ジェシー・ハリス
2005年9月7日 渋谷・デュオミュージックエクスチェンジ。1時間弱のセットを淡々と二
つ。
アコースティック・ギターを弾きながら歌う本人(2002年12月21日)
に加えて、電気ベース、オルガン、ドラムという編成による。オルガン奏者
とデュオでやった曲もあったが、ハモンドを入れているというのは実は彼の
今のモード。すでにハリスはラリー・ゴールディングス(1999年4月13
日、2000年3月2日)と長年の付き合いのケニー・ウォルセン(ドラム
、セックスモブ他:2000年7月21日)というトリオ編成で新作を録っ
ていて、新曲もいろいろとやった今回のライヴはそのノリに従ったものでも
あったのだ。なんでも、その編成はLAで諸都合でたまたまその3人で実演
をやったら凄く良かったからだという。『ミネラル』と名付けられたその新
作はヴァーヴを離れて新たに設立する自己ーベルから1月にリリースされる
が、同作はとっても出来がいい。ときにポール・サイモンぽいゾと思わせる
局面が出ているのはあららだが、二人とも生粋のNYっ子であるんだよなあ
……。今回、ベース奏者が同行しているのは、オルガン奏者がベースも兼任
できないためらしい。
セカンド・セット終盤ではノラ・ジョーンズ(2002年5月20日、20
02年9月12日、2004年1月19日)でヒットした「ドント・ノウ・ホ
ワイ」もやはり披露する。本当にいい曲。もしこの曲がなかったら、彼の人
生は……なんてことも考えさせる曲ではありますね。とともに、彼の甘い鼻
声を聞きながら、ジョーズのそれとの相似性も感じる。テキサス州からジャ
ズ・ピアニスト志向でNYに出てきた彼女にキミはもっと歌うべきだと強く
諭したのはハリスだが、ジョーンズはかなり彼の歌い方を参考にしたんじゃ
ないかなとも思わされた。
つ。
アコースティック・ギターを弾きながら歌う本人(2002年12月21日)
に加えて、電気ベース、オルガン、ドラムという編成による。オルガン奏者
とデュオでやった曲もあったが、ハモンドを入れているというのは実は彼の
今のモード。すでにハリスはラリー・ゴールディングス(1999年4月13
日、2000年3月2日)と長年の付き合いのケニー・ウォルセン(ドラム
、セックスモブ他:2000年7月21日)というトリオ編成で新作を録っ
ていて、新曲もいろいろとやった今回のライヴはそのノリに従ったものでも
あったのだ。なんでも、その編成はLAで諸都合でたまたまその3人で実演
をやったら凄く良かったからだという。『ミネラル』と名付けられたその新
作はヴァーヴを離れて新たに設立する自己ーベルから1月にリリースされる
が、同作はとっても出来がいい。ときにポール・サイモンぽいゾと思わせる
局面が出ているのはあららだが、二人とも生粋のNYっ子であるんだよなあ
……。今回、ベース奏者が同行しているのは、オルガン奏者がベースも兼任
できないためらしい。
セカンド・セット終盤ではノラ・ジョーンズ(2002年5月20日、20
02年9月12日、2004年1月19日)でヒットした「ドント・ノウ・ホ
ワイ」もやはり披露する。本当にいい曲。もしこの曲がなかったら、彼の人
生は……なんてことも考えさせる曲ではありますね。とともに、彼の甘い鼻
声を聞きながら、ジョーズのそれとの相似性も感じる。テキサス州からジャ
ズ・ピアニスト志向でNYに出てきた彼女にキミはもっと歌うべきだと強く
諭したのはハリスだが、ジョーンズはかなり彼の歌い方を参考にしたんじゃ
ないかなとも思わされた。
メイシオ・パーカー。アルタードステイツ+ズー。
2005年9月6日 ブルーノート東京。なんだかんだでよく見ているような気になっているが
、パーカーの姿を見るのはプリンス公演(2002年11月19日)いらいであ
り、彼の自己グループ演奏だとなんと4年ぶりとなるのか(過去は、1999年
8月6〜8日、1999年10月28日、2001年4月17日)。まあ、昨年
だか一昨年だかの米国興行売上1位となったそうなプリンスのツアーのバン
ド・メンバーをこなしていただけにそっちに時間を取られたのは間違いない
だろうが。確か、去年は夏のファスで来日しかけたのだが、そのフェスが中
止になって(ベスト盤の選曲をやったけど、それでぽしゃった)、来日がと
んだこともあった。
ともあれ、基本の同行メンバーにはそれほど代わりがない。ヴォーカルが
スウィート・チャールズからやはりJBズにいたマーサ・ハイ(彼女はコー
リー・パーカーとともにバッキング・ヴォーカルをとる。コーリーがフィー
チャーされることはあっても、彼女が前に出ることはなかった)に代わり、
またキーボード奏者が新作『スクールズ・イン』で弾いていたモリス・ヘイ
ズになった以外は過去と同じ。そのヘイズはプリンス・バンド出身者だから
、今のメイシオ・バンドはJB〜P−ファンク(トロンボーンのグレッグ・
ボイヤーとバラムのロドニー・カーティス)〜プリンスという黄金トライア
ングル・ファミリー出身者がいることになる。というか、その“黄金”にす
べてに関与しているのがメイシオ・パーカーという希有のアルト吹きなわけ
だ。
ぼくはファースト・ショウを見たが、ファーストとセカンドはかなり曲目
違いでやっているらしい。前もそうだったっけか? それはバンドがいい感
じで組まれていることを示すものか。ファンクのエッセンスを娯楽的かつ総
花的に聞かせましょうという行き方に変化がなし。前よりもメイシオが歌わ
なくなったかな(前に少し戻ったとも言える)? あと、アルトの音程がち
ょっと甘くなったような気もしたが、どんなもんか。なんにせよ、触れて目
茶うれしいパフォーマンスであるのは間違いない。それから、シンガー陣以
外はけっこうちゃんとした格好していた。それも、いいもんですね。
その後、タクシーに飛び乗り新宿ピットインに移動。やはり渋谷クアトロ
(ファントマスの前座)からタクシー移動してきたはずのズーとアルタート
・ステイツ(ギターの内橋和久:2004年7月6日、電気ベースのナスノ
ミツル:2002年1月5日)、ドラムの芳垣安洋:2005年2月19日、
他)による演奏を見る。アルタードステイツ16周年記念プログラム(新宿ピ
ットイン、3日間)のなかの一環。ぜんぜんリハなしによる、丁々発止演奏
。一部の途中で会場入りすると、彼らはすでに一緒にやっていた。2部は最
初ズーだけで演奏し、2曲目からまた6人での演奏になる。ダブル・リズム
・セクションにギターとサックスというメロディ楽器が絡む編成、と言うこ
とも出来るのか。冒険や即興や実験という芽を愛でる、とっても澄んでいる
ロック通過者でもある不埒な大人たちのどーにでもなる会話でした。ズーは
来年3月にまたやってくることになっているとういう。
、パーカーの姿を見るのはプリンス公演(2002年11月19日)いらいであ
り、彼の自己グループ演奏だとなんと4年ぶりとなるのか(過去は、1999年
8月6〜8日、1999年10月28日、2001年4月17日)。まあ、昨年
だか一昨年だかの米国興行売上1位となったそうなプリンスのツアーのバン
ド・メンバーをこなしていただけにそっちに時間を取られたのは間違いない
だろうが。確か、去年は夏のファスで来日しかけたのだが、そのフェスが中
止になって(ベスト盤の選曲をやったけど、それでぽしゃった)、来日がと
んだこともあった。
ともあれ、基本の同行メンバーにはそれほど代わりがない。ヴォーカルが
スウィート・チャールズからやはりJBズにいたマーサ・ハイ(彼女はコー
リー・パーカーとともにバッキング・ヴォーカルをとる。コーリーがフィー
チャーされることはあっても、彼女が前に出ることはなかった)に代わり、
またキーボード奏者が新作『スクールズ・イン』で弾いていたモリス・ヘイ
ズになった以外は過去と同じ。そのヘイズはプリンス・バンド出身者だから
、今のメイシオ・バンドはJB〜P−ファンク(トロンボーンのグレッグ・
ボイヤーとバラムのロドニー・カーティス)〜プリンスという黄金トライア
ングル・ファミリー出身者がいることになる。というか、その“黄金”にす
べてに関与しているのがメイシオ・パーカーという希有のアルト吹きなわけ
だ。
ぼくはファースト・ショウを見たが、ファーストとセカンドはかなり曲目
違いでやっているらしい。前もそうだったっけか? それはバンドがいい感
じで組まれていることを示すものか。ファンクのエッセンスを娯楽的かつ総
花的に聞かせましょうという行き方に変化がなし。前よりもメイシオが歌わ
なくなったかな(前に少し戻ったとも言える)? あと、アルトの音程がち
ょっと甘くなったような気もしたが、どんなもんか。なんにせよ、触れて目
茶うれしいパフォーマンスであるのは間違いない。それから、シンガー陣以
外はけっこうちゃんとした格好していた。それも、いいもんですね。
その後、タクシーに飛び乗り新宿ピットインに移動。やはり渋谷クアトロ
(ファントマスの前座)からタクシー移動してきたはずのズーとアルタート
・ステイツ(ギターの内橋和久:2004年7月6日、電気ベースのナスノ
ミツル:2002年1月5日)、ドラムの芳垣安洋:2005年2月19日、
他)による演奏を見る。アルタードステイツ16周年記念プログラム(新宿ピ
ットイン、3日間)のなかの一環。ぜんぜんリハなしによる、丁々発止演奏
。一部の途中で会場入りすると、彼らはすでに一緒にやっていた。2部は最
初ズーだけで演奏し、2曲目からまた6人での演奏になる。ダブル・リズム
・セクションにギターとサックスというメロディ楽器が絡む編成、と言うこ
とも出来るのか。冒険や即興や実験という芽を愛でる、とっても澄んでいる
ロック通過者でもある不埒な大人たちのどーにでもなる会話でした。ズーは
来年3月にまたやってくることになっているとういう。
ファントマス。ズー
2005年9月5日 渋谷・クラブクアトロ。まず、オープニング・アクトとしてイタリアの変
則パンク・ジャズ・ロック・トリオのZu(2004年6月2日)が登場。
彼らは韓国公演をしてから、日本にやってきた。40分弱の演奏。今回、客層
を見たのか、短い演奏時間を考慮したのか、随所にフリー・ジャズ語彙を散
りばめつつ(新譜の『THE WAY OF THE ANIMAL PO
WERS』:XENGはアヴァンギャルド語彙の交換が柱となった仕上がり
)かなり仕掛け重視のたたき込み感濃厚な演奏で突き進んでいた。どっちか
というと、ぼくは去年見たときのほうが好みかも。でも、やっぱしびれる。
ここのリーダー格/スポークスマンの電気ベースのマッシモは今月下旬にソ
ニック・ユース(2001年2月20日)のサーストン・ムーアとジム・オ
ルーク(2000年3月25日)らとともに、オリジナル・サイレンスという
名前の6人編成バンド(ブラインド・ビーストのイタリア版?)でイタリア
4か所でライヴを行う。
その後、ミスター・バングル〜フェス・ノー・モアにいたマイク・パット
ンのファントマス。メルヴィンズのバズ・オズボーン(ギター)、ミスター
・バングル時代からの20年の付き合いで今はNY地下自由音楽シーンで活躍
するトレヴァー・ダン(ベース)、スレイヤーのデイヴ・ロンバード(ドラ
ム)が構成員という、ある意味かなり豪華な顔ぶれのバンド。
客席側から向かって左にすごい大がかりなドラムセット。中央後ろにギタ
ーとベース。そして、右側にいろんな装置を前にするパットンというステー
ジ配置。彼はいろいろと肉声を加工し、様々な表情やテイストを持つ声を多
大なパッションとともに届ける。……ばしっばしっと決まる“破れた日常的
サウンド”と百花繚乱ヴォイスの、各者の対話を経ての拮抗。1時間ちょい
のパフォーマンス時間だったかな。自由な発想のもと枠組から飛び立ち、確
固たる様式や持ち味を持つにいたったワンダーランド・ミュージック、なん
て言い方もしたくなるか。各人それぞれに興味深いサイド活動をやっている
(全員、ジョン・ゾーンとも付き合いを持っているな)が、確固とした意思
を持って表現に向かう大人って本当に美しいナ。
則パンク・ジャズ・ロック・トリオのZu(2004年6月2日)が登場。
彼らは韓国公演をしてから、日本にやってきた。40分弱の演奏。今回、客層
を見たのか、短い演奏時間を考慮したのか、随所にフリー・ジャズ語彙を散
りばめつつ(新譜の『THE WAY OF THE ANIMAL PO
WERS』:XENGはアヴァンギャルド語彙の交換が柱となった仕上がり
)かなり仕掛け重視のたたき込み感濃厚な演奏で突き進んでいた。どっちか
というと、ぼくは去年見たときのほうが好みかも。でも、やっぱしびれる。
ここのリーダー格/スポークスマンの電気ベースのマッシモは今月下旬にソ
ニック・ユース(2001年2月20日)のサーストン・ムーアとジム・オ
ルーク(2000年3月25日)らとともに、オリジナル・サイレンスという
名前の6人編成バンド(ブラインド・ビーストのイタリア版?)でイタリア
4か所でライヴを行う。
その後、ミスター・バングル〜フェス・ノー・モアにいたマイク・パット
ンのファントマス。メルヴィンズのバズ・オズボーン(ギター)、ミスター
・バングル時代からの20年の付き合いで今はNY地下自由音楽シーンで活躍
するトレヴァー・ダン(ベース)、スレイヤーのデイヴ・ロンバード(ドラ
ム)が構成員という、ある意味かなり豪華な顔ぶれのバンド。
客席側から向かって左にすごい大がかりなドラムセット。中央後ろにギタ
ーとベース。そして、右側にいろんな装置を前にするパットンというステー
ジ配置。彼はいろいろと肉声を加工し、様々な表情やテイストを持つ声を多
大なパッションとともに届ける。……ばしっばしっと決まる“破れた日常的
サウンド”と百花繚乱ヴォイスの、各者の対話を経ての拮抗。1時間ちょい
のパフォーマンス時間だったかな。自由な発想のもと枠組から飛び立ち、確
固たる様式や持ち味を持つにいたったワンダーランド・ミュージック、なん
て言い方もしたくなるか。各人それぞれに興味深いサイド活動をやっている
(全員、ジョン・ゾーンとも付き合いを持っているな)が、確固とした意思
を持って表現に向かう大人って本当に美しいナ。
ティナリウェン。ソーニャ・キッチェル
2005年9月2日 渋谷・アックス。音楽的なことの前に、まずティナリウェンの見てくれに
大いにニッコリとなったりして。アフリカのマリに属する砂漠に住む人達だ
が、皆さんいかにも砂漠を思い出させるようなほんわかした布を体にまとう
(また、頭と顔の下も布でおおう人も)。また、左利きのベースは右利きの
それを逆さにして弾いている。俺、学生だったら、皆でああいう格好し、全
員左利き用のギターやベースを逆さに持ち替えてステージやろうと間違いな
くバンドのメンバーに提案したろうな。
異文化にある音楽に触れるのは非常にドキドキできることだが、上記の部
分でもフフフとなれた連中。まず、アフロな頭の一人(なんか、彼は70年代
のスピリチュアルなソウル・グループの人のように見えたりも)が出てきて
、ジョン・リー・フッカーをもろに思い出させるうよなギターの弾き語り。
その後、他の人達がぞろぞろ出てくる。全員で7人。うち、男性陣はベース
奏者とパーカッション奏者が専任。あとの4人はギターを持ったり、持たな
かったり。ただ、余白の効用(?)をちゃんと認知してか全員でギターを持
つようなことはせず、大半の曲では二人がギターを弾く。で、ヴォーカルは
全員がとる。女性はサポート・ヴォール専任。で、リフの繰り返し曲を中心
に、すべてマイナー・キーの楽曲。そこから、じわじわと砂漠で育まれたひ
っかかりのあるブルージィな表現を送りだす。その音は無条件にいろんな繋
がりを想起させるもの。最後のほうには、確実にラップを意識したようなシ
ング・トークを採用した曲をやった。また、河内音頭みたいだなと思わせる
曲もあった。
1時間30分ぴったりの演奏時間。そして、アンコール2曲。通常は50分
のステージをやっているそうだが、もう少し短くてもいいかもしれない。さ
すが客はそれなりに年齢層は高めだが、サラリーマン風スーツ姿の人や、こ
ぎれいにまとめたOLっぽい人はほとんどいず。皆さん、ふだん何をしてい
