シー・アンド・ケイク(2003年1月30日)の中心人物サム・プレッコップの
、久しぶりの個人名義公演。前座に彼のサポート・プレイヤーでもあるコルネ
ットのロブ・マズレク(2000年10月15日、2004年1月20日)とドラムのチャド
・テイラーによるシカゴ・アンダーグウランド・デュオが登場というのは、前
回のプレコップ公演(1999年6月6日)と同じ。ただし、前回と異なり今回は
ずっと二人で演奏を繰り広げたが。場所も同じく南青山・カイ。客はかなり男
が多かった。そういうやあ、シカゴ系って大方ルックスはお粗末だよなあ。

 <寒い国で一人知恵の輪遊びを淡々とやっているようなギター弾き語りにジ
ャズ・コンボがたるバック陣が寄り添う>とぼくは前回公演報告文で書いてい
るが、今回のプレコップはもう少し温かみがあったと言えるか。バック・バン
ドにはアーチャー・プレヴィット(ギター)やタウン&カントリー(2003年11
月27日)のジョシュ・エイブラムス(ベース)がいて、なかなかに興味深い。
風通しは良いながらサポート陣との重なりがもっと緊密になり、そのなかでな
んか誘われる歌をプレコップは歌っていた。

 ところで、会場に行く前に夕刊記事でルーサー・ヴァンドロスが亡くなった
ことを知る。この公演ではその話題を分かち合える人はいないかもなと思って
いたら、黒モノ好きという印象をぼくが持つ某レコード会社のディレクター氏
もいて、彼とその話をひとしきり。54歳でした。