カナダのトロントをベースとする、若いロック・バンド。大昔のサースト
ン・ムーアみたいな痩身の歌とベースのおにいちゃん、ギター、キーボード
、ドラムの4人組。半分はまだ10代とか。その若さに見合う迸りの表出と、
我が道を行こうとする生理的な老練さををあわせ持つバンド。ポスト・ニュ
ーウェイヴ的な手触りとちょいガレージ的な骨っぽさ(うわあ、とても狭い
人しか相手に出来ないような説明の仕方をしてしまった)を多彩な音色/色
付けのもと、けれん味なく4人は披露する。しかも、キーボード奏者はあま
り弾かないときは一生懸命マラカスを振ったり、ドラム・キットの前にもう
一つスネアを置いて、非ドラマーたちがサウンドにアクセントを加えんとと
きにどかすか叩いたり。別にグルーヴやリズムの可能性を求めるものではな
いが、彼らなりの娯楽性と繋がったパッションの表出の仕方にはとても共感。

 EPしか出していない彼らの演奏時間は35分。アンコールなし。それでい
いじゃん。原宿・アストロホール。ここのところ見た新人のなかでは一番好
感を持った。
 映画『モロ・ノ・ブラジル』(2003年11月18日)にも出ていた、ブラジ
ル北東部の伝統音楽(フォホー)をしっかりと受けつぎつつ、根っこと今を
自在に行き来するロック派でもあるシンガー。六本木ヒルズ・アリーナ。

 ほう、乱暴に言えば、レニーニ(2000年6月16日)系のルックス/佇ま
いを持つ人。アコーディオン、電気ベース、打楽器、カヴァキーニョなど弦
楽器奏者が2、という布陣。アコーディオンが効いている。で、伸びやかな
歌声(横に置いたコントローラーをいじったりも。歌声を管理するだけでな
く、ときに用いたプリセット音も彼が出していたのかな)。さりげないポー
ズともども、自由の気持ちを持っているのが端々から伝わる。いいナ。一応
オープンエアな会場、気候もいいし、そりゃ浮かれる。会場でブラジルのビ
ールを売っているのもうれしかった。でも、ぼくの口には合わず、2杯目以
降は素直に国産ビールを買ったが。途中からパーカショニストはドラム・セ
ットを叩く。すると、今様/ヒップホップ度数も高くなる。             

 ゴールデンウィークももうお終い。なんかけっこう立て込んでいて、殊勝
に仕事をしようとしていたナ。進みはいまいちでシクシク、なんだけど。行
楽したナというのは、3日に味スタで東京FCと鹿島の試合を見たことぐら
いか。でも、天候が最良の部類に入るもので、浮かれた。晴天のもと、緑の
ピッチに向かいあうのは本当にいい。しかし、サッカーの応援(アウェイな
がら、鹿島の圧勝か)もうるさいナ。なんか、見るのかったり〜。が、浦和
の試合だとこんなもんじゃないはずで....... 。サッカー場に行くときにた
なびく鯉のぼりを見て、子供のころを思い出す。ぼくの家も小学校のころ、
この季節に鯉のぼりを立てていたが、全然うれしくなかった。あー、ヒネた
餓鬼だったな。オレ、そんなの頼んでねーぞ、みたいな。

 と、いい天気の日が続いていたはずだったが、この日は雨天。ソイル&
ピンプ・セッションンズの会場は日比谷野外音楽堂。少し遅れて行くとほ
ぼ止みかけの感じ、狡猾な私ですみません。天候に関係なく、入りは満員。
ステージ上部に小さなシャンデリアをつったり、後部には赤いビロード調の
布をディスプレイしたり。両側にはスモークをはく、狛犬調オブジェも。い
ろいろ気合入ってるな。やっぱ、当事者たちにとっても特別な事となるんだ
ろう。