るのか。しかし、まるっきり別の環境にありいろんな面でワケが分からない
人達ながら、なんとなく部分的には分かった気分にもなれるところも持つな
かなかに不可解さが魅力的な連中でした。
このあと、同じく渋谷のJZブラットに流れる。ヴェロア・レコードが送
りだした(アルバムは日本先行発売。アメリカではEPのみ出ている)、倍
ぐらいの年齢じゃないととても出来なようなことをやる16歳の女性シンガー
ソングライター。10時から。彼女は生ギターを手にしながら歌う(曲はピア
ノでも書くそう)。普段のライヴはピアノ、縦ベース、ドラムのバンドを率
いるそうだが、この日はピアノとのデュオ。20歳だという伴奏ピアニスト(
楽譜を見てないので、いつもやっているのだと思う)は、少し離れた所から
はキッチェルよりも若く見える。ともあれ、いつもより簡素な設定でやった
ぶんだけジャズっぽくなった(スタンダード曲も歌った)ところがあるかも
、とは本人の弁。なんにせよ、ジャズ的な襞もいろいろ通った物凄く早熟で
、相当に質の高い自作自演派表現を聞かせるタレントであるのは間違いない。
昨日もコンサート帰りの飲みの席で話題となったが、キッチェル公演後の
後の飲みでも、やはりニューオリンズのハリケーン被害の話になる。被災後
のもろもろが酷すぎる。当然、同地ミュージシャンのことにも話は飛ぶわけ
だが、同地にある音楽マスター・テープの多くは駄目になってしまったんで
はないか。なんかいてもたってもたまらなくなり山岸潤史(1999年8月5日、
2000年12月7日、2001年7月16日、2004年3月30日、2005年7月30、31日)の安否を知人に確認、ニューオリンズに戻っていたらしいが
ぜんぜん無事みたい。深夜、セウ・ジェルジュの打ち上げに乱入。若い白人
の可愛い嫁さんと一緒の彼、真っ赤なスーツにわざわざ着替えていた(そう
だ)。
大いにニッコリとなったりして。アフリカのマリに属する砂漠に住む人達だ
が、皆さんいかにも砂漠を思い出させるようなほんわかした布を体にまとう
(また、頭と顔の下も布でおおう人も)。また、左利きのベースは右利きの
それを逆さにして弾いている。俺、学生だったら、皆でああいう格好し、全
員左利き用のギターやベースを逆さに持ち替えてステージやろうと間違いな
くバンドのメンバーに提案したろうな。
異文化にある音楽に触れるのは非常にドキドキできることだが、上記の部
分でもフフフとなれた連中。まず、アフロな頭の一人(なんか、彼は70年代
のスピリチュアルなソウル・グループの人のように見えたりも)が出てきて
、ジョン・リー・フッカーをもろに思い出させるうよなギターの弾き語り。
その後、他の人達がぞろぞろ出てくる。全員で7人。うち、男性陣はベース
奏者とパーカッション奏者が専任。あとの4人はギターを持ったり、持たな
かったり。ただ、余白の効用(?)をちゃんと認知してか全員でギターを持
つようなことはせず、大半の曲では二人がギターを弾く。で、ヴォーカルは
全員がとる。女性はサポート・ヴォール専任。で、リフの繰り返し曲を中心
に、すべてマイナー・キーの楽曲。そこから、じわじわと砂漠で育まれたひ
っかかりのあるブルージィな表現を送りだす。その音は無条件にいろんな繋
がりを想起させるもの。最後のほうには、確実にラップを意識したようなシ
ング・トークを採用した曲をやった。また、河内音頭みたいだなと思わせる
曲もあった。
1時間30分ぴったりの演奏時間。そして、アンコール2曲。通常は50分
のステージをやっているそうだが、もう少し短くてもいいかもしれない。さ
すが客はそれなりに年齢層は高めだが、サラリーマン風スーツ姿の人や、こ
ぎれいにまとめたOLっぽい人はほとんどいず。皆さん、ふだん何をしてい
るのか。しかし、まるっきり別の環境にありいろんな面でワケが分からない
人達ながら、なんとなく部分的には分かった気分にもなれるところも持つな
かなかに不可解さが魅力的な連中でした。
このあと、同じく渋谷のJZブラットに流れる。ヴェロア・レコードが送
りだした(アルバムは日本先行発売。アメリカではEPのみ出ている)、倍
ぐらいの年齢じゃないととても出来なようなことをやる16歳の女性シンガー
ソングライター。10時から。彼女は生ギターを手にしながら歌う(曲はピア
ノでも書くそう)。普段のライヴはピアノ、縦ベース、ドラムのバンドを率
いるそうだが、この日はピアノとのデュオ。20歳だという伴奏ピアニスト(
楽譜を見てないので、いつもやっているのだと思う)は、少し離れた所から
はキッチェルよりも若く見える。ともあれ、いつもより簡素な設定でやった
ぶんだけジャズっぽくなった(スタンダード曲も歌った)ところがあるかも
、とは本人の弁。なんにせよ、ジャズ的な襞もいろいろ通った物凄く早熟で
、相当に質の高い自作自演派表現を聞かせるタレントであるのは間違いない。
昨日もコンサート帰りの飲みの席で話題となったが、キッチェル公演後の
後の飲みでも、やはりニューオリンズのハリケーン被害の話になる。被災後
のもろもろが酷すぎる。当然、同地ミュージシャンのことにも話は飛ぶわけ
だが、同地にある音楽マスター・テープの多くは駄目になってしまったんで
はないか。なんかいてもたってもたまらなくなり山岸潤史(1999年8月5日、
2000年12月7日、2001年7月16日、2004年3月30日、2005年7月30、31日)の安否を知人に確認、ニューオリンズに戻っていたらしいが
ぜんぜん無事みたい。深夜、セウ・ジェルジュの打ち上げに乱入。若い白人
の可愛い嫁さんと一緒の彼、真っ赤なスーツにわざわざ着替えていた(そう
だ)。
セウ・ジョルジ
2005年9月1日 映画『ライフ・アクアティック』(2005年2月15日)にも出演してい
たイケてる俳優、そしてもちろんそれ以前にミュージシャンである元ファロ
ファ・カリオカのジョルジさんの公演。渋谷・クアブクアトロ。ガット・ギ
ターを持つ彼に加え、電気ベースと打楽器3人(うち、一人はカバキーニョ
を弾くときも)がバッキング。みんな、黒い人たち。
始まってすぐに、感服。声が野太い。それが、すうっと聞く者の体内に入
ってくる。その事実が生理的にコイツは本物だァと思わせる。気分いいっ〜
。で、上記編成で生っぽく、臨機応変に我々の表現を開いていく。ブラジル
の滋養の上で<この日、この場所、この顔ぶれ>といった感じでしなやかに
表現を繰り広げる様はなかなかに興味深く、美味。ほんと、気分でどうにで
も行けるのだという内実をそれは持っていました(事実、翌日はまた違った
感じでもあったという)。1曲、非常にボブ・マーリーを想起させる曲もあ
った。彼は自分でベースを弾きながら歌うロック・トリオを画策していると
いうが、それも鬼のように実のあるものになるはずとも、この晩のパフォー
マンスを見ながら痛感。2時間強をすうっと。MCは英語でするときも。
俳優をやっているだけあって、やはり格好は良い。顔は生で見ると、キャ
ミオのラリー・ブラックモンに似ているとも思った(それを、他の人に伝え
るとみんな同意してました)。20年前に一時天下を取ったことがあるブラッ
クモンには一度取材したことがあったが、ものすごく知的な人。彼とのやり
とりは“刺激的なやりとりができたインタヴュー、ぼくのキャリア中の10指
”に入るものとして強く印象に残っているが、ステージではあんな派手な格
好をするくせにオフではこぎれいにまとめてヤッピーみたいな印象を与える
人であったっけなあ。で、ぼくはジョルジュにも同様とは言わないが、かな
り似たクールネスを覚えたりもしたのだった。
たイケてる俳優、そしてもちろんそれ以前にミュージシャンである元ファロ
ファ・カリオカのジョルジさんの公演。渋谷・クアブクアトロ。ガット・ギ
ターを持つ彼に加え、電気ベースと打楽器3人(うち、一人はカバキーニョ
を弾くときも)がバッキング。みんな、黒い人たち。
始まってすぐに、感服。声が野太い。それが、すうっと聞く者の体内に入
ってくる。その事実が生理的にコイツは本物だァと思わせる。気分いいっ〜
。で、上記編成で生っぽく、臨機応変に我々の表現を開いていく。ブラジル
の滋養の上で<この日、この場所、この顔ぶれ>といった感じでしなやかに
表現を繰り広げる様はなかなかに興味深く、美味。ほんと、気分でどうにで
も行けるのだという内実をそれは持っていました(事実、翌日はまた違った
感じでもあったという)。1曲、非常にボブ・マーリーを想起させる曲もあ
った。彼は自分でベースを弾きながら歌うロック・トリオを画策していると
いうが、それも鬼のように実のあるものになるはずとも、この晩のパフォー
マンスを見ながら痛感。2時間強をすうっと。MCは英語でするときも。
俳優をやっているだけあって、やはり格好は良い。顔は生で見ると、キャ
ミオのラリー・ブラックモンに似ているとも思った(それを、他の人に伝え
るとみんな同意してました)。20年前に一時天下を取ったことがあるブラッ
クモンには一度取材したことがあったが、ものすごく知的な人。彼とのやり
とりは“刺激的なやりとりができたインタヴュー、ぼくのキャリア中の10指
”に入るものとして強く印象に残っているが、ステージではあんな派手な格
好をするくせにオフではこぎれいにまとめてヤッピーみたいな印象を与える
人であったっけなあ。で、ぼくはジョルジュにも同様とは言わないが、かな
り似たクールネスを覚えたりもしたのだった。
ナイン・ブラック・アルプス
2005年8月31日 ぼくは見てないが今年のソニック・マニア(2月6日)にも出演していた
、今伸び盛りの英国新進4人組。リズムは平板だが、その実演能力に不満は
ない。ただ、フラット気味のヴォーカルは少し水準を下回る。曲はかなりい
けるほう。というか、楽曲ありきのバンドだろう。彼らのバイオには4人と
もソニック・ユース(2001年2月20日)と故エリオット・スミス(20
00年12月4日)が好きという記述があるが、前者はぜんぜん繋がりが見え
ぬものの、スミス云々というのは多少納得できるところあるかも。それなり
にフックを持つ曲をベタっとしたギター・サウンドを中心に、いろんな感じ
で繙く。全13曲アンコールなし、1時間弱でスパっとやめる。渋谷・クラブ
クアトロ。
、今伸び盛りの英国新進4人組。リズムは平板だが、その実演能力に不満は
ない。ただ、フラット気味のヴォーカルは少し水準を下回る。曲はかなりい
けるほう。というか、楽曲ありきのバンドだろう。彼らのバイオには4人と
もソニック・ユース(2001年2月20日)と故エリオット・スミス(20
00年12月4日)が好きという記述があるが、前者はぜんぜん繋がりが見え
ぬものの、スミス云々というのは多少納得できるところあるかも。それなり
にフックを持つ曲をベタっとしたギター・サウンドを中心に、いろんな感じ
で繙く。全13曲アンコールなし、1時間弱でスパっとやめる。渋谷・クラブ
クアトロ。
ザ・バッド・プラス
2005年8月29日 昨年のブルーノート東京公演(2004年5月13日)のライヴ盤『ブラン
ト・オブ・オブジェクト』を出していたりする、やんちゃなリアル・ジャズ
・トリオ、同じくブルーノート東京での公演。オーディエンスの受けがかな
りいい。ソロとかが終わってブレイクが入ったりするとうおおって歓声があ
がったりし、固定の支持者が着実について来ているのだナと思わせられた。
ちょい変態な“白〜い”ピアノ(ピアノ奏者のイーサン・アイヴァーソン
はクラシックとジャズで育ち、ほとんどポップ・ミュージックに触れずに来
ている)とどこか佇まいがズレているところもありつつ比較的まっとうなベ
ース(一人では、エレクトロな多重録音表現を模索しているとのこと)、そ
して弾けたドラム(ミート・ビート・マニフェストの新作とか、ジェフ・リ
ー・ジョン:2004年10月28日やいろんな肉声担当者たちとのコラボレ
ーション・ユニットのURSUS MINORとか、最近よく参加作を見る
な。ハッピー・アップルも維持しているみたいだし)の不可解な絡みを柱と
するピアノ・トリオ。ちゃんとインプロヴァイズしつつも、ずっとやって
いる曲に関してのその開き方は基本的に踏襲された感じもあり(彼らを見る
のは3度目。他に、2003年8月1〜2日)、楽曲のおおまかな進め方/
アレンジは3人のなかでけっこう煮詰められたものであると認知。彼らのソ
ニーのデビュー作が出たときに“ミレニアムのデイヴ・ブルーベック・トリ
オ”なんて書き方をしたことがあったが、外れてはいないよなとも再確認。
いや、“現代の暴れたMJQ”と書いたほうが適切か。両者ともに、オーネ
ット・コールマンと関係を持っているということで。彼らは有名ポップ曲の
悪意あるカヴァー(解体)もやるが、この日はビョークの「ヒューマン・ビ
ヘイヴィアー」を演奏。この春からやりだしたそうだがこのカヴァー・ヴァ
ージョン、音楽配信で売ってるらしい。
ト・オブ・オブジェクト』を出していたりする、やんちゃなリアル・ジャズ
・トリオ、同じくブルーノート東京での公演。オーディエンスの受けがかな
りいい。ソロとかが終わってブレイクが入ったりするとうおおって歓声があ
がったりし、固定の支持者が着実について来ているのだナと思わせられた。
ちょい変態な“白〜い”ピアノ(ピアノ奏者のイーサン・アイヴァーソン
はクラシックとジャズで育ち、ほとんどポップ・ミュージックに触れずに来
ている)とどこか佇まいがズレているところもありつつ比較的まっとうなベ
ース(一人では、エレクトロな多重録音表現を模索しているとのこと)、そ
して弾けたドラム(ミート・ビート・マニフェストの新作とか、ジェフ・リ
ー・ジョン:2004年10月28日やいろんな肉声担当者たちとのコラボレ
ーション・ユニットのURSUS MINORとか、最近よく参加作を見る
な。ハッピー・アップルも維持しているみたいだし)の不可解な絡みを柱と
するピアノ・トリオ。ちゃんとインプロヴァイズしつつも、ずっとやって
いる曲に関してのその開き方は基本的に踏襲された感じもあり(彼らを見る
のは3度目。他に、2003年8月1〜2日)、楽曲のおおまかな進め方/
アレンジは3人のなかでけっこう煮詰められたものであると認知。彼らのソ
ニーのデビュー作が出たときに“ミレニアムのデイヴ・ブルーベック・トリ
オ”なんて書き方をしたことがあったが、外れてはいないよなとも再確認。
いや、“現代の暴れたMJQ”と書いたほうが適切か。両者ともに、オーネ
ット・コールマンと関係を持っているということで。彼らは有名ポップ曲の
悪意あるカヴァー(解体)もやるが、この日はビョークの「ヒューマン・ビ
ヘイヴィアー」を演奏。この春からやりだしたそうだがこのカヴァー・ヴァ
ージョン、音楽配信で売ってるらしい。
東京JAZZ
2005年8月21日 起きたら午後1時半。ありゃ。この二日目は興味がひかれるライン・アップ
になっていてアタマから見ようと思っていたのに。テレンス・ブランチャード
の終わりから見る。ブランチャートは例のベニン出身のギタリスト(2002
年7月3日)を依然として抱える。続いて、ヴァイブラフォンの大御所ゲイリ
ー・バートンのグループ。けっこう確かな、真面目そうな風体のギタリスト(
ジュリアン・レイジ)はまだ17歳とか。そこここに風があるジャズ……、好意
的に書こうとするとそう記せるかな。そして、マーカス・ミラー(2001年
6月14日、2003年8月19日)のグループ。まったくもってこれまで通り
。新曲の1部は興味ひかれたが。マーカスはバスクラがうまくなっているナ。
時間的にはだいぶおしていて、これで昼の部がお終い。
夜の部の目玉は、興味深い編成で話題だったハービー・ハンコックのヘッド
ハンターズ05。あちらではジョン・メイヤーもギタリストとしてメンバーに入
った編成で回り、今年のボナルーにも出ている。日本公演はメイヤーの名はな
いが、馴染みのワー・ワー・ワトソンが入ってのもの。後はマーカス・ミラー
やテリ・リン・キャリントン、前出ブランチャード・バンドのリオーネル・ル
エケ、そして一管でロイ・ハーグローヴ(2003年2月18日、9月21日
)。そんな面子で、ハンコックの豪華ポップ・シンガーと組んだ新作『ポシヴ
