サハラ・ホットナイツ
2005年4月5日 すこしづつ、やっと家の近くの桜がピンク色がかってきた。このウィー
クエンドには見ごろになるかな。
原宿、アストロホール。ありゃ、前座があった(ギターと歌を担当する、
左利きの女性を中央にに置く日本人トリオ。ちゃんとギターを弾き、声もよ
く聞こえた)。サハラ・ホットナイツを見たあと、8時ごろから始まるジミ
ー・イート・ワールドに回ろうと思っていたのだが。
北の国(スウェーデン)のガールズ・バンドながら、“サハラの熱い夜”
と名乗る感覚はいいナ。音楽的にはベタなロックだが、けっこうしゃきっと
した音を送り出してて、感心。コーラスなんかもちゃんとしているし、健気
と言うか、一生懸命やっている様はふむふむと思わせるもの。昔、ここで見
たドナス(2000年8月30日参照)のこと、少し思い出したりも。で、酔っぱ
らってきて移動するのもかったるくなってきたし、会場で前日ジミー・イー
ト・ワールドを見た人が二人いたのだが両者とも見たほうがいいよとは言わ
なかったりしたので、そのままいちゃう。
4人のスウェーデン娘たち、実はそんなに背が高くないように見え、凄く
ブロンドの人もいない(一番、そのイメージに近いのはドラマーか)。よう
は、純粋な北欧系の人ではないのかともふと思われたのだがどーなのか。と
もあれ、彼女たちの今回の来日は名古屋博の“スウェーデン・デイ”に出演
するためのもの(彼女たちはこの晩、名古屋に発つという)。実は、万博で
は毎日、各国主催によるイヴェントがあって、それに来たついでに、彼女た
ちのようにオマケの単独公演を開くというアーティストは今後いくつか出て
きそうだ(来週見る予定の、アトミックもそう)。
クエンドには見ごろになるかな。
原宿、アストロホール。ありゃ、前座があった(ギターと歌を担当する、
左利きの女性を中央にに置く日本人トリオ。ちゃんとギターを弾き、声もよ
く聞こえた)。サハラ・ホットナイツを見たあと、8時ごろから始まるジミ
ー・イート・ワールドに回ろうと思っていたのだが。
北の国(スウェーデン)のガールズ・バンドながら、“サハラの熱い夜”
と名乗る感覚はいいナ。音楽的にはベタなロックだが、けっこうしゃきっと
した音を送り出してて、感心。コーラスなんかもちゃんとしているし、健気
と言うか、一生懸命やっている様はふむふむと思わせるもの。昔、ここで見
たドナス(2000年8月30日参照)のこと、少し思い出したりも。で、酔っぱ
らってきて移動するのもかったるくなってきたし、会場で前日ジミー・イー
ト・ワールドを見た人が二人いたのだが両者とも見たほうがいいよとは言わ
なかったりしたので、そのままいちゃう。
4人のスウェーデン娘たち、実はそんなに背が高くないように見え、凄く
ブロンドの人もいない(一番、そのイメージに近いのはドラマーか)。よう
は、純粋な北欧系の人ではないのかともふと思われたのだがどーなのか。と
もあれ、彼女たちの今回の来日は名古屋博の“スウェーデン・デイ”に出演
するためのもの(彼女たちはこの晩、名古屋に発つという)。実は、万博で
は毎日、各国主催によるイヴェントがあって、それに来たついでに、彼女た
ちのようにオマケの単独公演を開くというアーティストは今後いくつか出て
きそうだ(来週見る予定の、アトミックもそう)。
映画「シャウトオブアジア」。フェレンツ・シュネートベルガー
2005年4月7日 ます、映画美術学校第2試写室で、映画「シャウトオブアジア」を見る。
試写最終日なせいか、満席。4月23日より、渋谷のシネ・ラセットで公開さ
れる。
韓国の有名シンガー・ソングライター(カン・サネという人。ナイス・ガ
イっぽい)が、日本、フィリピン、インドネシア、中国を旅し、現地の心意
気あるミュージシャンたちと親交を深め、一緒に曲を作ったりもしちゃうと
いう、ドキュメンタリー映画。そこから、アジアの人達が音楽という行為に
託す意味や、目覚めた若い世代のアジアの現場の連体の意義なんかを浮かび
上がらせるという主題も持っているのかな。
監督は、在日二世のテレビ・ドキュメンタリー畑という1958年生まれの玄
真行という人。のっけから、彼のナレーションが入ってきて、びっくり。ち
ょっと、うざい。だったら、興行上は辛くなるだろうが、自分を主役にした
もっと赤裸々な作品を撮ればいいのにと少し思う。でなきゃ、言葉に頼らず
、なんとか映像で語ってほしいナとも。出てくる日本人のミュージシャンは
