2011年スイス首都ベルンにて結成された4ピースのロック・バンドの準アコースティック・ライヴを、広尾・スイス大使館公邸で見る。ヴォーカルのアディ、ドラムのメニック、ベースとキーボードのマッツ(マティアス・トローラー)、ギターのフィップ(フィリップ・トレイヤー)。そして、メニックの幼馴染のキーボード奏者がサポートに入る布陣にて。響き効果を多大に持つギター音が活きたスケール感を持つロックを聞かせる面々だが、この日の設定だとシンガーの歌のうまさや実は何気に細やかなアンサンブル設定がなされていることがよく分かった。

 ギタリストは山ほどのエフェクターを足元に起きつつ、水色のセミ・アコースティック型のエレクトリック・ギターを使う。聞けば、この一本でツアーを通すという。純ロック・バンドにおいて箱モノのギターを持つ人は珍しいが、マーク・ノップラー(ダイアー・ストレイツ)が一番好きなギタリストなのだと言う。なら、納得ですね。一方、ベーシストは5弦のエレクトリック・ベースを使用。もう一つ低音の広がりが欲しいからだそうで、こちらのフェイヴァリットはマーカス・ミラー(1999年11月12日、2001年 6月14日、2003年8月19日、2005年8月21日、2007年12月13日、2009年9月15日、2010年9月3日、2013年9月3日、2015年2月21日、2016年9月17日、2017年1月7日、2018年5月16日、2018年5月24日)2019年1月3日)とか。おお、メインストーリームとも書けそうな現代ロック・バンドといえど、そういう奏者の趣味が導く広がりがあるのだと思った。もう何年も彼らのレコーディングに関わっているゲストの鍵盤奏者は、ふだん現代音楽の作曲もしているそうだ。

 とにもかくにも、面々は本当にナイス・ガイ。なんか、ロックの純真もどこかに宿していると思わせるのもポイント高いな。

▶︎過去のマーカス・ミラー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/movember1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-6.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-8.htm 
http://43142.diarynote.jp/200508230545510000/
http://43142.diarynote.jp/200712161023010000/
http://43142.diarynote.jp/200909181206531984/
http://43142.diarynote.jp/201009111624281899/
http://43142.diarynote.jp/201309051241384602/
http://43142.diarynote.jp/201502231815384234/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160917
http://43142.diarynote.jp/201701091247527188/
https://43142.diarynote.jp/201805201310351671/
https://43142.diarynote.jp/201805250930363191/
https://43142.diarynote.jp/201901041047462042/

 その後、渋谷・ショーゲート試写室で、2019年日本映画『花と雨』を見る。PVやCFをいろいろ作ってきている土屋貴史の初長編映画となり、映画表題はラッパーのSEEDAの2007年曲/アルバム名であり、SEEDA側からの土屋への働きかけで実現したよう。今のものとしても見ることができるが、登場人物が皆ガラ携を使っているので、一応時代設定はスマホ登場前となるのだろう。ストーリーは帰国子女であるSEEDAの体験が活かされ、原案とクレジットされている。

 冒頭、ロンドンと東京におけるいじめが描かれ、萎える。ぼくがガキの頃は周りにいじめに類することはなかった。いつからか、子供〜青年にまつわる環境は大変なことになったのだなあ。いろんなハラスメントが問題視されるようになったのも、そういう状況と横つながりでもあるのかなあとふと思った。まあ、ヒッップホップを介する青春群像/主人公の変化を描いているのだが、ビター。草栽培する場面や雪を吸う場面がある日本映画には初めて触れるような気がする。もちろん、これまでないことはないだろうが。一部の画面構成を含め、今を感じさせるところはいろいろ。雨の扱いも、印象的。1月中旬から公開される。

<今日の、面々>
 YOKKO の面々はこの金曜から、日本ツアーに入る。前回の日本楽旅は転機でもあったという彼ら、先に触れたようにサポートの鍵盤奏者やエンジニア、カメラマンなども同行させ、万全の体制でツアーに入る。また、同行するマネイジャーは奥様が日本人だそうで、日本語もけっこう解する。日程は以下の通り。12/6(金) 東京・大塚 Hearts NEXT、12/7(土) 埼玉・西川口 Hearts、12/10(火) 名古屋 APOLLO BASE、12/11(水) 京都 Gattaca、12/12(木) 神戸 Art House、12/13(金) 大阪 SOCORE FACTORY、12/16(月) 千葉・本八幡 The3rdStage、12/17(火) 東京・渋谷 O Nest。彼ら、日本ツアー限定の、スイス製YOKKOチョコも持参している。
▶︎Yokkoの2017年日本ツアーの記録映像
https://www.youtube.com/watch?v=3fw7sXdroRo
https://www.youtube.com/watch?v=ZK7vr6A7Q3w