ザ・ウェイト・バンド・ウィズ・ポール・バレル&フレッド・タケット。東京ジャズ
2019年8月31日 音楽 まず、六本木・ビルボードライヴ東京(ファースト・ショウ)で、渋〜い滋味アメリカン・ロックの抗しがたい襞に触れる。え〜ん、うれしかったよー。
<リトル・フィート1969〜2019年、結成50周年>を意味する絵が背後のヴィジョンに映し出されるなか、オリジナル・メンバーのポール・バレル(1948年生まれ。2000年12月8日、2012年5月22日)と『ディシー・チキン』などのレコーディングには入っていたものの、ロウエル・ジョージ死後に正式メンバーになったフレッド・タケット(1945生まれ。2000年12月8日、2012年5月22日)の2人が登場。おお、バレルはぱっと見、過去の印象と離れる。彼、エレクトリック・ギターにしろアコースティック・ギターを手にした場合にせよ、右手小指にはスライド・バーをはめたままで演奏する。2人の特徴的なギターの絡みで始まったのは、「ダウン・オン・ザ・ファーム」だったけ(もう、忘れている)?。次はフレッド・タケットがリード・ヴォーカルをとる曲だったが、彼が正式メンバーになってからの曲? 3つめはタケットがバンジョー、バレルが生ギターに持ち替え、そこにザ・ウェイト・バンドのブライアン・ミッチェルがアコーディンオンで加わり、「セイリン・シューズ」をほんわか披露。それ、ザ・バンド的なヴァージョンと説明できるかも。そして、次はザ・ウェイト・バンド全員が入って、みんなのコーラスも効いた「ウィーリン」をやる。バレルは終始座ってパフォーマンスし、少しヤレたなあと思わせもするが、この2人だけで来ても、ぼくは見に行く!
その2人の蓄積を確認すると、鍵盤のビル・ペインも一緒に来て欲しかったという気持ちも出てきてしまうが、ホンキー・トンクな弾き方も得意なくせにかつてオリジナル・リトル・フィート後期にウェザー・リポート的風情を持ち込んだこともあった彼、近年もトト(2011年9月27日)やザ・ドゥービー・ブラザースのアルバムに名が見られたりもするが、2000年代を回ってからの自己作は前衛ジャズ/現代音楽ともつながるピアノを弾くイントゥメンタルの内容で、今過去の“黄金”には興味がないのかもしれない。まあ、それもまた怪物バンドのメンバーらしいかな。
バレルとタケットは下がり、その後はザ・ウェイト・バンドの巻。背後映像も、そのロゴに代わる。再結成ザ・バンドに参画していたギターとマンドリンのジム・ワイダーをはじめ、キーボードやオルガンのブライアン・ミッチェル(やはりこちらでもアコーディオンを弾く曲も)とマット・ザイナー(チャック・リーヴェルのところで弾いていて、新たに入ったと紹介されていたか) 、ベースのアルバート・ロジャース 、ドラムとハーモニカのマイケル・ブラム の5人によるパフォーマンス。彼らはNY州ウッドストック周辺のミュージシャンで、ザ・バンドの故リヴォン・ヘルムのバンドがらみの人であるよう。
ザ・ウェイト・バンドとして昨年アルバムを出しツアーもしている彼ら、なるほどまとまっている。1発めはビートの効いた「レグ・ママ・レグ」。リード・シンガーはドラマーが取り、オリジナルは確かリヴァオン・ヘルムがドラムを叩きながら歌っているはずとの記憶が出てきて、それだけでじわーんと高揚しちゃう。実は面々、曲ごとにリード・シンガーが変わり、コーラスはみんなで対処。それ、まったくザ・バンド様式じゃないか! ザ・バンドのように楽器の持ち替えはしなかった(鍵盤の2人は、キーボードとオルガンをしょっちゅう交換し合う)が、5人編成で、ギター1、鍵盤2、ベース、ドラムという基本のかたちもザ・バンドにならっていたとも言えるのか。ザ・バンドはツイン・ドラムになるときもあったけど。
新譜からの曲(や、ロバートソン抜きになってからの曲)もやったが、「アップ・オン・クリップル・クリーク」、「オフィーリア」や「ザ・ナイト・ゼイ・ドローヴ・オールド・ディキシー・ダウン」らオリジナル期の曲ももちろん披露する。
そして、アンコールは再びバレルとタケットも出てきて、最初はフィートの「ディキシー・チキン」(歌はバレル)。その後の、2曲は「ウェイト」と「アイ・シャル・ビー・リリースト」というザ・バンド・ファンにはトップ級に愛されるだろう曲を連発(ぼくは、もっと好きな曲が他にあるけど)。「ウェイト」は順にリード・ヴォーカルを取る人が変わる曲だが、最初に歌ったのはバレルだった。ともあれ、また来ないかな。会場は盛況だったが、この手の大人の渋い米国ロックの愛好者はみんな笑顔になれると思う。
▶過去の、リトル・フィート/バレルとタケット
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-12.htm
http://43142.diarynote.jp/201205301327209613/
▶︎過去の、ケニー・グラッドニー
https://43142.diarynote.jp/201605250715068712/