忌野清志郎とマリーという沖縄出身のヴェテラン・シンガー、後者が沖縄に
戻り母親のお墓参りをするシーンで、(辛くて)歌(「アメイジング・グレ
イス」)なんか歌えないと言う彼女を、「歌って。せっかく沖縄まで来てい
るんだから」という強制ととられなくもない彼のセリフまで入っているのに
はびっくり。そんなの吹っ飛ばして、歌のシーンだけ使うこともできるだろ
うけど。正直な作り手であるんでしょうね。
なぜ映画で対象となるのが上記の国でミュージシャンなのかという説明は
、インドネシアやフィリピンに関してはなされない。まあ、限られた予算や
日程のなかでよく作ったとは思うし、それに?と思うのはぼくが音楽により
入り込んでしまっている人間だからかなと思うけど。主人公や監督の属性か
ら、いろんな歴史に翻弄され、北と南に、朝鮮半島と日本や中国に散らされ
てしまった朝鮮民族の実像が音楽絡みで描かれたりもする。実は、ぼくはそ
っちのほうにポイントを絞ったほうがすっきりしたんじゃないかとも感じた
(2時間強の長さの映画だ)。やっぱり、描こうとする対象が広すぎる。
もちろん、その音楽現場やミュージシャンたちの姿は興味深い。とくに、
スランクというインドネシアのバンドの自国人気はすごいないあ。ただ、属
性違いのミュージャンが一緒に作る曲が既発表曲に類似したものであるのは
非常にまずいんではないか。たとえば、出演者の多くで作られ、映画の最後
のクライマックスの野外コンサートで歌われる「シャウト・エイジア」とい
う単純な曲は、スリー・ドッグ・ナイトのヒット曲「アン・オールド・ファ
ッションド・ラヴ・ソング」のサビと酷似(インドネシア勢と韓国勢の曲の
頭のほうは、レイナード・スキナードの「38スペシャル」とかを想起する)
。偶然なのかもしれないが、胸を張った今のアジアの迸る歌たらんとするな
ら、30年前強のアメリカの有名曲と似ているなんてマヌケじゃない? 映画
にはそれなりの蓄積を持つ人も係わっているのだろうし、誰かがそれを指摘
しなきゃ。共演コンサートの場面からエンドロールに入り、そのままその曲
は流れるのだが、ちょっとぼくはシラけた。アジアの音楽力なんて、そんな
浅薄なもんじゃないだろ? それから、なんだかんだ言っても結局彼らの共
通言語となりえるのは、西欧的ポップ・ミュージックが積み上げてきた価値
観なのだとも、それは痛感させる。洋楽を中心に文章を書いているぼくもま
ったくもって、そうなのだろう……。そういやあ、この日の朝日新聞に日本
の人気バンドの類似曲に対する中途半端な擁護記事が乗ってたなあ、なんて
こともふいに思い出した。
そして、新宿のピットイン。映画見たあとかけつけると、ちょうど2部に
間に合う。ジプシーの血を引くというハンガリーの中年ギタリスト(小柄だ
が、そこそこ風情あり)。旧ユーゴのボスニア出身の有名ジャズ・トンペッ
ター、ダスコ・ゴイコヴィッチのバンドに入ってたりもしてて、エンヤから
5枚のリーダー作を出している人。ガット・ギターを用い、椅子の横におい
たアンプで音を多少作ったりもする。うまい。アルバムで聞くよりジプシー
・ギター濃度は低いが、クラシックからボサノヴァまでいろんなアコーステ
ィック・ギターを用いる演奏を会得してて、それらを粛々と、ジャジーに束
ねたような演奏を披露。最後の方でトランペッターの原朋直が加わったが、
基本的には淡々とソロ演奏。でも、それでも十分に場を持たせていた。エン
ヤの次作はアリルド・アンデルセンらとのトリオで、オスロのレインボー・
スタジオ録音とか。
試写最終日なせいか、満席。4月23日より、渋谷のシネ・ラセットで公開さ
れる。
韓国の有名シンガー・ソングライター(カン・サネという人。ナイス・ガ
イっぽい)が、日本、フィリピン、インドネシア、中国を旅し、現地の心意
気あるミュージシャンたちと親交を深め、一緒に曲を作ったりもしちゃうと
いう、ドキュメンタリー映画。そこから、アジアの人達が音楽という行為に
託す意味や、目覚めた若い世代のアジアの現場の連体の意義なんかを浮かび
上がらせるという主題も持っているのかな。
監督は、在日二世のテレビ・ドキュメンタリー畑という1958年生まれの玄
真行という人。のっけから、彼のナレーションが入ってきて、びっくり。ち
ょっと、うざい。だったら、興行上は辛くなるだろうが、自分を主役にした
もっと赤裸々な作品を撮ればいいのにと少し思う。でなきゃ、言葉に頼らず
、なんとか映像で語ってほしいナとも。出てくる日本人のミュージシャンは
