オマール・ソーサ
2004年8月2日 午後一に東京に戻ってきて、健康第一と思って昼寝したら、仕事をする時間
がなくなってお出かけの時間。南青山・ブルーノート東京。セカンド。2時間
ぐらいやったんではないか。新作『ムラートス』が良いフュージョンの典型の
ような仕上がりだったが、それに倣い今回の実演はちとまったりしてんなと思
わせる部分も。とはいえ、そこはソーサ、いろんな差し込みと妄想が入ってい
るわけであり、それと隣り合わせの快楽もあるわけだが。今回はウード奏者が
入っているのがポイントと言えるかもしれないが、その奏者は歌パートでは少
し目立つもののその演奏はあまり聞こえず。ヴォーカリストやラッパーを立て
て、芸術は爆発だァ的に迫る前回のとき(2001年8月24日、2002年7月22日)
のほうがぼくの好みではあったか。でも、やっぱ来るたびに何かを与える人で
はありますね。会場にはフジ・ロックにも出演したビル・ラズウェルもいた。
がなくなってお出かけの時間。南青山・ブルーノート東京。セカンド。2時間
ぐらいやったんではないか。新作『ムラートス』が良いフュージョンの典型の
ような仕上がりだったが、それに倣い今回の実演はちとまったりしてんなと思
わせる部分も。とはいえ、そこはソーサ、いろんな差し込みと妄想が入ってい
るわけであり、それと隣り合わせの快楽もあるわけだが。今回はウード奏者が
入っているのがポイントと言えるかもしれないが、その奏者は歌パートでは少
し目立つもののその演奏はあまり聞こえず。ヴォーカリストやラッパーを立て
て、芸術は爆発だァ的に迫る前回のとき(2001年8月24日、2002年7月22日)
のほうがぼくの好みではあったか。でも、やっぱ来るたびに何かを与える人で
はありますね。会場にはフジ・ロックにも出演したビル・ラズウェルもいた。
カーキ・キング
2004年8月3日 フジ・ロックに出た、24才になる米国人女性ギタリスト。もともとはヴェロ
ア・レコードからデビューした人で、ソニーに移籍したことで開かれたコンヴ
ェンション・ライヴ。原宿・ブルージェイウェイ。アコースティック・ギター
(イレギュラー・チューニングを使うそう)をいろんな技巧とともに弾く。1
曲はエフェクターを駆使しての演奏。ときには歌も歌う。目の前に表れた本人
は、小さい人で驚く。本人にそれを言ったあとに、レコード会社の人からそれ
指摘されるの本人いやがるみたいです、と言われてしもうた。
会場には、なぜかスティーヴィ・サラスも。フジ・ロックの最終日の夜中の
彼のパフォーマンスは長年の付き合いになるシンガーのバーナード・ファウラ
ー(2003年3月13日)をはじめ、全員黒人を集めて、ブラック・バンド状態で
やっていてビミョーに嬉しかった(EW&Fのカヴァーもやったな)。ところで
、彼がかなり太っていたのにはびっくり(本人も気にしているみたいと、後か
ら聞いた)。そして、スニーカー履いていたせいか、何度も会ったことあるは
ずなのに、こんなに背が低い人なのかとも思う。プロデュースの仕事などで、
10日間近く東京に滞在するとか。彼はフジ・ロックでロザリオスのギグを見て
、TOKIE の演奏をとても気にいったようだ。
ア・レコードからデビューした人で、ソニーに移籍したことで開かれたコンヴ
ェンション・ライヴ。原宿・ブルージェイウェイ。アコースティック・ギター
(イレギュラー・チューニングを使うそう)をいろんな技巧とともに弾く。1
曲はエフェクターを駆使しての演奏。ときには歌も歌う。目の前に表れた本人
は、小さい人で驚く。本人にそれを言ったあとに、レコード会社の人からそれ
指摘されるの本人いやがるみたいです、と言われてしもうた。
会場には、なぜかスティーヴィ・サラスも。フジ・ロックの最終日の夜中の
彼のパフォーマンスは長年の付き合いになるシンガーのバーナード・ファウラ
ー(2003年3月13日)をはじめ、全員黒人を集めて、ブラック・バンド状態で
やっていてビミョーに嬉しかった(EW&Fのカヴァーもやったな)。ところで
、彼がかなり太っていたのにはびっくり(本人も気にしているみたいと、後か
ら聞いた)。そして、スニーカー履いていたせいか、何度も会ったことあるは
ずなのに、こんなに背が低い人なのかとも思う。プロデュースの仕事などで、
10日間近く東京に滞在するとか。彼はフジ・ロックでロザリオスのギグを見て
、TOKIE の演奏をとても気にいったようだ。
アンジェリーク・キジョー
2004年8月5日 アフリカのベニン出身、パリを経て、現在はNYに住む、グローバル派の太
っ腹シンガー。前回(2002年8月4、5日)のときとは、バンドをまったく変
えてののもの。まあ、聞き手に大きく手を開いて、まっすぐに“歌を歌う私”
を届ける様は同様。高揚するとともに、心が洗われる? かつてマンゴ/アイ
ランド発の96年作『フィファ』でやっていたジミヘン・カヴァー(「ヴードゥ
・チャイル」のサイバーヴードゥー・ヴァージョン?)をやったのが嬉しかっ
たかも。ここのところは、南米からカリブを通ってニューオリンズに行く、み
たいな視点のオトナした作品が続いているが、そのうち尖り気味の都会派アル
バムをまた出してほしいな。終演後に会ったらとっても小柄な人。150 センチ
なかったのではないか。って、なんか連続して、身長話を書いているなー。南
青山・ブルーノート東京、セカンド・ショウ。
っ腹シンガー。前回(2002年8月4、5日)のときとは、バンドをまったく変
えてののもの。まあ、聞き手に大きく手を開いて、まっすぐに“歌を歌う私”
を届ける様は同様。高揚するとともに、心が洗われる? かつてマンゴ/アイ
ランド発の96年作『フィファ』でやっていたジミヘン・カヴァー(「ヴードゥ