ィリティーズ』収録のラテン曲「サフィアトゥ」以外はもろに73〜76年の曲を
やる。ヘッドハンターズというと、98年に新作を出して日本にもやってきたこ
とがあったけど、あんなのとは比較にならないほどいい感じの、質量感とヴァ
ージョン・アップ感があるパフォーマンス。けっこう、うひひ。かなり、発汗
。が、最初から大幅に時間が押して始まった彼らの演奏は予定された曲を、最
低「カメレオン」ははしょっていた。うえーん、もっと聞きたかった。
で、休憩を入れて(このとき、すでに10時を回り、終了予定時間になってい
た)、セッション。ステージ上にはすごい数の奏者がいたな。その木曜日のリ
ハを見た人から「マーカス・ミラーの横でビル・ラズウェルが楽しそうに弾い
ているのを見て、これはもう絶対に見れない光景だなと思った次第」というメ
ールが来ていたが、なるほどおラズウェルとマーカスが一緒にベースを弾いて
いる。マテリアル、テレンス・ブランチャード・バンド、マーカス・ミラー・
バンド、もちろんヘッドハンターズの面々などいろいろ。くわえて、ゲイリー
・バートンもいれば、山中千尋もいる。彼女はソロも取らず、ほとんどなんの
ためにいたか分からなかったが。ともあれ、そのセッションは時間がない関係
で縮められた感じのパフォーマンス。その光景を見るだけでも興味深いながら
、演奏のほうは中途半端で、やるほうにとっても見るほうにとっても消化不良
なものではなかったか。時間など気にせずミュージシャンに伸び伸びとやらせ
たら、何かが生まれたかどうかは知らないが、こりゃあ面白いという局面はも
っといろいろと生まれたはず。もったいなさすぎる。で、無理やり20分強ぐ
らいの尺にして、10時40分ぐらいに終了した。
になっていてアタマから見ようと思っていたのに。テレンス・ブランチャード
の終わりから見る。ブランチャートは例のベニン出身のギタリスト(2002
年7月3日)を依然として抱える。続いて、ヴァイブラフォンの大御所ゲイリ
ー・バートンのグループ。けっこう確かな、真面目そうな風体のギタリスト(
ジュリアン・レイジ)はまだ17歳とか。そこここに風があるジャズ……、好意
的に書こうとするとそう記せるかな。そして、マーカス・ミラー(2001年
6月14日、2003年8月19日)のグループ。まったくもってこれまで通り
。新曲の1部は興味ひかれたが。マーカスはバスクラがうまくなっているナ。
時間的にはだいぶおしていて、これで昼の部がお終い。
夜の部の目玉は、興味深い編成で話題だったハービー・ハンコックのヘッド
ハンターズ05。あちらではジョン・メイヤーもギタリストとしてメンバーに入
った編成で回り、今年のボナルーにも出ている。日本公演はメイヤーの名はな
いが、馴染みのワー・ワー・ワトソンが入ってのもの。後はマーカス・ミラー
やテリ・リン・キャリントン、前出ブランチャード・バンドのリオーネル・ル
エケ、そして一管でロイ・ハーグローヴ(2003年2月18日、9月21日
)。そんな面子で、ハンコックの豪華ポップ・シンガーと組んだ新作『ポシヴ
ィリティーズ』収録のラテン曲「サフィアトゥ」以外はもろに73〜76年の曲を
やる。ヘッドハンターズというと、98年に新作を出して日本にもやってきたこ
とがあったけど、あんなのとは比較にならないほどいい感じの、質量感とヴァ
ージョン・アップ感があるパフォーマンス。けっこう、うひひ。かなり、発汗
。が、最初から大幅に時間が押して始まった彼らの演奏は予定された曲を、最
低「カメレオン」ははしょっていた。うえーん、もっと聞きたかった。
で、休憩を入れて(このとき、すでに10時を回り、終了予定時間になってい
た)、セッション。ステージ上にはすごい数の奏者がいたな。その木曜日のリ
ハを見た人から「マーカス・ミラーの横でビル・ラズウェルが楽しそうに弾い
ているのを見て、これはもう絶対に見れない光景だなと思った次第」というメ
ールが来ていたが、なるほどおラズウェルとマーカスが一緒にベースを弾いて
いる。マテリアル、テレンス・ブランチャード・バンド、マーカス・ミラー・
バンド、もちろんヘッドハンターズの面々などいろいろ。くわえて、ゲイリー
・バートンもいれば、山中千尋もいる。彼女はソロも取らず、ほとんどなんの
ためにいたか分からなかったが。ともあれ、そのセッションは時間がない関係
で縮められた感じのパフォーマンス。その光景を見るだけでも興味深いながら
、演奏のほうは中途半端で、やるほうにとっても見るほうにとっても消化不良
なものではなかったか。時間など気にせずミュージシャンに伸び伸びとやらせ
たら、何かが生まれたかどうかは知らないが、こりゃあ面白いという局面はも
っといろいろと生まれたはず。もったいなさすぎる。で、無理やり20分強ぐ
らいの尺にして、10時40分ぐらいに終了した。
マテリアル・ウィズ・ニルス・ペッター・モルヴェル
2005年8月20日 この日と翌日行われる<東京JAZZ>。初日のほうは、ビル・ラズウェル
主導のこのユニットだけをほいっと行って見る。臨海副都心・東京ビッグサイ
ト。会場の音悪いですよおと、昨年行った複数の人から聞かされていたが、サ
マソニの幕張メッセで鍛えられた(?)耳には過剰に違和感を感じず(実は、
かなり改善されたらしい)。実際、会場は似ていて、かなり広い。ビッグサイ
トのほうがちと小綺麗な感じがするけど。会場ではワインのボトルを2500円で
販売していたよう。どんな味だったのか。車で行っていなかったら、間違いな
く購入しているはず。
フジ・ロックにも出演(2005年7月30日)したラズウェルだったが、こ
っちのほうが予算があったらしく豪華メンバーにて。ベースの彼にプラスして
、かつての彼のセッションの常連であるフォディ・ムサ・スソ(パーカッショ
ン)やアイーヴ・ディエン(パーカッション)、ハミット・ドレイク(ドラム
、2004年5月31日のザ・リヴェレイション・トリオの項参照)、そしてア
ベガス・シオタというキーボード奏者に、ゲストでモルヴェル(2001年9
月28日)が加わる。うーむ、とってもうれしい顔ぶれだが、なんかもぞもぞ
した感じの演奏で、スリルはあまりなかったなあ。残念! が、行ったことを
後悔しないのはぼくがラズウェルのファンだからか。それともどこかに、彼特
有のマイペースなバカヤロ感覚を感じたからか。
1時間も会場にいないで、とんぼ返り。川崎市主催の多摩川の花火大会に行
く。5、6年ぶりぐらいかな。とっても、良かった。駅周辺の込み具合以外は
余裕たっぷりで、けっこう打ち上げ地点の近くで見られのも嬉しい。周辺の企
業やお店や団体がスポンサーになっているらしく、どこどこの提供ですと打ち
上げる前にいちいちアナウンスされる。まあ、それはしょうがない。でも、最
後のクライマックス部分で音楽とともに花火お楽しみくださいと言って、『タ
イタニック』のテーマ曲やクイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」を太平楽に
流す(なぜか、洋楽なんだよね)。無音が一番、花火の音と皆の歓声だけでい
いじゃないか。最低。でも、いろんな面で最高に近く、来年も行きたい。そう
いえば、小学生のとき夏休みに絵日記かいてたっけなあ、とちょい昔を思い出
した。花火大会大好きだったことも思い出し、幸せな気持ちになれた。
主導のこのユニットだけをほいっと行って見る。臨海副都心・東京ビッグサイ
ト。会場の音悪いですよおと、昨年行った複数の人から聞かされていたが、サ
マソニの幕張メッセで鍛えられた(?)耳には過剰に違和感を感じず(実は、
かなり改善されたらしい)。実際、会場は似ていて、かなり広い。ビッグサイ
トのほうがちと小綺麗な感じがするけど。会場ではワインのボトルを2500円で
販売していたよう。どんな味だったのか。車で行っていなかったら、間違いな
く購入しているはず。
フジ・ロックにも出演(2005年7月30日)したラズウェルだったが、こ
っちのほうが予算があったらしく豪華メンバーにて。ベースの彼にプラスして
、かつての彼のセッションの常連であるフォディ・ムサ・スソ(パーカッショ
ン)やアイーヴ・ディエン(パーカッション)、ハミット・ドレイク(ドラム
、2004年5月31日のザ・リヴェレイション・トリオの項参照)、そしてア
ベガス・シオタというキーボード奏者に、ゲストでモルヴェル(2001年9
月28日)が加わる。うーむ、とってもうれしい顔ぶれだが、なんかもぞもぞ
した感じの演奏で、スリルはあまりなかったなあ。残念! が、行ったことを
後悔しないのはぼくがラズウェルのファンだからか。それともどこかに、彼特
有のマイペースなバカヤロ感覚を感じたからか。
1時間も会場にいないで、とんぼ返り。川崎市主催の多摩川の花火大会に行
く。5、6年ぶりぐらいかな。とっても、良かった。駅周辺の込み具合以外は
余裕たっぷりで、けっこう打ち上げ地点の近くで見られのも嬉しい。周辺の企
業やお店や団体がスポンサーになっているらしく、どこどこの提供ですと打ち
上げる前にいちいちアナウンスされる。まあ、それはしょうがない。でも、最
後のクライマックス部分で音楽とともに花火お楽しみくださいと言って、『タ
イタニック』のテーマ曲やクイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」を太平楽に
流す(なぜか、洋楽なんだよね)。無音が一番、花火の音と皆の歓声だけでい
いじゃないか。最低。でも、いろんな面で最高に近く、来年も行きたい。そう
いえば、小学生のとき夏休みに絵日記かいてたっけなあ、とちょい昔を思い出
した。花火大会大好きだったことも思い出し、幸せな気持ちになれた。
高瀬アキ
2005年8月19日 現在はドイツに住む、アートであることとはみ出すことを無理なく重ねられ
る(多少コンテンポラリーなことをやろうとすると、気の抜けたジョン・ゾー
ンのようになってしまう場合もあるのは痛し痒しだが……)ヴェテランの女性
ジャズ・ピアニストの特別公演。客にドイツ人とおぼしき人はいなかったが、
ドイツ大使館、ベルリン市政府、東京ドイツセンターといった名称が後援者欄
に記されている。杉並区教育委員会も同様で、場所は杉並区梅里にあるセシオ
ン杉並。環状7号線脇にある区が持つ施設で初めて行くが、それなりに立派な
ホール。大きさは駒場エミナースぐらいか。それらが有意義に活用されている
かどうかはともかく、本当にいろんな所にいろんなホールがあるんだろうなと
思わされることしきり。この公演、数日前の朝日新聞夕刊に目立つ感じで紹介
されていたが、そこそこな入り。
ジャズと他の要素を組み合わせジャズ・ビヨンド表現を送りだしましょうと
いう趣旨を持つだろうもので、二部構成による。一部は“キネマ&ムジーク”
と題して、20年代のベルリンの1日を追ったサイレント映像と合わせての即興
演奏。高瀬アキと、旦那にしてドイツ・フリー・ジャズ界の重鎮(cf.グロー
ブ・ユニティ・オーケストラ他)であるアレクサンダー・フォン・シュリッペ
ンパッハがグランド・ピアノを互い違いにして向き合い、そこに25歳というD
Jが絡む。二部の最後のMCで分かったのだが彼はシュリッペンパッハの息子
だそうで(義理ママになるんだろうな)、普段はヒップホップをやっているら
しい。
二部は“ジャズ&ポエトリー”と題される。詩人の白石かずこの作品に高瀬
が曲を付けたものをやったようで、伊藤君子ら女性シンガー二人、そして高瀬
と伊野信義(2001年5月3日)が組み合わさる。ジャズ的な飛躍力をベー
スとするニュー・ミュージック、と乱暴に説明しておこうか。ステージ後ろの
画面には詩が出たり、イメージ映像が出たり。ある曲で、ピアノのお腹にピン
ポン玉をいっぱい入れて演奏。弦の揺れでときどきピンポン玉が跳ね上がるの
が生理的に楽しかった。最後には、旦那と息子もヴォイスで加わった。
る(多少コンテンポラリーなことをやろうとすると、気の抜けたジョン・ゾー
ンのようになってしまう場合もあるのは痛し痒しだが……)ヴェテランの女性
ジャズ・ピアニストの特別公演。客にドイツ人とおぼしき人はいなかったが、
ドイツ大使館、ベルリン市政府、東京ドイツセンターといった名称が後援者欄
に記されている。杉並区教育委員会も同様で、場所は杉並区梅里にあるセシオ
ン杉並。環状7号線脇にある区が持つ施設で初めて行くが、それなりに立派な
ホール。大きさは駒場エミナースぐらいか。それらが有意義に活用されている
かどうかはともかく、本当にいろんな所にいろんなホールがあるんだろうなと
思わされることしきり。この公演、数日前の朝日新聞夕刊に目立つ感じで紹介
されていたが、そこそこな入り。
ジャズと他の要素を組み合わせジャズ・ビヨンド表現を送りだしましょうと
いう趣旨を持つだろうもので、二部構成による。一部は“キネマ&ムジーク”
と題して、20年代のベルリンの1日を追ったサイレント映像と合わせての即興
演奏。高瀬アキと、旦那にしてドイツ・フリー・ジャズ界の重鎮(cf.グロー
ブ・ユニティ・オーケストラ他)であるアレクサンダー・フォン・シュリッペ
ンパッハがグランド・ピアノを互い違いにして向き合い、そこに25歳というD
Jが絡む。二部の最後のMCで分かったのだが彼はシュリッペンパッハの息子
だそうで(義理ママになるんだろうな)、普段はヒップホップをやっているら
しい。
二部は“ジャズ&ポエトリー”と題される。詩人の白石かずこの作品に高瀬
が曲を付けたものをやったようで、伊藤君子ら女性シンガー二人、そして高瀬
と伊野信義(2001年5月3日)が組み合わさる。ジャズ的な飛躍力をベー
スとするニュー・ミュージック、と乱暴に説明しておこうか。ステージ後ろの
画面には詩が出たり、イメージ映像が出たり。ある曲で、ピアノのお腹にピン
ポン玉をいっぱい入れて演奏。弦の揺れでときどきピンポン玉が跳ね上がるの
が生理的に楽しかった。最後には、旦那と息子もヴォイスで加わった。
あふりらんぽ。ブラジリアン・ガールズ。エゴ・ラッピン
2005年8月17日 今度の週末行われる、ライジング・サン・ロック・フェスの東京でのプリ・
イヴェント。恵比寿・リキッドルーム。
フジ・ロックのグリーン・ステージにも出演した女性デュオ、あふりらんぽ
をまず見る。ギターとドラム、おお本当にホワイト・ストライプス(2003
年10月21日)と同じ編成なのね。モーフィンにしてもブルース・エクスプロ
ージョン(2000年8月5日、2004年12月13日)にしてもそうだが、
やっぱり編成がイビツだとそれだけで尖った意思表示になるというか、なんか
別な感興を聞き手に与えるところあるナ。メインストリーム狙いでなく、即効
性ある注目集めを狙うなら、逸脱した楽器構成で行くのは大いにアリですね。
ともあれ、粗雑なやりとりの繰り返し。だが、それらが呼ぶ綻びの感覚はロッ
ク的なデコボコとちゃんと繋がったもの。しょーもない部分もあるが、ビョー
ク(2001年12月5日)だってシュガーキューブス時代はそういうとこあっ
たんじゃないかとも思う。
続いて、ヴァーヴからデビュー作を出している、NYのダウンタウン・シー
ンの曲者たちで組まれた4人組ポップ・グループのブラジリアン・ガールズ。
ローマ生まれのシンガーであるサヴィーナ嬢を中央に置き、ベーシストはジョ
ン・スコフィールドのウーバー・ジャム・バンドに在籍しスコから絶対の信頼
を受けていた(2002年1月24日参照)ジェシー・マーフィ。そのグループ名と
繋がるボサ調からキッド・クリオール調(というか、女性群を前に置いたココ
ナッツ風と言うほうが適切か)まで、キッチュで趣味の良い都会派ポップを送
りだす(生バンド音とプリセット音併用)。腕のたつ百戦錬磨の奏者たちがサ
ビーナのキャラを借り(非常に痩身で、体の線が露になるものを着用。目には
マスク)、ポップ界で一山当てよう(悪い意味ではなく)としたグループとぼ
くは受け取っているが、この日の実演は突き抜けた魅力には残念ながら欠ける
。頑張ってほしいけど。
その後に、エゴ・ラッピン。ときにアーティスティックに、ときに下世話に
。四管を擁してのもの。それ、この前のフジ・ロックと同じ編成になるのかな
?