忌野清志郎とマリーという沖縄出身のヴェテラン・シンガー、後者が沖縄に
戻り母親のお墓参りをするシーンで、(辛くて)歌(「アメイジング・グレ
イス」)なんか歌えないと言う彼女を、「歌って。せっかく沖縄まで来てい
るんだから」という強制ととられなくもない彼のセリフまで入っているのに
はびっくり。そんなの吹っ飛ばして、歌のシーンだけ使うこともできるだろ
うけど。正直な作り手であるんでしょうね。
なぜ映画で対象となるのが上記の国でミュージシャンなのかという説明は
、インドネシアやフィリピンに関してはなされない。まあ、限られた予算や
日程のなかでよく作ったとは思うし、それに?と思うのはぼくが音楽により
入り込んでしまっている人間だからかなと思うけど。主人公や監督の属性か
ら、いろんな歴史に翻弄され、北と南に、朝鮮半島と日本や中国に散らされ
てしまった朝鮮民族の実像が音楽絡みで描かれたりもする。実は、ぼくはそ
っちのほうにポイントを絞ったほうがすっきりしたんじゃないかとも感じた
(2時間強の長さの映画だ)。やっぱり、描こうとする対象が広すぎる。
もちろん、その音楽現場やミュージシャンたちの姿は興味深い。とくに、
スランクというインドネシアのバンドの自国人気はすごいないあ。ただ、属
性違いのミュージャンが一緒に作る曲が既発表曲に類似したものであるのは
非常にまずいんではないか。たとえば、出演者の多くで作られ、映画の最後
のクライマックスの野外コンサートで歌われる「シャウト・エイジア」とい
う単純な曲は、スリー・ドッグ・ナイトのヒット曲「アン・オールド・ファ
ッションド・ラヴ・ソング」のサビと酷似(インドネシア勢と韓国勢の曲の
頭のほうは、レイナード・スキナードの「38スペシャル」とかを想起する)
。偶然なのかもしれないが、胸を張った今のアジアの迸る歌たらんとするな
ら、30年前強のアメリカの有名曲と似ているなんてマヌケじゃない? 映画
にはそれなりの蓄積を持つ人も係わっているのだろうし、誰かがそれを指摘
しなきゃ。共演コンサートの場面からエンドロールに入り、そのままその曲
は流れるのだが、ちょっとぼくはシラけた。アジアの音楽力なんて、そんな
浅薄なもんじゃないだろ? それから、なんだかんだ言っても結局彼らの共
通言語となりえるのは、西欧的ポップ・ミュージックが積み上げてきた価値
観なのだとも、それは痛感させる。洋楽を中心に文章を書いているぼくもま
ったくもって、そうなのだろう……。そういやあ、この日の朝日新聞に日本
の人気バンドの類似曲に対する中途半端な擁護記事が乗ってたなあ、なんて
こともふいに思い出した。
そして、新宿のピットイン。映画見たあとかけつけると、ちょうど2部に
間に合う。ジプシーの血を引くというハンガリーの中年ギタリスト(小柄だ
が、そこそこ風情あり)。旧ユーゴのボスニア出身の有名ジャズ・トンペッ
ター、ダスコ・ゴイコヴィッチのバンドに入ってたりもしてて、エンヤから
5枚のリーダー作を出している人。ガット・ギターを用い、椅子の横におい
たアンプで音を多少作ったりもする。うまい。アルバムで聞くよりジプシー
・ギター濃度は低いが、クラシックからボサノヴァまでいろんなアコーステ
ィック・ギターを用いる演奏を会得してて、それらを粛々と、ジャジーに束
ねたような演奏を披露。最後の方でトランペッターの原朋直が加わったが、
基本的には淡々とソロ演奏。でも、それでも十分に場を持たせていた。エン
ヤの次作はアリルド・アンデルセンらとのトリオで、オスロのレインボー・
スタジオ録音とか。
ユナイテッド・ステイト・オブ・エレクトロニカ
2005年4月9日 桜は本当に綺麗だなあ。花見はいいなあ。毎年、このころ満開だといいの
になあ。もし、なかなか散らない桜なんてのが出てきたら、そりゃ大発明だ
なあ。
花見でしっかりと浮かれてから、恵比寿・リキッドルーム。場内入りする
と(そんなに混み合っていないのが嬉しい)、K7!と契約するベルギーの
DJ二人組ザ・グリマーズが回している。入口正面、ステージに向かって左
側のところにブースが設営され、そこに二人が和気あいあいと作業している
。なんか、微笑ましい。そんなにちゃんと接しなかったが、ロック的なフッ
クを持つそれと言えるか。最後は大ベタな、ストーンズの「スタート・ミー
・アップ」。あ、ザ・グリマーズって名前、ミック・ジャガーとキース・リ
チャーズの共同作曲者チーム名である、グリマー・トゥインズから来ていた
りして?
