渡辺貞夫
2004年12月17日 渋谷・オーチャードホール。ドン・グルーシン、ロベン・フォード(2004年
10月22日、他)、アレックス・アクーニャらLAのプレイヤーを中心に呼んで
の公演。いわゆる、フュージョン。とってもフランクで、それなりの伸縮性や
インタープレイもあり。ブラジル味やアフリカ味の差し込みももちろんあり。
そういう広がりをソツなつ具現する器としてフュージョンという様式が彼には
適していたんだろうな。と、実演を見ながら思った。
その後、すぐ近くでやっていたアルタン(2000年5月21日、2002年9月1日
)の打ち上げに顔を出す。くつろぎと酒と演奏はセット、アイリッシュ勢は本
当によくギグを終えた後も自らの楽しみのためといった感じで、お酒片手に気
軽に笑顔で演奏する。その様子を某男性誌が取材。途中でザ・コッターズの面
々も合流する。それ、人は減ったが2時すぎまで続く。そのあとも誰かはどこ
かで……。
10月22日、他)、アレックス・アクーニャらLAのプレイヤーを中心に呼んで
の公演。いわゆる、フュージョン。とってもフランクで、それなりの伸縮性や
インタープレイもあり。ブラジル味やアフリカ味の差し込みももちろんあり。
そういう広がりをソツなつ具現する器としてフュージョンという様式が彼には
適していたんだろうな。と、実演を見ながら思った。
その後、すぐ近くでやっていたアルタン(2000年5月21日、2002年9月1日
)の打ち上げに顔を出す。くつろぎと酒と演奏はセット、アイリッシュ勢は本
当によくギグを終えた後も自らの楽しみのためといった感じで、お酒片手に気
軽に笑顔で演奏する。その様子を某男性誌が取材。途中でザ・コッターズの面
々も合流する。それ、人は減ったが2時すぎまで続く。そのあとも誰かはどこ
かで……。
ザップ・ママ
2004年12月16日 女傑(マイケル・フランティ:2003年7月27日と一卵双生児のよう、と昔お
互いに言い合っていた)マリー・ドルヌのソロ・プロジェクト。南青山・ブル
ーノート東京。
女性シンガー二人、歌とウッド・ベースを担当する芸達者な立派な体躯の女
性、ギターと電気ベースを曲により引き分ける人、ドラム、パーカッション(
一部、ラップも)、ターンテーブルという布陣によるもの。彼女がV2に移籍
して、ネオ・フィリー勢と絡んだ新作『アンセストリー・イン・プログレス』
は概ね好評のようだが実演はそれをはるかに上回るもの、実は新作を心から楽
しめないぼくも全面的にウッキーとなれちゃうショウでした。アフリカとアメ
リカを繋ぐダイナミックな弧の上を自在行き来し、独りよがりにならずに確か
な個を出していく様はお見事。おいしゅうございました。
互いに言い合っていた)マリー・ドルヌのソロ・プロジェクト。南青山・ブル
ーノート東京。
女性シンガー二人、歌とウッド・ベースを担当する芸達者な立派な体躯の女
性、ギターと電気ベースを曲により引き分ける人、ドラム、パーカッション(
一部、ラップも)、ターンテーブルという布陣によるもの。彼女がV2に移籍
して、ネオ・フィリー勢と絡んだ新作『アンセストリー・イン・プログレス』
は概ね好評のようだが実演はそれをはるかに上回るもの、実は新作を心から楽
しめないぼくも全面的にウッキーとなれちゃうショウでした。アフリカとアメ
リカを繋ぐダイナミックな弧の上を自在行き来し、独りよがりにならずに確か
な個を出していく様はお見事。おいしゅうございました。
渡辺香津美
2004年12月15日 リチャード・ボナ(2000年12月6日、2002年1月9日、2002年9月19日、20
02年12月14日)とオラシオ・エルネグロ・エルナンデス(2000年1月12日、20
01年5月15日、2002年7月24日、2002年10月3日、2002年12月27日、2003年8
月9日、2004年4月5日。わ、ずいぶん見ているんだなあ)を迎えてのもの。
リチャード・ボナは凄かった。技術、歌心、エンターテインメント性といった
、いろんな部分で。彼のフュージョンぽいところは好きくないが、今回はあん
ましそういうのも気にならなかった。渋谷・オーチャードホール。
02年12月14日)とオラシオ・エルネグロ・エルナンデス(2000年1月12日、20
01年5月15日、2002年7月24日、2002年10月3日、2002年12月27日、2003年8
月9日、2004年4月5日。わ、ずいぶん見ているんだなあ)を迎えてのもの。
リチャード・ボナは凄かった。技術、歌心、エンターテインメント性といった
、いろんな部分で。彼のフュージョンぽいところは好きくないが、今回はあん
ましそういうのも気にならなかった。渋谷・オーチャードホール。
ブルース・エクスプロージョン、ザ・キルズ
2004年12月13日 渋谷・アックス。7月14日に続き、今年見るのは2回目。ずっと前のパフォ
ーマンスから見ればパンク臭は減っているが、エッジィな感じで突き進む様は
独自の感興あり。理屈抜きに、愛すべきバンド。今回のライヴはそんなにソウ
ルっぽいと思わせるところはなかったような気がするが、それは酔っぱらって
いたからか。見ながら、2000年7月5日のジョンスペ登場前のサマソニJBロ
ック・リスナー一喝事件を思い出した。なお、前座はザ・キルズ。前回来日公
演(2003年5月14日)と同様に二人だけによるパフォーマンス。基本的には
変わらないが、遠目にはいい人度数が増したような。
ーマンスから見ればパンク臭は減っているが、エッジィな感じで突き進む様は
独自の感興あり。理屈抜きに、愛すべきバンド。今回のライヴはそんなにソウ
ルっぽいと思わせるところはなかったような気がするが、それは酔っぱらって
いたからか。見ながら、2000年7月5日のジョンスペ登場前のサマソニJBロ
ック・リスナー一喝事件を思い出した。なお、前座はザ・キルズ。前回来日公
演(2003年5月14日)と同様に二人だけによるパフォーマンス。基本的には
変わらないが、遠目にはいい人度数が増したような。
カーネーション
2004年12月12日 結成20周年のお祝いを兼ねたコンサート。九段下・九段会館。最初は3人で
、前に見たとき(2003年10月3日)のような正々堂々のパフォーマンス。が、
数曲やったあとは、次々にゲストが加わる。最初にスカパラの北原雅彦(1999
年9月12日、他)、その後はムーンライダース(2001年7月29日)の3人。白