イヴェント。恵比寿・リキッドルーム。
フジ・ロックのグリーン・ステージにも出演した女性デュオ、あふりらんぽ
をまず見る。ギターとドラム、おお本当にホワイト・ストライプス(2003
年10月21日)と同じ編成なのね。モーフィンにしてもブルース・エクスプロ
ージョン(2000年8月5日、2004年12月13日)にしてもそうだが、
やっぱり編成がイビツだとそれだけで尖った意思表示になるというか、なんか
別な感興を聞き手に与えるところあるナ。メインストリーム狙いでなく、即効
性ある注目集めを狙うなら、逸脱した楽器構成で行くのは大いにアリですね。
ともあれ、粗雑なやりとりの繰り返し。だが、それらが呼ぶ綻びの感覚はロッ
ク的なデコボコとちゃんと繋がったもの。しょーもない部分もあるが、ビョー
ク(2001年12月5日)だってシュガーキューブス時代はそういうとこあっ
たんじゃないかとも思う。
続いて、ヴァーヴからデビュー作を出している、NYのダウンタウン・シー
ンの曲者たちで組まれた4人組ポップ・グループのブラジリアン・ガールズ。
ローマ生まれのシンガーであるサヴィーナ嬢を中央に置き、ベーシストはジョ
ン・スコフィールドのウーバー・ジャム・バンドに在籍しスコから絶対の信頼
を受けていた(2002年1月24日参照)ジェシー・マーフィ。そのグループ名と
繋がるボサ調からキッド・クリオール調(というか、女性群を前に置いたココ
ナッツ風と言うほうが適切か)まで、キッチュで趣味の良い都会派ポップを送
りだす(生バンド音とプリセット音併用)。腕のたつ百戦錬磨の奏者たちがサ
ビーナのキャラを借り(非常に痩身で、体の線が露になるものを着用。目には
マスク)、ポップ界で一山当てよう(悪い意味ではなく)としたグループとぼ
くは受け取っているが、この日の実演は突き抜けた魅力には残念ながら欠ける
。頑張ってほしいけど。
その後に、エゴ・ラッピン。ときにアーティスティックに、ときに下世話に
。四管を擁してのもの。それ、この前のフジ・ロックと同じ編成になるのかな
?
サマーソニック05
2005年8月14日 まあ、晴天。アズテック・カメラを率いたいたロディ・フレーム(ソニック
)からちゃんと見る。生ギターの弾き語り。ちゃんと聞き手に届く歌声、しっ
かりしたギター演奏……、実にまっとう。でっかいステージでも問題なし(そ
りゃ、もっと小さいほうが有り難みは伝わるとは思うが)。ちゃんとした才と
ともに音楽をやっていることをさりげなく、しっかりと伝える。横で聞いてい
た知り合いが、「昨日のイアン・ブラウンとはえらい違い、彼は本来はミュー
ジシャンになる才能を有していない」とのたまう。でも、そういう人がなりゆ
きによってはスターになっちゃうというのもポップ・ミュージックなんだよな
あ。
バスに乗って球場横のダンス・テントへ。こっち行きのバスのほうが球場行
きより、すぐに乗れたから。ここも意外とノンビリした風情を持つ“場”なの
だな、と思う。DJ音に合わせて、舞台両袖にはストリッパー風ダンサーが出
ていた。でも、すぐにいなくなった。それ、キャバレー・ダンサーズという出
し物だった。
ビーチ・ステージに。やっぱり、ここは気持ち良くて、好きだなあ(あまり
、混んでいないというのも重要であるのかな?)。フジ・ロックとサマー・ソ
ニック、あらゆるステージのなかでここが一番ぼくは和める。過剰に海好きじ
ゃないのにね。一時ヒップホップ・グループにいたことがあり、今はシンガー
・ソングライター表現にDJミュージック的な色付けをしたアルバムを出して
いるシチズン・コープが登場。生ギターを弾きながら歌う本人に加え、キーボ
ードとベースとドラムが付く。リズム・セクションは黒人の奏者。アルバムは
良さそうでなんか少女趣味的なところもあってかったるく感じたぼくだが、実
演の印象も似たようなもの。でも、環境がいいところで、より生っぽい音で聞
くとこれでもいいかと思えたりする度合いはかなり強い。昨日、触れている海
側の柵の内側から涼を誘うミストが出ていたりも。でも、やっぱり柵はないほ
うがいいはず。とにかく、ここの場はもっと効果的に使うことが可能。来年以
降のリファインを楽しみにしたい。かえりに、マリーン球場のカサビアンをち
ょい覗く。
幕張メッセに戻り、チャック・Dやプロフェサー・グリフがいるパブリック
・エネミー(マウンテン)。まずおおっとなったのはバンド付きのPEだった
こと。3人のMCに加え、ギター、ベース、ドラムス(キーボードいたかどう
かはもう忘れた)、DJ。で、闊達で、ときにロッキッシュでもある生ヒップ
ホップ・サウンドに太い肉声をのせる。昔のようなちょっと芝居がかった舞台
設定もなければ、親衛隊のような存在もそこにはいない。しかし、生音と肉声
が拮抗する様に触れていて、ぼくは大いに満足。最後はアイズリー・ブラザー
ズ(2001年12月6日、2004年3月1日)の「ファイト・ザ・パワー」
をやる。それ、歌付きパートを含む。
続いて、ザ・スペシャルズとジ・イングリッシュ・ビート、二つの黒白混合
UKパンク/ニュー・ウェイヴ・スカ・バンドが合体したスペシャル・ビート
。10年ぐらい前に日本に来たような気もするが、やはり見たくなるな。ステー
ジ上に人がいっぱい、多いときには10人強。どららかが叩くことも多かった
が、ツイン・ドラムにて。途中で、ランキン・ロジャーの息子が呼ばれて歌う
場面もあった。新しいものは何も出されていなかったが、かつての不況時の英
国の“持たざる”若者たちが生み出したイナセなビート・ミュージックの断片
を再体験できるだけでぼくはにんまり、でした。
そして、ザ・ラーズ(ソニック)。おお、懐かしい。90年にゴー・ディスク
ス!から1枚だけ正規盤を出していた英国バンド。ずっと活動を維持している
のか、メンバーは不動なのか、ぜんぜんそうした情報は持たぬまま、昔の印象
がそんなに悪くないので見る。ステージ上の4人が広いステージの中央に、貧
乏くさく固まって位置している。で、非常に大人な、手作り感覚に満ちた、背
伸びのないロック表現を聞かせる。ときに50年代っぽい感じのものから、イギ
リスのキャレキシコ(2004年2月15日、他)と称したくなるような曲調のも
のもやっていたな。なんとなく、ひかれる含みもあったような。彼らってこん
な感じだったけという思いも得たが、悪くない。単独で来ても、何もなきゃま
た見にいくと思う。
その途中で、隣(マウンテン)でやってるブラック・クロウズを見にくいく
。うわあ、客少ねえ。夕方ぐらいから、幕張メッセ側会場がすきだしたような
感じがあったが、なるほど多くの人はオアシス(2000年2月29日)を見に
球場に行ったのだナと実感。じっさい、そのマリーン・ステージは始まる前に
入場規制がしかれたようだ。大阪会場の客の8割はオアシス目当てだったとい
う話を伝え聞いたが、本当にオアシスって人気があるんだなあ。話はズレたが
、ブラック・クロウズの実演は入りは別として、非常に充実。前回見たとき(
2001年7月25日)より、この日のほうがいい感じじゃとぼくは思った。昨
年出た、フロント・マンのクリス・ロビンソンのソロ作も質が高い仕上がりだ
ったよなあ……。ストーンズがこういうサウンドで実演をやってくれたら最高
なんだけどとも思う。ただ、かなり演奏時間が短かったのではないか。で、ま
たやっていたザ・ラーズを再び見る。
)からちゃんと見る。生ギターの弾き語り。ちゃんと聞き手に届く歌声、しっ
かりしたギター演奏……、実にまっとう。でっかいステージでも問題なし(そ
りゃ、もっと小さいほうが有り難みは伝わるとは思うが)。ちゃんとした才と
ともに音楽をやっていることをさりげなく、しっかりと伝える。横で聞いてい
た知り合いが、「昨日のイアン・ブラウンとはえらい違い、彼は本来はミュー
ジシャンになる才能を有していない」とのたまう。でも、そういう人がなりゆ
きによってはスターになっちゃうというのもポップ・ミュージックなんだよな
あ。
バスに乗って球場横のダンス・テントへ。こっち行きのバスのほうが球場行
きより、すぐに乗れたから。ここも意外とノンビリした風情を持つ“場”なの
だな、と思う。DJ音に合わせて、舞台両袖にはストリッパー風ダンサーが出
ていた。でも、すぐにいなくなった。それ、キャバレー・ダンサーズという出
し物だった。
ビーチ・ステージに。やっぱり、ここは気持ち良くて、好きだなあ(あまり
、混んでいないというのも重要であるのかな?)。フジ・ロックとサマー・ソ
ニック、あらゆるステージのなかでここが一番ぼくは和める。過剰に海好きじ
ゃないのにね。一時ヒップホップ・グループにいたことがあり、今はシンガー
・ソングライター表現にDJミュージック的な色付けをしたアルバムを出して
いるシチズン・コープが登場。生ギターを弾きながら歌う本人に加え、キーボ
ードとベースとドラムが付く。リズム・セクションは黒人の奏者。アルバムは
良さそうでなんか少女趣味的なところもあってかったるく感じたぼくだが、実
演の印象も似たようなもの。でも、環境がいいところで、より生っぽい音で聞
くとこれでもいいかと思えたりする度合いはかなり強い。昨日、触れている海
側の柵の内側から涼を誘うミストが出ていたりも。でも、やっぱり柵はないほ
うがいいはず。とにかく、ここの場はもっと効果的に使うことが可能。来年以
降のリファインを楽しみにしたい。かえりに、マリーン球場のカサビアンをち
ょい覗く。
幕張メッセに戻り、チャック・Dやプロフェサー・グリフがいるパブリック
・エネミー(マウンテン)。まずおおっとなったのはバンド付きのPEだった
こと。3人のMCに加え、ギター、ベース、ドラムス(キーボードいたかどう
かはもう忘れた)、DJ。で、闊達で、ときにロッキッシュでもある生ヒップ
ホップ・サウンドに太い肉声をのせる。昔のようなちょっと芝居がかった舞台
設定もなければ、親衛隊のような存在もそこにはいない。しかし、生音と肉声
が拮抗する様に触れていて、ぼくは大いに満足。最後はアイズリー・ブラザー
ズ(2001年12月6日、2004年3月1日)の「ファイト・ザ・パワー」
をやる。それ、歌付きパートを含む。
続いて、ザ・スペシャルズとジ・イングリッシュ・ビート、二つの黒白混合
UKパンク/ニュー・ウェイヴ・スカ・バンドが合体したスペシャル・ビート
。10年ぐらい前に日本に来たような気もするが、やはり見たくなるな。ステー
ジ上に人がいっぱい、多いときには10人強。どららかが叩くことも多かった
が、ツイン・ドラムにて。途中で、ランキン・ロジャーの息子が呼ばれて歌う
場面もあった。新しいものは何も出されていなかったが、かつての不況時の英
国の“持たざる”若者たちが生み出したイナセなビート・ミュージックの断片
を再体験できるだけでぼくはにんまり、でした。
そして、ザ・ラーズ(ソニック)。おお、懐かしい。90年にゴー・ディスク
ス!から1枚だけ正規盤を出していた英国バンド。ずっと活動を維持している
のか、メンバーは不動なのか、ぜんぜんそうした情報は持たぬまま、昔の印象
がそんなに悪くないので見る。ステージ上の4人が広いステージの中央に、貧
乏くさく固まって位置している。で、非常に大人な、手作り感覚に満ちた、背
伸びのないロック表現を聞かせる。ときに50年代っぽい感じのものから、イギ
リスのキャレキシコ(2004年2月15日、他)と称したくなるような曲調のも
のもやっていたな。なんとなく、ひかれる含みもあったような。彼らってこん
な感じだったけという思いも得たが、悪くない。単独で来ても、何もなきゃま
た見にいくと思う。
その途中で、隣(マウンテン)でやってるブラック・クロウズを見にくいく
。うわあ、客少ねえ。夕方ぐらいから、幕張メッセ側会場がすきだしたような
感じがあったが、なるほど多くの人はオアシス(2000年2月29日)を見に
球場に行ったのだナと実感。じっさい、そのマリーン・ステージは始まる前に
入場規制がしかれたようだ。大阪会場の客の8割はオアシス目当てだったとい
う話を伝え聞いたが、本当にオアシスって人気があるんだなあ。話はズレたが
、ブラック・クロウズの実演は入りは別として、非常に充実。前回見たとき(
2001年7月25日)より、この日のほうがいい感じじゃとぼくは思った。昨
年出た、フロント・マンのクリス・ロビンソンのソロ作も質が高い仕上がりだ
ったよなあ……。ストーンズがこういうサウンドで実演をやってくれたら最高
なんだけどとも思う。ただ、かなり演奏時間が短かったのではないか。で、ま
たやっていたザ・ラーズを再び見る。
サマーソニック05
2005年8月13日 午後1時少し前についたのだが、気分でメッセの駐車場のほうに停めたら、
マジ一番奥のほう。ほう、混んでいるのね。今年は恐竜展を横でやってたりし
ないのに。例によって、フジ・ロックと比べるとお客の年齢層は低め。幕張メ
ッセ側の会場に入ると、ザ・ディパーチャー(マウンテン・ステージ)がやっ
ている。で、すぐに久しぶりの知り合いと会い、1時間近くまったり。あらら
。まあ、そういうのもフェスのありかたであると思うことにした。
TV・オン・ザ・レイディオ(マウンテン)をちょい見たあと、隣のステー
ジのジ・アーケイド・ファイア(ソニック・ステージ)を見る。サポート奏者
も加わっていたのか、10人近くステージ上にいたんじゃないか。ヴァイオリン
