3連休の最後の日、昼下がりに、昨年のゴールデンウィークにフランス人の知人からもらった自作プリントのTシャツ人を着て、渋谷のNHKの先に。昔、草サッカーをやっていたときに、ここのグラウンドで試合をしたりもしたなあ。すぐにバテバテになりつつ、遠い目。人がいっぱい、陽光もいっぱい。ぼくがコドモで親に連れてこられたら、やっぱドキドキし、世界が広がったような気持ちになっちゃうんじゃないか。

 二息入れて、渋谷・デュオへ行って、生粋ニューヨーカーの優男シンガー・ソングライター(2011年8月6日、他)を見る。その頃には疲労と酔いで、けっこうヘロっていたりして。客演者としてポート・オブ・ノーツとおおはた雄一(2011年5月21日、他)という、ハリスにプロデュースしてもらった経験を持つ日本人アクトの名が出されている出し物。それを見て、ゲスト陣が最初に出てきてパフォーマンスし、それからジェシー・ハリス・バンドが登場するのかと思ったら………最初からハリスたちが出て来て、その途中に日本人たちが加わると言う設定がとられていた。さすが、一緒にレコーディングしたり、実演をシェア(2007年3月11日、2009年3月31日、2009年4月4日)したりしている間柄。もちろん、そのほうがずっといい。

 ハリスの新作『サブ・ローサ』はブラジル録音のアルバム。もともとブラジルは大好きで訪日以上の回数を渡っている彼ゆえ、そして、今回もそうだが在NYブラジル人のギレーミ・モンテーロ(2010年10月10日、他。けっこう、NYのジャズ/セッション界隈で需要アリ。2009年にはリーダー作も出している)をバンドにずっと擁していることもあり、それについてはなんら驚きはないが、これが演奏者や歌手らいろんなブラジル人逸材が入っていて(それ、おおくはプロデューサーのダヂのおかげらしい)、ほう。で、仕上がりは毎度のハリス作と同様の暖簾に腕押し的なまったり味が横溢していて、なるほど。←それを、本人に伝えるとどんなもんだい的に笑顔。それは、存分に留意したことであったよう。その質疑応答はラティーナ誌に書く予定。ドラマーは今作の共同プロデューサーを勤めている長年の友人(ハリスが90年代中期に組んでいたワンス・ブルー時代から付き合いあり)のビル・ドブロウだ。

 無理なく、和気あいあい、さりげなさのなかから、ちょっとしたワクワクや滋味がこぼれ出る。彼らは今回かなり地方も回ったが、それを面々は楽しんでいるよう。人々とのふれ合いも食べ物も土地の空気も。オレなんかより、ずっと日本のいろんな土地に行っていたりして。あちゃー。

 その後、知人と飲食したあと、近くのバー・イッシーに。建物の入り口に行くと、4階のお店から漏れるドラム音がすでに聞こえる(笑い)。この晩の出演者は、ドラマーの本田珠也(2011年5月5日、他)とギターの酒井泰三。近藤等則(2007年1月8日、他)のIMAバンドで広く名を知られるようになった酒井はジミ・ヘンドリックス系演奏を主に繰り広げ、ジャズ界最高峰のパワー・ドラマーである本田は思うままプッシュ。くぅっ。後半しか聞けなかったが、音がデカくて耳が死んだ?


<今日の、情報>
 この前、ジューサ(2012 年6月27日、他)のサポートで来ていたアルゼンチン人ドラマーは女性ヴォーカリストを擁する、バルベ・トリオ(Valbe Trio)という自己プロジェクトをも持っている。その音は、以下の所で聞ける。
http://www.soundcloud.com/valbetrio
 我々がアルゼンチンンの今のポップ・ミュージックに期待するところの、<ハイセンスでちょっとストレンジな、風の吹いている、ときにジャジーでもある手作りポップ>という路線をずっぽりはまっていて、こりゃ良い。彼、日本でCD出す事を切望しています。