ヴィンテージ・トラブル。ロバート・グラスパー
2014年8月20日 音楽 LAの4人組バンド(2012年8月20日)の公演をまず見る。2011 年に出したデビュー作以降オリジナル・アルバムは出してないが、グラスゴウでのライヴDVDとアコースティック曲EPを自らリリース。とともに、ブッカー・T・ジョーンズ(2008年11月24日、2009年7月25日、2010年2月8日、2011年9月12日、2013年10月29日)の2013年作スタックス盤『サウンド・ジ・アラーム』にも、彼らはバンドで2曲参加している。
南青山・ブルーノート東京、ファースト・ショウ。別に彼らのことを過小評価しているわけではないが、会場がきっちりフル・ハウスで驚く。そして、さらに驚いたのは、メンバーが出てくる前の前説MC(やっている人の姿は見えず。メンバーのタイ・テイラーがやっていた?)とすちゃらかした場内音楽だけで、観客の相当数が立ち上がったこと。ほうっ。リード・シンガーのタイ・テイラーは客席側に出張って歌うとともに、照明を操る2階バルコニーにまで行ってそこで会場全体を見渡すように歌ったり、ドラマーのリチャード・ダニエリソンもまた客席におりて、テーブルをスティックで叩いて動いたり。そういうことをここでするのを見たのは、初めてだな。
といったように、音楽面だけをしっかりアピールするだけでなく、彼らは見せることにも一流。その際、誠意のようなものが出るのも、うれしいポイントだ。テイラーはJB調の掛け声や観客とのコール・レスポンスがとってもサマになっているし、妙なフリを客にやらせたりするのも違和感がない。また、この手のロック・バンドは演目をかためる方向にあるが、彼らはけっこう臨機応変に曲を入れ替えて演奏しているそう。そういう、バンドとしての熟練と阿吽の呼吸もうれしい。中盤には、変化を出すために、ステージ前に皆座ってアコースティック・セットにて持ち歌を披露。それから、メンバーがちゃんとタイ&ジャケットで着飾っているのも、確かなショーマンシップの表れだ。
本物のソウル感覚と変わらなくていいロック感覚がてんこ盛り、それらは見事に綱引きしあう。ようは、絵に描いたような味と手応えを持つR&Bロック・バンドの、絵に描いたようなショウでありました。あ、それから、ステージに出て来て演奏を始める前に、ドラマーの前に皆寄り、拳を合わせたりも。なんか、球技チームの試合前の儀式の一コマのようなそれにも、ぼくはグっと来ました。そんな彼らのオリジナル新作は一体どーなっておるのダ? それは、本欄最後に。
▶過去の、ヴィンテージ・トラブル
http://43142.diarynote.jp/201209121315025654/
▶過去の、ブッカー・T
http://43142.diarynote.jp/200812110456078867/
http://43142.diarynote.jp/?day=20090725
http://43142.diarynote.jp/201002090914248826/
http://43142.diarynote.jp/201109151819433479/
http://43142.diarynote.jp/201310301217408539/
その後は、ロバート・グラスパー(2007年10月3日、2009年4月13日、2009年12月19日2010年12月16日、2012年6月12日、2013年1月25日)のワーキング・バンドのショウを六本木・ビルボードライブ東京(セカンド・ショウ)を見る。エキスペリメントと名付けられたここのとろのそのメンバーはシンセサイズド・ヴォーカルとリード類のケイシー・ベンジャミン、 電気ベースのバーニス・トラビス 、ドラムのマーク・コレンバーグ、なり。
彼らもサマーソニック出演(今回それに出た、彼らやザ・ファーサイドやピート・ロックたちはビルボードライブ経由でブッキングされたようだ)を経てのクラブ公演。前にも書いたことがあるが、グラスパーの初来日はビラルのサマーソニック出演時(2001年8月18日)のサポート。まさか、あのとき自分名義で同じフェスには出るとは思いもしなかったと推測され、グラさんはなかなか感無量であったのではないか。今回の彼のサマソニ公演はなかなか気張り、ロック曲カヴァーもやったとも聞く。
