終日雨、寒い。代官山・デンマーク大使館。ベックの公演をとらずに、大
使館公邸観察を選ぶ。ベーシストの弟クリス(坂本龍一やデイヴィッド・シ
ルヴィアンと付き合いを持ってもいますね)とともにドーキー・ブラザーズ
として米国ブルーノートと契約していたこともある、63年コペンハーゲン生
まれジャズ・ピアニストのショーケース・ライヴ。ロシアのクラシック作曲
家の楽曲をジャズ化しようとする新作曲を日本人ベーシスト(佐藤さんとい
う人のよう)のサポートを受けて披露。クラシック曲のジャズ化なるもの、
過去そうとうの試みがなされているはずだがあまり興味がもてなく、ほとん
ど積極的に聞いたこともないが(そういうのを有り難がるメンタリティが痛
い、とぼくは感じ、あまり通らないようにしてきた)、スカした感じもあま
りなく、随所に軽いジャズ的な歪みを配そうとするそれにはなんの疑問もな
く聞くことができた。ちょい、モダン・ジャズ・カルテットのことを思い浮
かべもしたか。そのMJQはリーダーのジョン・ルイスがオーネット・コー
ルマン(2006年3月27日)の応援団長をしたこともあり、そしてなにより
グループにおける洒脱な“悪魔の舌”の出し方により、かなりぼくは一目置
いている。一切雨に触れるのがイヤで車で行ったため(大使館前に停められ
てよかったあ)飲めず、あまり歓談せずにそそくさと帰る。名刺交換は1枚
、向こうから話かけてきた上品な金髪のご婦人と。PC印刷じゃなく、名刺
をちゃんと作るべきかな。