キューバ出身のグローバル極まりないピアニスト(2001年8月24日、2002年7月22日2004年8月2日、2005年9月24日、2006年10月28日、2008年3月16日、2009年5月12日2010年8月3日、2013年9月17日)の2014年来日公演は、イタリア人トランペッターのパオロ・フレスとのデュオにて持たれた。南青山・ブルーノート東京、ファースト・ショウ。自国とパリを行き来しているようなフレスさん、すでに40枚は超えようかというリーダー作を出している実力者で、ソーサのアルバムにも2007年作に入る他、2012年にはブラジル人チェリストのジャキス・モレレンバウム(2005年5月23日、2005年7月24日、2008年8月22日)をフィーチャーしたソーサとの双頭作も出している。そんな彼はECMとも関係を持っていて、ラルフ・タウナーらとの双頭リーダー作やア・フィレッタ(2010年8月25日、2010年9月4日)との共同作を同レーベルから出していたりもする。あと、ユリ・ケインとも一緒のアルバムを出していたりするな。

 ソーサとフレスはとても仲良さそう。で、その共演はかっとびの部分はナシにして、しっとり傾向で基本進む。ゆったり目の曲をやる場合が多かったためか(双頭リーダー作はオリジナルでしめられていた)、おおらかさやリリシズムが前に出る傾向の演奏を聞かせる。が、そうであっても、ソーサは時々野獣のような声も出すし、生理的にはダイナミックにして、横断的と言いたくなる動的感覚を持っていたのは間違いない。なお、今回のソーサの格好は赤主体のローブ系衣服、サンタクロースみたいだった。

 ソーサは時に左手は電気キーボードを弾き、また少しプリセット音もかます。少し電気効果を用いるという事では、トランペットやトランペットより大きなレトロな面構えの楽器(コルネットとも少し違うように思えた)手にするフレスも同じ。しかし、マイルス・デイヴィスを思わせる叙情的演奏から早いパッセージの連続演奏まで、いろなジャズ巨人の演奏や奏法ををモノにしてつつ、悠々マイルドに自分を出して行く様はかなりの実力者。米国人だったら、もっともっと著名になっている人だろう。

 そして、後半の2曲(と、アンコール曲)で、現在はNY居住者だそうなタップ・ダンサーの熊谷和徳(2010年9月3日、2012年5月14日)が加わり、起伏を与える。彼、ジャケット、シャツと脱いで行って、最後は黒色のTシャツで踊っていたのがおかしかった。

▶過去の、ソーサ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-8.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-7.htm
http://43142.diarynote.jp/200408021925240000/
http://43142.diarynote.jp/200510030021170000/
http://43142.diarynote.jp/200611020835550000/
http://43142.diarynote.jp/200803201207150000/
http://43142.diarynote.jp/200905131200576485/
http://43142.diarynote.jp/201008251432447574/
http://43142.diarynote.jp/201309201840164499/
▶過去の、熊谷
http://43142.diarynote.jp/?day=20100903
http://43142.diarynote.jp/?day=20120514
▶過去の、モレレンバウム
http://43142.diarynote.jp/200506021846130000/
http://43142.diarynote.jp/200507281000160000/
http://43142.diarynote.jp/200808221741070000/
▶過去の、ア・フィレッタ
http://43142.diarynote.jp/201008270912512078/
http://43142.diarynote.jp/201009151537076176/


<今日の、初めて>
 本編最後の曲だったか、トランペッターが延々とノー・ブレスで吹き続けたのにはびっくり。循環奏法と言うものと思われるが、サックス奏者が稀に見せる奏法で(と、ぼくは思っていた)、トランペッターがするのには初めて触れる。正確な唇のあてとより大きな肺活量を必要とされるはずだが、フレスはなんなく安定した楽器音を提出。うひゃあ。