一方の通常クラブ公演のほうは平常心というか、基本はいつも通り。現代ジャズと取るよりもポストR&Bとして聞いたほうが吉となる、ある種のモードも横たわるパフォーマンスが臨機応変に届けられる。ベンジャミンは電気経由の歌を聞かせる度合いが増した。コレンバーグはより怪物ぶりを示す。終盤のほうはソロ・ピアノのパートがあったりとか、グラスパーがソロ取る頻度が増したが、やはりそれはジャズを下敷きに、もう一つの丁々発止回路を求めんとしているように、ぼくには思えた。今回の彼、何気にうれしそうな感じが溢れでていたような。90分少し欠けぐらいのショウだった。
▶過去の、グラスパー
http://43142.diarynote.jp/200710121727100000/
http://43142.diarynote.jp/200904150840164356/
http://43142.diarynote.jp/201001051625155901/
http://43142.diarynote.jp/201012171104366095/
http://43142.diarynote.jp/201206141342549869/
http://43142.diarynote.jp/201301270742196778/
▶過去の、ビラル
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-8.htm サマーソニック1日目
<今日の、トラブルメイカー>
ヴィンテージ・トラブルの実演後、誘われたので楽屋に挨拶に行く。さすが2年前のインタヴューがウケただけあって、皆覚えていてくれ、汗だくなままなのに相手をしてくれる。白ワインをふるまってくれたテイラー(なんか、昔のブラック・ムービーに出てきそうなルックスの持ち主なり)はあのとき、ぼくが言った冗談まで、覚えていてびっくり。ノー・プレブレムはモンダイナイ〜マンデイ・ナイトと言えば通じるよ、みたいな乱暴なやりとり。ボクハ忘レテイタ……。なんと彼ら、次は社長ドン・ウォズ直々の契約で、新作はブルーノート発となるとか。なるほど、ドン・ウォズ(2013年2月15日)、好きそうかもなあ。来年春ごろのリリースになるとのこと。わー、楽しみ。
▶過去の、ドン・ウォズ
http://43142.diarynote.jp/?day=20130215
南青山・ブルーノート東京、ファースト・ショウ。別に彼らのことを過小評価しているわけではないが、会場がきっちりフル・ハウスで驚く。そして、さらに驚いたのは、メンバーが出てくる前の前説MC(やっている人の姿は見えず。メンバーのタイ・テイラーがやっていた?)とすちゃらかした場内音楽だけで、観客の相当数が立ち上がったこと。ほうっ。リード・シンガーのタイ・テイラーは客席側に出張って歌うとともに、照明を操る2階バルコニーにまで行ってそこで会場全体を見渡すように歌ったり、ドラマーのリチャード・ダニエリソンもまた客席におりて、テーブルをスティックで叩いて動いたり。そういうことをここでするのを見たのは、初めてだな。
といったように、音楽面だけをしっかりアピールするだけでなく、彼らは見せることにも一流。その際、誠意のようなものが出るのも、うれしいポイントだ。テイラーはJB調の掛け声や観客とのコール・レスポンスがとってもサマになっているし、妙なフリを客にやらせたりするのも違和感がない。また、この手のロック・バンドは演目をかためる方向にあるが、彼らはけっこう臨機応変に曲を入れ替えて演奏しているそう。そういう、バンドとしての熟練と阿吽の呼吸もうれしい。中盤には、変化を出すために、ステージ前に皆座ってアコースティック・セットにて持ち歌を披露。それから、メンバーがちゃんとタイ&ジャケットで着飾っているのも、確かなショーマンシップの表れだ。
本物のソウル感覚と変わらなくていいロック感覚がてんこ盛り、それらは見事に綱引きしあう。ようは、絵に描いたような味と手応えを持つR&Bロック・バンドの、絵に描いたようなショウでありました。あ、それから、ステージに出て来て演奏を始める前に、ドラマーの前に皆寄り、拳を合わせたりも。なんか、球技チームの試合前の儀式の一コマのようなそれにも、ぼくはグっと来ました。そんな彼らのオリジナル新作は一体どーなっておるのダ? それは、本欄最後に。
