SHIBUYA SHAWCASE FEST 2018
2018年9月28日 音楽 昨年(http://43142.diarynote.jp/201709160841239914/)から始まった、渋谷を舞台とするインターナショナルな音楽フェス。昨年の2日間から3日間にパワー・アップされた。初日の会場は、サラヴァ東京。
+マリーナ・セレステ
妖艶な、キャラ立ちフランス人女性歌手。約15年前に成功を収めたマーク・コリンのヌーヴェル・ヴァーグのメンバーでもあったそうだが、そのときはいくつだったのか。女優としていくつかの映画に出ているという情報も、そのルックスからはうなずけますね。山のようにエフェクターを前に置いたアコースティック・ギターを持つ男性を従えてパフォーマンス。結構プリセットの音も用いるが、ボサノヴァっぽい曲はわりとシンプルにやっていた。一言で言えば、ちょい浮世離れしたところもある広角型の大人ポップとなるのだろうが、まずは彼女のたたずまいやそれとつながる歌唱があるアーティストなり。音楽性に黒っぽい要素はないが、なんか物腰はファンキーなところもある人で、それも魅力的だと思った。
+トーマス・カーボウ
8弦ギター(6弦のレギュラーに、それより下の2弦を足したものを弾いていると見た)を用いるカナダ人ミュージシャン。普段はトリオでやっているようだが、この晩はサンプラーと、2つのPCを並べつつ、ソロによるパフォーマンスを聞かせる。その場で弾いた音をサンプリングしながら、音を重ねていったりもするそれは、普段からこういうスタイルでやっていると言われたら信じそう。つらつらと流れる曲調は叙情的と言えるものが多く、彼はそこに裏声詠唱を加えもする。そんな彼のギグは背後に映像をだしていたが、ビートの効いた曲にはJFKとMLKの演説映像を流しつつ、その音声も前に出すということをしていた。それ、けっこう迫力あったな。
+馬場智章カルテット
NY在住の日本人ジャズ・マンで組まれたJ- SQUADのフロントの一角をなす、まだ20代半ばのテナー・サックス奏者。この晩はワン・ホーンの日本人カルテットでの出演で、ピアノの宮川純(2015年10月15日、2016年8月10日)、ベースの伊藤勇司、ドラムの鈴木宏紀がつく。見た目が若い人たちがアコースティックで、ストレートなジャズにどこか世代感を滲ませつつ邁進する様はやはりいいナ。曲はすべてオリジナルだったはずで、その気概もよし。今、NYで自己リーダー作を作っているようだ。彼、テナーの原点はマイケル・ブレッカー(2000年3月2日、2004年2月13日)。その前はアルトをしていて、ケニー・Gが好きだったそう。
▶︎過去の、宮川純
http://43142.diarynote.jp/?day=20151015
http://43142.diarynote.jp/201608111103309626/
▶過去の、マイケル・ブレッカー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-3.htm
http://43142.diarynote.jp/200402171832080000/
+マドレーヌ&ソロモン
この手のフェスは未知の秀でたアーティストとの出会いにうれCとなるのを期待できるのだが、この晩はこのフランス人デュオがまさしくそうだったな。いや、その超然としたアーティスト性はすごい。そんな二人は『A Woman’s Journey』(Promise Land、2016年)というアルバムを出しているが、それは女性の生き方とも重なるアメリカの曲を取り上げた1作。彼女たちはビリー・ホリデイ、ニーナ・シモン、ジャニス・イアン、マーヴィン・ゲイ、ミニー・リパートンらの曲を実に静謐に、思慮深く開き直していて、ショウでも二人はそこからの曲を披露した。マドレーヌの歌唱はかなりタイムレスで、ちょい芝居っ気もあるかも。いわゆる米国的ソウルネスはほぼ抱えずに、毅然と欧州人としての持ち味を開く。一方、サロモンはちょい弾いただけで、すごい弾き手であると思わせる。僕がすぐに想起したのは、上品で壊れない板橋文夫(2004年8月19日、2004年10日10日、2005年11月15日、2009年1月22日、2016年9月27日)。なんか淡々と弾いていても、悪魔がペロリと舌を出す窓を横に見させるようなところがあり、ぼくはシビれた。1曲は、マレットでピアノの弦を叩くことで伴奏音を出していた。全部英語で歌っていたが、最後はコール・ポーター曲をフランス語で歌った。
▶過去の、板橋文夫