井良明、鈴木博文、鈴木慶一の順で曲ごとに加わっていき、最後は3人が中央
に並ぶ。白井だけが加わったパートは頭の悪そうなロックになっていて幻滅。
鈴木弟は相変わらず痩身で、退き気味の佇まいがいい感じ。大昔、編集者をや
っていたとき何度か原稿をお願いしたことがあったけど、基本的にあのころと
変わってなくて嬉しくなった。鈴木兄は最初、カブリものをして登場。変。今
年のあたまに取材したときも変な髭の剃り方してたけど(顎髭を逆モヒカンの
感じで剃刀を当てていた)、飄々とアーティストらしい変人感覚を持つ人だな
あ。
休憩を挟んで、宮川弾トリオなるグループの演奏。男性ピアニストと女性の
ヴァイオリンとチェロ奏者が重なるのだが、これがなかなか美味。ふっと入っ
たラウンジでこんな瀟洒な演奏がなされていたらぼくはニッコリしちゃうなあ
。なんでも、その男性はカーネーションのストリングス・アレンジをしている
そうで、3曲やったうちの1曲はカーネションの断片をくっつけたもので、こ
の日のために作ったものとか。彼らはカーネションとは絡まずそのまま引っ込
む。1曲ぐらい一緒にやればいいのに。
そのあとはバッファロー・ドーター(2002月2月13日、2003年11月8日)の
大野由美子がキーボードで加わり(このときが、ぼくは一番美味しいと感じた
かな)、さらにヒックスビル(2001年12月16日)の中森泰弘がギターで入る。
ちょっと厚いノリでの、カーネーション。
途中から、咳がげほげほ。隣の人が嫌そうな感じもあったし、トヨタ・カッ
プが気になって(ぼく、絶対にPK戦になると思ってました)、2時間半を回
ったところで退出。風邪をひいたなあと認知して、もう2か月強。熱は出ない
し、お酒もガンガン飲めるし気にせず生活しているが(長続きしてて、気にす
るのに飽きたと言ったという側面もあるなあ)。人によっては百日咳じゃない
のとか、花粉症じゃないという人もいるが。どーなんでしょ。
継続は力なり。温かいファンと同業者に囲まれてのこんなショウが出来るカ
ーネションは幸せなバンドだとも思ったが、それは自らが導いたものであるな
あ。それから、映像をきっちり押さえてたよう。
、前に見たとき(2003年10月3日)のような正々堂々のパフォーマンス。が、
数曲やったあとは、次々にゲストが加わる。最初にスカパラの北原雅彦(1999
年9月12日、他)、その後はムーンライダース(2001年7月29日)の3人。白
井良明、鈴木博文、鈴木慶一の順で曲ごとに加わっていき、最後は3人が中央
に並ぶ。白井だけが加わったパートは頭の悪そうなロックになっていて幻滅。
鈴木弟は相変わらず痩身で、退き気味の佇まいがいい感じ。大昔、編集者をや
っていたとき何度か原稿をお願いしたことがあったけど、基本的にあのころと
変わってなくて嬉しくなった。鈴木兄は最初、カブリものをして登場。変。今
年のあたまに取材したときも変な髭の剃り方してたけど(顎髭を逆モヒカンの
感じで剃刀を当てていた)、飄々とアーティストらしい変人感覚を持つ人だな
あ。
休憩を挟んで、宮川弾トリオなるグループの演奏。男性ピアニストと女性の
ヴァイオリンとチェロ奏者が重なるのだが、これがなかなか美味。ふっと入っ
たラウンジでこんな瀟洒な演奏がなされていたらぼくはニッコリしちゃうなあ
。なんでも、その男性はカーネーションのストリングス・アレンジをしている
そうで、3曲やったうちの1曲はカーネションの断片をくっつけたもので、こ
の日のために作ったものとか。彼らはカーネションとは絡まずそのまま引っ込
む。1曲ぐらい一緒にやればいいのに。
そのあとはバッファロー・ドーター(2002月2月13日、2003年11月8日)の
大野由美子がキーボードで加わり(このときが、ぼくは一番美味しいと感じた
かな)、さらにヒックスビル(2001年12月16日)の中森泰弘がギターで入る。
ちょっと厚いノリでの、カーネーション。
途中から、咳がげほげほ。隣の人が嫌そうな感じもあったし、トヨタ・カッ
プが気になって(ぼく、絶対にPK戦になると思ってました)、2時間半を回
ったところで退出。風邪をひいたなあと認知して、もう2か月強。熱は出ない
し、お酒もガンガン飲めるし気にせず生活しているが(長続きしてて、気にす
るのに飽きたと言ったという側面もあるなあ)。人によっては百日咳じゃない
のとか、花粉症じゃないという人もいるが。どーなんでしょ。
継続は力なり。温かいファンと同業者に囲まれてのこんなショウが出来るカ
ーネションは幸せなバンドだとも思ったが、それは自らが導いたものであるな
あ。それから、映像をきっちり押さえてたよう。
エルヴィス・コステロ&ジ・インポスターズ
2004年12月8日 日本では2002年7月5日のフォーラムA以来、ぼくはちゃんと見ることにな
るのかな。新宿・東京厚生年金会館。国際線のエコノミーで配るようなワイン
のミニ・ボトルを500 円で売っていた。ショウが終わったあと、(少なくても
ぼくよりは)熱心なコステロのファンたちと流れたのだが、彼らはこの日のパ
フォーマンスは貴重なものではないかとのたまう。一人曰く、コステロの来日
ライヴでも1,2を争う出来の悪さではなかったか……。と言いつつ、憤慨し
た様子はあまりなく、それをさっぱり笑顔で語ってくれちゃったりもするのだ
が。
確かに頭のほうは音もスカスカで、なんか1枚ベールを通してライヴに接し
ている気持ちにもなった。バンド音の組み合わせが悪い感じがしたし、コステ
ロの青筋の立て具合が少なく、物分かりがいいおやじ度数が増したような気が
した(じっさい、ニコニコ嬉しそうにやっているように1階席の後ろのほうか
らは見えた)。それは気合入りまくりだった今年のオースティンのフェス公演
(2004年9月19日)を見た者としては余計に感じる。だが、それでも、ロック
の道理を知る、才あるおやじのお金の取れる芸披露になっていたとぼくは思う
。やっぱり、コステロはコステロぢゃとぼくは思いながら聞いてました。なお
、9日の公演はもっと時間が長く(演目もけっこう変わったよう)、もっと濃
いものであったそう。
●ところで、業務連絡! ぼくとメールのやり取りのある方、空メール送って
ください。データー消滅につき、新たにアドレス帳に入れたいで〜す。
るのかな。新宿・東京厚生年金会館。国際線のエコノミーで配るようなワイン