で、切れ目なく(タイムテーブル定刻の10時半)、シアトルのキッチュな
ダンス・ポップの送り手、ユナイテッド・ステイト・オブ・エレクトロニカ
が登場。リード・ヴォーカルがヴォコーダー使用なこともあり音盤だとダフ
ト・パンクみたいな印象を与える連中だが、生では7人編成のバンドにて生
音で勝負する。ギター/キーボード、ヴォーカル。キーボード、ヴォーカル
。ギター。女性コーラス、二人。そして、ベースとドラム(一曲、ラップも
)。まず曲がいいし、ちゃんと実演能力を持つ、相当に秀逸なパーティ・バ
ンド。ポップなダンス・ミュージックもろもろの、ラヴリーな集積あり。だ
から、高揚感とともに癒しの感覚もしっかり持つ。ちゃんとお金が取れます
ね。こんなバンドが小音量で花見の場にいたら、すごくいいんじゃあなーい
とも思った。あー、花見モードが続いている。
本編、70分。アンコール5分。楽しかった。終演後、一緒に流れるような
人がいず(まあ、時間も時間だけどよお)、なんとなく家まで歩いて帰っち
ゃおっかなー、となる。帰り道、花見名所の目黒側ぞい(いや、本当に見事
だと思います)をゆっくりと通って帰宅するのもこの季節ならオツじゃない
か。目黒川まで来るとけっこう人はいた。ざわざわ。その側に住んでいる人
はちとうるさいだろうなあ。だが、川の両側にずらりと設置された提灯ライ
ト(すごい、数だろうなあ。普段はどこに保管しているんだろう? とか、
余計なことを考えたくなる)はすでに消灯されていて、暗がりのなか桜が非
常に地味に見えてそれにはがっかり。提灯の光量って凄かったんだあ。魅力
90パーセント減。だが、なぜか知り合いとは会い、近くに流れる。で、時々
ぼくの頭のなかにはユナイテッド・ステイト・オブ・エレクトロニカの至福
的ダンス・チューンがぽわーんと頭のなかで流れていたのであった。
になあ。もし、なかなか散らない桜なんてのが出てきたら、そりゃ大発明だ
なあ。
花見でしっかりと浮かれてから、恵比寿・リキッドルーム。場内入りする
と(そんなに混み合っていないのが嬉しい)、K7!と契約するベルギーの
DJ二人組ザ・グリマーズが回している。入口正面、ステージに向かって左
側のところにブースが設営され、そこに二人が和気あいあいと作業している
。なんか、微笑ましい。そんなにちゃんと接しなかったが、ロック的なフッ
クを持つそれと言えるか。最後は大ベタな、ストーンズの「スタート・ミー
・アップ」。あ、ザ・グリマーズって名前、ミック・ジャガーとキース・リ
チャーズの共同作曲者チーム名である、グリマー・トゥインズから来ていた
りして?
で、切れ目なく(タイムテーブル定刻の10時半)、シアトルのキッチュな
ダンス・ポップの送り手、ユナイテッド・ステイト・オブ・エレクトロニカ
が登場。リード・ヴォーカルがヴォコーダー使用なこともあり音盤だとダフ
ト・パンクみたいな印象を与える連中だが、生では7人編成のバンドにて生
音で勝負する。ギター/キーボード、ヴォーカル。キーボード、ヴォーカル
。ギター。女性コーラス、二人。そして、ベースとドラム(一曲、ラップも
)。まず曲がいいし、ちゃんと実演能力を持つ、相当に秀逸なパーティ・バ
ンド。ポップなダンス・ミュージックもろもろの、ラヴリーな集積あり。だ
から、高揚感とともに癒しの感覚もしっかり持つ。ちゃんとお金が取れます
ね。こんなバンドが小音量で花見の場にいたら、すごくいいんじゃあなーい
とも思った。あー、花見モードが続いている。
本編、70分。アンコール5分。楽しかった。終演後、一緒に流れるような
人がいず(まあ、時間も時間だけどよお)、なんとなく家まで歩いて帰っち
ゃおっかなー、となる。帰り道、花見名所の目黒側ぞい(いや、本当に見事
だと思います)をゆっくりと通って帰宅するのもこの季節ならオツじゃない
か。目黒川まで来るとけっこう人はいた。ざわざわ。その側に住んでいる人
はちとうるさいだろうなあ。だが、川の両側にずらりと設置された提灯ライ
ト(すごい、数だろうなあ。普段はどこに保管しているんだろう? とか、
余計なことを考えたくなる)はすでに消灯されていて、暗がりのなか桜が非
常に地味に見えてそれにはがっかり。提灯の光量って凄かったんだあ。魅力
90パーセント減。だが、なぜか知り合いとは会い、近くに流れる。で、時々
ぼくの頭のなかにはユナイテッド・ステイト・オブ・エレクトロニカの至福
的ダンス・チューンがぽわーんと頭のなかで流れていたのであった。
沼澤尚+勝井祐二with迫田悠
2005年4月11日 とっても女性ファンが多い(と思われる)ドラマーとヴァイオリニストが
主催するセッション(両者ともにこのコーナーにはいろいろと出てくるが、
二人が重なったギグで過去触れているのは、2004年1月16日と2005年2月15