http://43142.diarynote.jp/200408202133070000/
http://43142.diarynote.jp/200410162220330000/
http://43142.diarynote.jp/200511221816310000/
http://43142.diarynote.jp/200901241915537583/
http://43142.diarynote.jp/201610100849458472/
+アラシュカ
最後はDJもの。レユニオン島出身の、フランス系イラン人アーティストなのだが、これは楽しかった。基本PCでビートを流し、彼は歌ったり(何語だったんだろう。ショウが終わって、君がノっていていたのがステージからでも分かりありがとうとねと話しかけられたが、それを聞くのを忘れてしまった)、縦笛(トラッド系の楽器ではないそう)、パッドやシンバルを叩く。そこから湧くエスノ妙味にはニコりとならずにいられるか。最後の20分ぐらいはパリと日本を行き来していた関係で、彼と親交をだいぶ前から持っていたギタリストの前島潔が加わった。
<今日の、会場>
26日には、芝公園・オランダ大使館で本フェスを祝うパーティが持たれ、けっこう出演者が来ていた。会場入りすると、そのさいに挨拶したり談笑したりしたアーティストやレーベル/マネージメント関係者がいて、いろいろと声をかけられる。土曜日にフェスに出るティム・マクミランとレイチェル・スノウはとても人懐こい人たちですでにメールのやりとりもし、途中までは一緒に和気藹々と見る。1番目に出たセレステとは彼女の求めに従い一緒に写真を撮ったのだが、その弾けた写真が公にならないことを祈る。ところで、マデリーン&ソロモンはこの後いくつかの会場でライヴをするが、フェスとツアーを重ねる人たちもいるようだ。馬場も今この陣容でツアー中だ。
+マリーナ・セレステ
妖艶な、キャラ立ちフランス人女性歌手。約15年前に成功を収めたマーク・コリンのヌーヴェル・ヴァーグのメンバーでもあったそうだが、そのときはいくつだったのか。女優としていくつかの映画に出ているという情報も、そのルックスからはうなずけますね。山のようにエフェクターを前に置いたアコースティック・ギターを持つ男性を従えてパフォーマンス。結構プリセットの音も用いるが、ボサノヴァっぽい曲はわりとシンプルにやっていた。一言で言えば、ちょい浮世離れしたところもある広角型の大人ポップとなるのだろうが、まずは彼女のたたずまいやそれとつながる歌唱があるアーティストなり。音楽性に黒っぽい要素はないが、なんか物腰はファンキーなところもある人で、それも魅力的だと思った。
+トーマス・カーボウ
8弦ギター(6弦のレギュラーに、それより下の2弦を足したものを弾いていると見た)を用いるカナダ人ミュージシャン。普段はトリオでやっているようだが、この晩はサンプラーと、2つのPCを並べつつ、ソロによるパフォーマンスを聞かせる。その場で弾いた音をサンプリングしながら、音を重ねていったりもするそれは、普段からこういうスタイルでやっていると言われたら信じそう。つらつらと流れる曲調は叙情的と言えるものが多く、彼はそこに裏声詠唱を加えもする。そんな彼のギグは背後に映像をだしていたが、ビートの効いた曲にはJFKとMLKの演説映像を流しつつ、その音声も前に出すということをしていた。それ、けっこう迫力あったな。
+馬場智章カルテット
NY在住の日本人ジャズ・マンで組まれたJ- SQUADのフロントの一角をなす、まだ20代半ばのテナー・サックス奏者。この晩はワン・ホーンの日本人カルテットでの出演で、ピアノの宮川純(2015年10月15日、2016年8月10日)、ベースの伊藤勇司、ドラムの鈴木宏紀がつく。見た目が若い人たちがアコースティックで、ストレートなジャズにどこか世代感を滲ませつつ邁進する様はやはりいいナ。曲はすべてオリジナルだったはずで、その気概もよし。今、NYで自己リーダー作を作っているようだ。彼、テナーの原点はマイケル・ブレッカー(2000年3月2日、2004年2月13日)。その前はアルトをしていて、ケニー・Gが好きだったそう。
▶︎過去の、宮川純
http://43142.diarynote.jp/?day=20151015
http://43142.diarynote.jp/201608111103309626/
▶過去の、マイケル・ブレッカー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-3.htm