のミニ・ボトルを500 円で売っていた。ショウが終わったあと、(少なくても
ぼくよりは)熱心なコステロのファンたちと流れたのだが、彼らはこの日のパ
フォーマンスは貴重なものではないかとのたまう。一人曰く、コステロの来日
ライヴでも1,2を争う出来の悪さではなかったか……。と言いつつ、憤慨し
た様子はあまりなく、それをさっぱり笑顔で語ってくれちゃったりもするのだ
が。
確かに頭のほうは音もスカスカで、なんか1枚ベールを通してライヴに接し
ている気持ちにもなった。バンド音の組み合わせが悪い感じがしたし、コステ
ロの青筋の立て具合が少なく、物分かりがいいおやじ度数が増したような気が
した(じっさい、ニコニコ嬉しそうにやっているように1階席の後ろのほうか
らは見えた)。それは気合入りまくりだった今年のオースティンのフェス公演
(2004年9月19日)を見た者としては余計に感じる。だが、それでも、ロック
の道理を知る、才あるおやじのお金の取れる芸披露になっていたとぼくは思う
。やっぱり、コステロはコステロぢゃとぼくは思いながら聞いてました。なお
、9日の公演はもっと時間が長く(演目もけっこう変わったよう)、もっと濃
いものであったそう。
●ところで、業務連絡! ぼくとメールのやり取りのある方、空メール送って
ください。データー消滅につき、新たにアドレス帳に入れたいで〜す。
D12
2004年12月7日 デトロイトのラップ・チーム。そのなかの白一点、エミネムがソロとして大
ブレイクしたおかげで、彼らも表舞台に引き出された。もちろん、エミネム抜
きの来日。青海・ゼップ東京、久しぶりに来たような。彼らは明日もここでや
るが、この日はかなり空いていたせいもあり、広い会場だなあと再確認。5M
Cと1DJ。小細工なしの太いビートに、五者の基本的に小細工なしの声が乗
る。まったくもって単純。やりっぱなし。昨日のナチュラリー7と比べたら、
その鍛練は百分の1にも満たないかも知れない。やっぱ、音に苦労が表れない
というのは、怠け者のぼくとしては生理的には心地よい。
ドシドシいう鼓動的ビートに野卑な肉声群の組み合わせは本当に原始的だな
、とも思う。だが、アフリカの記憶が都会的環境で覚醒したその表現を披露す
る様はどことなく今っぽい光景(というか、会場の感じや照明のせいもあって
10年前のSF映画の一シーンのよう)に思えたりも。車で行ったためいっさい
飲めなかったが、「サキ・スキ(酒、好き)」と連呼するロクデナシどもの、
ずしんと来るライヴをぼくは楽しんだ。
ブレイクしたおかげで、彼らも表舞台に引き出された。もちろん、エミネム抜
きの来日。青海・ゼップ東京、久しぶりに来たような。彼らは明日もここでや
るが、この日はかなり空いていたせいもあり、広い会場だなあと再確認。5M
Cと1DJ。小細工なしの太いビートに、五者の基本的に小細工なしの声が乗
る。まったくもって単純。やりっぱなし。昨日のナチュラリー7と比べたら、
その鍛練は百分の1にも満たないかも知れない。やっぱ、音に苦労が表れない
というのは、怠け者のぼくとしては生理的には心地よい。
ドシドシいう鼓動的ビートに野卑な肉声群の組み合わせは本当に原始的だな
、とも思う。だが、アフリカの記憶が都会的環境で覚醒したその表現を披露す
る様はどことなく今っぽい光景(というか、会場の感じや照明のせいもあって
10年前のSF映画の一シーンのよう)に思えたりも。車で行ったためいっさい
飲めなかったが、「サキ・スキ(酒、好き)」と連呼するロクデナシどもの、
ずしんと来るライヴをぼくは楽しんだ。
ナチュラリー7
2004年12月6日 渋谷・アックス。一階フロアの前半分に椅子が出ている。広いステージには
何もなし。7人組の、米国東海岸の黒人アカペラ・グループ。ま、それだけい
るとヴァリエイションはいろいろと付けやすいよな。うち、一人はヒューマン
・ビート・ボックス専任といってもいいくらいで、ヒップホップのりも持つ
コーラスを手変え品変え送りだす。マイクの使い方がポイント、エンジニアの
腕がモノを言うかも。楽器音を模した肉声も披露するが、そちらはそんなに似
ているとは言いがたい。ジャジーな感じはそれほどせず、もうちょっとバシっ
と一糸乱れずかみ合うところがあってもいいと思ったけど、聞かせて見せる連
中なのは間違いない。
途中で退座し、今年最初の忘年会に。あー、師走だあ。
何もなし。7人組の、米国東海岸の黒人アカペラ・グループ。ま、それだけい
るとヴァリエイションはいろいろと付けやすいよな。うち、一人はヒューマン
・ビート・ボックス専任といってもいいくらいで、ヒップホップのりも持つ
コーラスを手変え品変え送りだす。マイクの使い方がポイント、エンジニアの
腕がモノを言うかも。楽器音を模した肉声も披露するが、そちらはそんなに似
ているとは言いがたい。ジャジーな感じはそれほどせず、もうちょっとバシっ
と一糸乱れずかみ合うところがあってもいいと思ったけど、聞かせて見せる連
中なのは間違いない。
途中で退座し、今年最初の忘年会に。あー、師走だあ。
ディジー・ガレスピー“オール・スター”ビッグ・バンド
2004年12月2日 ジャズ巨人の名前を冠したビッグ・バンドで、その構成員にはフランク・ウ
ェス、アントニオ・ハート、クラウディ・ロディッティら有名人が入っている
。南青山・ブルーノート東京、同所に出るのは3度目となるらしい。指揮をし
ていたのは、大御所スライド・ハンプトン。特別ゲストとなっていたロイ・ハ
ーグローヴ(2003年2月18日、2003年9月21日)は一セクション員として出ず
っぱり。見事なドレッド・ロックスが坊主頭になっていた。ビッグ・バンドの
ショウにはつきものと言えるだろう、華を添える女性シンガー(それなりの年
の白人女性)も登場した。ゴージャスなジャズ・ビッグ・バンド表現の魅力を
やんわり伝える。ただ、意外だったのはベースがエレクトリックだったこと(
昔、BN−LA期のブルーノートで弾いてたりしたジョン・リー)。これは、
前回もそうだったらしいが、やっぱり縦のほうが風情が出ると思うが。
ェス、アントニオ・ハート、クラウディ・ロディッティら有名人が入っている
。南青山・ブルーノート東京、同所に出るのは3度目となるらしい。指揮をし
ていたのは、大御所スライド・ハンプトン。特別ゲストとなっていたロイ・ハ
ーグローヴ(2003年2月18日、2003年9月21日)は一セクション員として出ず