奏者も二人。曲によっては、担当楽器をかえてみたり。とにかく、大勢が好奇
心おうせいに自分たちの表現にあたっているという風情がよろしい。かなり、
ニッコリ見れる。音楽的にはなんとなくブームタウン・ラッツとの親和性を感
じた。そんなこともあって、カナダのモントリオールの出身だそうだが、ぼく
はある種UKぽいなという印象も得た。
電気グルーヴ+スチャダラパー(マウンテン)を30分ぐらい見る。3MC+
2DJ、という内訳となる。けっこう、動きを含め事前の準備を経てのパフォ
ーマンスであるように思われたが。軽妙、やはり貴重な日本人であることをぼ
くは再認識した。その前後には、重なってやっていたミュー(ソニック。20
03年4月24日)やフリップサイド(アーバン。2005年3月7日参照)
も一瞥。しかし室内会場、冷房の効き具合がもう少し強くても良いのではない
だろうか。
そして連絡バスに乗って千葉マリーン球場(マリーン・ステージ)に移動し
、ディープ・パープルを見る。追加発表になったときなぜ彼らが出るの?と思
ったが、なんとなく見てもいっかなあとなって、意外に出演に納得っス。単独
で来日したら絶対に行かないだろうけど、フェスの一コマなら気軽に触れられ
る。で、70年代前半のころのかつて熱心に聞いた曲を聞けたら嬉しい……(で
も、ぼくはフジ・ロックに出演したザ・ビーチ・ボーイズはぜんぜん見る気が
しなかった。生理の問題なんだよなあ)。イアン・ギラン以外、誰がいたかは
知らないが、まあまあの演奏。ギランもそこそこ声が出ていた。良いんじゃな
いでしょうか。だが、いまだと予定調和に聞こえてしまう長いソロの応酬(そ
れもまたディープ・パープルの昔のからの肝ではあったのだが)には辟易して
、途中で新設された球場横のDJ主体のアクトが出るHMVダンス・テントに
逃避。僕が行ったときの出し物にはなじめなくて、すぐに球場に戻ったけど、
こういう場もアリでしょう。
ディープ・パープル終了後、やはり球場横のビーチ・ステージに。おお、規
模が大きくなったな。そこで、スライトリー・ステューピッドを。ギター、ベ
ース、ドラム、パーカョション。レゲエ系を中心に、ちょいハード・コアまで
。音盤だと存在の軽さにめげるところもあるのだが、乱暴で開放的な場だとO
K。演奏力もそれなりに持つし、ハモリもできるし。昨年の項でも書いている
が、やっぱりこの場をぼくは好き。だが、整備されたぶんだけ、違和感を感じ
る部分も。前回はなんの囲いもされていなかったのだが、今回は海岸の一部が
仕切りされていた(入るときは、リスト・バンド・チェックがある)。その囲
いは低く、その外からでも容易にステージを見られるわけで(外から見ている
人も多くはリストを付けていたと思う)、なんであんな無粋なことをするのか
? もともとパブリックのスペース(公園内の海岸)に設けた場だし、去年の
ようにすべてフリーの状態でやるほうが道理でしょう。だいいち申し訳程度に
せよ、枠で囲われているというのは解放感をおおいに削ぐ。太っ腹で行ってほ
しい。それにいいじゃん、サマソニと関係なく浜辺に遊びに来た人がふらりと
見れる、フリー・スペースがあっても。貧乏な中高校生なら、タダのここだけ
を目当てにコンビニで買った食べ物/飲み物と往復の電車賃だけ持って来るの
も素敵じゃないか。それが、のちのフェス・リピーターになる可能性もあるわ
けだし。今回、ビーチ・ステージにはタワー・レコードがスポンサーとして付
いていたが、タワーも賢いとは言いにくい会社だなあ。フェスに来た人以外も
顧客になりえるわけで、ぼくがその責任者だったら、柵を外すことを強硬に要
求するけど。そのほうが太っ腹な企業というイメージが増幅されて、宣伝効果
があるのは明らかでしょう。
そして、またメッセ側に戻る。イアン・ブラウン(ソニック)のステージは
びっくり。ストーン・ローゼズ曲を連発して。で、悪びれないのはいいのだが
、強力に音痴で大笑い。一緒に見てた知り合いがカラオケみたいだと言ってい
たが、あれカラオケの採点だったら、50点以下だろう。おまけに、アクション
がなんか猿みたいでどんくさい。あれに、萌えることができる人はすごいっ。
ぼくは呆れるのを通り越して、大爆笑。なんか、存在が近くなったけど。
で、ア・トライヴ・コールド・クエストにいた曲者、Q・ティップ(アーバ
ン)を見たが、DJとさしでラップした彼は素晴らしかった。もう、ばっりち
力をこめて。手応えやスキルもあり。やっぱ、あっちの本物は違う。やっぱり
、相当に日本の担い手とは差があると痛感させられたパフォーマンス。拍手。
それ終わってナイン・インチ・ネイルズ(マリーン。2000年1月11日)が
やっている球場に行ったら、入口周辺がすごい混んでて、もわあっとすごく気
温も高く感じたので、中で見るのを軽くあきらめる。そういえば、球場前には
その前に出たスリップノット(2000年2月7日)のコスプレさんたちがい
ろいろいて微笑ましかった。熱いなか、ご苦労さんです。
今年はまた規模が大きくなった。千葉マリーン球場における大ステージとも
に、幕張メッセの屋内会場には4つのステージ(邦楽アーティストが出ていた
、アイランド・ステージはキャパが小さすぎて入場規制がしかれっぱなしだっ
たよう)。それに先に触れたDJテントと海岸ステージ。他に、アトラクショ
ンも少し。とにかく、選択肢が広がるのは歓迎すべきこと。それと並んで、食
べ物スペースなども増大。なお、この日は降雨の予想も出ており、都内は一時
豪雨だったそうだが、千葉県はいっさい降らず。サマソニはラッキーね。
マジ一番奥のほう。ほう、混んでいるのね。今年は恐竜展を横でやってたりし
ないのに。例によって、フジ・ロックと比べるとお客の年齢層は低め。幕張メ
ッセ側の会場に入ると、ザ・ディパーチャー(マウンテン・ステージ)がやっ
ている。で、すぐに久しぶりの知り合いと会い、1時間近くまったり。あらら
。まあ、そういうのもフェスのありかたであると思うことにした。
TV・オン・ザ・レイディオ(マウンテン)をちょい見たあと、隣のステー
ジのジ・アーケイド・ファイア(ソニック・ステージ)を見る。サポート奏者
も加わっていたのか、10人近くステージ上にいたんじゃないか。ヴァイオリン
奏者も二人。曲によっては、担当楽器をかえてみたり。とにかく、大勢が好奇
心おうせいに自分たちの表現にあたっているという風情がよろしい。かなり、
ニッコリ見れる。音楽的にはなんとなくブームタウン・ラッツとの親和性を感
じた。そんなこともあって、カナダのモントリオールの出身だそうだが、ぼく
はある種UKぽいなという印象も得た。
電気グルーヴ+スチャダラパー(マウンテン)を30分ぐらい見る。3MC+
2DJ、という内訳となる。けっこう、動きを含め事前の準備を経てのパフォ
ーマンスであるように思われたが。軽妙、やはり貴重な日本人であることをぼ
くは再認識した。その前後には、重なってやっていたミュー(ソニック。20
03年4月24日)やフリップサイド(アーバン。2005年3月7日参照)
も一瞥。しかし室内会場、冷房の効き具合がもう少し強くても良いのではない
だろうか。
そして連絡バスに乗って千葉マリーン球場(マリーン・ステージ)に移動し
、ディープ・パープルを見る。追加発表になったときなぜ彼らが出るの?と思
ったが、なんとなく見てもいっかなあとなって、意外に出演に納得っス。単独
で来日したら絶対に行かないだろうけど、フェスの一コマなら気軽に触れられ
る。で、70年代前半のころのかつて熱心に聞いた曲を聞けたら嬉しい……(で
も、ぼくはフジ・ロックに出演したザ・ビーチ・ボーイズはぜんぜん見る気が
しなかった。生理の問題なんだよなあ)。イアン・ギラン以外、誰がいたかは
知らないが、まあまあの演奏。ギランもそこそこ声が出ていた。良いんじゃな
いでしょうか。だが、いまだと予定調和に聞こえてしまう長いソロの応酬(そ
れもまたディープ・パープルの昔のからの肝ではあったのだが)には辟易して
、途中で新設された球場横のDJ主体のアクトが出るHMVダンス・テントに
逃避。僕が行ったときの出し物にはなじめなくて、すぐに球場に戻ったけど、
こういう場もアリでしょう。
ディープ・パープル終了後、やはり球場横のビーチ・ステージに。おお、規
模が大きくなったな。そこで、スライトリー・ステューピッドを。ギター、ベ
ース、ドラム、パーカョション。レゲエ系を中心に、ちょいハード・コアまで
。音盤だと存在の軽さにめげるところもあるのだが、乱暴で開放的な場だとO
K。演奏力もそれなりに持つし、ハモリもできるし。昨年の項でも書いている
が、やっぱりこの場をぼくは好き。だが、整備されたぶんだけ、違和感を感じ
る部分も。前回はなんの囲いもされていなかったのだが、今回は海岸の一部が
仕切りされていた(入るときは、リスト・バンド・チェックがある)。その囲
いは低く、その外からでも容易にステージを見られるわけで(外から見ている
人も多くはリストを付けていたと思う)、なんであんな無粋なことをするのか
? もともとパブリックのスペース(公園内の海岸)に設けた場だし、去年の
ようにすべてフリーの状態でやるほうが道理でしょう。だいいち申し訳程度に
せよ、枠で囲われているというのは解放感をおおいに削ぐ。太っ腹で行ってほ
しい。それにいいじゃん、サマソニと関係なく浜辺に遊びに来た人がふらりと
見れる、フリー・スペースがあっても。貧乏な中高校生なら、タダのここだけ
を目当てにコンビニで買った食べ物/飲み物と往復の電車賃だけ持って来るの
も素敵じゃないか。それが、のちのフェス・リピーターになる可能性もあるわ
けだし。今回、ビーチ・ステージにはタワー・レコードがスポンサーとして付
いていたが、タワーも賢いとは言いにくい会社だなあ。フェスに来た人以外も
顧客になりえるわけで、ぼくがその責任者だったら、柵を外すことを強硬に要
求するけど。そのほうが太っ腹な企業というイメージが増幅されて、宣伝効果
があるのは明らかでしょう。
そして、またメッセ側に戻る。イアン・ブラウン(ソニック)のステージは
びっくり。ストーン・ローゼズ曲を連発して。で、悪びれないのはいいのだが
、強力に音痴で大笑い。一緒に見てた知り合いがカラオケみたいだと言ってい
たが、あれカラオケの採点だったら、50点以下だろう。おまけに、アクション
がなんか猿みたいでどんくさい。あれに、萌えることができる人はすごいっ。
ぼくは呆れるのを通り越して、大爆笑。なんか、存在が近くなったけど。
で、ア・トライヴ・コールド・クエストにいた曲者、Q・ティップ(アーバ
ン)を見たが、DJとさしでラップした彼は素晴らしかった。もう、ばっりち
力をこめて。手応えやスキルもあり。やっぱ、あっちの本物は違う。やっぱり
、相当に日本の担い手とは差があると痛感させられたパフォーマンス。拍手。
それ終わってナイン・インチ・ネイルズ(マリーン。2000年1月11日)が
やっている球場に行ったら、入口周辺がすごい混んでて、もわあっとすごく気
温も高く感じたので、中で見るのを軽くあきらめる。そういえば、球場前には
その前に出たスリップノット(2000年2月7日)のコスプレさんたちがい
ろいろいて微笑ましかった。熱いなか、ご苦労さんです。
今年はまた規模が大きくなった。千葉マリーン球場における大ステージとも
に、幕張メッセの屋内会場には4つのステージ(邦楽アーティストが出ていた
、アイランド・ステージはキャパが小さすぎて入場規制がしかれっぱなしだっ
たよう)。それに先に触れたDJテントと海岸ステージ。他に、アトラクショ
ンも少し。とにかく、選択肢が広がるのは歓迎すべきこと。それと並んで、食
べ物スペースなども増大。なお、この日は降雨の予想も出ており、都内は一時
豪雨だったそうだが、千葉県はいっさい降らず。サマソニはラッキーね。
ロス・バン・バン
2005年8月10日 新木場・スタジオコースト、混んでいたなあ。もう、飲み物販売の列とかも
とぎれなかったもの(最初からビールはあまり冷えてなかったな)。まあ、キ
ューバの大御所バンドであるし、日本のラテン(・ダンス)好きな人達がみん
なやってきたという感じで(もちろん、キューバ出身の人達も集まっていたろ
う)。ダンスしに来た人は本当に混んでて踊りづらかったろうなー。でも、そ
の光景は普通のコンサートとは異なるもので、なかなかの感興を誘うものでは
ありました。94年か95年にキューバに行ったとき、泊まっていたホテルとは別
のホテルのボールルームで彼らのショウを見たはずだけど、あんまり明晰な印
象は残っていない。他にもいろんな印象に残ることがあったからなあ。
多いときはステージに15人以上いたはず。で、とてもヴァラエティに富んだ
表現を送りだす(アタマのほうで、ウエザー・リポートの「バードランド」を
やったりもしたな)。ただ、音(質)がもさっとしていて音域も狭く、その躍
動感や重量感、微妙な綾のようなものは伝わりいところもあったのではない
か。まあ、ラテン音楽を愛好する人達が沢山いて、本格派の人達によるそれを
皆で開放的に愛でる場を共有できる貴重ないっときではあったろうけど。翌
日、午前中からお葬式に行くので飲み物、控え目。気持ちにブレイキをかけ通
しで、ぐすん。
とぎれなかったもの(最初からビールはあまり冷えてなかったな)。まあ、キ
ューバの大御所バンドであるし、日本のラテン(・ダンス)好きな人達がみん