http://43142.diarynote.jp/200402171832080000/
+マドレーヌ&ソロモン
この手のフェスは未知の秀でたアーティストとの出会いにうれCとなるのを期待できるのだが、この晩はこのフランス人デュオがまさしくそうだったな。いや、その超然としたアーティスト性はすごい。そんな二人は『A Woman’s Journey』(Promise Land、2016年)というアルバムを出しているが、それは女性の生き方とも重なるアメリカの曲を取り上げた1作。彼女たちはビリー・ホリデイ、ニーナ・シモン、ジャニス・イアン、マーヴィン・ゲイ、ミニー・リパートンらの曲を実に静謐に、思慮深く開き直していて、ショウでも二人はそこからの曲を披露した。マドレーヌの歌唱はかなりタイムレスで、ちょい芝居っ気もあるかも。いわゆる米国的ソウルネスはほぼ抱えずに、毅然と欧州人としての持ち味を開く。一方、サロモンはちょい弾いただけで、すごい弾き手であると思わせる。僕がすぐに想起したのは、上品で壊れない板橋文夫(2004年8月19日、2004年10日10日、2005年11月15日、2009年1月22日、2016年9月27日)。なんか淡々と弾いていても、悪魔がペロリと舌を出す窓を横に見させるようなところがあり、ぼくはシビれた。1曲は、マレットでピアノの弦を叩くことで伴奏音を出していた。全部英語で歌っていたが、最後はコール・ポーター曲をフランス語で歌った。
▶過去の、板橋文夫
http://43142.diarynote.jp/200408202133070000/
http://43142.diarynote.jp/200410162220330000/
http://43142.diarynote.jp/200511221816310000/
http://43142.diarynote.jp/200901241915537583/
http://43142.diarynote.jp/201610100849458472/
+アラシュカ
最後はDJもの。レユニオン島出身の、フランス系イラン人アーティストなのだが、これは楽しかった。基本PCでビートを流し、彼は歌ったり(何語だったんだろう。ショウが終わって、君がノっていていたのがステージからでも分かりありがとうとねと話しかけられたが、それを聞くのを忘れてしまった)、縦笛(トラッド系の楽器ではないそう)、パッドやシンバルを叩く。そこから湧くエスノ妙味にはニコりとならずにいられるか。最後の20分ぐらいはパリと日本を行き来していた関係で、彼と親交をだいぶ前から持っていたギタリストの前島潔が加わった。
<今日の、会場>
26日には、芝公園・オランダ大使館で本フェスを祝うパーティが持たれ、けっこう出演者が来ていた。会場入りすると、そのさいに挨拶したり談笑したりしたアーティストやレーベル/マネージメント関係者がいて、いろいろと声をかけられる。土曜日にフェスに出るティム・マクミランとレイチェル・スノウはとても人懐こい人たちですでにメールのやりとりもし、途中までは一緒に和気藹々と見る。1番目に出たセレステとは彼女の求めに従い一緒に写真を撮ったのだが、その弾けた写真が公にならないことを祈る。ところで、マデリーン&ソロモンはこの後いくつかの会場でライヴをするが、フェスとツアーを重ねる人たちもいるようだ。馬場も今この陣容でツアー中だ。
SHIBUYA SHAWCASE FEST 2018
2018年9月28日 音楽 2日目の会場は、チェルシー・ホテルとスターラウンジ。東急ハンズの斜向かいのビルの1階と地下にある。
+Rayon-X
フランス人ラッパー/シンガーとDJのユニットで、かなりキャッチーなことをやっていた。MCで曲のたとえととして、ブルーノ・マーズ(2018年4月13日)を出したものもあり。最後のほうで、昨日見たマリーナセレステ付きのギター奏者が加わった。
▶︎過去の、ブルーノ・マーズ
http://43142.diarynote.jp/201804131140254200/
+SHAUIT
カナダのケベック州北東部のマリオトナムの出身で、ネイティヴ・カナディアンであるそう。堂にいったレゲエ・サウンドのもと、朴訥な容姿の彼はまっすぐに歌う。そのポイントはネイティヴ・カナディアンの言葉で歌っている(ような)こと。それ、どこかもう一つのパトワと言いたくなる、レゲエ・ビートとの親和性あり。基本彼はギターを弾きながら歌うが、ボーランみたいな打楽器を叩きながら歌う場合もあった。プリセットの音も控えめに用いるバンドはギター、ベース、ドラム。特に、黒人ドラマーは完璧。ときにダブも噛ませる音作りのもと、十全なリディムを送り出す。スライ・ダンバー(1999年12月6日、2003年7月25日、2009年3月7日、2011年11月4日、2014年10月10日、2018年9月18日)と同じように、彼も小さなシンバルを控えめにセットし、あまり叩いていなかった。
