渋谷・クラブクアトロ。お、場内の後ろの方が少し改築され(照明卓が下におろされた)、客がいることができるスペースが減じている。主役登場の前に、スクール・フード・パニッシュメントという女性ヴォーカルを中央に置く日本人バンドがパフォーム。曲調には違和感を覚えるものの、なにげに感心。若いバンドだろうけど、みんな達者で。とくに、キーボード奏者はかなり優秀だな。ヴォーカルも良く聞こえた(1曲はけっこうビュークを思い出させる歌い方をした)し、確かさを彼らはちゃんと持っていた。ときに外タレ公演に来てふいに日本人前座実演に触れてしまい悲しい気分になるときがあるが、今回イヤな感じは全然、それはけっこういたカナダ人の聞き手もそうだったのではないか。

 そして、ブロークン・ソーシャル・シーン(2008年3月7日)との関わりも持つ、やはり女性ヴォーカルを前に出すカナダの4人組のメトリック(2009年7月8日)が出てくる。ときにキーボードを弾きながら歌うエミリー嬢はステージ下でファンを回しているようで、ちょうどステージの真ん中に立ったときは風が当たっていい女ふうにブロンドの髪がふわああっとはねてなびく。それ、笑えました。やっているのは、甘さは排するが粗雑さを持つギター・ロック。先に出たバンドがああだったため、下手に聞こえるんじゃないかと危惧したが、そこはそれなりのキャリアを持つだけあって、これが私たちの流儀なのよと悠然と、態度デカくかましていく様には両者を比較しようなんてキブンは入りませんでした。途中で退出。

 次は、渋谷・アックス。日本人の男女デュオ(2008年11月9日)の単独公演を途中から見る。満員で支持者が多いんだな。電気ベースとマンドリンその他を弾く二人のサポート奏者がついてのもの。わきあいあい、ゆらりゆらり、すうっと流れるところもあるし、キラキラしているとこもある。とってもあっさり自然体なのに、なんか意味ありげなところもある。聞き手によって、いろんな感想をもてるし、その所感の変化を楽しむ事ができるユニットであるという印象を新たにした。

 深夜(3時ぐらいだったかな)、飲みを終えてタクシーに乗る際にかなりの降雨。降車時、いつも以上にきっちり建物入り口横に付けてもらう。戦後有数の本州直撃の台風てな感じで夕方のニュースはいろいろと報じていたが、そういう情報があまり気にならない(興味引かれる部分はあるが)ぼくはこれまでそういう災害にあっていない幸せモノなのだろう。そういえば、地震の対策とかも一切していない。ま、なんとかなるサ。凄い風の音でかるく目をさましたりもしたが、ちゃんと起きたときには台風は通り過ぎていて、とっても晴天。ほんわか。