LOSALIOS

2005年5月28日
 昼間、少しムカっとし、悲しくなる。ある雑誌のヴィデオ・レヴューとア
ルバム・レヴューの準備をごんごんとやろうとしたら……。両方とも正商品
ではなく、試聴用に用意されたもの見(聞き)ながらのものだったのだが。
まず、ヴィデオは終盤が尻切れ。144 分の商品が120 分のヴィデオ・カセッ
トに入るわけないじゃないか! 一体、メーカーは何を考えているのだ。土
曜だから編集部の人間とは連絡とれないはずなので、メールを入れておく。
そして、気を取り直してアルバム・レヴュー用の音を聞き出したら。ん、な
んじゃいこれは。曲がみんなフェイドアウトになってるじゃないか(前にも
大物アーティストでそういうの、あったな)。それって、海賊盤対策? っ
て、ありえないありえない。カセット・テープに入っている音質、とっても
悪いもの。まあ、ちょい聞きの人にはありがたいのかもしれないが。また、
これじゃ書けませんとメールする。悲しくなったのは、なんか書き手の立場
がひどく軽視されているような気になるからか。オレ、気位高いところある
からなあ(だから、催促の電話でごめんなさいまだできてないんですと口先
とはいえ謝るのも好きくないので、原稿はちゃんと締切りまでに出す。つー
か、500 枚の論文書いているわけじゃあるまいし、それぐらいの原稿さっさ
と書けずにどーする?)。そんな音楽/大切な商品をハンパに壊すことをや
るんだったら、最初から一切プロモーション用事前情報開示をしなければい
いのに。というわけで、じっさい唐突にレコード店に商品が並ぶようにした
そうなリンプ・ビズキッド(2001年1月13日)はなんとまっとうな精神の持
ち主たちであることか。ぼくのなかで非常に株があがった。

 で、そんなヤな気持ちふっとばしてやるぞおと、LOSALIOS(2003
年12月18日。今回はロス・エイリオスと発音していたな)で日比谷野外音楽
堂。単独ライヴ。何度もここに来ているはずなのに、出る地下鉄出口を間違
えて、とほほと公園内を彷徨う。やっぱ、いい公園なのだなと気づく。
 
 エル・マロやFOE他の會田茂一が入って、ギタリストが二人になっての
ライヴ。おお、かちっとした風情、強まりましたね。ジャズ・ロックという
よりは、伸縮性にたけたプログレてな印象が強くなった。都会の野外ライヴ
はこの季節が一番、気持ちがいいな。