 今時のりの、ポップで立っているジャズ〜フュージョン・サウンドを屈託
なく。そして、演奏者陣に加え、アジテイターと名乗るMC/司祭役がリー
ダーとして存在しているのが、このバンドのポイント。それはバンドの指揮
役であるとともに、バンドと観客の間に入ってる接着剤的な役割もこなす。
ジャイルズ・ピーターソン(2002年11月7日)の後押しでとっても順調に
海外進出もモノにしている彼らだが、このある意味日本的な立ち位置のあり
方もまたフレッシュなものとして外の人の目には映るのかな。1曲、椎名純
平がゲストで歌う。
 ジャレット(ピアノ)に、ゲイリー・ピーコック(ベース)とジャック・
ディジョネット(ドラム)という、もう25年続いているピアノ・トリオ。と
くに、チャールス・ロイド(2005年5月11日)に一緒に雇われていたジャレ
ットとディジョネットは40年来の付き合いとなるのだな(その後、二人は共
にマイルス電気バンドに入る)。ジャレットは相変わらず、唸り声と腰をク
ネクネのアクションをやりたい放題。ピーコックはあんなにぺにゃぺにゃし
たベース音を用いるんだけっか。と、思って昔のものを聞いたらけっこうそ
うだった。デイジョネットはそんなに叩かないが、普段つかっているものだ
ろう、ジャズ表現としては大きめのドラム・セットを使用。

 上野・東京文化会館。天気が良く、早めに家を出て上野公園をちょい探索
。上野動物園にも入りたくなったりして。和みに来ている人や時間潰しの人
と近隣居住者(ホームレスともいう)が一緒にいる風景。というのはともか
く、やはり歴史を持つ場所を歩くのはいろいろと想像力が刺激されて楽しい
。とともに、上野公園の場合はほのかに懐かしい。小学校の6年間ずっと絵を
習っていて、別に才があったわけではないが上野の美術館に絵が飾られたこ
とがあって何度か来たことがあったのだ。なんか、甘酸っぱい。あのころは
何にでもなれるような気がしていた。だからこそ、逆に絵描きになりたいと
思ったりはしなかったはずだが。

 前回(2001年4月30日)のときと、基本の感想はかわらない。名人たちに
よる、あっさり一筆書き演奏。今回は聞きどころ多いフリー・フォーム演奏
はなしで、より淡々とスタンダード曲を広げる演奏ばかり。張り詰めた、感
じは皆無。まったくもってEDジャズ。いや、仙人ジャズだな。ジャレットた
ちの名前がなかったら、ぼくはそれらをどう聞くのか。すごい大人の含みと
高尚さを持つトリオ演奏を聞かせる人達がいると感じ入るか。それとも、覇
気がねえ、何もったいつけて大御所ぶってんのと感じるか。まあ、その技量
は認めるだろうけど。

  今回楽しみにしていたのは、観客の誰かが咳をゲホゲホしちゃわないかな
あ、ということ。ぼくは見にいってないが、彼らの04年のツアーだったか、
ジャレットは演奏中に咳をした観客に対して激怒、曲が終わるまでなぜ我慢
できないのかと、それをなじる説教MCを始めたのだという。仰天。今回ま
た、それを目の当たりにしたいなあと意地悪ゴコロに思ったわけ。自分はサ
カりのついた豚のような奇声を演奏しながらさんざん垂れ流しておいて、客
の我慢のきかない自然現象をなじるというメンタリティがぼくには全くわか
らない。クラシックならいざしらず(今、雑音の問題で客同士のいざこざが
絶えないらしいが)、ジャズはそれなりの雑音も認めてしかるべき音楽(そ
れに負けない音楽でもありますね)と考えるし、だからこそ奏者が自然に発
する声も味のあるものとして認められているはずなのに。第一、今の緩〜い
ジャレット表現は雑音を排するような緊張感はないわけだし。客席、寝てい
る人もいたのだろうけど、静かでした。残念! 

 ところで、3人は揃ってお辞儀をするのだが、アレはなんなのだろう。3
人並んで、両手をぶらりと下げて、深々とする。それ、毎度のこと。その生
理的に世間を嘗めているとも言えなくもない(ゆえに、ぼくは嫌いじゃない
です)ユーモラスなお辞儀の仕方は誰が提案したのか。で、お辞儀したあと
、ジャレットとディジョネットは合掌して、感謝の念を表す。禅にかぶれて
一時(70年代初頭)京都に住んでいた事があるピーコックは絶対、それはし
ない。