▶︎過去の、ロウエルの娘のイナラ
https://43142.diarynote.jp/200704300158440000/
▶過去の、トト
http://43142.diarynote.jp/201109300923303323/
▶︎過去の、ザ・バンド関連記載
https://43142.diarynote.jp/200410121003440000 リヴォンの娘のエイミーが参加していたオラベル
https://43142.diarynote.jp/201204221307297965/ リヴォン・ヘルム訃報
https://43142.diarynote.jp/201308110826574632/ ガース・ハドソン
その後は、渋谷・NHKホールで、東京ジャズの夜の部を見る。
*アヴィシャイ・コーエン・トリオ
イスラエル人ダブル・ベーシストのアヴィシャイ・コーエン(2006年5月17日、2014年1月21日、2015年5月14日、2017年10月18日、2018年8月26日、2019年3月1日)、アゼルバイジャン人ピアニストのエルチン・シリノフ(2018年8月26日、2019年3月1日)、米国人ドラマーのマーク・ジュリアナ(2006年5月17日、2015年3月13日、2016年1月4日、2017年2月2日、2017年9月20日、2018年5月16日、2019年7月24日)というトリオ。コーエンの2019年新作『Arvoles』(Razdaz / Sunnyside )は彼の今年3月のブルーノート東京公演の顔ぶれで録音されていたので、ジュリアナの参加は東京ジャズ向けスペシャル参加なのだろうか。2000年代初頭から最低5年間、ジュリアナはコーエンのコンボに在籍。それで、ジュリアナは業界知名度を上げたという経緯がある。
やはり清新、美意識と技と自分たちなりのものを作りたいという創造性が綱引きする、見事な現代ジャズ・ピアノ表現を悠々と紐解く。接していて、自然に身体が揺れちゃうよなあ。あと各楽器音がちゃんとPAから出されていて、それも良かった。
▶過去の、アヴィシャイ・コーエン(ベーシスト)
http://43142.diarynote.jp/200605190943240000/
http://43142.diarynote.jp/201401221432209419/
http://43142.diarynote.jp/201505150911423384/
http://43142.diarynote.jp/201710201214346567/
https://43142.diarynote.jp/201808290950074198/
https://43142.diarynote.jp/201903020820402976/
https://43142.diarynote.jp/201903020820402976/
▶︎過去の、エリチン・シリノフ
https://43142.diarynote.jp/201808290950074198/
▶過去の、マーク・ジュリアナ
http://43142.diarynote.jp/200605190943240000/
http://43142.diarynote.jp/201503150906115048/
http://43142.diarynote.jp/?month=201601
http://43142.diarynote.jp/201702081152242280/
http://43142.diarynote.jp/201709240954004876/
https://43142.diarynote.jp/201805201310351671/
https://43142.diarynote.jp/201907250901144536/
*チック・コリア・アコースティック・バンド
アコースティック・バンドはチック・コリア(2006年9月3日、2007年10月1日、2016年9月16日、2017年9月2日)が当時組んでいたエレクトリック・バンドのリズム・セクションと1989年に組んだピアノ・トリオ。アコースティック・ベースのジョン・パティトゥッチ(2001年8月3日、2002年8月25日、2004年2月9日、2006年9月3日、2012年6月13日、2014年2月12日、2014年4月14日、2015年5月27日、2015年9月6日、2016年5月18日、2018年5月22日、2019年8月6日)とデイヴ・ウェックル(2009年6月18日、2010年6月6日、2012年6月13日、2016年3月29日)がそのリズム・セクションだ。