▶過去の、スライ・ダンバー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/december1999live.htm
http://43142.diarynote.jp/200903122225149470/
http://43142.diarynote.jp/?day=20111104
http://43142.diarynote.jp/201410201120545545/
http://43142.diarynote.jp/201809191422205248/
+SHUNGU
フロム・ベルギー。へえ、こんな外しの感覚を持つエレクトロニカの担い手がいるのか。音だしと鍵盤と歌、ギター、パーカッションの3人でパフォーマンスを行う。その、なあなあの虚脱感は妙な魅力あり。途中で2曲、アフリカ系ラッパーも加わった。
+TIGER/SWAN
デンマークのバンド。ヴォーカルに、ギター2、ベース、ドラムという編成で、産業ロックと言いたくなるものを送り出す。だが、出音が的確で、音楽性には疑問をもつものの、確実にこれはありと思ってしまった。ダーティ・ループスみたなのからインエクセスみたないなものまで、ナンパな曲をやる。まだ20代だろう左利きギターとベーシストはかなりルックス良し。米国メジャーが彼らに声をかけても不思議はなく、世界に飛び出せるバンドではないかと感じた。
+L.TEEZ
いかにもDQNな風体のカナダの白人ヒップホッパー(1995年生まれ)だが、けっこうおもしろかった。DJ も何気に力あり。
+AMBIENTE
日本の8人組バンドで、男性ヴォーカル、女性補助ヴォーカル、鍵盤、ギター2、ベース、リード(テナーとソプラノ・サックス)、ドラムという編成でことにあたる。ソウル・ミュージック愛好を根に起きつつ、少しラテンぽいことをやったり、一人のギターがフラメンコぽい弾き方をするなどもする。歌はよく聞こえた。「スタンド・バイ・ミー」などカヴァーも悪びれずやっていた。
+春ねむり
作曲やトラック・メイキングもこなす女性ラッパー(とはいえ、それはけっこう喋り調。言葉数は多い)。三つ編み&ワン・ピースを来た文学少女風のおとなしそうな風体と、ときに繰り出されるヘッド・バンキング的アクションや絶叫ラップの落差は意識的なものだろう。ラップを日本少女的にデフォルメしているということでは、ベイビーメタルのラップ版みたいな捉え方もできるかもしれないと思った。実際、けっこう外国人客に受けていた。途中で、日本人ラッパー4人組も出て来たが、ちゃんとしていた。
+DAYCARE FOR JEDI
デンマークのポップ・パンク・バンドで、歌も演奏もとてもしっかりしている。この晩、2組のデンマークのバンドを見て、面々はかなり演奏力が高いし、客に対する見せ方も理解していると感じた。
<今日の、あざーす>
出演者の多くは初来日だろう。そして、けっして条件がいいとは言えないなかでの滞日であり、ライヴ披露の場ではあるだろう。だが、皆んなそれぞれに真摯に、心を込めてパフォーマンスする。自分たちの音楽がもっと日本で聞かれることを信じて……。その健気なマインドはエスタブリッシュされた来日アーティストにはないもので、本当に頭がさがる。とともに、こういう人たちのパフォーマンスに触れることは、書き手/紹介者のぼくにとってもとっても有益な体験であると思わずにはいられない。ところで、本日と明日は深夜に5、6人のアクトが出るDJ/エレクトロものの帯も、SHIBUYA SHAWCASE FEST 2018として設けられている。さすが、それに顔を出す根性は今のぼくにはない。このフェスを企画しているのはフランス人だが、体力あるな〜。
+Rayon-X
フランス人ラッパー/シンガーとDJのユニットで、かなりキャッチーなことをやっていた。MCで曲のたとえととして、ブルーノ・マーズ(2018年4月13日)を出したものもあり。最後のほうで、昨日見たマリーナセレステ付きのギター奏者が加わった。
▶︎過去の、ブルーノ・マーズ
http://43142.diarynote.jp/201804131140254200/
+SHAUIT
