レオン・ラッセル
2005年11月24日 小僧のころ、ライヴ盤が好きでした。買うレコードの5枚に1枚はライヴ
盤だったような。やっぱり、地方の子でライヴ・コンサートになかなか接す
ることができないという渇望感があったし、歓声とか聞こえて“素”の姿を
教えてくれるようなところがうれしかったし(その延長に、ライヴ好きの今
があるのか……)、当時ライヴ盤は2枚組とか多くて、外盤だと1枚分ちょ
いの値段でそれが買えるのもいいナと思えた。
そんななか、ラッセルの『レオン・ライヴ』(シェルター、73年)は所有
してかなり満足感を与えられた一作だった(バーゲンでかなり安価に購入で
きたという記憶がある)。なにより3枚組というパッケージや物理的なヴォ
リュームが満腹にしてくれたし、その風体(<20世紀、最後の大物>てな日
本のレコード会社が作ったキャッチが昔はありましたね)や通常のロック的
編成とは一線を画す編成や人種構成などワケの分からぬ部分が好奇心をくす
ぐったのだ。
と、そんな甘酸っぱい思いを喚起したりもする、70年代に独自の位置でぶ
りぶり言わしていたソングライター/シンガー/ピアニストのことは10年以
上前に九段会館あたりで見た記憶がある。詳細はよく覚えていないが、おそ
らく単独キーボード弾き語りでのもの。とはいいつつ、それは随所でエレク
トロニクス効果をかましたものであり、なんかうざいとも思わせるものでも
あったという記憶がしっかりとある。今回は渋谷・オーチャードホール。
ラッセルが全盛期に拠点としていたオクラホマ州タルサ出身の名ドラマー
(ex. エリック・クラプトン) 、ジェミー・オールデイカーのタルサ愛爆発
のどすこいロック・アルバム『マッドドックス・アンド・オーキーズ』(コ
ンコード、05年)に関連者のなかラッセルだけが唯一参加していなくてどー
してんのかなーと思っていたんだが、ちゃんとやってたんですね。
杖をついて出てきた(それは、前回もそうであったような記憶もあるな)
ラッセルは白い長髪と白い立派なヒゲ。怪しい、じじい。なにも知らない人
が飛行機で隣同士となったなら、かなりビビるだろう。ギター、ベース、ド
ラム、パーカッション、女性バッキング・ヴォーカルを従えてのもの。ラッ
セルはキーボードを弾きながら歌う。音はモワっとしていてそれが感興をそ
ぐ。クラシック系ホールでのロック音響は難物なのだろうか。
実演は前出ライヴ盤で提出していたノリを、ちょっと薄めたような形で提
出。けっこうMCもはさまず、ずずずいと曲を進行させる。随所でゴスペル
様式のうま味をあからさまに用いているも大昔のライヴの進め方とまるっき
り同様。秀でたソング・ライターでもある彼ではあるのに一方ではそういう
行き方をするところに、ロックという表現の底にある真理を思い知らされた
りも。また、彼はストーンズやテンプス曲やスタンダードを随所に鷹揚に挟
んだりもする。それも、全盛期からそうでしたね。
終盤、ほんの一部でキーボードの弾き語り。2曲のうち、一曲は多くの人
が知るだろう名曲「ア・ソング・フォー・ユー」(学生のとき、女の子にプ
レゼントした選曲カセットに入れたことありました)。するとエレピ系の音
とともに、シンセ・ストリングス系和音が一緒に重なって出てる。あ、前回
公演はこれを延々とやったのだ。純粋なピアノの弾き語りのほうが、ぼくは
もっともっと感動できると思うけどなあ。でも、そういう素っ頓狂なところ
も、ラッセルたる所以でもあるかも……。
盤だったような。やっぱり、地方の子でライヴ・コンサートになかなか接す
ることができないという渇望感があったし、歓声とか聞こえて“素”の姿を
教えてくれるようなところがうれしかったし(その延長に、ライヴ好きの今
があるのか……)、当時ライヴ盤は2枚組とか多くて、外盤だと1枚分ちょ
いの値段でそれが買えるのもいいナと思えた。
そんななか、ラッセルの『レオン・ライヴ』(シェルター、73年)は所有
してかなり満足感を与えられた一作だった(バーゲンでかなり安価に購入で
きたという記憶がある)。なにより3枚組というパッケージや物理的なヴォ
リュームが満腹にしてくれたし、その風体(<20世紀、最後の大物>てな日
本のレコード会社が作ったキャッチが昔はありましたね)や通常のロック的
編成とは一線を画す編成や人種構成などワケの分からぬ部分が好奇心をくす
ぐったのだ。
と、そんな甘酸っぱい思いを喚起したりもする、70年代に独自の位置でぶ
りぶり言わしていたソングライター/シンガー/ピアニストのことは10年以
上前に九段会館あたりで見た記憶がある。詳細はよく覚えていないが、おそ
らく単独キーボード弾き語りでのもの。とはいいつつ、それは随所でエレク
トロニクス効果をかましたものであり、なんかうざいとも思わせるものでも
あったという記憶がしっかりとある。今回は渋谷・オーチャードホール。
ラッセルが全盛期に拠点としていたオクラホマ州タルサ出身の名ドラマー
(ex. エリック・クラプトン) 、ジェミー・オールデイカーのタルサ愛爆発
のどすこいロック・アルバム『マッドドックス・アンド・オーキーズ』(コ
ンコード、05年)に関連者のなかラッセルだけが唯一参加していなくてどー
してんのかなーと思っていたんだが、ちゃんとやってたんですね。
杖をついて出てきた(それは、前回もそうであったような記憶もあるな)
ラッセルは白い長髪と白い立派なヒゲ。怪しい、じじい。なにも知らない人
が飛行機で隣同士となったなら、かなりビビるだろう。ギター、ベース、ド
ラム、パーカッション、女性バッキング・ヴォーカルを従えてのもの。ラッ
セルはキーボードを弾きながら歌う。音はモワっとしていてそれが感興をそ
ぐ。クラシック系ホールでのロック音響は難物なのだろうか。
実演は前出ライヴ盤で提出していたノリを、ちょっと薄めたような形で提
出。けっこうMCもはさまず、ずずずいと曲を進行させる。随所でゴスペル
様式のうま味をあからさまに用いているも大昔のライヴの進め方とまるっき
り同様。秀でたソング・ライターでもある彼ではあるのに一方ではそういう
行き方をするところに、ロックという表現の底にある真理を思い知らされた
りも。また、彼はストーンズやテンプス曲やスタンダードを随所に鷹揚に挟
んだりもする。それも、全盛期からそうでしたね。
終盤、ほんの一部でキーボードの弾き語り。2曲のうち、一曲は多くの人
が知るだろう名曲「ア・ソング・フォー・ユー」(学生のとき、女の子にプ
レゼントした選曲カセットに入れたことありました)。するとエレピ系の音
とともに、シンセ・ストリングス系和音が一緒に重なって出てる。あ、前回
公演はこれを延々とやったのだ。純粋なピアノの弾き語りのほうが、ぼくは
もっともっと感動できると思うけどなあ。でも、そういう素っ頓狂なところ
も、ラッセルたる所以でもあるかも……。