っぱり。見事なドレッド・ロックスが坊主頭になっていた。ビッグ・バンドの
ショウにはつきものと言えるだろう、華を添える女性シンガー(それなりの年
の白人女性)も登場した。ゴージャスなジャズ・ビッグ・バンド表現の魅力を
やんわり伝える。ただ、意外だったのはベースがエレクトリックだったこと(
昔、BN−LA期のブルーノートで弾いてたりしたジョン・リー)。これは、
前回もそうだったらしいが、やっぱり縦のほうが風情が出ると思うが。
小沼ようすけ
2004年11月30日 中村とうようさん制作の『海上の道/ウィリー・ナガサキ』にも参加してい
た若手ギタリストの公演、渋谷・デュオ。夏にNY録音のトリオ作品を出して
、これがかなり清新なジャズ・アルバムになっていて驚かされたが、日本人ト
リオ編成でのこの実演はそのアルバムのノリを引き継ぐものとなるのかな。い
っさいピックを使用せず、いろいろに指を使いながらセミアコを弾く。ピック
を使わなくなったのはここのところなのだそうだが、こだわりですね。昔のブ
ルーズ・マンやジャズ・マンを彷彿とさせるそれはアトラクティヴ。かといっ
て、やはり古臭いジャズ・ギターにならないわけで(なれない部門もあるだろ
うけど。あと実演だとよりロックっぽくなると感じた)、それは<いい伝統は
できるだけ知りたい、それを消化したうえで自分を出したい>という、正しい
気持ちの表出として受け取れる。この日のバックはリトル・クリーチャーズの
鈴木正人(名前は出していないが、2003年12月4日のコンボ・ピアノと、2004
年7月6日のUAも彼が弾いていたはず)と大槻英宣(ドラム)。これ、彼も
参加していたジャズ・オルガン奏者の金子雄太のグループ、旧アクアピットの
流れを組むものなんだとか。
た若手ギタリストの公演、渋谷・デュオ。夏にNY録音のトリオ作品を出して
、これがかなり清新なジャズ・アルバムになっていて驚かされたが、日本人ト
リオ編成でのこの実演はそのアルバムのノリを引き継ぐものとなるのかな。い
っさいピックを使用せず、いろいろに指を使いながらセミアコを弾く。ピック
を使わなくなったのはここのところなのだそうだが、こだわりですね。昔のブ
ルーズ・マンやジャズ・マンを彷彿とさせるそれはアトラクティヴ。かといっ
て、やはり古臭いジャズ・ギターにならないわけで(なれない部門もあるだろ
うけど。あと実演だとよりロックっぽくなると感じた)、それは<いい伝統は
できるだけ知りたい、それを消化したうえで自分を出したい>という、正しい
気持ちの表出として受け取れる。この日のバックはリトル・クリーチャーズの
鈴木正人(名前は出していないが、2003年12月4日のコンボ・ピアノと、2004
年7月6日のUAも彼が弾いていたはず)と大槻英宣(ドラム)。これ、彼も
参加していたジャズ・オルガン奏者の金子雄太のグループ、旧アクアピットの
流れを組むものなんだとか。
ビルド・アン・アーク
2004年11月27日 アモン・コンタクト名義でも活動する、ジャズ好きでもある27才LAヒップ
ホップ系DJのカルロス・ニーニョがディレクションする実演プロジェクトが
その小型版とはいえ、東京で見れるとは。オールナイト・イヴェントの一出演
者として、深夜1時に彼らは登場した。男女のシンガー、トロンボーン、ピア
ノ、縦ベース、パーカッション、それに盛り上げ役のニーニョという布陣。で
、十分な編成ではないながら、男性ヴォーカルはアルバム以上にディープだし
、適切な技量を持った奏者が程よくかみ合った演奏はましさく往年のスピリチ
ャアル・ジャズを下敷きにする美味しいパフォーマンスだったと思う。なんか
、生のほうがもっと線が太く、生命感があるような感じもしたし。トロンボー
ン奏者はそのアルバム『ピース・ウィズ・エヴリー・ステップ』にも参加して
いた、デトロイトのトライヴ・レーベルの設立者の一人でもあるフィル・ラネ
リン。彼が最近ヒップホップ系レーベルからリリースした新録作『インスレー
ション』は実は大傑作ジャズ・アルバムだが、ほんといい感じで音を出してい
た(歌も披露した)。1時間ちょいの実演だったが、いいもの聞かせてもらっ
たなあという感慨が終演後ありあり。渋谷・JZブラット。ものすごーく混雑
。いろんな意味で、東急ホテル・グループの最高カテゴリーにあるホテルの一
施設とは思えませ〜ん。
ホップ系DJのカルロス・ニーニョがディレクションする実演プロジェクトが
その小型版とはいえ、東京で見れるとは。オールナイト・イヴェントの一出演
者として、深夜1時に彼らは登場した。男女のシンガー、トロンボーン、ピア
ノ、縦ベース、パーカッション、それに盛り上げ役のニーニョという布陣。で
、十分な編成ではないながら、男性ヴォーカルはアルバム以上にディープだし
、適切な技量を持った奏者が程よくかみ合った演奏はましさく往年のスピリチ
ャアル・ジャズを下敷きにする美味しいパフォーマンスだったと思う。なんか
、生のほうがもっと線が太く、生命感があるような感じもしたし。トロンボー
ン奏者はそのアルバム『ピース・ウィズ・エヴリー・ステップ』にも参加して
いた、デトロイトのトライヴ・レーベルの設立者の一人でもあるフィル・ラネ
リン。彼が最近ヒップホップ系レーベルからリリースした新録作『インスレー
ション』は実は大傑作ジャズ・アルバムだが、ほんといい感じで音を出してい
た(歌も披露した)。1時間ちょいの実演だったが、いいもの聞かせてもらっ
たなあという感慨が終演後ありあり。渋谷・JZブラット。ものすごーく混雑
。いろんな意味で、東急ホテル・グループの最高カテゴリーにあるホテルの一
施設とは思えませ〜ん。
上原ひろみ
2004年11月25日 人気がお茶の間に入り込んでいる、ボストン在住のピアニスト。若い白人男
性の電気ベースとドラマーを従えてのもの。実はぼくは依怙地なところがあっ
て、基本的にジャズをやるならアコースティック・ベースを使わなければダメ
と感じている。そんな意味では、電気ベーシストを使っている彼女はジャズ失
格なのだが、実演を見てなるほどナと感じるところも。だって彼女、ジャズで
培った技量を用いつつも、明らかにジャズから離れようとしている。全てオリ
ジナル曲を演奏したようだが、自分のメロディ流儀に則り思うまま指を鍵盤に
はわせ、そこから自分なりの風景が出せればOKという感じのパフォーマンス