なやってきたという感じで(もちろん、キューバ出身の人達も集まっていたろ
う)。ダンスしに来た人は本当に混んでて踊りづらかったろうなー。でも、そ
の光景は普通のコンサートとは異なるもので、なかなかの感興を誘うものでは
ありました。94年か95年にキューバに行ったとき、泊まっていたホテルとは別
のホテルのボールルームで彼らのショウを見たはずだけど、あんまり明晰な印
象は残っていない。他にもいろんな印象に残ることがあったからなあ。
多いときはステージに15人以上いたはず。で、とてもヴァラエティに富んだ
表現を送りだす(アタマのほうで、ウエザー・リポートの「バードランド」を
やったりもしたな)。ただ、音(質)がもさっとしていて音域も狭く、その躍
動感や重量感、微妙な綾のようなものは伝わりいところもあったのではない
か。まあ、ラテン音楽を愛好する人達が沢山いて、本格派の人達によるそれを
皆で開放的に愛でる場を共有できる貴重ないっときではあったろうけど。翌
日、午前中からお葬式に行くので飲み物、控え目。気持ちにブレイキをかけ通
しで、ぐすん。
セルジオ・メンデス&ブラジル2005
2005年8月9日 あれれ。前回(2003年9月2日)見たときと、基本のノリは変わってい
ないはずなのだが、なんか活力があって聞こえたのはどうしたことか。キーボ
ード奏者とドラマーがもう少し有名な奏者(ビル・カントスと、ケヴィン・レ
トゥーの旦那のマイケル・シャピロ)が代わったことはそんなに関係がないと
思うが。ヴォーカルの白いほうのおばさんは彼の奥様だ。前回、同じパーカッ
ション奏者はあなんに美味しいソロ・パートをまかせられていたかな? 客の
盛り上がり具合も、前見たときよりずっと良かった。南青山・ブルーノート東
京(ファースト)。
実は、この洒脱ブラジリアン・ポップの巨匠は近く9年ぶりとなるアルバム
をリリースする。で、その新作はブラック・アイド・ピーズ(2001年2月7日、2004年2月11日)のウィル・アイ・アムが共同プロデュサーに立ったもの。
もちろんきっかけはピーズの04年作『エレファンク』に入っていた「セクシー」(原曲はアントニオ・カルロス・ジョビムの「ハウ・インセンシティヴ」。ジョン・トラボルタの主演映画『ビー・クール』にも使用されている)にメン
デスの大ファンだったウィルに請われて参加したことによる。その共演がきっ
かけでメンデスはブラジルの豊かな伝統/名曲とヒップホップの合体に大いな
る魅力を感じ、久しぶりにレコードを出す気になったのだという。アルバムに
は他にジョン・レジェンド、エリカ・バドゥー、ジル・スコット、ジャスティ
ン・ティンバレイク、スティーヴィ・ワンダー、プラネット・ヘンプのマルセ
ロD2なども参加。おおっ。後日、御大じきじきに完成したばかりのCD−Rをか
けながらの解説つきで(レゲトンもやってます)、いろいろ話を聞くことが出
来たのだが、容姿は老けたけど好奇心旺盛で、また勘が鋭いのには驚いた。帰
り際にはいい日本人のラッパーやDJを教えろとひつこかったし、こちらの言う
ことを通訳を介する前に的確に言い当ててみたり。なんか、ぼくにとってもか
なり刺激的な邂逅でありました。
日本に持ってきていたのは10曲ぶん、あと2曲仕上げて完成とか。早ければ
この秋に『タイムレス』というアルバム・タイトルでコンコードからリリース
されるはず。そんなレコーディングをしていることと、ショウの微妙な張りの
向上は関係ありか。今年でLAに移り住んで40年、来年はブラジル66を組
んで40周年となる。
ないはずなのだが、なんか活力があって聞こえたのはどうしたことか。キーボ
ード奏者とドラマーがもう少し有名な奏者(ビル・カントスと、ケヴィン・レ
トゥーの旦那のマイケル・シャピロ)が代わったことはそんなに関係がないと
思うが。ヴォーカルの白いほうのおばさんは彼の奥様だ。前回、同じパーカッ
ション奏者はあなんに美味しいソロ・パートをまかせられていたかな? 客の
盛り上がり具合も、前見たときよりずっと良かった。南青山・ブルーノート東
京(ファースト)。
実は、この洒脱ブラジリアン・ポップの巨匠は近く9年ぶりとなるアルバム
をリリースする。で、その新作はブラック・アイド・ピーズ(2001年2月7日、2004年2月11日)のウィル・アイ・アムが共同プロデュサーに立ったもの。
もちろんきっかけはピーズの04年作『エレファンク』に入っていた「セクシー」(原曲はアントニオ・カルロス・ジョビムの「ハウ・インセンシティヴ」。ジョン・トラボルタの主演映画『ビー・クール』にも使用されている)にメン
デスの大ファンだったウィルに請われて参加したことによる。その共演がきっ
かけでメンデスはブラジルの豊かな伝統/名曲とヒップホップの合体に大いな
る魅力を感じ、久しぶりにレコードを出す気になったのだという。アルバムに
は他にジョン・レジェンド、エリカ・バドゥー、ジル・スコット、ジャスティ
ン・ティンバレイク、スティーヴィ・ワンダー、プラネット・ヘンプのマルセ
ロD2なども参加。おおっ。後日、御大じきじきに完成したばかりのCD−Rをか
けながらの解説つきで(レゲトンもやってます)、いろいろ話を聞くことが出
来たのだが、容姿は老けたけど好奇心旺盛で、また勘が鋭いのには驚いた。帰
り際にはいい日本人のラッパーやDJを教えろとひつこかったし、こちらの言う
ことを通訳を介する前に的確に言い当ててみたり。なんか、ぼくにとってもか
なり刺激的な邂逅でありました。
日本に持ってきていたのは10曲ぶん、あと2曲仕上げて完成とか。早ければ
この秋に『タイムレス』というアルバム・タイトルでコンコードからリリース
されるはず。そんなレコーディングをしていることと、ショウの微妙な張りの
向上は関係ありか。今年でLAに移り住んで40年、来年はブラジル66を組
んで40周年となる。
グレン・ティルブルック、ミシェル・ショックト
2005年8月8日 まず、ミシェル・ショックトが京都在住らしい日本人の若いギタリストを従
え(彼は、ティルブルックのときも唐突に呼ばれ、2曲で弾いた)、パフォー
マンス。80年代中期にマーキューリーからデビューして、日本盤も出ていた女
性シンガー・ソングライター。ブルージィだったりジャジィだったりとルーツ
っぽい語彙をうまく経由した少し奔放なギター弾き語り表現を披露、ボブ・デ
ィランにはまって表現を始めた人のなのかと思わせるところもある。ホット・
クラブ・オブ・カウタウンの公演(2004年10月11日)のときも文では触れ
ていないけど、彼女は前座で出ていますね。なんでも、ディズニー関係のイラ
ストレイターをしている旦那さんの仕事の関係で頻繁に日本に来ているらしい
。ちょっと、佇まいの部分(すこしガサツなアメリカ女という印象を得る)
で、心から感情移入できない部分もなくはないワタシですが。
そして、UKひねくれポップの巨星スクイーズのメンバーだったグレン・ティ
ルブルックが一人で登場。やはり、アコースティック・ギターの弾き語り。1
時間(強?)のセットを休憩を挟んで二つ。でも、ぜんぜん飽きなかった。ミ
レニアム以降だしているソロ作の曲もやったんだろうけど、次々とスクイーズ
時代の黄金の曲を披露。ぼくがポール・キャラックの当たり曲となんとなく思
っていた(間違いなのかな?)名曲「テンプテッド」もやったものなあ。で、
来ている客は熱心なファンばかりといった感じで、そんな彼を温かく見つめ、
ときにコーラスをつけ、とにもかくにも熱〜く彼に対する。本当にテフィルブ
ルックはミュージシャン冥利につきたろうなあ。その密な空気はなかなかに別
格なものがありました。
もちろん、それを引き出したのはいい曲をたっぷり持っていて、それをバン
ドだろうと弾き語りだろうとちゃんと“生の場”で開ける豊かなミュージシャ
ンシッを持つティルブルックその人ありきであったわけだが。なかなかお茶目
な人で、それを効果的に出していたのもマル。そんな彼は、後のほうで延々と
ジミ・ヘンドリックスの「ヴードゥ・チャイル」を披露。ギターを首の後ろに
持っていき弾いたりも。それなりにちゃんと聞かせるもので、この頃のミュー
ジシャン(彼は57年生まれ)はちゃんと“基本”を消化したうえで自分たちの表
現に邁進したんだよナなんてこともぼくは思った。不味い(国産と輸入の混
合)ハウス・ワインもガブカブ飲めちゃう、大層いい晩でした。吉祥寺・スタ
ー・パインズ・カフェ。
え(彼は、ティルブルックのときも唐突に呼ばれ、2曲で弾いた)、パフォー
マンス。80年代中期にマーキューリーからデビューして、日本盤も出ていた女
性シンガー・ソングライター。ブルージィだったりジャジィだったりとルーツ
っぽい語彙をうまく経由した少し奔放なギター弾き語り表現を披露、ボブ・デ
ィランにはまって表現を始めた人のなのかと思わせるところもある。ホット・
クラブ・オブ・カウタウンの公演(2004年10月11日)のときも文では触れ
ていないけど、彼女は前座で出ていますね。なんでも、ディズニー関係のイラ
ストレイターをしている旦那さんの仕事の関係で頻繁に日本に来ているらしい
。ちょっと、佇まいの部分(すこしガサツなアメリカ女という印象を得る)
で、心から感情移入できない部分もなくはないワタシですが。
そして、UKひねくれポップの巨星スクイーズのメンバーだったグレン・ティ
ルブルックが一人で登場。やはり、アコースティック・ギターの弾き語り。1
時間(強?)のセットを休憩を挟んで二つ。でも、ぜんぜん飽きなかった。ミ
レニアム以降だしているソロ作の曲もやったんだろうけど、次々とスクイーズ
時代の黄金の曲を披露。ぼくがポール・キャラックの当たり曲となんとなく思
っていた(間違いなのかな?)名曲「テンプテッド」もやったものなあ。で、
来ている客は熱心なファンばかりといった感じで、そんな彼を温かく見つめ、
ときにコーラスをつけ、とにもかくにも熱〜く彼に対する。本当にテフィルブ
ルックはミュージシャン冥利につきたろうなあ。その密な空気はなかなかに別
格なものがありました。
もちろん、それを引き出したのはいい曲をたっぷり持っていて、それをバン
ドだろうと弾き語りだろうとちゃんと“生の場”で開ける豊かなミュージシャ
ンシッを持つティルブルックその人ありきであったわけだが。なかなかお茶目
な人で、それを効果的に出していたのもマル。そんな彼は、後のほうで延々と
ジミ・ヘンドリックスの「ヴードゥ・チャイル」を披露。ギターを首の後ろに
持っていき弾いたりも。それなりにちゃんと聞かせるもので、この頃のミュー
ジシャン(彼は57年生まれ)はちゃんと“基本”を消化したうえで自分たちの表
現に邁進したんだよナなんてこともぼくは思った。不味い(国産と輸入の混
合)ハウス・ワインもガブカブ飲めちゃう、大層いい晩でした。吉祥寺・スタ
ー・パインズ・カフェ。
ジェリー・ゴンザレス&ザ・フォート・アパッチ・バンド
2005年8月4日 トランペットとパーカシッョン両刀の、アメリカン・クラーヴェ(実は、ハンラハンのアメリカン・クラーヴェ第一弾は彼のデビュー作だ)やエンヤ
、マイルストーンなんかにリーダー・アルバムを残すNY生まれのプエルトリ
コ2世。ピアノ(70年代にはBS&Tなんかにもいた名手ラリー・ウィリス)
、ウッド・ベース(当初は弟のアンディ・ゴンザレスの名前が入っていたはず
だが、そこそこハンサムなまだ10代にしか見えない若造が同行)、ドラムがサ
ポート。で、これがダヴィッド・サンチェス(2003年8月1〜2日)もびっく
りの、まっとうジャズ路線を展開する。彼がパーカッションを叩くときはラテ
ンのアクセントが入り込んだりもするのだが、それほど叩かないし、基本的に
はジャズ・マンとしての矜持が82パーセントを占めるといったノリのパフォ
ーマンス。それなりにラテン・ジャズっぽく行くのではと予想していたので最
初は少しとまどったものの、確かに彼はキップ・ハンラハンとかスティーヴ・
ターレとかドン・バイロンとか、はみ出したほうのセッションも多いんだよな
。なんか、その一筋縄では行かない感じ(最後はメンバー紹介をしたけど、ず
うっとMCもしなかったなあ)も含めて、ある種NYっぽいと思えたかも。ア
ンコールはピアノとフリューゲルホーンのデュオ。南青山・ブルーノート東京
、ファースト。
、マイルストーンなんかにリーダー・アルバムを残すNY生まれのプエルトリ
コ2世。ピアノ(70年代にはBS&Tなんかにもいた名手ラリー・ウィリス)
、ウッド・ベース(当初は弟のアンディ・ゴンザレスの名前が入っていたはず
だが、そこそこハンサムなまだ10代にしか見えない若造が同行)、ドラムがサ
ポート。で、これがダヴィッド・サンチェス(2003年8月1〜2日)もびっく
りの、まっとうジャズ路線を展開する。彼がパーカッションを叩くときはラテ
ンのアクセントが入り込んだりもするのだが、それほど叩かないし、基本的に
はジャズ・マンとしての矜持が82パーセントを占めるといったノリのパフォ
ーマンス。それなりにラテン・ジャズっぽく行くのではと予想していたので最
初は少しとまどったものの、確かに彼はキップ・ハンラハンとかスティーヴ・
ターレとかドン・バイロンとか、はみ出したほうのセッションも多いんだよな
。なんか、その一筋縄では行かない感じ(最後はメンバー紹介をしたけど、ず
うっとMCもしなかったなあ)も含めて、ある種NYっぽいと思えたかも。ア