・チャイル」のサイバーヴードゥー・ヴァージョン?)をやったのが嬉しかっ
たかも。ここのところは、南米からカリブを通ってニューオリンズに行く、み
たいな視点のオトナした作品が続いているが、そのうち尖り気味の都会派アル
バムをまた出してほしいな。終演後に会ったらとっても小柄な人。150 センチ
なかったのではないか。って、なんか連続して、身長話を書いているなー。南
青山・ブルーノート東京、セカンド・ショウ。
サマーソニックゼロフォー
2004年8月7日 千葉県幕張の幕張メッセと千葉マリンスタジアム。今回も会場のレイアウト
が少し変わっていた。メッセ側の3つの屋内ステージ、音はカブるが、本当に
行き来しやすい。だらだら食い物スペースは開き直って(?)、ゲーセンみた
いな一角も設けられていた。球場ステージの模様を伝えるスペースはもう少し
大きく取ってもいいのでは。ヴィジョンも小さくて、去年よりセコい扱いにな
っているような気がしたが。
この日の一番の見物は、マッド・プロフェッサーのDJをバックにいろな声
を出したリー“スクラッチ”ペリー。言葉や批評を超えた味と感興と嬉しさあ
り。それを喜んだ人でフジ・ロックでのリトル・ジョー・ワシントンを見てい
ない人は、最大級のミステイクとしてそれを悲しむべきだナ。MC5は接せた
だけで、やはりちょっと嬉しかったか。
が少し変わっていた。メッセ側の3つの屋内ステージ、音はカブるが、本当に
行き来しやすい。だらだら食い物スペースは開き直って(?)、ゲーセンみた
いな一角も設けられていた。球場ステージの模様を伝えるスペースはもう少し
大きく取ってもいいのでは。ヴィジョンも小さくて、去年よりセコい扱いにな
っているような気がしたが。
この日の一番の見物は、マッド・プロフェッサーのDJをバックにいろな声
を出したリー“スクラッチ”ペリー。言葉や批評を超えた味と感興と嬉しさあ
り。それを喜んだ人でフジ・ロックでのリトル・ジョー・ワシントンを見てい
ない人は、最大級のミステイクとしてそれを悲しむべきだナ。MC5は接せた
だけで、やはりちょっと嬉しかったか。
サマーソニックゼロフォー
2004年8月8日 なんとメッセとスタジアムの間に無料バスが運行していた。たまたま、ぼく
が利用したときはすんなり乗れて、すぐに出発するという感じで、とてもツカ
える。乗れば5分もかからないが、歩くとそれなりの時間がかかるもんなあ。
それから、今回はビーチ・ステージというのが新設されていた。それ、地図を
見ると遠そうだったが、マリン・スタジアムから2分ぐらいで浜辺に出ちゃう
。海水は相当に汚いように思えたが、やっぱ海はいい。ここは普通に浜に遊び
に来ている人もいて、よりのんびりとしてて、解放感アリ。今年、初めてで最
後の海になりそうだし、ちょっと和む。水辺ってなんか良い。やっぱ、海か川
の側に住みたいナなぞとも思う。このステージ(ぼくが行ったときは、フォー
クっぽい弾き語りの人がやっていたような)、来年も絶対にあってほしい。
この日はスタジアム中心に見た。N.E.R.D.はなるほど評判がいいのが分かっ
た。屈託なく楽しく、変に満たされた気分にさせるところがある。レッチリを
求める層にもこれはアピールするところがあるなと思える部分もありました。
続く、オル・ダラ(2001 年8 月1日) の息子ナスは1MC/1DJで正々堂々
とせまる。スタジアムはやっぱり風が吹いて気持ちがいい。
屋内マウンテン・ステージで見たザ・ハイヴスは良かった。そのファション
を格好いいとは思えないけど、ビシっとしたステージングは秀でたポイントが
多々。なんか、Jガイルズ・バンドを思い出させるところもあった?(浪人し
ているとき、バンドで「ギヴ・イット・トゥ・ミー」をコピーしたことありました)
曲はいまいちでも、気合でこれでいいのだと聞かせてしまうところが似ている
? 拍手。
が利用したときはすんなり乗れて、すぐに出発するという感じで、とてもツカ
える。乗れば5分もかからないが、歩くとそれなりの時間がかかるもんなあ。
それから、今回はビーチ・ステージというのが新設されていた。それ、地図を
見ると遠そうだったが、マリン・スタジアムから2分ぐらいで浜辺に出ちゃう
。海水は相当に汚いように思えたが、やっぱ海はいい。ここは普通に浜に遊び
に来ている人もいて、よりのんびりとしてて、解放感アリ。今年、初めてで最
後の海になりそうだし、ちょっと和む。水辺ってなんか良い。やっぱ、海か川
の側に住みたいナなぞとも思う。このステージ(ぼくが行ったときは、フォー
クっぽい弾き語りの人がやっていたような)、来年も絶対にあってほしい。
この日はスタジアム中心に見た。N.E.R.D.はなるほど評判がいいのが分かっ
た。屈託なく楽しく、変に満たされた気分にさせるところがある。レッチリを
求める層にもこれはアピールするところがあるなと思える部分もありました。
続く、オル・ダラ(2001 年8 月1日) の息子ナスは1MC/1DJで正々堂々
とせまる。スタジアムはやっぱり風が吹いて気持ちがいい。
屋内マウンテン・ステージで見たザ・ハイヴスは良かった。そのファション
を格好いいとは思えないけど、ビシっとしたステージングは秀でたポイントが
多々。なんか、Jガイルズ・バンドを思い出させるところもあった?(浪人し
ているとき、バンドで「ギヴ・イット・トゥ・ミー」をコピーしたことありました)
曲はいまいちでも、気合でこれでいいのだと聞かせてしまうところが似ている
? 拍手。
ジェイムス・コットン
2004年8月10日 南青山・ブルーノート東京。コットンはマディ・ウォーターズのバンドにい
て独立、70年代に入ると積極的にファンク・ビートを導入し、一時はファンク
・ブルーズの旗頭的存在だったこともあるブルーズ・ハーピストだ。とはいえ