だったもの。曲によっては、キーボード(ノード・リード)で単音ソロを無邪
気に取ったりもする。それはある意味、インタープレイを擁する(楽曲はどれ
も10分ぐらいの長さ)私のポップスという感じ。もともとはTV番組で紹介さ
れたことが広い支持者獲得に繋がったようだが、そうした音楽性もまた非ジャ
ズのリスナー獲得に繋がっているのではないか。ただし、彼女はそんなに尖っ
たポップ・ミュージックには親しんでいないようで、そのはみ出し方は決して
コンテンポラリーとは言いかねるが。と言いつつ、ちゃんとお転婆な自分を主
張しているところは見ていて感情移入を誘うところがある。渋谷・Oイースト
。全椅子席。椅子が出ていると非常に狭く感じる会場なんだな。
今日から加湿器を使う。
性の電気ベースとドラマーを従えてのもの。実はぼくは依怙地なところがあっ
て、基本的にジャズをやるならアコースティック・ベースを使わなければダメ
と感じている。そんな意味では、電気ベーシストを使っている彼女はジャズ失
格なのだが、実演を見てなるほどナと感じるところも。だって彼女、ジャズで
培った技量を用いつつも、明らかにジャズから離れようとしている。全てオリ
ジナル曲を演奏したようだが、自分のメロディ流儀に則り思うまま指を鍵盤に
はわせ、そこから自分なりの風景が出せればOKという感じのパフォーマンス
だったもの。曲によっては、キーボード(ノード・リード)で単音ソロを無邪
気に取ったりもする。それはある意味、インタープレイを擁する(楽曲はどれ
も10分ぐらいの長さ)私のポップスという感じ。もともとはTV番組で紹介さ
れたことが広い支持者獲得に繋がったようだが、そうした音楽性もまた非ジャ
ズのリスナー獲得に繋がっているのではないか。ただし、彼女はそんなに尖っ
たポップ・ミュージックには親しんでいないようで、そのはみ出し方は決して
コンテンポラリーとは言いかねるが。と言いつつ、ちゃんとお転婆な自分を主
張しているところは見ていて感情移入を誘うところがある。渋谷・Oイースト
。全椅子席。椅子が出ていると非常に狭く感じる会場なんだな。
今日から加湿器を使う。
百々徹
2004年11月22日 NY在住のジャズ・ピアニスト。30才ちょいである自分をきっちりと投影す
るオリジナル曲演奏に冴えを見せる、実にまっとうなピアノ弾き。この日初め
てやるそうなリズム・セクション(安力川大樹と吉岡大輔)もちゃんと合わせ
ていて、それにも感心。まさしく俊英という言い方がぴったりの、勧めるに足
る人でした。MCは端正ながらもどこかとぼけていて味あり。それは、彼の人
間としての魅力を伝えてくれるものだった。南青山・ボディ&ソウル。
るオリジナル曲演奏に冴えを見せる、実にまっとうなピアノ弾き。この日初め
てやるそうなリズム・セクション(安力川大樹と吉岡大輔)もちゃんと合わせ
ていて、それにも感心。まさしく俊英という言い方がぴったりの、勧めるに足
る人でした。MCは端正ながらもどこかとぼけていて味あり。それは、彼の人
間としての魅力を伝えてくれるものだった。南青山・ボディ&ソウル。
アート・リンゼイ。クリスチャン・フェネス
2004年11月21日 ブラジルのモダン派と組んでのライチャス・ベイブ発新作『ソルト』(小山
田圭吾との新曲やマシュー・ハーバートのリミックス曲をプラスした日本盤が
来年2月下旬に出る)のリリースを挟んでの来日。今回も前回と同様に、ドラ
ムレスの編成にて。ただし、今回はサイド・ギター奏者もおらず、新作に入っ
ていたお馴染みメルヴィン・ギブス(ベース、ラップトップ)、そして変な音
をちろちろと出すマイカ・ゴウ(キーボード、サックス)の二人がバッキング
する。
カシンらブラジル精鋭陣とするりと重なった傑作『ソルト』は基本的に上乗
せ音はやんわり生音だが、リズム音はプログラム音が基調。今回はその『ソル
ト』からの曲を主にやったし、そういう意味ではドラムレスは理に叶っている
のだが、やっぱり音色的な部分でちょっとなあ、ドラム奏者なりパーカッショ
ン奏者を連れてきてくれよおという部分は大いにあったな。でも、結構、生理
的にイっている部分がすうっと解き放たれてはいて、ここのところの過去2回
の公演(1999年12月9日、2002年9月9日)よりはいい感想を持った。なお、
ギター奏者のヴァーノン・リード(2000年8月13日)を呼んでいた新作でアー
トはあまりギターを弾いていなかったのだが(別にそれでもいいっかなという
仕上がりではあったが)、プレイヤーの人数上さすが音数が少ないためか、生
ではギターを結構弾いていたなあ。ワンパターンではあるが、やっぱりドキド
キさせるものありますね。
代官山・ユニット。会場はモエ&シャンドンがタイアップでついていて、入
口で500 円で売るバッジとミニ・ボトルを交換してくれる。こりゃ、嬉しい。
ただし、2本目以降は、現金1500円也になる。
そして、オースリアのウィーンの音響系アクト二組が出る公演をやっている
渋谷・クラブクアトロに。すでに、3人組のラディアンは終わっていて、クリ
スチャン・フェネスのほうを見る。身体の大きそうな人。ラップトップ・コン
ピューターを用い、ときにエレクトリック・ギターも弾く。呼応しあう響き。
途中から映し出されなくなったが、光度の高い映像が綺麗だった。
田圭吾との新曲やマシュー・ハーバートのリミックス曲をプラスした日本盤が
来年2月下旬に出る)のリリースを挟んでの来日。今回も前回と同様に、ドラ
ムレスの編成にて。ただし、今回はサイド・ギター奏者もおらず、新作に入っ
ていたお馴染みメルヴィン・ギブス(ベース、ラップトップ)、そして変な音
をちろちろと出すマイカ・ゴウ(キーボード、サックス)の二人がバッキング
する。
カシンらブラジル精鋭陣とするりと重なった傑作『ソルト』は基本的に上乗
せ音はやんわり生音だが、リズム音はプログラム音が基調。今回はその『ソル
ト』からの曲を主にやったし、そういう意味ではドラムレスは理に叶っている
のだが、やっぱり音色的な部分でちょっとなあ、ドラム奏者なりパーカッショ
ン奏者を連れてきてくれよおという部分は大いにあったな。でも、結構、生理
的にイっている部分がすうっと解き放たれてはいて、ここのところの過去2回
の公演(1999年12月9日、2002年9月9日)よりはいい感想を持った。なお、
ギター奏者のヴァーノン・リード(2000年8月13日)を呼んでいた新作でアー