日)。そこにROVOの映像をやっている美形のハルカさん(一回、合コン
やろうよと言って無視された:苦笑)が全面的に重なり、他のプレイヤーは
日替わりで……という3日間に渡る出し物。初日となるこの日は、そこに勝
井人脈のギターの鬼怒無月と沼澤人脈のキーボードの森俊之が加わってのも
の。
1時間20分、途切れのないインプロ・ギグ。基本的には鬼怒と勝井がモチ
ーフを出し、それに残りの二人が合わせ、発展/展開の種を与えていくとい
う感じの演奏か。森は相当に才覚にあふれた人だと思うが、ここではニコニ
コと“受け役”に徹する。汚れ役をいとわない名ディフェンシヴ・ハーフ、
な〜んて。人間、できているなあ。彼、シンセとエレピを片手づつ弾いてい
ることが多かったが中盤後半にて両手ともにエレピを弾いたときはザ・クル
セイダーズ1作目の「ストップ&バック・ダンス」での印象深いジョー・サ
ンプルのフレーズを非常に想起させる場面あり。そのときの、沼澤のバスド
ラは同グループのスティックス・フーパー(ベース奏者がいらないと思わせ
るぐらい異常にバスドラをドスドス鳴らすドラマーでした)みたいだった。
って、この前、彼らを見なきゃ(2004年3月8日)そんなこと思い出さなか
ったかもしれないが。そういやあ、この日のバスドラはボティ・ソニックの
ように響いていてたな。
赤レンガ倉庫のモーション・ブルー、セカンド。なお、同所はこの4月で
4年目に突入。開店3周年を記念して、通路やバーに過去出演者の写真がい
ろいろ飾ってあった。
主催するセッション(両者ともにこのコーナーにはいろいろと出てくるが、
二人が重なったギグで過去触れているのは、2004年1月16日と2005年2月15
日)。そこにROVOの映像をやっている美形のハルカさん(一回、合コン
やろうよと言って無視された:苦笑)が全面的に重なり、他のプレイヤーは
日替わりで……という3日間に渡る出し物。初日となるこの日は、そこに勝
井人脈のギターの鬼怒無月と沼澤人脈のキーボードの森俊之が加わってのも
の。
1時間20分、途切れのないインプロ・ギグ。基本的には鬼怒と勝井がモチ
ーフを出し、それに残りの二人が合わせ、発展/展開の種を与えていくとい
う感じの演奏か。森は相当に才覚にあふれた人だと思うが、ここではニコニ
コと“受け役”に徹する。汚れ役をいとわない名ディフェンシヴ・ハーフ、
な〜んて。人間、できているなあ。彼、シンセとエレピを片手づつ弾いてい
ることが多かったが中盤後半にて両手ともにエレピを弾いたときはザ・クル
セイダーズ1作目の「ストップ&バック・ダンス」での印象深いジョー・サ
ンプルのフレーズを非常に想起させる場面あり。そのときの、沼澤のバスド
ラは同グループのスティックス・フーパー(ベース奏者がいらないと思わせ
るぐらい異常にバスドラをドスドス鳴らすドラマーでした)みたいだった。
って、この前、彼らを見なきゃ(2004年3月8日)そんなこと思い出さなか
ったかもしれないが。そういやあ、この日のバスドラはボティ・ソニックの
ように響いていてたな。
赤レンガ倉庫のモーション・ブルー、セカンド。なお、同所はこの4月で
4年目に突入。開店3周年を記念して、通路やバーに過去出演者の写真がい
ろいろ飾ってあった。
アトミック
2005年4月12日 新宿・ピットイン。開演時間少し前に着くとやはりとっても混んでいる。
椅子は置いてあるが、それはいつもより詰められ、立ち見の後ろのスペース
がぐぐいと広げられている。こんなに、人が入っているピットインは初めて
のような……。だが、それも当然という気持ちを強くする。なんてったって
このクインテットは今もっともジャズらしいジャズを演奏する、ジャズ界最
大級の希望の星なのだから。
ノルウェーのジャズランドからアルバムをリリースしている、スウェーデ
ン人の二管とノルウェー人リズム・セクションがつるんだグループ。あれれ
、フロントに立つ二人をはじめ、ドラマー以外はそんなに大柄ではないよう
な。だから、後ろからだと実演している様子が見えにくい。……でも、ぐい
ぐいと鼓舞され、感じ入りました。
1時間弱のセットを二つ。そんな演奏時間にも現れているように(普通、
ここのセットはそれぞれ1時間を超えるという印象がある。ソロは乗れば長
くなりますからね)、最後のほうはむこうみずにつっぱしる所もあったが、
往々にしてあっち側を見ていても程よい抑制のもとバンド総合表現を展開し
ようとしていたと言えるか。ピアノはソロをそんなに取らないと思えたし、
二管の絡みの妙を聞かせる部分が随所非常に耳に残った。で、そこには知性
やある種の現代性を見いだすこともできるわけで、それはそれでふふんとぼ
くは頷いたのだった。なんにせよ、ジャズをジャズたらしめる決定的な種が