冒頭と最後は、コリアがピアノでフレイズを弾き、それを観客にも歌わせる。そういう砕けた働きかけが、本当に彼はうまい。ぼくはアヴィシャイ・コーエンの演奏のほうに引っ張られたが、当然こっちのほうが受けていた。確かにこちらも旧来のピアノ・トリオ表現に陥らないようにしようという工夫が見られるのだが、コーエン・トリオと比較すると、やはりコンサバなピアノ・トリオ表現と思わずにはいられない部分がある。それと、ウェックルの何も間違ったことをしていないし、旧4ビートの叩き方からも少し離れるドラミングがなんか古臭いものに、ぼくの耳には感じられて仕方がなかった。途中まではジャズ有名曲をけっこう演奏、演目にもいろいろ気遣っていた感はあり。なお、そのアコースティック・バンドの後、1990年代後半ににコリアが組んだアコースティックなワーキング・ジャズ・コンボがオリジンで、そこに抜擢されたのが当時はまだ無名だったアヴィシャイ・コーエン。それで、彼は一躍注目を浴び、リーダー作を出すようになった。そんなオリジン期の曲もやったか。
▶過去の、チック・コリア
http://43142.diarynote.jp/?day=20060903
http://43142.diarynote.jp/200710121726160000/
http://43142.diarynote.jp/201609201820427313/
https://43142.diarynote.jp/201709101059289712/
▶過去の、ジョン・パティトゥッチ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-8.htm 2001年8月3日
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/framepagelive.htm 2002年8月25日
http://43142.diarynote.jp/200402091738240000/
http://43142.diarynote.jp/200609070211000000
http://43142.diarynote.jp/201206141343402196/
http://43142.diarynote.jp/201402140843255048/
http://43142.diarynote.jp/201404161959228005/
http://43142.diarynote.jp/201505281537538677/
http://43142.diarynote.jp/201509220833541918/
http://43142.diarynote.jp/201605240831421865/
https://43142.diarynote.jp/201805230726481296/
https://43142.diarynote.jp/201908071557182844/
▶過去の、デイヴ・ウェックル
http://43142.diarynote.jp/?day=20090618
http://43142.diarynote.jp/201006071818281946/
http://43142.diarynote.jp/?day=20120613
http://43142.diarynote.jp/?day=20160329
<今日の、野外ステージ>
本会場のNHK ホールと近くの野外ステージは行き来自由。チック・コリアが始まる前に、野外ステージを覗く。すると、ルクセンブグから来たジェフ・エール・コーポレーションというトリオが演奏中。テナー・サックスにリズム隊がつくワン・ホーン編成で、剛毅かつ生理的にぶっきらぼうで、どこか現代性を持つアコースティック・ジャズを堂々演奏していた。
<リトル・フィート1969〜2019年、結成50周年>を意味する絵が背後のヴィジョンに映し出されるなか、オリジナル・メンバーのポール・バレル(1948年生まれ。2000年12月8日、2012年5月22日)と『ディシー・チキン』などのレコーディングには入っていたものの、ロウエル・ジョージ死後に正式メンバーになったフレッド・タケット(1945生まれ。2000年12月8日、2012年5月22日)の2人が登場。おお、バレルはぱっと見、過去の印象と離れる。彼、エレクトリック・ギターにしろアコースティック・ギターを手にした場合にせよ、右手小指にはスライド・バーをはめたままで演奏する。2人の特徴的なギターの絡みで始まったのは、「ダウン・オン・ザ・ファーム」だったけ(もう、忘れている)?。次はフレッド・タケットがリード・ヴォーカルをとる曲だったが、彼が正式メンバーになってからの曲? 3つめはタケットがバンジョー、バレルが生ギターに持ち替え、そこにザ・ウェイト・バンドのブライアン・ミッチェルがアコーディンオンで加わり、「セイリン・シューズ」をほんわか披露。それ、ザ・バンド的なヴァージョンと説明できるかも。そして、次はザ・ウェイト・バンド全員が入って、みんなのコーラスも効いた「ウィーリン」をやる。バレルは終始座ってパフォーマンスし、少しヤレたなあと思わせもするが、この2人だけで来ても、ぼくは見に行く!
