トラヴィス

2009年2月27日 音楽
 グラスゴーで結成の、10年強選手のブリット・ポップ・バンド。フジ・ロックやサマーソニックには複数回出ているが、単独公演としては11年ぶりとか。有楽町・東京国際フォーラムのホールA。昨年出た新作もなかなかの出来でずっと質を保ち続けているバンドだが、集客力がちゃんとありますね。

 サウンドは凝らず、楽曲勝負という感じでショウは進められる。過剰な間奏もないので曲はどれも短く、まさしくその進み方はサクサク。20曲はやったが、全部で1時間20分ぐらいの尺だったか。途中で、フロントに立つフラン・ヒーリーは客席側に降りて歌ったり、終盤にはメンバーが全員集まり生ギターを弾き歌うヒーリーを囲んで和気あいあいの図を見せたり。それ、予定調和なものだが、本当にこのバンドは“真心、いい人光線”を出していて、それが合っている。ヒネたぼくでもこれはアリと肯定でき、なんか暖かい気持ちを得てしまう。イキがったりエエかっこしいな連中が多いなか、本当に彼らは異色。でも、そんなロック・バンドがいてもいいと思えた。基本、歌も演奏もまっとうだしね。

 最後は毎度の“雨の歌”(「ホワイ・ダズ・イット・オールウェイズ・レイン」)で観衆は合わせてぴょんぴょんと跳ねる。一階席(下は空間を置いてロビー)も少し床が揺れる。2階席フロアはさぞや揺れただろう(1999年10月16日、参照)。昼間は今シーズン初めて雪がちらつき、途中から雨模様。やはり、雨と縁がある連中なのか。