随所に埋め込まれたパフォーマンスだったのは間違いない。また、来てほし
い。
椅子は置いてあるが、それはいつもより詰められ、立ち見の後ろのスペース
がぐぐいと広げられている。こんなに、人が入っているピットインは初めて
のような……。だが、それも当然という気持ちを強くする。なんてったって
このクインテットは今もっともジャズらしいジャズを演奏する、ジャズ界最
大級の希望の星なのだから。
ノルウェーのジャズランドからアルバムをリリースしている、スウェーデ
ン人の二管とノルウェー人リズム・セクションがつるんだグループ。あれれ
、フロントに立つ二人をはじめ、ドラマー以外はそんなに大柄ではないよう
な。だから、後ろからだと実演している様子が見えにくい。……でも、ぐい
ぐいと鼓舞され、感じ入りました。
1時間弱のセットを二つ。そんな演奏時間にも現れているように(普通、
ここのセットはそれぞれ1時間を超えるという印象がある。ソロは乗れば長
くなりますからね)、最後のほうはむこうみずにつっぱしる所もあったが、
往々にしてあっち側を見ていても程よい抑制のもとバンド総合表現を展開し
ようとしていたと言えるか。ピアノはソロをそんなに取らないと思えたし、
二管の絡みの妙を聞かせる部分が随所非常に耳に残った。で、そこには知性
やある種の現代性を見いだすこともできるわけで、それはそれでふふんとぼ
くは頷いたのだった。なんにせよ、ジャズをジャズたらしめる決定的な種が
随所に埋め込まれたパフォーマンスだったのは間違いない。また、来てほし
い。
デューク・エリントン・オーケストラ・ウィズ・フリーダ・ペイン
2005年4月13日 白色基調の風情のある譜面代がずらりと並べられ、そこに正装した人達が
やはり並ぶ。彼らがライトに綺麗に照らしだされる様だけで、なんかいいな
という軽い感慨を誘うか。
ジャズ界最大のソング・ライター/バンド・リーダーの名前を関したオー
ケストラであり、ジャズが前線のポピュラー・ミュージックであった時代の
花形オーケストラ。当人が亡くなってすでに30年以上たつが、その財産のも
といまだ維持されているわけだ。現在のリーダーはMCもやっていたサック
ス奏者であるようで、演奏者は計15人。ぱっと見てぼくが名前を知る人はい
なかったが、その黒人音楽洗練の粋のヴァリエイションをなぞられるだけで
ニッコリとなれる。現代性はないけれど、贅沢なある種の非日常もときどき
感じた。
へえと思ったのは、ベース(もちろん、アコースティック)が30代とおぼ
しき白人の女性奏者で、ドラムがイカレた髪形(金髪のブレイズ)をした黒
人の初老ドラマーだったこと。ま、演奏のほうは普通でしたが、そういうこ
とで新たな感興を得られるというのはやはりライヴのいいところですね。
ゲスト・シンガーとして加わっていたのは、フリーダ・ペイン。もともと
はエリントンにスカウトされて業界入りした人だが、メインストリームの変
遷にしたがうように70年代はソウル畑で活動した人。ちょっと音程不安定な
ところもあったが、そこそこ雰囲気で許せちゃうところはあったかな。南青
山ブルーノート東京、ファースト。
やはり並ぶ。彼らがライトに綺麗に照らしだされる様だけで、なんかいいな
という軽い感慨を誘うか。
ジャズ界最大のソング・ライター/バンド・リーダーの名前を関したオー
ケストラであり、ジャズが前線のポピュラー・ミュージックであった時代の
花形オーケストラ。当人が亡くなってすでに30年以上たつが、その財産のも
といまだ維持されているわけだ。現在のリーダーはMCもやっていたサック
ス奏者であるようで、演奏者は計15人。ぱっと見てぼくが名前を知る人はい
なかったが、その黒人音楽洗練の粋のヴァリエイションをなぞられるだけで
ニッコリとなれる。現代性はないけれど、贅沢なある種の非日常もときどき
感じた。
へえと思ったのは、ベース(もちろん、アコースティック)が30代とおぼ
しき白人の女性奏者で、ドラムがイカレた髪形(金髪のブレイズ)をした黒
人の初老ドラマーだったこと。ま、演奏のほうは普通でしたが、そういうこ
とで新たな感興を得られるというのはやはりライヴのいいところですね。
ゲスト・シンガーとして加わっていたのは、フリーダ・ペイン。もともと
はエリントンにスカウトされて業界入りした人だが、メインストリームの変
遷にしたがうように70年代はソウル畑で活動した人。ちょっと音程不安定な
ところもあったが、そこそこ雰囲気で許せちゃうところはあったかな。南青
山ブルーノート東京、ファースト。
クリスティーナ・ブランコ
2005年4月22日 ポルトガルのファドのシンガー。やはり万博で来日したついでの、東京公
演。渋谷・デュオ・ミュージック・エクスチェンジ。日本公演は、昨年の6