▶過去の、ヴィンテージ・トラブル
http://43142.diarynote.jp/201209121315025654/
▶過去の、ブッカー・T
http://43142.diarynote.jp/200812110456078867/
http://43142.diarynote.jp/?day=20090725
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http://43142.diarynote.jp/201109151819433479/
http://43142.diarynote.jp/201310301217408539/
その後は、ロバート・グラスパー(2007年10月3日、2009年4月13日、2009年12月19日2010年12月16日、2012年6月12日、2013年1月25日)のワーキング・バンドのショウを六本木・ビルボードライブ東京(セカンド・ショウ)を見る。エキスペリメントと名付けられたここのとろのそのメンバーはシンセサイズド・ヴォーカルとリード類のケイシー・ベンジャミン、 電気ベースのバーニス・トラビス 、ドラムのマーク・コレンバーグ、なり。
彼らもサマーソニック出演(今回それに出た、彼らやザ・ファーサイドやピート・ロックたちはビルボードライブ経由でブッキングされたようだ)を経てのクラブ公演。前にも書いたことがあるが、グラスパーの初来日はビラルのサマーソニック出演時(2001年8月18日)のサポート。まさか、あのとき自分名義で同じフェスには出るとは思いもしなかったと推測され、グラさんはなかなか感無量であったのではないか。今回の彼のサマソニ公演はなかなか気張り、ロック曲カヴァーもやったとも聞く。
一方の通常クラブ公演のほうは平常心というか、基本はいつも通り。現代ジャズと取るよりもポストR&Bとして聞いたほうが吉となる、ある種のモードも横たわるパフォーマンスが臨機応変に届けられる。ベンジャミンは電気経由の歌を聞かせる度合いが増した。コレンバーグはより怪物ぶりを示す。終盤のほうはソロ・ピアノのパートがあったりとか、グラスパーがソロ取る頻度が増したが、やはりそれはジャズを下敷きに、もう一つの丁々発止回路を求めんとしているように、ぼくには思えた。今回の彼、何気にうれしそうな感じが溢れでていたような。90分少し欠けぐらいのショウだった。
▶過去の、グラスパー
http://43142.diarynote.jp/200710121727100000/
http://43142.diarynote.jp/200904150840164356/
http://43142.diarynote.jp/201001051625155901/
http://43142.diarynote.jp/201012171104366095/
http://43142.diarynote.jp/201206141342549869/
http://43142.diarynote.jp/201301270742196778/
▶過去の、ビラル
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-8.htm サマーソニック1日目
<今日の、トラブルメイカー>
ヴィンテージ・トラブルの実演後、誘われたので楽屋に挨拶に行く。さすが2年前のインタヴューがウケただけあって、皆覚えていてくれ、汗だくなままなのに相手をしてくれる。白ワインをふるまってくれたテイラー(なんか、昔のブラック・ムービーに出てきそうなルックスの持ち主なり)はあのとき、ぼくが言った冗談まで、覚えていてびっくり。ノー・プレブレムはモンダイナイ〜マンデイ・ナイトと言えば通じるよ、みたいな乱暴なやりとり。ボクハ忘レテイタ……。なんと彼ら、次は社長ドン・ウォズ直々の契約で、新作はブルーノート発となるとか。なるほど、ドン・ウォズ(2013年2月15日)、好きそうかもなあ。来年春ごろのリリースになるとのこと。わー、楽しみ。
▶過去の、ドン・ウォズ
http://43142.diarynote.jp/?day=20130215