 アンコールはステディなビートを用いるちょいゴスペル調の「ゴッド・ブ
レス・ザ・チャイルド」と瀟洒で美しい「ホエン・アイ・フォール・イン・
ラヴ」。その2曲がぼくは一番良かった。にこっ。実は、この日はジャレッ
トの62才の誕生日。スタンディング・オヴェイションはしても客からそれを
祝う声は上がらないし、本人はいたって普通にこなす。
 熱烈な反応アリ。いいファンがついているな。それを受けて、サラスも実
に嬉しそう。実は公演評を受けてなかったら、スター・パインズ・カフェで
の、映画『ミュージック・クバーナ』(2006年4月20日)でも存在の面白さ
を示していたキューバン・ラッパーのテルマリーの公演をぼくは見にいって
いたはず。でも、こっちも見たら見たで、来て良かったナという心持ちにな
れました。

 今回はきっちり、トリオ編成にて。88年にトリオ編成のカラーコードでア
イランドからデビューしたときはとにかくやられ、こいつこそは今後のロッ
クを引っ張っていく最たる存在だァと逆上せまくったわけだが、以降あれを
超えるものは何も出していないのを、この晩の実演で確認。くわえて、レッ
ド・ツッペリン的ファンク性やジミ・ヘンドリックス噴出感をはじめとする
ロックとして変わらなくていいものを彼はきっちりと出せる存在であり、そ
れだけで存在意義がある人であるのだよなあとも思ったわけだが。本編1時
間。アンコールは2度で5曲やって30分ぐらいやったか。

 そのギター演奏に触れながら、ギターは男根であり、フラッシィなソロは
迸る精液とつながるものなんだろうなあと思う。男性はそれを能動的に感じ
るし、女性は受動的に感じる......。まだ出演者リストには入ってないよう
だが、フジ・ロックでまた会おう、というMCで公演を締めた。
 まず、青山一丁目のユニバーサル・ミュージックで試聴会、ポール・マッ
カートニーの新作を聞く。大半が短い曲で、それこそはポップ・ミュージッ
クなり、と言いたくなる部分もあるか。なんと、コンコード(と、スタ
ーバックスのヴェンチャー・レーベル)に移籍してのもの。

 移動し、表参道・ラバン・エ・アロという小スペースでフランク・ブラッ
クのショーケース・ライヴ。電気ギター弾き語り。このギターは
はピクシーズ時代から使っていたんだ、と言ってピクシーズ(2005年12
月5日)の曲から始める。相当なギター好きのようで、ギター小話を挟みな
がら曲を披露していくという感じなのだが、その話がいい風情と相まって面
白いし、弾き語りはしっかり味があるし、これは出色のショーケース・ライ
ヴと言えるのではないか。いやいや、味ある粋人の襞に望外に触れられたよ
うな気分にもなり、これは絶対アリ。通常公演として、5.000 円とってもみ
んなニッコリなのではないかな。途中退出したが、また見たい! 正規公演
としてやってほしい。

 次は広尾のチェコ大使館で、プラハを拠点とするヴィート・シュヴェッツ
・トリオを見る。ベーシストがリーダーのピアノ・トリオ。MCはなぜかピ
アニストがする。よく書かれたオリジナル曲を中心にさりげなくジャズたる
決定的事項を出す。野心や自我を、メロウな風情を通してフレッシュに出し
ていたともいえるか。なるほど、これは存在感のあるユーロ・ジャズの一つ
と感じる。MCをやったチェコ出身とおぼしき青年は鬼のように日本語が達
者でへえ。

 そして、最後は渋谷のJZブラットでMMW(1999年8月5日、2000
年8月13日、2001年2月5日、2002年9月7日、2004年1月24日)とジ
ョン・スコフィールド(1999年5月11日、2001年1月11日、2002年1月24
日、2004年3月11日、2006年3月1日)の合体グループの遅いほうのギグを
見る。笑顔のジャム。ながら、もちっとあっち側に行ってよとは感じたけど
。でなきゃ、ザ・ミーターズの屈託のないカヴァーやらんかい。けっこう単
純なリフをつないでいく様はマイルス・デイヴィスのワイト島のライヴに近
いと感じたりも。
      
 この週、南青山・ブルーノート東京は“ウンブリア・ジャズ・プレゼンツ
”と称してイタリア人ジャズ・マンが出るプログラムを組んでいる。この日
(ファースト・ショウ)はイタリアきってのインターナショナルなトランペ
ット奏者と、イタリアきっての俊英ピアニスト(2006年11月3日)のデュオ
。ボラーニはラヴァのグループに参加し、彼から金言を得て、それまでのポ
ップ〜ジャズ両刀の音楽活動を改めた、なーんて事を去年取材したときに言
ってたっけな。