トはあまりギターを弾いていなかったのだが(別にそれでもいいっかなという
仕上がりではあったが)、プレイヤーの人数上さすが音数が少ないためか、生
ではギターを結構弾いていたなあ。ワンパターンではあるが、やっぱりドキド
キさせるものありますね。
代官山・ユニット。会場はモエ&シャンドンがタイアップでついていて、入
口で500 円で売るバッジとミニ・ボトルを交換してくれる。こりゃ、嬉しい。
ただし、2本目以降は、現金1500円也になる。
そして、オースリアのウィーンの音響系アクト二組が出る公演をやっている
渋谷・クラブクアトロに。すでに、3人組のラディアンは終わっていて、クリ
スチャン・フェネスのほうを見る。身体の大きそうな人。ラップトップ・コン
ピューターを用い、ときにエレクトリック・ギターも弾く。呼応しあう響き。
途中から映し出されなくなったが、光度の高い映像が綺麗だった。
ジョス・ストーン
2004年11月20日 黒人主体のバンド(女性コーラス二人付き)を率いてのショーケース・ライ
ヴ。ホーンがいないので、ちと間が抜けて聞こえるときも。破格に声量はないが
、R&Bに対する愛はそれなりにあふれる。あと、ときにレゲエ風味があるの
は英国的とも思わされたかな。ま、多少ぼくは距離を置いておきます、という
気持ちは変わらず。少なくてもはっきり言えるのは、彼女の肌が黒かったら絶
対にデビューできなかったであろうこと。でも、彼女は世に出るチャンスをき
っちり得たのだから、この際、若いこと、白人であることを武器にのしあがっ
てほしいと思う。40分ぐらいのパフォーマンス。渋谷・クラブクアトロ。
ヴ。ホーンがいないので、ちと間が抜けて聞こえるときも。破格に声量はないが
、R&Bに対する愛はそれなりにあふれる。あと、ときにレゲエ風味があるの
は英国的とも思わされたかな。ま、多少ぼくは距離を置いておきます、という
気持ちは変わらず。少なくてもはっきり言えるのは、彼女の肌が黒かったら絶
対にデビューできなかったであろうこと。でも、彼女は世に出るチャンスをき
っちり得たのだから、この際、若いこと、白人であることを武器にのしあがっ
てほしいと思う。40分ぐらいのパフォーマンス。渋谷・クラブクアトロ。
アレクシスオンファイアー。ROVO
2004年11月19日 スクリーモという呼称で語られる、今様激情ラウド系カナダ5人組。巧みな
強弱の付け方や視野の広さを持つ方向にある人達で、そんなにそっち方面に入
れ込んでいないぼくにもひっかかりのあるかも、なんて思いながら原宿・アス
トロホール。ここのビールは300 円。でかいカップでダブル売りとかしてくれ
るといいんだが。混んでて、買いに行きづらいのが常だから。
ヴォーカル、ギター2、ベース、ドラムという布陣。面白いのは肉声担当者
は絶叫(と盛り上げ役)専門で、ちゃんとした歌はギタリストが歌うこと。で
、きっちりとかみ合った生のパスフォーマンスに接すると、レコード以上にい
ろんな襞を持っているバンドという感じも。ジェシー・ハリス(2002年12月21
日)のようなおとなしい好青年の顔をしたドラマーもなんかいい感じで好感度
アップ。延々と続くツアーの最中らしいが、フレッシュに楽しそうにやってい
て、忙しいぃ〜とちと暗くなっているぼくもやんわり和む。
45分間見て、ROVO(2000年7月29日、2000年9月14日、2001年2月3日
、2004年5月28日、6月2日、6月3日、他)がやっている渋谷・アックスに
。アストロとアックス、車だと(拾いやすいんだな、またこれが)5分で移動
できるのでありがたい。入ったときがまだ2曲目だったようでなにより。キー
ボードの二分の一担当者の中西宏司が脱退で、7人でやるのはこの晩が最後な
のだという。多少、そういう感慨のもと演奏は進められたのか。今後はとりあ
えず6人編成でやっていくようだが、電気ヴァイオリンとキーボードは音色が
重なりろすいので、メロディ楽器音を整理し直すのは新たなステップに繋がる
と思う。
へえっと新鮮だったのは、ときにマイルス・デイヴィスの電気表現的なもの
を感じた瞬間があったこと。まあ、彼らのインスピレーションの一つにあるも
のでもあるだろうが、過去はあまりそれを感じたことなかったんだが。そうい
えば、勝井祐二(2002年9月7日、2003年3月6日、2004年1月16日、2004年
5月31日、他)のヴァイオンリがアイリッシュ・フィドルを、益子樹(2003年
1月19日)のキーボードがフェラ・クティのオルガンを想起させる断片も。と
もあれ、大人の豊かで冒険心に富んだ感性や力量で、今の若造どもをも納得さ
せるテンションやひっかかりを持つインストゥメンタル表現を作り上げるとい
うその行き方はますます説得力を持ちえているのと思う。
強弱の付け方や視野の広さを持つ方向にある人達で、そんなにそっち方面に入
れ込んでいないぼくにもひっかかりのあるかも、なんて思いながら原宿・アス
トロホール。ここのビールは300 円。でかいカップでダブル売りとかしてくれ
るといいんだが。混んでて、買いに行きづらいのが常だから。
ヴォーカル、ギター2、ベース、ドラムという布陣。面白いのは肉声担当者
は絶叫(と盛り上げ役)専門で、ちゃんとした歌はギタリストが歌うこと。で
、きっちりとかみ合った生のパスフォーマンスに接すると、レコード以上にい
ろんな襞を持っているバンドという感じも。ジェシー・ハリス(2002年12月21
日)のようなおとなしい好青年の顔をしたドラマーもなんかいい感じで好感度
アップ。延々と続くツアーの最中らしいが、フレッシュに楽しそうにやってい
て、忙しいぃ〜とちと暗くなっているぼくもやんわり和む。
45分間見て、ROVO(2000年7月29日、2000年9月14日、2001年2月3日
、2004年5月28日、6月2日、6月3日、他)がやっている渋谷・アックスに
。アストロとアックス、車だと(拾いやすいんだな、またこれが)5分で移動
できるのでありがたい。入ったときがまだ2曲目だったようでなにより。キー
ボードの二分の一担当者の中西宏司が脱退で、7人でやるのはこの晩が最後な
のだという。多少、そういう感慨のもと演奏は進められたのか。今後はとりあ
えず6人編成でやっていくようだが、電気ヴァイオリンとキーボードは音色が
重なりろすいので、メロディ楽器音を整理し直すのは新たなステップに繋がる
と思う。