、この70才になろうかというじいさんは今の自分が心地いいようにやらせても
らいますワ的なノリで悠々、フツーのビートのもとパフォーマンス。でも、1
曲ぐらいはファンク・ビートを採用した曲をやってもいいのではとも思う。<
昔とった杵柄の巧みな、ひつこい流用>、それもまた大衆黒人音楽における重
要な要素でもありますからね。とくに、ライヴにおいては。それから、意外だ
ったのはほとんどハープに専念して、歌はギタリストが担当していたこと。先
のファンク時代は確か自分で歌っていたはずだが。もともとそんな上手いほう
ではないし、無理してまでは歌いたくはないってことか。ブルーズ・マンって
その過酷な境遇もあり、長生きする人は少ない(んじゃないかなあ)のだが、
成功者のほうに入るだろう彼、楽しそうに長生きしてくださいね。
追記:90年代に入って、彼は喉の手術をよぎなくされ、いこう歌わなくなったようだ。
て独立、70年代に入ると積極的にファンク・ビートを導入し、一時はファンク
・ブルーズの旗頭的存在だったこともあるブルーズ・ハーピストだ。とはいえ
、この70才になろうかというじいさんは今の自分が心地いいようにやらせても
らいますワ的なノリで悠々、フツーのビートのもとパフォーマンス。でも、1
曲ぐらいはファンク・ビートを採用した曲をやってもいいのではとも思う。<
昔とった杵柄の巧みな、ひつこい流用>、それもまた大衆黒人音楽における重
要な要素でもありますからね。とくに、ライヴにおいては。それから、意外だ
ったのはほとんどハープに専念して、歌はギタリストが担当していたこと。先
のファンク時代は確か自分で歌っていたはずだが。もともとそんな上手いほう
ではないし、無理してまでは歌いたくはないってことか。ブルーズ・マンって
その過酷な境遇もあり、長生きする人は少ない(んじゃないかなあ)のだが、
成功者のほうに入るだろう彼、楽しそうに長生きしてくださいね。
追記:90年代に入って、彼は喉の手術をよぎなくされ、いこう歌わなくなったようだ。
菊地成孔クインテット/11日
2004年8月12日 1ホーン+3リズム。それに、ダブ効果(もっと派手にやってもいいんじゃ
ないかな)卓いじりのパードン木村を入れてクインテットと名乗る。赤レンガ
倉庫のモーション・ブルー・ヨコハマ。セカンド。UA(2004年7月6日)が
ゲストに入ることもあって、さすがに満員。そのUAは部分的に出てきて歌う
のかと思ったら、あたまから最後までずっとでずっぱり。「オーヴァー・ザ・
レインボウ」「チュニジアの夜」他、けっこうスタンダート曲も歌っていた。
キクチの考える、もう一つのジャズ。大人っぽさと子供っぽさが入り交じる
……。アンコールでようやく2曲UA抜きの演奏陣のみの演奏。本編1時間、
アンコール30分近くはやったか。30分遅れで始まったんで、東京から電車で見
に来ていた人は帰りが慌ただしかったに違いない。なんか、この日は急にクル
マで行くことにしちゃって飲めなくてシクシク度数は相当に高めではあったの
だが、その勘の良さにはこっそり満足。
ないかな)卓いじりのパードン木村を入れてクインテットと名乗る。赤レンガ
倉庫のモーション・ブルー・ヨコハマ。セカンド。UA(2004年7月6日)が
ゲストに入ることもあって、さすがに満員。そのUAは部分的に出てきて歌う
のかと思ったら、あたまから最後までずっとでずっぱり。「オーヴァー・ザ・
レインボウ」「チュニジアの夜」他、けっこうスタンダート曲も歌っていた。
キクチの考える、もう一つのジャズ。大人っぽさと子供っぽさが入り交じる
……。アンコールでようやく2曲UA抜きの演奏陣のみの演奏。本編1時間、
アンコール30分近くはやったか。30分遅れで始まったんで、東京から電車で見
に来ていた人は帰りが慌ただしかったに違いない。なんか、この日は急にクル
マで行くことにしちゃって飲めなくてシクシク度数は相当に高めではあったの
だが、その勘の良さにはこっそり満足。
デイヴィッド・グラブス
2004年8月16日 歌心追求とサウンドの冒険を両立させようとするアメリカ人の公演は、新作
『ア・ゲス・アット・ザ・リドル』にも参加していたマイス・パレード/デュ
ラン・グループ他のアダム・ピアース(ドラム)とチェロのニコス・ヴェリオ
ティスを伴ってもの。この3人でやるのは初めてとかで、早めに会場入りした
ようだ。
渋谷・O-NEST。超満員。あんまし、見えません。途中はぼやっとした映像が
少量の音とともに流れる受け付け階で見てたりして。でも、当然このぐらいの
聞き手は集まるよなと妙に納得するところがあって、全然イラつかずにいれま
した。なんか、ワタクシ鷹揚モードでした。ギター弾き語りに広がりある伴奏
音が乗る。内容をちゃんと記すには不十分な見方しかしていないのでボカして
書いておきましょう。彼らはもう一日、即興モノのギグが予定されているが、
そちらはどんな感じなのだろうか?
『ア・ゲス・アット・ザ・リドル』にも参加していたマイス・パレード/デュ
ラン・グループ他のアダム・ピアース(ドラム)とチェロのニコス・ヴェリオ
ティスを伴ってもの。この3人でやるのは初めてとかで、早めに会場入りした
ようだ。
渋谷・O-NEST。超満員。あんまし、見えません。途中はぼやっとした映像が
少量の音とともに流れる受け付け階で見てたりして。でも、当然このぐらいの
聞き手は集まるよなと妙に納得するところがあって、全然イラつかずにいれま
した。なんか、ワタクシ鷹揚モードでした。ギター弾き語りに広がりある伴奏
音が乗る。内容をちゃんと記すには不十分な見方しかしていないのでボカして
書いておきましょう。彼らはもう一日、即興モノのギグが予定されているが、
そちらはどんな感じなのだろうか?