ンコールはピアノとフリューゲルホーンのデュオ。南青山・ブルーノート東京
、ファースト。
ザ・フューチャーヘッズ、ザ・マジック・ナンバーズ、ザ・ゴー!ティーム
2005年8月2日 なんかここのところ律儀に冠詞が付くバンド名が多くなっているような気が
するのは、気のせいだろうか? フジ・ロックのために来た新進UKバンドが3
つ出演する公演。恵比寿・リキッドルーム。
まず、英国ザ・ゴー!ティーム。ジャマイカンぽい愛らしい女性シンガー(
ときにラップぽいときも)を中心とする、楽しさいっぱいのビート・ポップ6
人組。黒い人も白い人も日本人もいて、また男女比も同等。もう、スライ&ザ
・ファミリー・ストーン好きのぼくはそれだけで感激しちゃうなあ。また、持
ち楽器をメンバー間で臨機応変に変えちゃうのも非常によろしい(ザ・バンド
を思い出した、なんては書かないけど)。とかなんとか、ぼくのツボをくすぐ
るポイント満載でウキっと見ちゃった。どこか今っぽい佇まいも持つし、キャ
ッチーで弾けた曲も悪くない。とても、ぼくの好みです。
2番目に出てきたザ・マジック・ナンバーズは、なんの情報もなしに見ると
、米国の田舎グループと思ってしまうかも。二組の兄妹たちで組まれているそ
うだが、男はいかにもオーヴァーオールのジーンズが似合いそうな素朴な長髪
気味髭面の人達で、女性たちもふとっちょで洒落っ気がない。なんか、ちょっ
とタイムマシーンに乗ってきた感じアリ。で、のんびりとしたフォーク・ロッ
ク調+αの演目を飾り気なく披露する。今版パパス&ママス、なんちって。い
ろんな今のノリと相いれない所、逆行するところがポイントか。
そして、24〜20才がつるんだ4人組のザ・フューチャーヘッズ。彼らには昼
間取材したが、英国人のくせにデカいんで驚いた。そのセルフ・タイトルのデ
ビュー作はギャング・オブ・フォーのアンディ・ギルの手によって録られたも
のをボツにして録り直しているが、メンバーの一人は苗場でギルと飲んだとい
う。ともあれ、けっこう耳年増のバンド。でも、それは親のコレクションを聞
いて自然に触れたりしているわけで、なんか本当に世代がまた一回りしている
ことを感じちゃったナ。そんな彼らはとってもXTCの影響が強いことをやっ
ているが、影響源としてコクトー・ツインズやザ・ビートルズやキャプテン・
ビーフハートや初期REMやチャーリー・パーカーやマイルス・デイヴィスの
名前を語っても、XTCの名前は出てこない。でも、デイヴ・フリッドマン(
そのザ・フューチャーヘッズというグループ名は、フリッドマンがプロデュー
スしたフレイミング・リップス92年作『ヒット・トゥ・ディス・イン・ザ・フ
ューチャー・ヘッド』から引用されている)がエンジニア/補助制作している
メキシコのカフェ・タクーバのもろXTC色の濃い『クアトロ・カミノス』の
話をしたら、奴らすげえ食いついてきた(苦笑)。で、ザ・ジャムは本当にあ
まり聞いてないけど、XTCはやっぱ好きだとのこと。
ギターやリズムが効果的に絡まった、ひねりたっぷりのギター・ポップを堂
々、フレッシュに展開。各人の肉声も効果的に重なり、ヴァリエイションも豊
かだし、総合的な実演能力の高さはなかなかなもの。そこには、確かにXTC
の真似に終わらぬ、清々しさや創意工夫や迸りがしっかりとある。拍手。ぼく
が今十代だったら、彼らのことを最高のお気に入りバンドにしてしまうんじゃ
ないか、なんてもしっかりと思う。
するのは、気のせいだろうか? フジ・ロックのために来た新進UKバンドが3
つ出演する公演。恵比寿・リキッドルーム。
まず、英国ザ・ゴー!ティーム。ジャマイカンぽい愛らしい女性シンガー(
ときにラップぽいときも)を中心とする、楽しさいっぱいのビート・ポップ6
人組。黒い人も白い人も日本人もいて、また男女比も同等。もう、スライ&ザ
・ファミリー・ストーン好きのぼくはそれだけで感激しちゃうなあ。また、持
ち楽器をメンバー間で臨機応変に変えちゃうのも非常によろしい(ザ・バンド
を思い出した、なんては書かないけど)。とかなんとか、ぼくのツボをくすぐ
るポイント満載でウキっと見ちゃった。どこか今っぽい佇まいも持つし、キャ
ッチーで弾けた曲も悪くない。とても、ぼくの好みです。
2番目に出てきたザ・マジック・ナンバーズは、なんの情報もなしに見ると
、米国の田舎グループと思ってしまうかも。二組の兄妹たちで組まれているそ
うだが、男はいかにもオーヴァーオールのジーンズが似合いそうな素朴な長髪
気味髭面の人達で、女性たちもふとっちょで洒落っ気がない。なんか、ちょっ
とタイムマシーンに乗ってきた感じアリ。で、のんびりとしたフォーク・ロッ
ク調+αの演目を飾り気なく披露する。今版パパス&ママス、なんちって。い
ろんな今のノリと相いれない所、逆行するところがポイントか。
そして、24〜20才がつるんだ4人組のザ・フューチャーヘッズ。彼らには昼
間取材したが、英国人のくせにデカいんで驚いた。そのセルフ・タイトルのデ
ビュー作はギャング・オブ・フォーのアンディ・ギルの手によって録られたも
のをボツにして録り直しているが、メンバーの一人は苗場でギルと飲んだとい
う。ともあれ、けっこう耳年増のバンド。でも、それは親のコレクションを聞
いて自然に触れたりしているわけで、なんか本当に世代がまた一回りしている
ことを感じちゃったナ。そんな彼らはとってもXTCの影響が強いことをやっ
ているが、影響源としてコクトー・ツインズやザ・ビートルズやキャプテン・
ビーフハートや初期REMやチャーリー・パーカーやマイルス・デイヴィスの
名前を語っても、XTCの名前は出てこない。でも、デイヴ・フリッドマン(
そのザ・フューチャーヘッズというグループ名は、フリッドマンがプロデュー
スしたフレイミング・リップス92年作『ヒット・トゥ・ディス・イン・ザ・フ
ューチャー・ヘッド』から引用されている)がエンジニア/補助制作している
メキシコのカフェ・タクーバのもろXTC色の濃い『クアトロ・カミノス』の
話をしたら、奴らすげえ食いついてきた(苦笑)。で、ザ・ジャムは本当にあ
まり聞いてないけど、XTCはやっぱ好きだとのこと。
ギターやリズムが効果的に絡まった、ひねりたっぷりのギター・ポップを堂
々、フレッシュに展開。各人の肉声も効果的に重なり、ヴァリエイションも豊
かだし、総合的な実演能力の高さはなかなかなもの。そこには、確かにXTC
の真似に終わらぬ、清々しさや創意工夫や迸りがしっかりとある。拍手。ぼく
が今十代だったら、彼らのことを最高のお気に入りバンドにしてしまうんじゃ
ないか、なんてもしっかりと思う。
フジ・ロック・フェスティヴァル05
2005年7月31日 昨日あまりに雨が降ったためか、起きたらけっこうな晴天。ホテルのフロン
トも終日晴れのようですと言ってるので軽装で出ちゃおうと思ったけど、今日
だけ来る人に昨晩「雨具と泥道対策は必須」と進言したことがひっかかって(
?)それなりの装備で会場入りしたら、夕方から土砂降り。二日目が中止にな
った台風直撃の初回(富士天神平スキー場)をのぞいて、今まで一番天気には
恵まれないフジ・ロックとなったのではないか。
この日、まずちゃんと見たのは日本のブルース・バンドの草分けウェスト・
ロード・ブルーズ・バンド(オレンジ)。オリジナル・メンバーにて。さすが
、みんな勘どころを掴んでらっしゃる。みんなおっさんの体系になっていて格
好も良くないのだが、永井“ホトケ”隆だけはスマートでちゃんとカッコつけ
ているのにまず感服する。そう、それはブルースは70年代初頭にヒップな存在
で、スタイリッシュな若者が飛びついたという事実を示唆するものではないか
。とともに、彼はフロントに立つ資質をきっちり持っていることも思い知らさ
れた。これまで彼のことをちゃんと見たことがなかったということもあるかも
しれないが、今回のフジ・ロックでぼくのホトケ評価は物凄く上がった。フジ
・ロック会場のなかでは比較的年齢層が高めのオーディエンスもなんの負荷も
なく彼らの演奏を楽しんでいたと思う。
そのあと、ホワイトのソウル・フラワー・ユニオン(1999年12月16日:
満員の客が盆踊り状態になっていて微笑ましかった)とグリーンのエゴ・ラッ
ピン(けっこう、感じが変わっていたなあ)を横目にオアシス(フード・コー
ト)まで行って人と落ち合いぐだぐだ飲んでいたら、ちょい見たいナと思って
いたアースリート(セカンドはいまいちだけど、ファーストは大好き)をミス
。後日取材をすることになっているザ・フューチャーヘッズの真価をレッド・
マーキーで最低限見極めてまた奥に戻り、上原ひろみ(オレンジ)、ヤンダー
・マウンテン・ストリング・バンド(ヘヴン)、犬式(ジプシー・アヴァロン
)、ソウライヴ(ヘヴン)、ロス・ロボス(オレンジ)などをつまみ食い。ソ
ウライヴ(2004年4月1日、他)は二管を伴ってのもので、リーダー格の
アラン・エヴァンス(ドラム)がウォーの「スリッピン・イン・ザ・ダークネ
ス」を歌ったりも。ロス・ロボス(2004年10月7日)のステージにはかつ
て彼らが米国きってのモダン・ロックの担い手であったことを示すように(?
)、マーズ・ヴォルタ(2004年1月7日)のオマー他が加わったという。
それから、ホワイトのシガー・ロス(2003年4月14日)、レッド・マー
キーのスーコ103、グリーンのプライマル・スクリーム(2000年2月11
日、2002年11月16日)、などにも触れる。月曜帰りだとゆっくりしてられ
ていいなあ。
05年は過去一番の観客動員があったようだが、過剰に混んでいるとは感じな
かったな。ヘヴンやオレンジにいることが多いためだろうけど。それにしても
自分でも阿呆かと思ってしまうほど、落ちつきのないショウ享受の仕方をして
いる。雨降りってこともありなんかじっとしているのがイヤだったのと、ある
ことが理由で今回はできるだけ動こうと思ったからでもあったのだが。まあ、
備忘録もかねて、今年はちょい見のも含めて一応書いておこう。
なお。今年はオレンジ・コートの奥にオート・キャンプ・サイトというのが
出来た。サッカー・コートを用いていて、オレンジ・コートから徒歩5分のと
ころにあるという。知人がそこを今回利用したのだが(二人ぶんの3日券と駐
車料をあわせて、9万円とか)、みんなキャンピング・カーではなく普通の乗
用車を停め、その横にテントを張っていたそう。ともあれ、スペースの余裕は
あるし、火を使ってもいいし、水場も近いそうで、かなり使い勝手はいいらし
い。オレンジやヘヴンを主に見るなら、相当に便利なのではないか。ちょい休
みに戻ることも容易だろうし。ただ、木曜に入り、月曜に帰ることを強いられ
るそうだが。
最後に要望というか、注文を。出演者の数がどんどん増えているのに、一時期
よりアーティスト選択の幅がせまくなっているように感じるられるのはどうし
たことか。今年に限ってみれば、ブラック系出演者はサマー・ソニックに大敗
だし、オレンジ・コートとヘヴンの出演者に関してはどうにもこうにも首を傾
げたくなっちゃう。
トも終日晴れのようですと言ってるので軽装で出ちゃおうと思ったけど、今日
だけ来る人に昨晩「雨具と泥道対策は必須」と進言したことがひっかかって(
?)それなりの装備で会場入りしたら、夕方から土砂降り。二日目が中止にな
った台風直撃の初回(富士天神平スキー場)をのぞいて、今まで一番天気には
恵まれないフジ・ロックとなったのではないか。
この日、まずちゃんと見たのは日本のブルース・バンドの草分けウェスト・
ロード・ブルーズ・バンド(オレンジ)。オリジナル・メンバーにて。さすが
、みんな勘どころを掴んでらっしゃる。みんなおっさんの体系になっていて格
好も良くないのだが、永井“ホトケ”隆だけはスマートでちゃんとカッコつけ
ているのにまず感服する。そう、それはブルースは70年代初頭にヒップな存在
で、スタイリッシュな若者が飛びついたという事実を示唆するものではないか
。とともに、彼はフロントに立つ資質をきっちり持っていることも思い知らさ
れた。これまで彼のことをちゃんと見たことがなかったということもあるかも
しれないが、今回のフジ・ロックでぼくのホトケ評価は物凄く上がった。フジ
・ロック会場のなかでは比較的年齢層が高めのオーディエンスもなんの負荷も
なく彼らの演奏を楽しんでいたと思う。
そのあと、ホワイトのソウル・フラワー・ユニオン(1999年12月16日:
満員の客が盆踊り状態になっていて微笑ましかった)とグリーンのエゴ・ラッ
ピン(けっこう、感じが変わっていたなあ)を横目にオアシス(フード・コー
ト)まで行って人と落ち合いぐだぐだ飲んでいたら、ちょい見たいナと思って
いたアースリート(セカンドはいまいちだけど、ファーストは大好き)をミス
。後日取材をすることになっているザ・フューチャーヘッズの真価をレッド・
マーキーで最低限見極めてまた奥に戻り、上原ひろみ(オレンジ)、ヤンダー
・マウンテン・ストリング・バンド(ヘヴン)、犬式(ジプシー・アヴァロン
)、ソウライヴ(ヘヴン)、ロス・ロボス(オレンジ)などをつまみ食い。ソ
ウライヴ(2004年4月1日、他)は二管を伴ってのもので、リーダー格の
アラン・エヴァンス(ドラム)がウォーの「スリッピン・イン・ザ・ダークネ
ス」を歌ったりも。ロス・ロボス(2004年10月7日)のステージにはかつ
て彼らが米国きってのモダン・ロックの担い手であったことを示すように(?