へえっと新鮮だったのは、ときにマイルス・デイヴィスの電気表現的なもの
を感じた瞬間があったこと。まあ、彼らのインスピレーションの一つにあるも
のでもあるだろうが、過去はあまりそれを感じたことなかったんだが。そうい
えば、勝井祐二(2002年9月7日、2003年3月6日、2004年1月16日、2004年
5月31日、他)のヴァイオンリがアイリッシュ・フィドルを、益子樹(2003年
1月19日)のキーボードがフェラ・クティのオルガンを想起させる断片も。と
もあれ、大人の豊かで冒険心に富んだ感性や力量で、今の若造どもをも納得さ
せるテンションやひっかかりを持つインストゥメンタル表現を作り上げるとい
うその行き方はますます説得力を持ちえているのと思う。
G・ラヴ&ザ・スペシャル・ソース
2004年11月17日 渋谷・Oイースト。フェス関連では良く日本に来ているが、単独公演は3年
強ぶりとなるそう。ぼくは2000年1月25日いらいとなるのかな。というわけで
、久しぶりにじっくり見たが、やっぱり良いな。絶妙の回路、コンビネーショ
ンあり。で、観客の反応も熱烈。本編は1時間ぐらい。でも、そのあとのアン
コールはまずGの弾き語りで5曲くらい。そして、またリズム隊が加わった。
そうかあ、カジュアルなストリート感覚とヒップホップ感覚とブルージィ感覚
の個性的かつ見事な合体表現を飄々と提出したあのセルフ・タイトルの大傑作
アルバムをリリースして10年が経ったんだな……感無量。でも、いまだGは魅
力的だった。
強ぶりとなるそう。ぼくは2000年1月25日いらいとなるのかな。というわけで
、久しぶりにじっくり見たが、やっぱり良いな。絶妙の回路、コンビネーショ
ンあり。で、観客の反応も熱烈。本編は1時間ぐらい。でも、そのあとのアン
コールはまずGの弾き語りで5曲くらい。そして、またリズム隊が加わった。
そうかあ、カジュアルなストリート感覚とヒップホップ感覚とブルージィ感覚
の個性的かつ見事な合体表現を飄々と提出したあのセルフ・タイトルの大傑作
アルバムをリリースして10年が経ったんだな……感無量。でも、いまだGは魅
力的だった。
アーバン・コネクション
2004年11月16日 ノルウェーのリアル・ジャズ・トリオ、前回見たのが2003年11月17日だか
ら、ちょうど1年ぶりに彼らを見ることになるのだな。
今回は広尾・ノルウェー王国大使館。ベースのみアンプを通し、アルトとド
ラムはノーPAにて。ぼくは普通のオフィス・ビルの会議室ですべて生音でや
ったマサダの公演(1999年9月23日)をふと思い出すとともに、大昔のジャズ
・クラブはどういうPAのもと実演はなされていたのかとふと思いを巡らした
りも。ほんと、どーだったんだろ? 前回の実演を見て、ぼくは『ゴールデン
・サークル』期(つまり、リズム・せクションは北欧の人達ですね)のオーネ
ット・コールマン表現を思い浮かべたりしたが、今回はほとんどそういう印象
は得ず。こういう条件のなかだし、純ジャズ・ファンじゃない人もいるという
ことで、比較的おとなし目な曲を短めにやったというところはあったろうから。
なんにせよ、ぼくは彼らのことが好きだ。
ら、ちょうど1年ぶりに彼らを見ることになるのだな。
今回は広尾・ノルウェー王国大使館。ベースのみアンプを通し、アルトとド
ラムはノーPAにて。ぼくは普通のオフィス・ビルの会議室ですべて生音でや
ったマサダの公演(1999年9月23日)をふと思い出すとともに、大昔のジャズ
・クラブはどういうPAのもと実演はなされていたのかとふと思いを巡らした
りも。ほんと、どーだったんだろ? 前回の実演を見て、ぼくは『ゴールデン
・サークル』期(つまり、リズム・せクションは北欧の人達ですね)のオーネ
ット・コールマン表現を思い浮かべたりしたが、今回はほとんどそういう印象
は得ず。こういう条件のなかだし、純ジャズ・ファンじゃない人もいるという
ことで、比較的おとなし目な曲を短めにやったというところはあったろうから。
なんにせよ、ぼくは彼らのことが好きだ。
映画『レイ』。土濃塚隆一郎。
2004年11月15日 よく出来ている。すげえ珠玉の音楽映画! 当人が亡くなる前からじっくり
と企画/準備されたレイ・チャールズの伝記映画なんだけど、これは力ありす
ぎの作品。彼の音楽的な凄さを、差別、オンナ、クスリ、音楽業界のもろもろ
、などをからめて、本当にきっちりと明晰に描く。2時間半を少し超える映画
だが、まったく飽きさせず、見通させる。3度ほど出てくる、盲目と繋がる幼
少体験のメタファーに水を用いる所はぼくには臭すぎるが、他は本当に感心す
るばかり。とくに、山ほど出てくる音楽パフォーマンスのシーンは凄すぎ。レ
イ役のジェイミー・フォクスもそっくり。本当に手間をかけて撮りあげたんだ
ろうなあ。それ、あらゆる映画の音楽再現シーンのなかでも一番と言えるもの
じゃないか。
アメリカでは大ヒットしているそうで、日本では予定を繰り上げ、来年早々
からの公開。監督は『愛と青春の旅立ち』他いんろなメジャー作品を取り、チ
ャック・ベリーのドキュメント『ヘイル・ヘイル・ロックンロール』なども撮
っているテイラー・ハックフォード。彼、本当にチャールズのことが好きで、
最大級の理解とともにこれを作り上げたんだろうな。ユニヴァーサル映画、も
うメジャー作の底力をイヤになるぐらい思い知らされた。東銀座・UIP試写
室。
『レイ』を見て、素敵な音楽(それは、いろんな襞を持つものなのダ)を享
受できる幸せもなぜか実感。で、かなり満たされた気持ちで、その後メトロ日
比谷線とJR京葉線を乗り継ぎ千葉県舞浜市に。30分も掛からずに着いてしま
って、ちと拍子抜け。けっして遠くはない。快速だと舞浜の次が幕張、幕張メ
ッセでやるコンサートはいつも車で行っていたが、電車で行くのもアリかもし
れぬと思う。目指すはイクスピアリというショッピング/シネコン・モール内
にある、この11月初旬に開いたばかりのクラブイクスピアリ。店に入る前にち
とモールを探索、よく判らん。ただ、ディズニーランド関連客も吸収し、平日
ながらそこそこ人はいるナと思う。
モールの最上階の一番奥にクラブはあるのだが、足を踏み入れ、少しびっく
り。まず、受け付けスペースが無駄と思うしかないぐらいに広い。で、中もな
かなかに広い。ブルーノート東京よりは狭いけど、かつてのお台場・TLGよ
りずっと広い。一切柱のない長方形型のハコで、短い辺に股がる感じでステ