ケイ赤城
2004年8月18日 晩年のマイルス・バンドに在籍したこともあった、なかなかブリリアントな
LA在住ピアニスト。赤レンガ倉庫のモーション・ブルー・ヨコハマ。セカン
ド。あらら、このリズム・セクションは菊地雅章のオン・ザ・ムーヴ(2003年
6月10日、2002年9月22日)と同じなのか。でも、当然のことながら、違うも
のが送りだされる。1曲目はけっこうフリーフォームな始まりかたで、へ〜え
。日本語のMCのなかに混ぜる英語は完全に向こうのアクセントにて。ちゃん
とした人なんだなと思うとともに、キザやなあとも思わせるか。最後のほうは
ちょっと効果音的な語りも聞かせる。同行者が非常に表現の幅が広い、という
ような感想を漏らしていたが、同感ですね。アンコールの曲は02年秀作でカヴ
ァーしている、ミーシャのヒット曲「エヴリシング」。あるレヴューでそのア
ルバムを大絶賛しつつ、あの曲のどんくさいリズム設定だけはいただけないと
書いたことがあったっけ。この日のほうが違和感なかったかな。当時、日野晧
正(ちょっと、漢字ちがいます。見つからないので、これで今回はお許しを)
もアルバムでその曲をカヴァーしていて、一部ジャズ・マンに人気の曲だった
。あと、その曲を聞きながら、彼の米国人の奥さんが10年強前に日本コロムビ
アを通して、なかなか味の良いシンガー・ソングライター作を出したことを思
い出した(名前は失念)。それ聞きながら、ウェイン・ホーヴィッツとロビン
・ホルコムみたいでいいなとも思ったか。彼女、まだ音楽はやっているのだろ
うか。
LA在住ピアニスト。赤レンガ倉庫のモーション・ブルー・ヨコハマ。セカン
ド。あらら、このリズム・セクションは菊地雅章のオン・ザ・ムーヴ(2003年
6月10日、2002年9月22日)と同じなのか。でも、当然のことながら、違うも
のが送りだされる。1曲目はけっこうフリーフォームな始まりかたで、へ〜え
。日本語のMCのなかに混ぜる英語は完全に向こうのアクセントにて。ちゃん
とした人なんだなと思うとともに、キザやなあとも思わせるか。最後のほうは
ちょっと効果音的な語りも聞かせる。同行者が非常に表現の幅が広い、という
ような感想を漏らしていたが、同感ですね。アンコールの曲は02年秀作でカヴ
ァーしている、ミーシャのヒット曲「エヴリシング」。あるレヴューでそのア
ルバムを大絶賛しつつ、あの曲のどんくさいリズム設定だけはいただけないと
書いたことがあったっけ。この日のほうが違和感なかったかな。当時、日野晧
正(ちょっと、漢字ちがいます。見つからないので、これで今回はお許しを)
もアルバムでその曲をカヴァーしていて、一部ジャズ・マンに人気の曲だった
。あと、その曲を聞きながら、彼の米国人の奥さんが10年強前に日本コロムビ
アを通して、なかなか味の良いシンガー・ソングライター作を出したことを思
い出した(名前は失念)。それ聞きながら、ウェイン・ホーヴィッツとロビン
・ホルコムみたいでいいなとも思ったか。彼女、まだ音楽はやっているのだろ
うか。
アシュレイ・シンプソン。板橋文夫オーケストラ/19日
2004年8月20日 まず、アシュレイ・シンプソンのコンヴェンション・ライヴを、恵比寿・リ
キッドルームで見る。やっと新宿から移転したリキッドルームに行けたが、な
るほどこんな感じはあったか。前よりは少し狭いが、いろんな面で以前のより
は使い勝手が良さそう。19才というシンプソンはあっと驚くぐらい小柄な人。
おねーちゃん(ジェシカ・シンプソン)もあんなに小さい人なのかな? まあ
一応バンドを率いて歌うのだが、そのバンド音のしょぼさには驚愕(隣にいた
知り合いは、ビヤ・ガーデン入ってますね、とコメント)。全米アルバム・チ
ャート1位アーティストだなんて、とても信じられません。だが、音がしょぼ
いぶん、けっこう野太い歌声は良く聞こえて、それなりに好印象。ケイティ・
ローズ(2月19日)やアヴリル・ラヴィーン(2002年8月8日)といっ
たバブルガム・ロック勢の実演と比較すると、個人的心証は彼女が一番いいか
な。いや、良く分かんないや。6曲ぐらい、約30分ぐらいのパスフォーマンス。
その後に横浜に向かい、赤レンガ倉庫のモーション・ブルー・ヨコハマ。豪
華メンバーによる、板橋文夫の9ピース編成バンド。メンバーの内訳は、渋さ
知らズのテナー片山広明(なんて、この人はピンでしっかり認知しなきゃいけ
ない人だけど)とバスクラ吉田隆一(藤井郷子オーケストラも)をはじめ、ト
ランペットの田村夏樹(7月27日、2003年4月7日、他。もちろん、藤井オー
ケストラも)、クラリネットの村井祐児(東京芸大の教授でクラシックのほう
では有名な人らしい。なるほど、普通のサラリーマンのなかに混じっていたら
ヤクザにしか見えないだろうが、この中にあっては非常にマトモに見える)、
アルトの土岐英史(ジャズ畑と思っていたが、一度取材したときに、非常に音
楽観が柔和で、ソウルが大好きな人であるのを知って驚いたことがあった)、
トロンボーンの後藤篤による6管。そして、ベース(レスター・ボウイとの共
演作も持つ井野信義)とドラム(山下洋輔トリオ出身の小山彰太)のヴェテラ
ン二人は板橋グループのレギュラー陣。さらに、そこにこの前のUA(7月6
日)でも叩いていた外山明(BOZO、MULL HOUSE、山下洋輔、他
)がパーカションションで加わる。
主役の板橋(1949年生まれ)は渡辺/日野の日本人両巨頭からエルヴィン
・ジョーンズのレギュラー・グループ(ジャズ・マシーン)のワールド・ツア
ーまで、いろんな人と絡んでいる(と、書きつつ、それらの名前を出したらか
といって、彼の持ち味はぜんぜん書き留めてはいないわけだが)腕利きピアニ
スト/バンド・リーダー。
パフォーマンスはもう冒頭から大笑い。MCする板橋がもうへべれけなんだ
もの。当然のことながら、片山も赤い顔してご機嫌さんだ。だけど、板橋はラ
イヴの間じゅう飲まずにいて、終わりのほうのMCも同様な感じだったので、
シラフでもああいう感じなのかしらん。
判りやすく乱暴に書いてしまえば、渋さ知らズの音楽的/ジャズ的な部分を
抽出し、あの美味しい酔狂さを音楽だけできっちりと押し出すユニットと言え
るか。肉声も用いるアフリカ調(アフリカ楽旅をしたことなどもあり、彼はけ
っこうそっちの色彩を持つものを出している)のものはサン・ラーとかも想起
させるかな。とにかく、すっとぼけた、枠からズレたおやじの才気や茶目っ気
がゆるゆるななか、大爆発! で、こちらは大感激。もう、渋さとか、この前
のリー・ペリーとか好きな人には是非とも一度は触れていただきたい。次のオ
ーケストラ編成(少し面子が変わるよう)ライヴは10月8日の江古田のバディ
(他にもデュオからカルテットまで日々、いろんなギグをやっている)のよう
だ。
板橋文夫、最高!