その2人の蓄積を確認すると、鍵盤のビル・ペインも一緒に来て欲しかったという気持ちも出てきてしまうが、ホンキー・トンクな弾き方も得意なくせにかつてオリジナル・リトル・フィート後期にウェザー・リポート的風情を持ち込んだこともあった彼、近年もトト(2011年9月27日)やザ・ドゥービー・ブラザースのアルバムに名が見られたりもするが、2000年代を回ってからの自己作は前衛ジャズ/現代音楽ともつながるピアノを弾くイントゥメンタルの内容で、今過去の“黄金”には興味がないのかもしれない。まあ、それもまた怪物バンドのメンバーらしいかな。
バレルとタケットは下がり、その後はザ・ウェイト・バンドの巻。背後映像も、そのロゴに代わる。再結成ザ・バンドに参画していたギターとマンドリンのジム・ワイダーをはじめ、キーボードやオルガンのブライアン・ミッチェル(やはりこちらでもアコーディオンを弾く曲も)とマット・ザイナー(チャック・リーヴェルのところで弾いていて、新たに入ったと紹介されていたか) 、ベースのアルバート・ロジャース 、ドラムとハーモニカのマイケル・ブラム の5人によるパフォーマンス。彼らはNY州ウッドストック周辺のミュージシャンで、ザ・バンドの故リヴォン・ヘルムのバンドがらみの人であるよう。
ザ・ウェイト・バンドとして昨年アルバムを出しツアーもしている彼ら、なるほどまとまっている。1発めはビートの効いた「レグ・ママ・レグ」。リード・シンガーはドラマーが取り、オリジナルは確かリヴァオン・ヘルムがドラムを叩きながら歌っているはずとの記憶が出てきて、それだけでじわーんと高揚しちゃう。実は面々、曲ごとにリード・シンガーが変わり、コーラスはみんなで対処。それ、まったくザ・バンド様式じゃないか! ザ・バンドのように楽器の持ち替えはしなかった(鍵盤の2人は、キーボードとオルガンをしょっちゅう交換し合う)が、5人編成で、ギター1、鍵盤2、ベース、ドラムという基本のかたちもザ・バンドにならっていたとも言えるのか。ザ・バンドはツイン・ドラムになるときもあったけど。
新譜からの曲(や、ロバートソン抜きになってからの曲)もやったが、「アップ・オン・クリップル・クリーク」、「オフィーリア」や「ザ・ナイト・ゼイ・ドローヴ・オールド・ディキシー・ダウン」らオリジナル期の曲ももちろん披露する。
そして、アンコールは再びバレルとタケットも出てきて、最初はフィートの「ディキシー・チキン」(歌はバレル)。その後の、2曲は「ウェイト」と「アイ・シャル・ビー・リリースト」というザ・バンド・ファンにはトップ級に愛されるだろう曲を連発(ぼくは、もっと好きな曲が他にあるけど)。「ウェイト」は順にリード・ヴォーカルを取る人が変わる曲だが、最初に歌ったのはバレルだった。ともあれ、また来ないかな。会場は盛況だったが、この手の大人の渋い米国ロックの愛好者はみんな笑顔になれると思う。
▶過去の、リトル・フィート/バレルとタケット
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-12.htm
http://43142.diarynote.jp/201205301327209613/
▶︎過去の、ケニー・グラッドニー
https://43142.diarynote.jp/201605250715068712/
▶︎過去の、ロウエルの娘のイナラ
https://43142.diarynote.jp/200704300158440000/
▶過去の、トト
http://43142.diarynote.jp/201109300923303323/
▶︎過去の、ザ・バンド関連記載
https://43142.diarynote.jp/200410121003440000 リヴォンの娘のエイミーが参加していたオラベル
https://43142.diarynote.jp/201204221307297965/ リヴォン・ヘルム訃報
https://43142.diarynote.jp/201308110826574632/ ガース・ハドソン
その後は、渋谷・NHKホールで、東京ジャズの夜の部を見る。
*アヴィシャイ・コーエン・トリオ
イスラエル人ダブル・ベーシストのアヴィシャイ・コーエン(2006年5月17日、2014年1月21日、2015年5月14日、2017年10月18日、2018年8月26日、2019年3月1日)、アゼルバイジャン人ピアニストのエルチン・シリノフ(2018年8月26日、2019年3月1日)、米国人ドラマーのマーク・ジュリアナ(2006年5月17日、2015年3月13日、2016年1月4日、2017年2月2日、2017年9月20日、2018年5月16日、2019年7月24日)というトリオ。コーエンの2019年新作『Arvoles』(Razdaz / Sunnyside )は彼の今年3月のブルーノート東京公演の顔ぶれで録音されていたので、ジュリアナの参加は東京ジャズ向けスペシャル参加なのだろうか。2000年代初頭から最低5年間、ジュリアナはコーエンのコンボに在籍。それで、ジュリアナは業界知名度を上げたという経緯がある。
やはり清新、美意識と技と自分たちなりのものを作りたいという創造性が綱引きする、見事な現代ジャズ・ピアノ表現を悠々と紐解く。接していて、自然に身体が揺れちゃうよなあ。あと各楽器音がちゃんとPAから出されていて、それも良かった。
▶過去の、アヴィシャイ・コーエン(ベーシスト)
http://43142.diarynote.jp/200605190943240000/
http://43142.diarynote.jp/201401221432209419/
http://43142.diarynote.jp/201505150911423384/
http://43142.diarynote.jp/201710201214346567/
