サム・ムーア

2010年12月15日 音楽
 朝、目が覚めたら、異様に肩が重い。あれれ、昨日はそんなに飲んだはずではないのに。午前中はこんなこともあるサと机に向かっていたが、鼻水や咳も出てきて、風邪をひいたんだと了解。肩の重さは熱ゆえかと思うと、うー腰も重いぞ。午後は横になってテレビを見たり&惰眠をむさぼったり。ち、風邪ひいちゃった。夕方に忘年会行きをあきらめ、サム“ソウル・マン”ムーア(2006年11月14日、2008年8月31日)のセカンド・ショウをさらりと見るために、21時少し前に南青山・ブルーノート東京に向かう。行きがけに買った風邪薬を会場で、ロンドン・プライドで流し込む。

 毎度の音楽ディレクターも兼ねるベーシスト、ギタリスト、キーボード奏者、ドラマー、打楽器奏者に3人の女性ヴォーカル、さらに4人のホーン隊(うち、二人はこっちで雇った日本人のよう。問題なく重なる)。例によって、ドラマー以外は肌の白い人達が脇を固める。

 やっぱ、情と重量感のあるソウルは管音がなくっちゃねと思わせるサウンドのもと、印象的な甲高い歌声を悠々と乗せる。御大、少し痩せたかな? 彼のライヴに接して思うのは、他のソウル巨人の当たり曲をいろいろ歌ったりと、レパートリーにけっこう広がりを持たせていること。こっちとしてはサム&デイヴの珠玉の持ち歌だけでまとめてもらっても何ら問題はないんだが、彼はそうはしない。だが今回、そのショウに接しつつ、サム&デイヴのサムでは当然あるものの、それを経ての普遍的なソウル歌手なのだという意識を彼は持っているのではないか、とも感ずる。60年代のサム&デイヴはあのオーティス・レディングが共演を嫌がったと言われるほど、全身ゴム毬と化したダイナミックな動き込みの魅力であったわけで、だいぶ老い&成熟した今、あのころとは一線を画したいという気持ちを本人が持ったとしても不思議はないだろう。

 1時間半ぐらいのショウ。一瞬かえりかけたあとスタッフから耳打ちを受け、ムーアとコーラス陣はステージに戻ってきて、忌野清志郎の家族へ捧げて「ユー・アー・ソー・ビューティフル」を歌う。そりゃ、じいーんとこないわけがありませんね。

 問題なく、良かった。というわけで、元気な時と同様に流れちゃう。食欲はあまりないが、飲欲はそんなには衰えていない。酒は風邪を直すかを実験したくなってしまった。さあ、翌日の私の運命は……?