キッドルームで見る。やっと新宿から移転したリキッドルームに行けたが、な
るほどこんな感じはあったか。前よりは少し狭いが、いろんな面で以前のより
は使い勝手が良さそう。19才というシンプソンはあっと驚くぐらい小柄な人。
おねーちゃん(ジェシカ・シンプソン)もあんなに小さい人なのかな? まあ
一応バンドを率いて歌うのだが、そのバンド音のしょぼさには驚愕(隣にいた
知り合いは、ビヤ・ガーデン入ってますね、とコメント)。全米アルバム・チ
ャート1位アーティストだなんて、とても信じられません。だが、音がしょぼ
いぶん、けっこう野太い歌声は良く聞こえて、それなりに好印象。ケイティ・
ローズ(2月19日)やアヴリル・ラヴィーン(2002年8月8日)といっ
たバブルガム・ロック勢の実演と比較すると、個人的心証は彼女が一番いいか
な。いや、良く分かんないや。6曲ぐらい、約30分ぐらいのパスフォーマンス。
その後に横浜に向かい、赤レンガ倉庫のモーション・ブルー・ヨコハマ。豪
華メンバーによる、板橋文夫の9ピース編成バンド。メンバーの内訳は、渋さ
知らズのテナー片山広明(なんて、この人はピンでしっかり認知しなきゃいけ
ない人だけど)とバスクラ吉田隆一(藤井郷子オーケストラも)をはじめ、ト
ランペットの田村夏樹(7月27日、2003年4月7日、他。もちろん、藤井オー
ケストラも)、クラリネットの村井祐児(東京芸大の教授でクラシックのほう
では有名な人らしい。なるほど、普通のサラリーマンのなかに混じっていたら
ヤクザにしか見えないだろうが、この中にあっては非常にマトモに見える)、
アルトの土岐英史(ジャズ畑と思っていたが、一度取材したときに、非常に音
楽観が柔和で、ソウルが大好きな人であるのを知って驚いたことがあった)、
トロンボーンの後藤篤による6管。そして、ベース(レスター・ボウイとの共
演作も持つ井野信義)とドラム(山下洋輔トリオ出身の小山彰太)のヴェテラ
ン二人は板橋グループのレギュラー陣。さらに、そこにこの前のUA(7月6
日)でも叩いていた外山明(BOZO、MULL HOUSE、山下洋輔、他
)がパーカションションで加わる。
主役の板橋(1949年生まれ)は渡辺/日野の日本人両巨頭からエルヴィン
・ジョーンズのレギュラー・グループ(ジャズ・マシーン)のワールド・ツア
ーまで、いろんな人と絡んでいる(と、書きつつ、それらの名前を出したらか
といって、彼の持ち味はぜんぜん書き留めてはいないわけだが)腕利きピアニ
スト/バンド・リーダー。
パフォーマンスはもう冒頭から大笑い。MCする板橋がもうへべれけなんだ
もの。当然のことながら、片山も赤い顔してご機嫌さんだ。だけど、板橋はラ
イヴの間じゅう飲まずにいて、終わりのほうのMCも同様な感じだったので、
シラフでもああいう感じなのかしらん。
判りやすく乱暴に書いてしまえば、渋さ知らズの音楽的/ジャズ的な部分を
抽出し、あの美味しい酔狂さを音楽だけできっちりと押し出すユニットと言え
るか。肉声も用いるアフリカ調(アフリカ楽旅をしたことなどもあり、彼はけ
っこうそっちの色彩を持つものを出している)のものはサン・ラーとかも想起
させるかな。とにかく、すっとぼけた、枠からズレたおやじの才気や茶目っ気
がゆるゆるななか、大爆発! で、こちらは大感激。もう、渋さとか、この前
のリー・ペリーとか好きな人には是非とも一度は触れていただきたい。次のオ
ーケストラ編成(少し面子が変わるよう)ライヴは10月8日の江古田のバディ
(他にもデュオからカルテットまで日々、いろんなギグをやっている)のよう
だ。
板橋文夫、最高!
ローナン・オ・スノディ
2004年8月27日 渋谷・ブエノス。かっとびアイリッシュ・バンド、キーラ(2004年2月8日
)のローナンをフィチャーしたステージ。ちなみに、彼のソロ作『トンタ・ロ
ー:俺のグルーヴ』は肉声や鼓動やメロディの神秘が渦を巻く大傑作だったが
、やっぱこりゃすげえって感じは端々に。ずっとアイルランドで積み重ねられ
てきた豊かさや妙味と、彼という個体が持つ創造性や広がりが自在に触発し合
うものになっていて……。バウロンを叩きながら歌う独唱から、キーラのメン
バーが入れ代わり立ち代わり加わるものまで自在の設定にて。2部構成。2部
のほうは、トンコリ奏者のOKIが加わる。もっともっとローナンの特殊世界
を味わいたいという気持ちもあったが、こちらの絡みも興味深く、楽しい。そ
れに、枠を持たず、自在に協調できるというのもまた美点であるだろうし。ご
機嫌。飲み物、ぐいぐい。会場だけで、酒代5000円もつかっちゃったじゃない
か。
)のローナンをフィチャーしたステージ。ちなみに、彼のソロ作『トンタ・ロ
ー:俺のグルーヴ』は肉声や鼓動やメロディの神秘が渦を巻く大傑作だったが
、やっぱこりゃすげえって感じは端々に。ずっとアイルランドで積み重ねられ
てきた豊かさや妙味と、彼という個体が持つ創造性や広がりが自在に触発し合
うものになっていて……。バウロンを叩きながら歌う独唱から、キーラのメン
バーが入れ代わり立ち代わり加わるものまで自在の設定にて。2部構成。2部
のほうは、トンコリ奏者のOKIが加わる。もっともっとローナンの特殊世界
を味わいたいという気持ちもあったが、こちらの絡みも興味深く、楽しい。そ
れに、枠を持たず、自在に協調できるというのもまた美点であるだろうし。ご
機嫌。飲み物、ぐいぐい。会場だけで、酒代5000円もつかっちゃったじゃない
か。
キーラ。ファンファーレ・チョカリーア
2004年8月28日 場所は、錦糸町・墨田トリフォーニーホール。バーで販売のシャンパンはう
ーん。混雑をさけるため、事前にグラスに注ぎ置きしていて、それを涼しい顔
してサーヴ。少し、温い。ちょい、気が抜けてる。バー業務を請け負っている
東武ホテル、もっとちゃんと商できないもんかなあ(毎度、800 円のところ60
0 円と貼り紙して販売しているが、それはそういう不備を補うためになのか?
