渋谷・デュオ。まず、上々颱風が出てくる。見るの、15年ぶりぐらいだと思
うが、やっていることがほぼ同じであることに驚く。アリだと思うし、見たら
見たで高揚はさせられます。

 続いて、フランスのストラスブールに住む盲目のマヌーシュ・アコーディオ
ン奏者、マルセル・ロフラーのクインテットが登場。彼に加え、ロフラーの血
縁者3人にによるギターと、非マヌーシュの縦ベース奏者が構成員。ロフラー
はノート・マヌーシュ(2003年8月30日)のプレイヤーでもあるが、ここ
の二人(ギター一人とベース奏者)もやはりノート・マヌーシュのメンバーだ
。ボタン式のアコーディオンを弾く彼、器用だしうまい。彼を聞くと、いかに
リシャール・ガリアーノが駄目かがよく分かる。ステージでは寡黙な印象を与
える彼だが、取材をしたらとても雄弁。そんな彼はかつてシンセサイザーに引
き込まれ、アコーディオンを捨てたこともあったとか。で、サンタナ他のロッ
クをやったこともあるし、マイケル・ジャクソンとか好きだったこともあった
そう。やっぱし、放蕩は必要ですね。でも、そんな彼も、今の若い同胞たちは
ヒップホップを聞きやがって困ったもんだ、と言う。あなただって昔は同じじ
ゃんというツっこみは入れなかったが。……大丈夫ですよ、あなたたちの文化
は強いし、ジャンゴ・ラインハルトだって当時としては最大限にカっとびまく
った人であったろうし。

 そして、ルーマニアの狼藉集団、タラフ(2000年5月21日、2001年
9月2日、2004年10月19日)のパフォーマンス。おお、今回は人数が少な
いじゃないかと思ったら、二人引退し、一人は喧嘩別れしたという。管楽器奏
者がいなくなった編成となる。視覚的には寂しい部分があり、下世話さも減じ
てはいるが、音楽的にはすっきりとし、よりで芸術的というか、うまく聞こえ
るようになったのは確か。アンコール後はステージからそのまま客席フロアに
下りて演奏、また会場出入口付近でも同様で、例により御布施を集める。使い
たおした中古のアコーディンオンやヴァイオリンも彼らはCDと一緒に販売し
ていた。