)、マーズ・ヴォルタ(2004年1月7日)のオマー他が加わったという。
それから、ホワイトのシガー・ロス(2003年4月14日)、レッド・マー
キーのスーコ103、グリーンのプライマル・スクリーム(2000年2月11
日、2002年11月16日)、などにも触れる。月曜帰りだとゆっくりしてられ
ていいなあ。
05年は過去一番の観客動員があったようだが、過剰に混んでいるとは感じな
かったな。ヘヴンやオレンジにいることが多いためだろうけど。それにしても
自分でも阿呆かと思ってしまうほど、落ちつきのないショウ享受の仕方をして
いる。雨降りってこともありなんかじっとしているのがイヤだったのと、ある
ことが理由で今回はできるだけ動こうと思ったからでもあったのだが。まあ、
備忘録もかねて、今年はちょい見のも含めて一応書いておこう。
なお。今年はオレンジ・コートの奥にオート・キャンプ・サイトというのが
出来た。サッカー・コートを用いていて、オレンジ・コートから徒歩5分のと
ころにあるという。知人がそこを今回利用したのだが(二人ぶんの3日券と駐
車料をあわせて、9万円とか)、みんなキャンピング・カーではなく普通の乗
用車を停め、その横にテントを張っていたそう。ともあれ、スペースの余裕は
あるし、火を使ってもいいし、水場も近いそうで、かなり使い勝手はいいらし
い。オレンジやヘヴンを主に見るなら、相当に便利なのではないか。ちょい休
みに戻ることも容易だろうし。ただ、木曜に入り、月曜に帰ることを強いられ
るそうだが。
最後に要望というか、注文を。出演者の数がどんどん増えているのに、一時期
よりアーティスト選択の幅がせまくなっているように感じるられるのはどうし
たことか。今年に限ってみれば、ブラック系出演者はサマー・ソニックに大敗
だし、オレンジ・コートとヘヴンの出演者に関してはどうにもこうにも首を傾
げたくなっちゃう。
フジ・ロック・フェスティヴァル05
2005年7月30日 しっかりご飯を食べ、今日からけっこうな雨になるという情報なので入念に
身支度をしようとしたら、ん? あれれ、(カッパやタオルを入れて持ち歩い
ている)バッグが見当たらない。折り畳み椅子も同様に。実は昨日飲んでて、
いつのまにかまったりと東京で飲んでるような気持ちになっちゃって会場にそ
れらを置き忘れ、焼酎はいった紙コップ片手にホテルに知人たち(誰も指摘し
てくれな〜い)と戻ってしまったんだよなあ。いやあ、昨晩はそんなに気を許
してしまっていたか。ぼく、東京でもまず飲んでも忘れ物しない人なのに(と
いうか、本当にかったるいのでぼくは荷物を手にしない。親しい人なら、普段
ぼくが本当に手ぶらで行動するのを知っているはずだ)。で、急いで会場に向
かいオアシスのテントの裏に行ったら、しっかりとあった。さすが、世界一安
全なフェス? ロス・ロボスのグリーン朝一ステージは彼らが飛行機に乗り遅
れてなしになったし、雨対策の重装備をするため、一度ホテルに戻る。
案の定、昼過ぎから大雨に。夕方あたりと深夜はやんでいたが、日中は基本
的に相当な降雨の一日。2時すぎからのビル・ラズウェルのプラク
シスの演奏(レッド・マーキー)からちゃんと見る。ベース、ドラム、トラン
ペット、DJという、重量級インプロ・セッション。
ところでフジ・ロックの場合、ぼくは<レッド・マーキー(オアシス)とグ
リーン>、奥にある<ホワイトとフィールド・オブ・ヘヴンとオレンジ・コー
ト(とジプシー・アヴァロン)>というふうに区分けをしている。やはり、グ
リーンとホワイトの間は距離がありすぎ。一度、ホワイトのほうに行ってしま
うとなかなか戻る気にはなれない……。
で、4時少し前ぐらいからはずっと<奥>でうだうだ。クリス・マーレー・
コンボ(ただ、ちんたらやっているような……)、ザ・カリフォルニア・ギタ
ー・トリオ(ぼくにとっては不毛。イエスの曲、カヴァーしてたな)、アンプ
・フィドラー(2004年9月25日のブルーノート東京のときと異なり、本人
を含め3人による簡素なパフォーマンス。すると、ダニー・ハサウェイ的な持
ち味が強調されたものになり、それはそれで興味深いし、いい味を出していた
はず)、セネガルのザ・ピース・イン・ラヴ・パーカッション(けっこう観光
地的でもある、打楽器&パフォーマンス・チーム。火の扱いや踊りなどで客を
沸かせる)、ライトニング・ブルース・ギター・セッション(パパ・グロウズ
・ファンク:2004年3月30日に、日本人がいろいろと絡むセッション。た
だの駄目おやじロックになっていた部分も)、マイ・モーニング・ジャケット
(最初にちょい見て、終盤をまたちょい見て。けっこう落差があった。意外に
派手という印象もあったか)、ギャング・オブ・フォー(切れ味あり、素晴ら
しかった。なんでも、やはり今年のフジ・ロックに出演していたエディ・リー
ダーはほんの少しギャング・オブ・フォーに入っていたことがあって、裏でメ
ンバーたちと熱い邂逅をしていたそうな)、エイドリアン・ブリュー(けっこ
う好きで期待したのだが、トリオによるプログレ・フュージョンみたいなグル
ープ・コンセプトがぼくにとっては駄目でした)などなどを齧る。
そして、頭のほう少しダイナソー・Jr(ホワイト)に触れてグリーンに行
く。娯楽DJミュージックの首領、ファット・ボーイ・スリムの出演。とにか
く、大衆の一員になり快楽的な馬鹿となることがとっても楽しみだった。運
良く3D仕様眼鏡もゲットでき、ニコっ。今回、ファットボーイ・スリムは
6月24日に出演した英グラストンバリーとこの晩のフジ・ロックのためにそれ
を製作。フジでは1万個配ったという。メガネを入手できなかったら、了見の
狭いぼくはムカつくので見るのは止めようと思っていたので、良かったよかっ
た。それ、紙製で薄紫色のセロファン・レンズつき。で、そこから光を見ると
カラフルなニコちゃんピースマークが浮き出るというもの(米国特許でテネシー
州で作られている)。それはステージの光だけでなく、あらゆる光(売店のラ
イトからも、それは浮き上がる)に反応する。つまり、このライヴ以外でも使
える。頭をグリグリ揺らすと、ニコちゃんマーク群も立体的にぐりぐり動く。
天候は降雨だけでなく、稲妻や雷を伴う。ひえ〜、避雷針とかあるのかなと少
し心配になる。途中から、レンズが濡れたりして、3D眼鏡なしで見る。それ
でも、十分楽しめたとは思うが。ただ、音は小さ目だったし、もっと映像と光
と音のあっと驚く効果的な組み合わせがあっても良かったかもしれない。でも
、本人が時々ヴィジョンに映ったりもし(それなりに臨機応変にお皿を回して
いたのかな?)、表現のブラック・ボックス化を避けていたのは良かった。あ
と、他愛なく“ラヴ&ピース”のメッセージを映像に折り込んでいたが、お茶
目なそれは背伸びしておらず、イヤミな感じはない。ロック・ミュージックの
メッセージのアピールって、このへんが丁度いい?
その途中、オレンジ・コートに行って部分的にロザリオス(2003年12月
8日、2005年28日)を見る。そのとき、ジミヘンやザッパを彷彿とさせる
ような演奏をやっていた。あと、ブラフマン(ホワイト)も出だしだけをちょ
っと。エスニックな要素満載の導入部にはちとびっくり。彼らに少し興味を持
った。
深夜は、オアシスにある苗場食堂(去年の項にも書いたが、ここの乱暴な仕
切りのライヴ、ぼくは好きです)で永井隆&ザ・ブルース・パワー。永井“ホ
トケ”隆(ヴォーカル、ギター)、浅野祥之(ギター)と沼澤尚(ドラム)か
らなる、ベースレス編成によるブルース・バンド。この面子でツアーもやって
いるらしく、後者の二人はJ&B(2004年7月22日)やアズ・ウィ・スピ
ーク(2004年2月21日)の同僚でもある。ホトケは半分以上空いた赤ワイン
のボトルを片手に登場。出来上がっている感じだが、そこはブルーズに献身し
て30年強。なんの問題もない。ぐっさりと、雑なライヴ環境のなかで(途中で
照明が消えたりもした)、エルモア・ジェイムズの「ダスト・マイブルーム」
ほか有名ブルーズ曲を披露する。ホトケは指でギターを弾き、浅野はときにス
ライド・バーを手にする。回りには偶然居合わせた客(外国人も多かった)が
集まり大盛り上がり、ブルースという巨大で抗しがたい何かを彼らはしっかり
と受け止めたのではないか。アンコールには山岸潤史(1999年8月5日、
2000年12月7日、2001年7月16日、2004年3月30日)も出てきた
。いろんな意味で生理的に美しい“音楽の光景”がそこにはあった。
最後に、場外のパレス・オブ・ワンダー内テントで、ビッグ・ウィリーズ・
バーレスクを見る。昨日もジプシー・アヴァロンでちょっと彼らのことを見た
んだけど、米国西海岸をベースとするらしいこの4人組(ドラム、フルート/
アルト、キーボード、ウッド・ベース)+1はなかなか面白い。ラウンジやク
ラブ・ミュージック的なフックをうまく取り込んだ、ジャズ・コンボ。ザ・バ
ッド・プラス(20045月13日)のドラムのような愛嬌あるスキン・ヘッド
のドラマーがリーダーで、ちゃんと基本を受け継ぎつつ、相当に下世話な娯楽
性を持ち込んだショウを展開する。なんせ、ときにマルティナというストリッ
パー(そんなに露出はしないけど)がダンサーとして加わって場を盛り上げ
ちゃうのだから。これは、相当に秀逸な色モノ・バンドであるとぼくは思っ
た。
身支度をしようとしたら、ん? あれれ、(カッパやタオルを入れて持ち歩い
ている)バッグが見当たらない。折り畳み椅子も同様に。実は昨日飲んでて、
いつのまにかまったりと東京で飲んでるような気持ちになっちゃって会場にそ
れらを置き忘れ、焼酎はいった紙コップ片手にホテルに知人たち(誰も指摘し
てくれな〜い)と戻ってしまったんだよなあ。いやあ、昨晩はそんなに気を許
してしまっていたか。ぼく、東京でもまず飲んでも忘れ物しない人なのに(と
いうか、本当にかったるいのでぼくは荷物を手にしない。親しい人なら、普段
ぼくが本当に手ぶらで行動するのを知っているはずだ)。で、急いで会場に向
かいオアシスのテントの裏に行ったら、しっかりとあった。さすが、世界一安
全なフェス? ロス・ロボスのグリーン朝一ステージは彼らが飛行機に乗り遅
れてなしになったし、雨対策の重装備をするため、一度ホテルに戻る。
案の定、昼過ぎから大雨に。夕方あたりと深夜はやんでいたが、日中は基本
的に相当な降雨の一日。2時すぎからのビル・ラズウェルのプラク
シスの演奏(レッド・マーキー)からちゃんと見る。ベース、ドラム、トラン
ペット、DJという、重量級インプロ・セッション。
ところでフジ・ロックの場合、ぼくは<レッド・マーキー(オアシス)とグ
リーン>、奥にある<ホワイトとフィールド・オブ・ヘヴンとオレンジ・コー
ト(とジプシー・アヴァロン)>というふうに区分けをしている。やはり、グ
リーンとホワイトの間は距離がありすぎ。一度、ホワイトのほうに行ってしま
うとなかなか戻る気にはなれない……。
で、4時少し前ぐらいからはずっと<奥>でうだうだ。クリス・マーレー・
コンボ(ただ、ちんたらやっているような……)、ザ・カリフォルニア・ギタ
ー・トリオ(ぼくにとっては不毛。イエスの曲、カヴァーしてたな)、アンプ
・フィドラー(2004年9月25日のブルーノート東京のときと異なり、本人
を含め3人による簡素なパフォーマンス。すると、ダニー・ハサウェイ的な持
ち味が強調されたものになり、それはそれで興味深いし、いい味を出していた
はず)、セネガルのザ・ピース・イン・ラヴ・パーカッション(けっこう観光
地的でもある、打楽器&パフォーマンス・チーム。火の扱いや踊りなどで客を
沸かせる)、ライトニング・ブルース・ギター・セッション(パパ・グロウズ
・ファンク:2004年3月30日に、日本人がいろいろと絡むセッション。た
だの駄目おやじロックになっていた部分も)、マイ・モーニング・ジャケット
(最初にちょい見て、終盤をまたちょい見て。けっこう落差があった。意外に
派手という印象もあったか)、ギャング・オブ・フォー(切れ味あり、素晴ら
しかった。なんでも、やはり今年のフジ・ロックに出演していたエディ・リー
ダーはほんの少しギャング・オブ・フォーに入っていたことがあって、裏でメ
ンバーたちと熱い邂逅をしていたそうな)、エイドリアン・ブリュー(けっこ
う好きで期待したのだが、トリオによるプログレ・フュージョンみたいなグル
ープ・コンセプトがぼくにとっては駄目でした)などなどを齧る。
そして、頭のほう少しダイナソー・Jr(ホワイト)に触れてグリーンに行
く。娯楽DJミュージックの首領、ファット・ボーイ・スリムの出演。とにか
く、大衆の一員になり快楽的な馬鹿となることがとっても楽しみだった。運
良く3D仕様眼鏡もゲットでき、ニコっ。今回、ファットボーイ・スリムは
6月24日に出演した英グラストンバリーとこの晩のフジ・ロックのためにそれ
を製作。フジでは1万個配ったという。メガネを入手できなかったら、了見の
狭いぼくはムカつくので見るのは止めようと思っていたので、良かったよかっ
た。それ、紙製で薄紫色のセロファン・レンズつき。で、そこから光を見ると
カラフルなニコちゃんピースマークが浮き出るというもの(米国特許でテネシー
州で作られている)。それはステージの光だけでなく、あらゆる光(売店のラ
イトからも、それは浮き上がる)に反応する。つまり、このライヴ以外でも使
える。頭をグリグリ揺らすと、ニコちゃんマーク群も立体的にぐりぐり動く。
天候は降雨だけでなく、稲妻や雷を伴う。ひえ〜、避雷針とかあるのかなと少
し心配になる。途中から、レンズが濡れたりして、3D眼鏡なしで見る。それ
でも、十分楽しめたとは思うが。ただ、音は小さ目だったし、もっと映像と光
と音のあっと驚く効果的な組み合わせがあっても良かったかもしれない。でも
、本人が時々ヴィジョンに映ったりもし(それなりに臨機応変にお皿を回して
いたのかな?)、表現のブラック・ボックス化を避けていたのは良かった。あ
と、他愛なく“ラヴ&ピース”のメッセージを映像に折り込んでいたが、お茶
目なそれは背伸びしておらず、イヤミな感じはない。ロック・ミュージックの
メッセージのアピールって、このへんが丁度いい?
その途中、オレンジ・コートに行って部分的にロザリオス(2003年12月
8日、2005年28日)を見る。そのとき、ジミヘンやザッパを彷彿とさせる
ような演奏をやっていた。あと、ブラフマン(ホワイト)も出だしだけをちょ
っと。エスニックな要素満載の導入部にはちとびっくり。彼らに少し興味を持
った。
深夜は、オアシスにある苗場食堂(去年の項にも書いたが、ここの乱暴な仕
切りのライヴ、ぼくは好きです)で永井隆&ザ・ブルース・パワー。永井“ホ
トケ”隆(ヴォーカル、ギター)、浅野祥之(ギター)と沼澤尚(ドラム)か
らなる、ベースレス編成によるブルース・バンド。この面子でツアーもやって
いるらしく、後者の二人はJ&B(2004年7月22日)やアズ・ウィ・スピ
ーク(2004年2月21日)の同僚でもある。ホトケは半分以上空いた赤ワイン
のボトルを片手に登場。出来上がっている感じだが、そこはブルーズに献身し
て30年強。なんの問題もない。ぐっさりと、雑なライヴ環境のなかで(途中で
照明が消えたりもした)、エルモア・ジェイムズの「ダスト・マイブルーム」
ほか有名ブルーズ曲を披露する。ホトケは指でギターを弾き、浅野はときにス
ライド・バーを手にする。回りには偶然居合わせた客(外国人も多かった)が
集まり大盛り上がり、ブルースという巨大で抗しがたい何かを彼らはしっかり
と受け止めたのではないか。アンコールには山岸潤史(1999年8月5日、
2000年12月7日、2001年7月16日、2004年3月30日)も出てきた
。いろんな意味で生理的に美しい“音楽の光景”がそこにはあった。
最後に、場外のパレス・オブ・ワンダー内テントで、ビッグ・ウィリーズ・
バーレスクを見る。昨日もジプシー・アヴァロンでちょっと彼らのことを見た
んだけど、米国西海岸をベースとするらしいこの4人組(ドラム、フルート/
アルト、キーボード、ウッド・ベース)+1はなかなか面白い。ラウンジやク
ラブ・ミュージック的なフックをうまく取り込んだ、ジャズ・コンボ。ザ・バ
ッド・プラス(20045月13日)のドラムのような愛嬌あるスキン・ヘッド
のドラマーがリーダーで、ちゃんと基本を受け継ぎつつ、相当に下世話な娯楽
性を持ち込んだショウを展開する。なんせ、ときにマルティナというストリッ
パー(そんなに露出はしないけど)がダンサーとして加わって場を盛り上げ
ちゃうのだから。これは、相当に秀逸な色モノ・バンドであるとぼくは思っ
た。