https://43142.diarynote.jp/201808290950074198/
https://43142.diarynote.jp/201903020820402976/
https://43142.diarynote.jp/201903020820402976/
▶︎過去の、エリチン・シリノフ
https://43142.diarynote.jp/201808290950074198/
▶過去の、マーク・ジュリアナ
http://43142.diarynote.jp/200605190943240000/
http://43142.diarynote.jp/201503150906115048/
http://43142.diarynote.jp/?month=201601
http://43142.diarynote.jp/201702081152242280/
http://43142.diarynote.jp/201709240954004876/
https://43142.diarynote.jp/201805201310351671/
https://43142.diarynote.jp/201907250901144536/
*チック・コリア・アコースティック・バンド
アコースティック・バンドはチック・コリア(2006年9月3日、2007年10月1日、2016年9月16日、2017年9月2日)が当時組んでいたエレクトリック・バンドのリズム・セクションと1989年に組んだピアノ・トリオ。アコースティック・ベースのジョン・パティトゥッチ(2001年8月3日、2002年8月25日、2004年2月9日、2006年9月3日、2012年6月13日、2014年2月12日、2014年4月14日、2015年5月27日、2015年9月6日、2016年5月18日、2018年5月22日、2019年8月6日)とデイヴ・ウェックル(2009年6月18日、2010年6月6日、2012年6月13日、2016年3月29日)がそのリズム・セクションだ。
冒頭と最後は、コリアがピアノでフレイズを弾き、それを観客にも歌わせる。そういう砕けた働きかけが、本当に彼はうまい。ぼくはアヴィシャイ・コーエンの演奏のほうに引っ張られたが、当然こっちのほうが受けていた。確かにこちらも旧来のピアノ・トリオ表現に陥らないようにしようという工夫が見られるのだが、コーエン・トリオと比較すると、やはりコンサバなピアノ・トリオ表現と思わずにはいられない部分がある。それと、ウェックルの何も間違ったことをしていないし、旧4ビートの叩き方からも少し離れるドラミングがなんか古臭いものに、ぼくの耳には感じられて仕方がなかった。途中まではジャズ有名曲をけっこう演奏、演目にもいろいろ気遣っていた感はあり。なお、そのアコースティック・バンドの後、1990年代後半ににコリアが組んだアコースティックなワーキング・ジャズ・コンボがオリジンで、そこに抜擢されたのが当時はまだ無名だったアヴィシャイ・コーエン。それで、彼は一躍注目を浴び、リーダー作を出すようになった。そんなオリジン期の曲もやったか。
▶過去の、チック・コリア
http://43142.diarynote.jp/?day=20060903
http://43142.diarynote.jp/200710121726160000/
http://43142.diarynote.jp/201609201820427313/
https://43142.diarynote.jp/201709101059289712/
▶過去の、ジョン・パティトゥッチ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2001-8.htm 2001年8月3日
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/framepagelive.htm 2002年8月25日
http://43142.diarynote.jp/200402091738240000/
http://43142.diarynote.jp/200609070211000000
http://43142.diarynote.jp/201206141343402196/
http://43142.diarynote.jp/201402140843255048/
http://43142.diarynote.jp/201404161959228005/
http://43142.diarynote.jp/201505281537538677/
http://43142.diarynote.jp/201509220833541918/
http://43142.diarynote.jp/201605240831421865/
https://43142.diarynote.jp/201805230726481296/
https://43142.diarynote.jp/201908071557182844/
▶過去の、デイヴ・ウェックル
http://43142.diarynote.jp/?day=20090618
http://43142.diarynote.jp/201006071818281946/
http://43142.diarynote.jp/?day=20120613
http://43142.diarynote.jp/?day=20160329
<今日の、野外ステージ>
本会場のNHK ホールと近くの野外ステージは行き来自由。チック・コリアが始まる前に、野外ステージを覗く。すると、ルクセンブグから来たジェフ・エール・コーポレーションというトリオが演奏中。テナー・サックスにリズム隊がつくワン・ホーン編成で、剛毅かつ生理的にぶっきらぼうで、どこか現代性を持つアコースティック・ジャズを堂々演奏していた。