)。
まず、前半はキーラ。7人がいろいろ絡む。根っこを持っていかようにも。
弱と強、自在のコントラストが鮮やか。情があり、旬発力もある。
そして、休憩を挟んで日常生活と繋がったルーマニアのブラス集団ファンフ
ァーレ・チォカリーア。いやあ、愉快。クラシック用会場に響く、野卑なおっ
さんたちの管楽器音群。そして、ときに演歌調の歌。もう、クラシックの流儀
から言えば、その技術しろ、音色にしろ、目を剥きたくなるものではないのか
。それがわいわいと重なり、小綺麗なホールの空気を別な色に染め上げていく
。滅法、生理的な快感があったなあ。そんな彼らは、アンコールをいろいろこ
なした後(キーラも少し混ざる)、ロビーの広い階段でぶんちゃかとさらに演
奏。一人が、おでこに紙幣を張りつけ、おひねりを貰いに動く。けっこう、稼
げたんじゃないか。お金お金ってノリ、ぼくは大嫌いだが、こういう感じだと
別。うははははは。という、感想しか生まれてこない。
それにしても、いろんな管楽器を用いるなか、なぜトロンボーン奏者はいな
いのか。もともと彼らの村にはなかったのか。それとも、生理的なもっともら
しい理由があるのか。……わが家のリヴィング・ルームの端っこに置かれた、
昨年夏にもらったトロンボーンを思い出す。ぜんぜん、吹いてねえ。あ〜あ、
余裕ねえ生活送ってんのかな。一時、<今日のトロンボーン>というコーナー
をここで作ったが、それもほとんど3日坊主状態。でも、その後トロンボーン
どうですかと聞いてくる人もあまりいないわけで……。
帰りに、清澄白河の新装なった、下町兄弟/BANANA ICEのシバウラ・レコー
ディング・スタジオに顔をだす。ほう、立派ぢゃないか。
ーん。混雑をさけるため、事前にグラスに注ぎ置きしていて、それを涼しい顔
してサーヴ。少し、温い。ちょい、気が抜けてる。バー業務を請け負っている
東武ホテル、もっとちゃんと商できないもんかなあ(毎度、800 円のところ60
0 円と貼り紙して販売しているが、それはそういう不備を補うためになのか?
)。
まず、前半はキーラ。7人がいろいろ絡む。根っこを持っていかようにも。
弱と強、自在のコントラストが鮮やか。情があり、旬発力もある。
そして、休憩を挟んで日常生活と繋がったルーマニアのブラス集団ファンフ
ァーレ・チォカリーア。いやあ、愉快。クラシック用会場に響く、野卑なおっ
さんたちの管楽器音群。そして、ときに演歌調の歌。もう、クラシックの流儀
から言えば、その技術しろ、音色にしろ、目を剥きたくなるものではないのか
。それがわいわいと重なり、小綺麗なホールの空気を別な色に染め上げていく
。滅法、生理的な快感があったなあ。そんな彼らは、アンコールをいろいろこ
なした後(キーラも少し混ざる)、ロビーの広い階段でぶんちゃかとさらに演
奏。一人が、おでこに紙幣を張りつけ、おひねりを貰いに動く。けっこう、稼
げたんじゃないか。お金お金ってノリ、ぼくは大嫌いだが、こういう感じだと
別。うははははは。という、感想しか生まれてこない。
それにしても、いろんな管楽器を用いるなか、なぜトロンボーン奏者はいな
いのか。もともと彼らの村にはなかったのか。それとも、生理的なもっともら
しい理由があるのか。……わが家のリヴィング・ルームの端っこに置かれた、
昨年夏にもらったトロンボーンを思い出す。ぜんぜん、吹いてねえ。あ〜あ、
余裕ねえ生活送ってんのかな。一時、<今日のトロンボーン>というコーナー
をここで作ったが、それもほとんど3日坊主状態。でも、その後トロンボーン
どうですかと聞いてくる人もあまりいないわけで……。
帰りに、清澄白河の新装なった、下町兄弟/BANANA ICEのシバウラ・レコー
ディング・スタジオに顔をだす。ほう、立派ぢゃないか。
シム・レッドモンド・バンド
2004年8月30日 青山・カイ。NY州の田舎街をベースにする、ゆるりとした、生理としての
アコースティック・ロック感覚を持つバンド。シンガー・ソングライターっぽ
い味を持つ、とも言えるかな。ギタリストは相当若く見えるが24才だそうで、
逆にフロントに立つレッドモンドは30代ぽく見えるが27才。まあ、どっちにし
ろ、比較的若い人達によるバンドであるのは間違いない。
まったく無理なく、心優しく(優しすぎる、綺麗すぎると思うところはあり
まね、ぼくは)。音のほうは、レゲエ、リンガラをはじめとするアフリカ音楽
、ラテンなどの揺れをやんわりと介したりもし、それは彼らのポイントと言え
る。また、エキゾな女性シンガー(もともと、ヴェネズエラ生まれ)をメンバ
ーらに擁しているのも差別化を図れる所か。それは、しなやかとか、視野が広
いという印象も与え、ピースフルな感じとか、自然体の感じと重なりあって、
ジャム・バンド・ミュージック系からも多少注目されるというのも頷ける。と
はいえ、実演はそんなに即興的要素はなく、本人たちもジャム・バンドと言わ
れるのは嫌がっている(らしい)というのも納得だが。ただ、本国ではフィッ
シュと重ねられる、なんてことも本人は言っていたが。
会場は満員で、かなり熱い反応。本人たち、本当に喜んでパフォームしてい
ましたね。
アコースティック・ロック感覚を持つバンド。シンガー・ソングライターっぽ
い味を持つ、とも言えるかな。ギタリストは相当若く見えるが24才だそうで、
逆にフロントに立つレッドモンドは30代ぽく見えるが27才。まあ、どっちにし