 ときに研ぎ澄まされててお茶目で歌心もあるデュオ演奏を披露。「ウェイ
・ユー・ルック・トゥナイト」や「ネイチャー・ボーイ」などのスタンダー
ドもやったがその飛躍度にふれると、先日のジャレットはあまりに仙人演奏
に終始しすぎの感を強めた。って、比較するものでもないか。
 渋谷・クラブクアトロ。お馴染みニューオーリンズのブラス・バンド(20
02年7月30日、04年7月28日、他)だが、今回はいくつかあれれというか、
目新しい点も。まず、かなりヴォーカル・パートが増えていたことが段違い
。それはそれで、表現にすがりつきやすさを加えていた。また、ギタリスト
が白人(実は、前は彼がリード・ヴォーカルをとったりした)から、黒人へ
。この新ギタリスト、かなりブルースに負った弾き方をする人で、1曲はリ
ード・ヴォーカルを取りつつギター・ソロをとるブルース曲をぐびりと披露
する。まあ、見た目からして、前任者より可か。近作はハリケーン被災にか
けて『ホワッツ・ゴーイン・オン』を丸々カヴァーしていたわけだが、マー
ヴィン曲をやられるとじいーん。後半、オーセンティックなニューオリンズ
・ジャズ曲メドレーみたいなのも。それも、うれしくなる。

 ヴォーカルの比重が増えたのは管楽器音の脆弱化と裏返しのものとも言え
るかもしれない。今に始まったことではないが、85年のモントルーでの血沸
き上がるような筋骨隆々のライヴ音(ラウンダー発)なんか夢のように思え
るもの。あんときはドラム・セットもギターも入ってなかったのに。それに
関して冷静になれば、やばいぞと感じさせる局面もあり。リード・ヴォーカ
ルを取ることもあったトランペット奏者は最後のほうで2本のペットを加え
て吹いたりも。おおっ。リード(サックス類)でそれをやる人は知ってるけ
ど、唇をしっかりと当てなければならないトランペットでそういうことをや
る人は初めて。感心した。

レイクサイド

2007年5月16日
 オハイオ州デイトン出身のセルフ・コンテインド・グループ。ソーラー期
間となる、79年から80年代中期がセールス上は全盛期。えーと、ステージ上
には何人いたんだっけっか。ヴォーカル3人、ギター、ベース、キーボード
2、ドラムという布陣だったけか。全員レイクサイドの刺しゅうが背中には
いったお揃いのシャツを着たカジュアルな格好なり。どのぐらい全盛期のメ
ンバーがいるのか判らないが、それなりに年がいっている人が多かったので
は。それに触れ、飲み屋に入ったとき学生バイト風情の青年揃いの店よりお
じさんが多い店のほうがなんかいい店のような気がするものよのおと、ふと
思う。まあ、今日日、そういうおじさんはリストラあがりで非熟練者だった
りもするかもしれないけど。まず、リード・シンガーのマーク・ウッドの
、喉の良さに感激。非常にぼくのタイプ。予習で久しぶりにソーラー期のア
ルバムを聞き流してから行ったのだが、ぼくはこの晩のライヴ音のほうを取
りたい。丸の内・コットンクラグ、セカンド・ショウ。

 
 南青山・ブルーノート東京(ファースト)。この晩はECM発の07年新作
『ザ・ワーズ・アンド・ザ・デイズ』と同様の面子によるもの。トランペッ
ト、トロンボーン(という、珍しい二管構成に)にピアノ・トリオという布
陣。トロンボーン奏者(30歳ぐらい?)はアイデア豊富にいろんな吹き方が
できる人。60代後半のラヴァは吹くのが楽なフリューゲルホーンに流れず、
トランペット一本で勝負しており、その飄々としつつも毅然とした様は潔く
も素敵ね。そのキャリアのどこかで悪魔に魂を売り渡した人ならではの、つ
っぱりの先にあるサバけた風情が素敵な人。フリー・ジャズ・ムーヴメント
もきっちり通っている人だし、もう少しその片鱗を見せてくれないかなとも
少し思ったが、まあ彼の今のジャズは十分に受け取った。

akiko

2007年5月21日
 六本木ヒルズ・マドラウンジ。53階のガラス張りの場(展望用のエレヴェ
イターで行く)で、うわあすごい眺めいい。うほーい。ここの名前は、“窓
”からきているのかな。

