ロシア生まれ、ガキの頃からジャズ・ピアノの才をあらわし、10歳から米
国カンサス・シティに引っ越して、達者ぶりをアピールしてきているピアニ
スト。現在は19歳で、ソニー・ミュージック所属となっている。普段やって
いる人たちらしいリズム体とともに、トリオ編成にて。二部構成で、2時間
弱ぐらいやったか。アンコールはソロ・ピアノにて。

 驚愕するほどではないが、よく指が動き、しっかり腕がたつ人。左右の手
の絡みでグルーヴを生む人ではないが、白人だし、ジャズ・ピアノの妙味は
それだけではないしナとも思わせる人。ちゃんと、お金を取っていい人。1
曲目はスリリングにリズム設定も変わっていくオリジナルで、それはワーキ
ング・グループでやるのっていいナと思わせる。オリジナルと他人曲(ホビ
ー・ティモンズやコール・ポーター他)は半々ぐらいづつ。笑ったのは、一
応オリジナルとなっていた「ウォーターメロン・アイランド」という曲。こ
れ、「ウォーターメロン・マン」と「カンタロープ・アンランド」、似たモ
チーフを持つハービー・ハンコックの2曲をくっつけちゃったような曲なん
だもの。あははは、でした。

 草月ホール。相変わらず、ときにホールの横を通る地下鉄の音が漏れてく
る。銀座線は大昔からあるので、半蔵門線が新たに出来て響くようになった
のかなと思ったら、事情通の人に言うには、今のホールは二代目だそうで、
初代のときも地下鉄の音が聞こえたとか。なんか、乱暴な話にふふとなる、
いい加減で、意地悪なワタシであった。