ージはありどこからでも見やすそうで、天井も高い。予約の入り具合で置き方
を変えるのだろうが、相当に余裕のあるテーブル/椅子配置。
で、そこで、ジャズ・コルネット奏者の土濃塚隆一郎。ワン・ホーンによる
自己バンドを率いての、実にまっとうなパフォーマンス。セカンドは一部キー
ボードや電気ベースも用いるが、そうしてもジャズから逸脱するものでないの
は褒めていいものだと思う。今後も、まっとうな歌心あるジャズをやるんだと
いう気概と20代らしさをうまく重ねていってほしいな。タイトなビートの曲に
なるとドラマーがとっても嬉しそうに叩くのが可笑しかった。
それなりに食事をサーヴ。ただ、ファースト・セットとセカンド・セットの
間で、お食事はラスト・オーダーですと言うのはいかがなものか。演奏が終わ
って和んでいると、早々に退出を求められる。が、それは帰りの電車をミスし
ないことにも繋がるので、良しとしましょう。『レイ』を見ての高揚もあった
のか、シラーズ種のワインを2本空けちゃう。12月中旬過ぎには、R&B大御
所デニス・ラ・サールがここに出る。年末進行の一番忙しい時期、見たいけど
どうなるかなあ。
と企画/準備されたレイ・チャールズの伝記映画なんだけど、これは力ありす
ぎの作品。彼の音楽的な凄さを、差別、オンナ、クスリ、音楽業界のもろもろ
、などをからめて、本当にきっちりと明晰に描く。2時間半を少し超える映画
だが、まったく飽きさせず、見通させる。3度ほど出てくる、盲目と繋がる幼
少体験のメタファーに水を用いる所はぼくには臭すぎるが、他は本当に感心す
るばかり。とくに、山ほど出てくる音楽パフォーマンスのシーンは凄すぎ。レ
イ役のジェイミー・フォクスもそっくり。本当に手間をかけて撮りあげたんだ
ろうなあ。それ、あらゆる映画の音楽再現シーンのなかでも一番と言えるもの
じゃないか。
アメリカでは大ヒットしているそうで、日本では予定を繰り上げ、来年早々
からの公開。監督は『愛と青春の旅立ち』他いんろなメジャー作品を取り、チ
ャック・ベリーのドキュメント『ヘイル・ヘイル・ロックンロール』なども撮
っているテイラー・ハックフォード。彼、本当にチャールズのことが好きで、
最大級の理解とともにこれを作り上げたんだろうな。ユニヴァーサル映画、も
うメジャー作の底力をイヤになるぐらい思い知らされた。東銀座・UIP試写
室。
『レイ』を見て、素敵な音楽(それは、いろんな襞を持つものなのダ)を享
受できる幸せもなぜか実感。で、かなり満たされた気持ちで、その後メトロ日
比谷線とJR京葉線を乗り継ぎ千葉県舞浜市に。30分も掛からずに着いてしま
って、ちと拍子抜け。けっして遠くはない。快速だと舞浜の次が幕張、幕張メ
ッセでやるコンサートはいつも車で行っていたが、電車で行くのもアリかもし
れぬと思う。目指すはイクスピアリというショッピング/シネコン・モール内
にある、この11月初旬に開いたばかりのクラブイクスピアリ。店に入る前にち
とモールを探索、よく判らん。ただ、ディズニーランド関連客も吸収し、平日
ながらそこそこ人はいるナと思う。
モールの最上階の一番奥にクラブはあるのだが、足を踏み入れ、少しびっく
り。まず、受け付けスペースが無駄と思うしかないぐらいに広い。で、中もな
かなかに広い。ブルーノート東京よりは狭いけど、かつてのお台場・TLGよ
りずっと広い。一切柱のない長方形型のハコで、短い辺に股がる感じでステ
ージはありどこからでも見やすそうで、天井も高い。予約の入り具合で置き方
を変えるのだろうが、相当に余裕のあるテーブル/椅子配置。
で、そこで、ジャズ・コルネット奏者の土濃塚隆一郎。ワン・ホーンによる
自己バンドを率いての、実にまっとうなパフォーマンス。セカンドは一部キー
ボードや電気ベースも用いるが、そうしてもジャズから逸脱するものでないの
は褒めていいものだと思う。今後も、まっとうな歌心あるジャズをやるんだと
いう気概と20代らしさをうまく重ねていってほしいな。タイトなビートの曲に
なるとドラマーがとっても嬉しそうに叩くのが可笑しかった。
それなりに食事をサーヴ。ただ、ファースト・セットとセカンド・セットの
間で、お食事はラスト・オーダーですと言うのはいかがなものか。演奏が終わ
って和んでいると、早々に退出を求められる。が、それは帰りの電車をミスし
ないことにも繋がるので、良しとしましょう。『レイ』を見ての高揚もあった
のか、シラーズ種のワインを2本空けちゃう。12月中旬過ぎには、R&B大御
所デニス・ラ・サールがここに出る。年末進行の一番忙しい時期、見たいけど
どうなるかなあ。
安藤裕子
2004年11月12日 渋谷・クラブクアトロ。すごい混みよう。酒買いに行けねえ。ゆらゆらした
佇まいに個性ありの、ポップ自作自演派。矢野顕子の影響かどうかは知らない
けど、歌における微妙な抑揚の付け方をぼくは少しトゥ・マッチと感じる人だ
が、ライヴだとCDよりは気にならず。その代わり声量不足は少し気になり、
もっと喉を鍛えてえとも思ったが、鍛えないからこその風情や味もあるかな…
…。だからこその、ポップ・ミュージックでもありますね。やっぱ、ひっかか
りのある曲を書くと思う。日曜に続いて、ベースはTOKIE 嬢。そのときとは音
楽性が180 度異なるものを飄々とこなす。ドラムはカーネション(2003年10月
3日) の人で、アレンジも担当しているキーボード奏者はぼくが大好きだった
元ディキシー・タンタスの山本隆二。昔、独学で一切を覚えたと言っていたよ
うな気がするけど、それすごいよなあ。
佇まいに個性ありの、ポップ自作自演派。矢野顕子の影響かどうかは知らない
けど、歌における微妙な抑揚の付け方をぼくは少しトゥ・マッチと感じる人だ
が、ライヴだとCDよりは気にならず。その代わり声量不足は少し気になり、
もっと喉を鍛えてえとも思ったが、鍛えないからこその風情や味もあるかな…
…。だからこその、ポップ・ミュージックでもありますね。やっぱ、ひっかか
りのある曲を書くと思う。日曜に続いて、ベースはTOKIE 嬢。そのときとは音
楽性が180 度異なるものを飄々とこなす。ドラムはカーネション(2003年10月
3日) の人で、アレンジも担当しているキーボード奏者はぼくが大好きだった
元ディキシー・タンタスの山本隆二。昔、独学で一切を覚えたと言っていたよ
うな気がするけど、それすごいよなあ。