まず、南青山・ブルーノート東京でジョー・ロバーノ。ワン・ホーンによる
、カルテットでの出演。あちらでは相当な人気を持つ人だが、日本ではいま二
ぐらいの人気で、その落差はかなり大きい。セカンド・セット。

 声援が大きく、観客の反応がすごい。少し、驚く。アンコールはないが、た
っぷり1時間半を超えるパフォーマンス。いいテナー・サックス奏者であるの
は確認できた。だが、そのグループ/音楽性の方向性という部分においては、
ぼくの好みからするとちと刺激や意外性に欠けるなあという部分も。というか
、いまだぼくの頭のなかにはチャールス・ロイド(5月11日)の演奏の凄い余
韻が残っているのだ。なぜ、もう1度見にいかなかったか。ぼくは、それをし
なったことを後悔している。少なくても、ぼくにとってはヴェローゾ公演(5
月23日)以上の不思議や神通力を感じさせるものであった(まあ、初めて見た
というのが大きいのかもしれぬが)と、今思っている。

 そして、代官山のAIRへ。トーマス・キャベル監督のサーフィン映画『S
PROUT』日本公開に際しての催しで、そのサウンドラック(オリヴァー・
ネルソン、HIMやトータス、モハーヴィ3やキャレキシコなどが入ったなか
なか趣味の良いものになっている)にスプラウト・ハウス・バンドという名前
で楽曲を提供していた、ジャック・ジョンソン、マーニー・マーク、トミー・
ゲレロ、アダム・トポルからなる4人組スペシャル・バンドのギグがあるとい
うので。会場入りすると、ふわーんとした音楽が。トミー・ゲレロがやってい
るという。そして、暫くするとマーニー・マークが前にたったものとなり、そ
してジャック・ジョンソンが主役に。それぞれ、持ち歌をやったのではないか
な。ベースを弾いていたゲレロは初めて接するが、印象的なルックスを持って
いるのだな。

 最初は非ステージ・フロアで知り合いと喋っていたが、途中からステージ・
フロアで見ていた。で、横に身長の高い男がいるナと思ったらG・ラヴで、本
編最後のほうには彼もハーモニカで加わった。アンコールには、ザ・ミーター
ズの「シシィ・ストラト」をなぜかやる。そのリフを応用するだけで、ぜんぜ
んセカンド・ライン・ファンクにはなっていなかったが、その曲をやりたがる
嗜好を経由しての和みなのだなあ……なんてことを感じると嬉しくなった。肩
のこらない、アフター・アワーズ的セッション。でも、彼らが興に乗って浜辺
で仲間たちのやんやの喝采を受けながら笑顔でライヴをやるとこんな感じにな
るのかな、なんても思えた。