月27日につづく。
バッキング・バンドは前回とまったく同じ面々/編成。ただし、ステージ
の進め方はけっこう違う感じを与えるもの。この日は1部制で、歌詞の説明
をすることなく、パフォーマンスを進めていく。それ、今回は飲み物を提供
するくだけた場での公演というのが関係しているのか。実際、それなりに厳
粛なステージ運びだった前回と比べるとけっこう気安い娯楽性があったと書
けそう。とともに、前回よりかなり声が良く出ていた。オフ・マイク気味の
ときもそれなりに声が聞こえたし。
今回取材したが、昔のものではなく、今のファドを作っているのだという
気持ちを彼女は強く持っている。新作ではメンバーが作った曲やブラジルの
曲などポルトガル語の楽曲(やはり、彼女もポルトガル語だからこそファド
になる、みたいな言い方はしていた)だけでなく、フランス語やスペイン語
や英語(ジョニ・ミッチェルの曲)の曲も歌っていたりする。ビリー・ホリ
デイ他のジャズなんかを聞いてて、最初にファドを歌ったのはオランダとい
う変テコな経歴を持つ人。なんと高校時代は英国の寄宿舎制の学校に通って
いたのだそう。え、そんなの日本のバイオにはどこにも書いてないですよと
返すと、だってそんなこと私の音楽性にはとなんら関係ないじゃない、とき
っぱり。
演。渋谷・デュオ・ミュージック・エクスチェンジ。日本公演は、昨年の6
月27日につづく。
バッキング・バンドは前回とまったく同じ面々/編成。ただし、ステージ
の進め方はけっこう違う感じを与えるもの。この日は1部制で、歌詞の説明
をすることなく、パフォーマンスを進めていく。それ、今回は飲み物を提供
するくだけた場での公演というのが関係しているのか。実際、それなりに厳
粛なステージ運びだった前回と比べるとけっこう気安い娯楽性があったと書
けそう。とともに、前回よりかなり声が良く出ていた。オフ・マイク気味の
ときもそれなりに声が聞こえたし。
今回取材したが、昔のものではなく、今のファドを作っているのだという
気持ちを彼女は強く持っている。新作ではメンバーが作った曲やブラジルの
曲などポルトガル語の楽曲(やはり、彼女もポルトガル語だからこそファド
になる、みたいな言い方はしていた)だけでなく、フランス語やスペイン語
や英語(ジョニ・ミッチェルの曲)の曲も歌っていたりする。ビリー・ホリ
デイ他のジャズなんかを聞いてて、最初にファドを歌ったのはオランダとい
う変テコな経歴を持つ人。なんと高校時代は英国の寄宿舎制の学校に通って
いたのだそう。え、そんなの日本のバイオにはどこにも書いてないですよと
返すと、だってそんなこと私の音楽性にはとなんら関係ないじゃない、とき
っぱり。
RECK+大友良英+中村達也
2005年4月26日 新宿・ロフト。小野島大仕事の『ファイン・タイム2』発売記念パーティ
の、スペシャル・バンド。まさしく、スペシャルではあるな。その前に、レ
ベル・ファミリアと中原昌也のヘアスタイリスティックスの実演も見る。前
者はレゲエ派生の都市空間屈強表現(音がもう少し大きくても良かったので
は)、後者は笑えるキャラクタリスティックな不埒狼藉表現。
ザ・ストゥージーズ曲から「ユー・リアリー・ガット・ミー」まで。フリ
クションの曲もやったのかな。1時間弱。1流の人達による1流のカヴァー
・バンド。考えてみれば、みんなジャズとのつながりを持っているんだよな
あ。2度ほどリハをやったようだが、スパっと決まる。大友のロック・ギタ
ーは非常に上手く、ドキドキさせる。彼のギターが導く情緒もあるだろうが
、総じては、ジミヘン的な印象。RECKは機嫌よさそう。でも、昔いっか
いだけ取材やったことあるけど、“とっても話好きな、心の素朴なおじさん
”っていう、温かいイメージがぼくのなかではずっと残っています。最後は
、声がヘロっていたのはご愛嬌。また、やってほしい。レコードをプロデュ
ースしなよと、小野島さんにハッパをかける。
そういやあ、誘われるままワケもわからず入ったミクシィに何も書いてお
らず(やりかたが判らない。その暇もあまりない)、でものべ200 人強の人
が覗きにきていたりもするわけで多少心苦しく、なんとかせにゃあと律儀な
ぼくは思っていたのだが、会場であった人に、あれは笑える、あのままでい
たほうが良いと言われ、とーしたもんか……。
の、スペシャル・バンド。まさしく、スペシャルではあるな。その前に、レ
ベル・ファミリアと中原昌也のヘアスタイリスティックスの実演も見る。前
者はレゲエ派生の都市空間屈強表現(音がもう少し大きくても良かったので
は)、後者は笑えるキャラクタリスティックな不埒狼藉表現。
ザ・ストゥージーズ曲から「ユー・リアリー・ガット・ミー」まで。フリ