 ブラジル録音作を出した女性シンガー(2005年12月18日、他)がオルガン
(金子雄太)、ギター、打楽器奏者をバックに歌う。さらりと、ブラジル調
にて。ギター・アンプは随時ほのかにノイズを出すが、それは東京タワーの
電波を直接ひろってしまうから、なんて説明をMCをしていた。そういうも
のか。最後に日本にいるブラジル人打楽器奏者マルコ・ボスコ(名前は出し
てないが、2006年11月25日)もくわわる。akikoはフジ・ロックにも
出演、そのときバッキングを勤めるのは新作で絡んだモレーノ、ドメニコ、
カシン(2001年5月18日、2006年11月3日)たちだという。

グレン・ジョーンズ

2007年5月24日
 80年代はルーサー・ヴァンドロスなんかと比肩されて語られた喉自慢のR
&Bシンガー。RCA、ジャイヴ、アトランティックを経て、90年代中期か
らはメジャー・レーベルとは縁のない活動をしているが、やはり本格派の歌
声は健在だった。有楽町・コトッンクラブ(セカンド・ショウ)。キーボー
ド、ギター、ベース、ドラムという簡素なサポート・バンドのもと、彼は悠
々と歌う。一部、プリセット女性コーラス音が出されたりしたのは少し興ざ
め。整ったソウル表現ではなく、あなたの空気を震わせる喉力をみんな受け
に来たんだからね。それから、最新作がカヴァー・アルバムだった流れかも
しれないが、スティーヴィー・ワンダー曲ほかの他人曲をけっこう歌ったの
は意外。ま、なにを歌ってもR&Bな人ではありますが。あんまし、ルック
スが老けた感じがなかったが、彼って何才なんだろ?
 サーフィンを切り口に置く(そっち方面のアート/商品展示や、映像が出
演者の合間に流されたり)フェス。横浜・大桟橋ホール。船で着いた外国人
のための入国審査の施設があるような表示がされている桟橋(曲線状のトッ
プは船のデッキのように木で覆われるなど、巨大造形のようになっている)
の先端にあるホールを使用しているのだが、そこを用いてこその催しか。す
ぐに、会場外に出て海に囲まれた開放的な場(夜景も綺麗よ〜)で和めるか
ら。この日は晴天で、凄く気持ちが良かった。うきっ。過剰に広い会場では
なく、リピーターによると去年より混んでて、まったりしにくくなって悲し
いとのこと。大と小のステージ(大のほうは、木の床が物凄く揺れる。東京
湾クルーズでも船酔いしかけるぼくは辟易した)に10組強の内外アクトが登
場するが、音楽をガツガツ受けるという感じのフェスではないナ。それぞれ
の演奏時間も短めに取られているし。

 この4月にオーストラリアのバイロン・ベイ・ブルース・フェス(4月5
〜9日)で見た米国人大サーフィン・スターでもあるティミー・カランや弾
けた好オーストラリアン・バンドであるブルー・キング・ブラウンも出演。
他に、ザ・ビューティフル・ガールズ(サブライムと同じ事務所に所属。よ
うはフィッシュボーンとも同じマネイジメントなんだよね)や今は欧州に住
んでいるらしいアーシーな自作自演派のミック・ハート(小ステージにソロ
で出たのだが、力づくで客を沸かせる。なんか、日々酔っぱらい相手に鍛え
てるんだろうナと思わすものあり)など、海外勢はなぜかオージー系が多い。
日本勢はブラフマン(2005年7月30日)派生のオーヴァーグラウンド・アコ
ースティック・アンダーグラウンド、キャラヴァン、リトル・テンポ(1999
年9月19日、2000年6月12日、他)などを見る。

 夜、店に流れる道すがら、重厚な建物が多く、なんか海外の街を歩いてい
るような気分に。やっぱり、横浜っていいね(って、似たような事、何年か
前に書いたことあるような)。。