ろ、比較的若い人達によるバンドであるのは間違いない。
まったく無理なく、心優しく(優しすぎる、綺麗すぎると思うところはあり
まね、ぼくは)。音のほうは、レゲエ、リンガラをはじめとするアフリカ音楽
、ラテンなどの揺れをやんわりと介したりもし、それは彼らのポイントと言え
る。また、エキゾな女性シンガー(もともと、ヴェネズエラ生まれ)をメンバ
ーらに擁しているのも差別化を図れる所か。それは、しなやかとか、視野が広
いという印象も与え、ピースフルな感じとか、自然体の感じと重なりあって、
ジャム・バンド・ミュージック系からも多少注目されるというのも頷ける。と
はいえ、実演はそんなに即興的要素はなく、本人たちもジャム・バンドと言わ
れるのは嫌がっている(らしい)というのも納得だが。ただ、本国ではフィッ
シュと重ねられる、なんてことも本人は言っていたが。
会場は満員で、かなり熱い反応。本人たち、本当に喜んでパフォームしてい
ましたね。
ビル・ウェルズとマヘル・シャラル・ハシュ・バズ、マキーラドーラ
2004年8月31日 やってもうた。
2時、西麻布で昨日のアーティストをインタヴュー。取材場所のレストラン
から出ると、あれパンツのポケットに入れているはずの鍵がない。ん? あり
ゃあ。見ると、乗ってきて歩道に止めたスクーターもない。一瞬、キツネにつ
ままれた気持ちになったものの、すぐに鍵をスクーターに付けたまま離れてし
まい、盗まれたのだと了解。過去に、鍵を付けっぱなしで止めてしまったこと
が数度あったから。家の鍵も夜中ドアの鍵穴にさしっぱなしにして、翌日宅急
便のおじさんに鍵がついたままですよと言われたこともあった……。この日、
早朝起きで仕事してて、ちゃんと睡眠時間を取っておらずボーとなっていたこ
とと関係ありか。やっぱ最低6時間半は寝ないとダメだな。また、昨日から急
に暑くなったことと関係ありか。あー、ボケ進んでいるなあとも思う。
ほんの1時間の間に、盗まれてしまった。まあ鍵がついていたら当然と考え
るべきことなのかもれないが。でも、今までセーフだったになあ、あー西麻布
は治安が悪〜い。とまれ、すぐにスクーターと一緒になくなった鍵のゆくえの
重大さに気づく。キーホルダーには家の鍵とクルマの鍵もついている。バイク
の椅子の下スペースには自賠責保険の証書が入っていて、それにはぼくの住所
が記されているはず。やばい。クルマも建物の入口横の駐車場に止めているか
ら、鍵からメーカー等を知れば、該当となる車はすぐに特定できるだろう。こ
りゃ自宅と車があぶない。家の鍵は、たまたまキーホルダーにはつけていなか
った(通常は使っていなかった)、厳重なほうの鍵を用いるようにすればいい
。持ち歩く鍵の本数が増えるのがイヤでぼくは通常使っていなかったのだ。で
、急いで帰宅し、なんとか入り(ちょい大変でしたあ)、無事を確認したあと
、スクーターのプレイト・ナンバーや車体番号を調べ、交番に盗難届けを出す
。クルマのほうはちょうど車検に預けているときで、ディーラーに電話して鍵
をすべて取り替えてもらうようにお願いする。お金はかかるが、安心感のほう
が重要だ。
これを見た人は、どういう感想を持つか。そのボケたふるまいに呆れるのか
。4〜10月限定(つまり、寒くない時期)で使っているスクーターに関しては
かなりボロいもので、しょうがねえかといった感じでサバサバできちゃってい
るのは何より。
夜、渋谷・オネストへ。7時すぎに着くと、マヘル・シャラル・ハシュ・バ
ズ(2004年3月10日)がやっている。この前とは編成がちょっと違うし、何よ
り進め方も違う。もっとちゃんと曲をやっていて、もう少しプロっぽい。なん
にせよ、いい味だしてて、感服できちゃうのは間違いない。
続くはシスコのサイケ・バンド(ドラムレスだけど)らしい、マキーラドー
ラ。さっき客席側にいて、少しアート・リンゼーに似ているやんけと思った人
もメンバーだった。奥のほうにいる人は日本人(サポート?)だったのかな。
なるほど、淡いんだか濃いんだかよくわからぬサイケ・ロックを展開。なんか
、シスコにはこういう連中たくさんいそうだな、なぞとも思う。サックスが入
る曲はロキシー・ミュージックを思い出させる、ロキシーの場合はオーボエだ
けど。それを聞きながら、30年前のロキシー・ミュージックは鬼のように凄か
ったなと痛感。後の洗練路線もそりゃ好きだが、ぼくは彼らの場合、2枚目の
『フォー・ユア・プレジャー』にとどめを刺す。もー、大好き。
その後出てきた、日本のテニスコーツはコメントを書くほどちゃんと見てま
せんでした。関係ないけど、受け付け階のフロアには木で出来た屋形船の小さ
いみたいなの(人が座れる)がドーンとあった。なんか、バカバカしくて楽し
い。知人から、漁船(だったけかな?)というグループがライヴをやったとき
持ち込んだ、と聞いたが。
そして、10時をだいぶまわってから、ビル・ウェルズとマヘル・シャラル・
ハシュ・バズ、一緒のパフォーマンスが始まる。おお、という組み合わせ。グ
ラスゴーの特殊回路を持つピアニストの“もうひとつ”の調べが、下手なホー
ン・セクション主体音に覆われる。絶妙な重なり。ときにマヘル側の女性が歌
うものも。どのぐらい、一緒にリハやってんのかなー。ゆらゆらとした、綻び
感たっぷりのメロディとハーモニー。こりゃ、抗しがたい。これらを聞きなが
ら渋さ(8月1日、他)にしても、板橋文夫(6月19日)にしても旧世代のバ