クションの曲もやったのかな。1時間弱。1流の人達による1流のカヴァー
・バンド。考えてみれば、みんなジャズとのつながりを持っているんだよな
あ。2度ほどリハをやったようだが、スパっと決まる。大友のロック・ギタ
ーは非常に上手く、ドキドキさせる。彼のギターが導く情緒もあるだろうが
、総じては、ジミヘン的な印象。RECKは機嫌よさそう。でも、昔いっか
いだけ取材やったことあるけど、“とっても話好きな、心の素朴なおじさん
”っていう、温かいイメージがぼくのなかではずっと残っています。最後は
、声がヘロっていたのはご愛嬌。また、やってほしい。レコードをプロデュ
ースしなよと、小野島さんにハッパをかける。
そういやあ、誘われるままワケもわからず入ったミクシィに何も書いてお
らず(やりかたが判らない。その暇もあまりない)、でものべ200 人強の人
が覗きにきていたりもするわけで多少心苦しく、なんとかせにゃあと律儀な
ぼくは思っていたのだが、会場であった人に、あれは笑える、あのままでい
たほうが良いと言われ、とーしたもんか……。
ブライアン・アダムス
2005年4月27日 九段下・日本武道館。武道館手前で警備員に、駐車場が満車なのでUター
ンして手前の駐車場に止めてほしいと言われる。車で来る人が多くなる休
日ならともかく、平日でもそんなことがあるのか。アダムスのファンは車を
乗っている人が多いのか。
満員。仕切りとかがない開放的なステージ設置がなされていて、けっこう
横のほうにもお客が入れられている。彼のことを見るのは初めて。そんなぼ
くは彼のことをどーでいい人と思っている。10年強前に一度、彼のアルバム
の雑誌レヴューを受けてしまい、予定調和な産業ロックぶりに辟易したこと
もあった。だが、結論としては、こういうロックがあってもいい、とは思え
たかな。ランクルやプリウスやMR2があり、一方でカローラを愛好する人
がいてもいいでしょう。それ自体はかなり良くできているのだから。
とにかく驚かされたのは、その若々しさ。遠目には20代後半と言われれば
信じてしまいそう。短く刈り込んだ顔は精悍だし、体も非常に締まっている
。素直にカッコいいと思えるし、スターとして努力しているナというのがよ
く判る。で、サウンドのほうも生だと思ったほど産業ぽくないし、それなり
に骨っぽい表現を送りだしていたのではないか。ぼくが知っている曲はあま
りなかったが、オーディエンスはけっこう一緒に歌っていたな。それから、
おおっと思ったのは、アダムス以下、みんな黒いTシャツ(無地のもので、
本当に安そうなそれ)とジーンズというお揃いの格好だったこと。爽やか体
育界系、ここにあり? 面白いのはステージ中央だけでなく、左右両端にも
マイク・スタンドを置き、けっこうそっちにも出向き横にいる人を対象に歌
うこと。サーヴィス満点。お客様は神様です。だが、それがワザとらしくな
いところは人徳でしょう。ふーん。戦々恐々と会場入りしたのだが、まあ見
ても良かったとはしっかり思えました。
ンして手前の駐車場に止めてほしいと言われる。車で来る人が多くなる休
日ならともかく、平日でもそんなことがあるのか。アダムスのファンは車を
乗っている人が多いのか。
満員。仕切りとかがない開放的なステージ設置がなされていて、けっこう
横のほうにもお客が入れられている。彼のことを見るのは初めて。そんなぼ
くは彼のことをどーでいい人と思っている。10年強前に一度、彼のアルバム
の雑誌レヴューを受けてしまい、予定調和な産業ロックぶりに辟易したこと
もあった。だが、結論としては、こういうロックがあってもいい、とは思え
たかな。ランクルやプリウスやMR2があり、一方でカローラを愛好する人
がいてもいいでしょう。それ自体はかなり良くできているのだから。
とにかく驚かされたのは、その若々しさ。遠目には20代後半と言われれば
信じてしまいそう。短く刈り込んだ顔は精悍だし、体も非常に締まっている
。素直にカッコいいと思えるし、スターとして努力しているナというのがよ
く判る。で、サウンドのほうも生だと思ったほど産業ぽくないし、それなり
に骨っぽい表現を送りだしていたのではないか。ぼくが知っている曲はあま
りなかったが、オーディエンスはけっこう一緒に歌っていたな。それから、
おおっと思ったのは、アダムス以下、みんな黒いTシャツ(無地のもので、
本当に安そうなそれ)とジーンズというお揃いの格好だったこと。爽やか体
育界系、ここにあり? 面白いのはステージ中央だけでなく、左右両端にも
マイク・スタンドを置き、けっこうそっちにも出向き横にいる人を対象に歌
うこと。サーヴィス満点。お客様は神様です。だが、それがワザとらしくな
いところは人徳でしょう。ふーん。戦々恐々と会場入りしたのだが、まあ見
ても良かったとはしっかり思えました。