品川・ステラボウル。九州のNPO組織がいろんな助成を得て開くスペイ
ン語アーティストが出る公演。昼間はスペインのマジョルカ島とアルゼンチ
ンの人たちが出て、夜のほうはコロンビアとメキシコの担い手が登場。直前
にWOMEXに行ってなかったら両方見たろうけど、渡西疲れもあり、夜の
ほうだけを見る。

最初に出て来たのはカバスという、本国ではアイドル人気も得ていそうな
シンガー。同じコロンビアであるせいか、フアネス(2006年11月9日)の行
き方に少し重なる部分はあるかな。77年生まれの彼はキーボードを前に歌う
が、ほとんど弾かずにマイクを持って歌う。一応鍵盤を弾きながら歌った曲
の最後はスティーヴィ・ワンダーの有名曲(曲名失念。70年代初頭の三部作
内の曲)のさわりを挿入。ギタリストはもろにロッカーふう。

 その後、メキシコの超ビッグ・グループにして、妙にロック心に触れると
ころを持つ、理屈ではなく感性に訴える変テコ・バンドのカフェ・タクーバ
。まさか、日本で知名度のない彼らが見れるとは。感無量。40歳すぎだろう
メンバーはちょうい変な髪形をしてたりして、これはメキシコのスプリット
・エンズ(70年代に活躍した、ニュージーランド出身のひねくれ玉手箱ポッ
プ・ロック・バンド。メンバーだったティム・フィンは後にクラウデッド・
ハウスを組む。それも悪いバンドでは当然ないが、スプリット・エンズのも
っていた魔法の10分の1もひきつげなかったとぼくは感じる)と、思ったり
も。関係ないけど、10cc/ゴドリー& クリーム好きのぼくはスプリット・エ
ンズが大好きでした。

甘ったれた声が特徴のヴォーカル君だけかなり小柄で、他のメンバーはメ
キやんとしては身長が高いという話を聞いたが、ステージに出てきた5人を
見てなるほど。ドラマーは一応、サポート・メンバーとなるのかな。ドラマ
ー以外が横一線に並び、お茶目にフリをつけたりしたときもあった。なんで
も、彼らは総勢18人でやってきたという。

 音だけを取ると、ぶっちゃけちゃらいところも。キーボードは優秀(とい
いつつ、プリセット音も併用するので、少し判断が難しい)でメキシコのガ
ース・ハドソン(ザ・バンド)かと思わせるところも。ただし、ヴォーカリ
ストのルーベン・アルバーランのシンセ・インスト主体のリーダー作(Sizu
Yantra 名義)を聞くと、サウンドの味つけも彼の意向が一番入っているの
かとも思わせられるが。ぼくは彼らのアルバム諸作を聞いて大ファンになっ
ちゃっているので感慨深く見れたが、なんの予備知識もなくこのパフォーマ
ンスに触れたなら駄目印を出すかもと、ふと冷静に思うぼくもいた。でも、
ライヴが見る機会があるなら、ぼくは彼らをまた絶対見る。きっと何度だっ
て。