ンドなのだなと思う。まあ比較するもんでもないかもしれぬが、彼らは音楽自
体は見事なプロだもの。だが、マヘルは……。このヘロった素人臭さの奥から
、クロード・ソーンヒルやギル・エヴァンスのオーケストラが求めた何かと重
なりえるものを出しているとも感じ、ぼくのココロは本当に甘美なものに包ま
れた。始まった時間が遅かったから、11時を回るごろから、終電を気にする人
がボロボロと返っていく。ちょっと気の毒。大人のもう一つの、豊かな、ちょ
っと刺もある時間がそこにはありました。
2時、西麻布で昨日のアーティストをインタヴュー。取材場所のレストラン
から出ると、あれパンツのポケットに入れているはずの鍵がない。ん? あり
ゃあ。見ると、乗ってきて歩道に止めたスクーターもない。一瞬、キツネにつ
ままれた気持ちになったものの、すぐに鍵をスクーターに付けたまま離れてし
まい、盗まれたのだと了解。過去に、鍵を付けっぱなしで止めてしまったこと
が数度あったから。家の鍵も夜中ドアの鍵穴にさしっぱなしにして、翌日宅急
便のおじさんに鍵がついたままですよと言われたこともあった……。この日、
早朝起きで仕事してて、ちゃんと睡眠時間を取っておらずボーとなっていたこ
とと関係ありか。やっぱ最低6時間半は寝ないとダメだな。また、昨日から急
に暑くなったことと関係ありか。あー、ボケ進んでいるなあとも思う。
ほんの1時間の間に、盗まれてしまった。まあ鍵がついていたら当然と考え
るべきことなのかもれないが。でも、今までセーフだったになあ、あー西麻布
は治安が悪〜い。とまれ、すぐにスクーターと一緒になくなった鍵のゆくえの
重大さに気づく。キーホルダーには家の鍵とクルマの鍵もついている。バイク
の椅子の下スペースには自賠責保険の証書が入っていて、それにはぼくの住所
が記されているはず。やばい。クルマも建物の入口横の駐車場に止めているか
ら、鍵からメーカー等を知れば、該当となる車はすぐに特定できるだろう。こ
りゃ自宅と車があぶない。家の鍵は、たまたまキーホルダーにはつけていなか
った(通常は使っていなかった)、厳重なほうの鍵を用いるようにすればいい
。持ち歩く鍵の本数が増えるのがイヤでぼくは通常使っていなかったのだ。で
、急いで帰宅し、なんとか入り(ちょい大変でしたあ)、無事を確認したあと
、スクーターのプレイト・ナンバーや車体番号を調べ、交番に盗難届けを出す
。クルマのほうはちょうど車検に預けているときで、ディーラーに電話して鍵
をすべて取り替えてもらうようにお願いする。お金はかかるが、安心感のほう
が重要だ。
これを見た人は、どういう感想を持つか。そのボケたふるまいに呆れるのか
。4〜10月限定(つまり、寒くない時期)で使っているスクーターに関しては
かなりボロいもので、しょうがねえかといった感じでサバサバできちゃってい
るのは何より。
夜、渋谷・オネストへ。7時すぎに着くと、マヘル・シャラル・ハシュ・バ
ズ(2004年3月10日)がやっている。この前とは編成がちょっと違うし、何よ
り進め方も違う。もっとちゃんと曲をやっていて、もう少しプロっぽい。なん
にせよ、いい味だしてて、感服できちゃうのは間違いない。
続くはシスコのサイケ・バンド(ドラムレスだけど)らしい、マキーラドー
ラ。さっき客席側にいて、少しアート・リンゼーに似ているやんけと思った人
もメンバーだった。奥のほうにいる人は日本人(サポート?)だったのかな。
なるほど、淡いんだか濃いんだかよくわからぬサイケ・ロックを展開。なんか
、シスコにはこういう連中たくさんいそうだな、なぞとも思う。サックスが入
る曲はロキシー・ミュージックを思い出させる、ロキシーの場合はオーボエだ
けど。それを聞きながら、30年前のロキシー・ミュージックは鬼のように凄か
ったなと痛感。後の洗練路線もそりゃ好きだが、ぼくは彼らの場合、2枚目の
『フォー・ユア・プレジャー』にとどめを刺す。もー、大好き。
その後出てきた、日本のテニスコーツはコメントを書くほどちゃんと見てま
せんでした。関係ないけど、受け付け階のフロアには木で出来た屋形船の小さ
いみたいなの(人が座れる)がドーンとあった。なんか、バカバカしくて楽し
い。知人から、漁船(だったけかな?)というグループがライヴをやったとき
持ち込んだ、と聞いたが。
そして、10時をだいぶまわってから、ビル・ウェルズとマヘル・シャラル・
ハシュ・バズ、一緒のパフォーマンスが始まる。おお、という組み合わせ。グ
ラスゴーの特殊回路を持つピアニストの“もうひとつ”の調べが、下手なホー
ン・セクション主体音に覆われる。絶妙な重なり。ときにマヘル側の女性が歌
うものも。どのぐらい、一緒にリハやってんのかなー。ゆらゆらとした、綻び
感たっぷりのメロディとハーモニー。こりゃ、抗しがたい。これらを聞きなが
ら渋さ(8月1日、他)にしても、板橋文夫(6月19日)にしても旧世代のバ
ンドなのだなと思う。まあ比較するもんでもないかもしれぬが、彼らは音楽自
体は見事なプロだもの。だが、マヘルは……。このヘロった素人臭さの奥から
、クロード・ソーンヒルやギル・エヴァンスのオーケストラが求めた何かと重
なりえるものを出しているとも感じ、ぼくのココロは本当に甘美なものに包ま
れた。始まった時間が遅かったから、11時を回るごろから、終電を気にする人
がボロボロと返っていく。ちょっと気の毒。大人のもう一つの、豊かな、ちょ
っと刺もある時間がそこにはありました。