カナダのケベック州北東部のマリオトナムの出身で、ネイティヴ・カナディアンであるそう。堂にいったレゲエ・サウンドのもと、朴訥な容姿の彼はまっすぐに歌う。そのポイントはネイティヴ・カナディアンの言葉で歌っている(ような)こと。それ、どこかもう一つのパトワと言いたくなる、レゲエ・ビートとの親和性あり。基本彼はギターを弾きながら歌うが、ボーランみたいな打楽器を叩きながら歌う場合もあった。プリセットの音も控えめに用いるバンドはギター、ベース、ドラム。特に、黒人ドラマーは完璧。ときにダブも噛ませる音作りのもと、十全なリディムを送り出す。スライ・ダンバー(1999年12月6日、2003年7月25日、2009年3月7日、2011年11月4日、2014年10月10日、2018年9月18日)と同じように、彼も小さなシンバルを控えめにセットし、あまり叩いていなかった。
▶過去の、スライ・ダンバー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/december1999live.htm
http://43142.diarynote.jp/200903122225149470/
http://43142.diarynote.jp/?day=20111104
http://43142.diarynote.jp/201410201120545545/
http://43142.diarynote.jp/201809191422205248/
+SHUNGU
フロム・ベルギー。へえ、こんな外しの感覚を持つエレクトロニカの担い手がいるのか。音だしと鍵盤と歌、ギター、パーカッションの3人でパフォーマンスを行う。その、なあなあの虚脱感は妙な魅力あり。途中で2曲、アフリカ系ラッパーも加わった。
+TIGER/SWAN
デンマークのバンド。ヴォーカルに、ギター2、ベース、ドラムという編成で、産業ロックと言いたくなるものを送り出す。だが、出音が的確で、音楽性には疑問をもつものの、確実にこれはありと思ってしまった。ダーティ・ループスみたなのからインエクセスみたないなものまで、ナンパな曲をやる。まだ20代だろう左利きギターとベーシストはかなりルックス良し。米国メジャーが彼らに声をかけても不思議はなく、世界に飛び出せるバンドではないかと感じた。
+L.TEEZ
いかにもDQNな風体のカナダの白人ヒップホッパー(1995年生まれ)だが、けっこうおもしろかった。DJ も何気に力あり。
+AMBIENTE
日本の8人組バンドで、男性ヴォーカル、女性補助ヴォーカル、鍵盤、ギター2、ベース、リード(テナーとソプラノ・サックス)、ドラムという編成でことにあたる。ソウル・ミュージック愛好を根に起きつつ、少しラテンぽいことをやったり、一人のギターがフラメンコぽい弾き方をするなどもする。歌はよく聞こえた。「スタンド・バイ・ミー」などカヴァーも悪びれずやっていた。
+春ねむり
作曲やトラック・メイキングもこなす女性ラッパー(とはいえ、それはけっこう喋り調。言葉数は多い)。三つ編み&ワン・ピースを来た文学少女風のおとなしそうな風体と、ときに繰り出されるヘッド・バンキング的アクションや絶叫ラップの落差は意識的なものだろう。ラップを日本少女的にデフォルメしているということでは、ベイビーメタルのラップ版みたいな捉え方もできるかもしれないと思った。実際、けっこう外国人客に受けていた。途中で、日本人ラッパー4人組も出て来たが、ちゃんとしていた。
+DAYCARE FOR JEDI
デンマークのポップ・パンク・バンドで、歌も演奏もとてもしっかりしている。この晩、2組のデンマークのバンドを見て、面々はかなり演奏力が高いし、客に対する見せ方も理解していると感じた。
<今日の、あざーす>
出演者の多くは初来日だろう。そして、けっして条件がいいとは言えないなかでの滞日であり、ライヴ披露の場ではあるだろう。だが、皆んなそれぞれに真摯に、心を込めてパフォーマンスする。自分たちの音楽がもっと日本で聞かれることを信じて……。その健気なマインドはエスタブリッシュされた来日アーティストにはないもので、本当に頭がさがる。とともに、こういう人たちのパフォーマンスに触れることは、書き手/紹介者のぼくにとってもとっても有益な体験であると思わずにはいられない。ところで、本日と明日は深夜に5、6人のアクトが出るDJ/エレクトロものの帯も、SHIBUYA SHAWCASE FEST 2018として設けられている。さすが、それに顔を出す根性は今のぼくにはない。このフェスを企画しているのはフランス人だが、体力あるな〜。