。2000年1月11日)が
やっている球場に行ったら、入口周辺がすごい混んでて、もわあっとすごく気
温も高く感じたので、中で見るのを軽くあきらめる。そういえば、球場前には
その前に出たスリップノット(2000年2月7日)のコスプレさんたちがい
ろいろいて微笑ましかった。熱いなか、ご苦労さんです。

 今年はまた規模が大きくなった。千葉マリーン球場における大ステージとも
に、幕張メッセの屋内会場には4つのステージ(邦楽アーティストが出ていた
、アイランド・ステージはキャパが小さすぎて入場規制がしかれっぱなしだっ
たよう)。それに先に触れたDJテントと海岸ステージ。他に、アトラクショ
ンも少し。とにかく、選択肢が広がるのは歓迎すべきこと。それと並んで、食
べ物スペースなども増大。なお、この日は降雨の予想も出ており、都内は一時
豪雨だったそうだが、千葉県はいっさい降らず。サマソニはラッキーね。