米澤めぐみ/マサ・カマグチ/小林健
2018年8月29日 音楽 ESPディスク。1960年代中期に設立された,フリー・ジャズを中心に出した個性派インディだ。アルバート・アイラー、ポール・ブレイ(1999年6月1日)、サン・ラー(2000年8月14日、2002年9月7日、2003年7月25日、2014年7月4日)をはじめ、名作もいろいろ。レジェンダリーという言い方もできますね。ウィリアム・バロウズやザ・ファッグスなども出した文科系スキゾ・レーベルであった同社は創始者のバーナード・ストルマンの死を経て、今また再興されており、新作リリースも行っている。そんなESPから今年『バウンダリー』というアルバムをリリースした在米日本人トリオが帰国公演を持った。横浜・エアジン。
ピアノの米澤めぐみとダブル・ベースのマサ・カマグチとドラムの小林健がときに交信しあうように、敏感に重なる。その『バウンダリー』はおおESPは健在じゃんと膝をうたせる(乱暴に言うなら)フリー・ジャズ路線にあるのだが、その端々からあふれる繊細さや瑞々しさのようなものに耳を奪われ、これは今のアヴァン・ジャズであるとぼくはうなった。
そして、その所感は実演に接しても変わらず。どんどん枠をこえていく加速力や飛躍力はまさしくそうなのだが、一方で確かな曲構造やメロディ性を見ている感覚があり、正統なピアノ・トリオとしての捨て去らなくていい語彙がいろいろ垣間見れるようなところがあり、それはやはり耳を引く。だから、不安定を出していても、そこにはある種の均衡美と言いたくなるものが存在。あっち側に行くのを第一義におかず、三者の澄んだミュージシャンシップや技量行使の野心的欲求から、彼らはアヴァンギャルドな項目に大きく踏み出していると了解出来る。
小林はちょうどNYに住んで20年になるそうだが、3人の表現はわざわざ彼の地に向かい、いろんな障害や苦労をものともせずにNYで音楽を追求している意気や高潔さがあるのも、このトリオの美点だろう。米沢はポール・ブレイや菊地雅章(1999年11月3日(2002年9月22日、2003年6月10日、2004年11月3日、2012年6月24日、2012年6月25日、2012年10月26日、2015年7月8日、2016年6月11日)らの指さばきを思い出させるところがあり、カマグチはなんか音が降りてくるのを待ち、それを拾うといった風情で高僧のよう。そして、小林(カナモノ系だけ、日本に持ってきたという。端にとっても小さなシンバルもおいた)はブラシによる演奏も含めスネア扱いが雄弁。それだけでも(多くは、一緒に足でハイハットとバスドラも鳴らすが)立派に意気揚々としたドラム伴奏になることを、ぼくは認知した。
3人のライヴは30日に稲毛のキャンディ、31日は新宿ピットインで持たれる。
▶過去の、ポール・ブレイ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livejune.htm
▶過去の、サン・ラー亡き後のサン・ラー・アーケストラ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-8.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-7.htm
http://43142.diarynote.jp/201407051336285619/
▶過去の、菊地雅章
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/movember1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-6.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20041103
http://43142.diarynote.jp/201207031322126509/
http://43142.diarynote.jp/201207031323242844/
http://43142.diarynote.jp/201210271744294415/
http://43142.diarynote.jp/201507091044561526/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160611
<今日の、汚名返上?>
http://43142.diarynote.jp/201710260824073577/ の下の項で、横浜をディスっているが、この晩は横浜っていい街だなと思った。実はエアジンへのみなとみらい線馬車道駅からの地図を印刷していたのだが、家においてきてしまう。暑いためもあり投げやりで、事前にぜんぜん地図を見ておらず、出る口さえ分からない。この4月にもエアジンに行ったが、あのときは日産スタジアムの後に回ったのでJRの桜木町から行き、帰りも同駅から戻ったので、馬車道駅からの行き方をまるで知らない。この辺は土地勘もないし、けっこうヤヴァいと思った。とりあえず、適当に地上にあがり、すぐ上にあった大きなビルづきの警備員さんに相談すると、丁重に対応してくれる。もし、あるとしたら、そっちのじゃないかなという進言にしたがい、大通りを渡り、なんとなく明るい目の道に曲がった。でも、それで店に辿り着くわけはない。すぐに白旗降参で、ある店のテラスにいた若人たちに聞くと、親切にスマホで地図をひいてくれ(ぼくはガラケイ愛好者で、店を検索できないんですよ)、また一人は店の中に入り情報を仕入れ、より行き方を明らかにしてくれる。ヨコハマの人たち皆、親切〜。素敵ィ。人にきけばなんとかなるという真実をぼくは新たにするとともに、横浜はいいなあと思いを改めたのだった。
ピアノの米澤めぐみとダブル・ベースのマサ・カマグチとドラムの小林健がときに交信しあうように、敏感に重なる。その『バウンダリー』はおおESPは健在じゃんと膝をうたせる(乱暴に言うなら)フリー・ジャズ路線にあるのだが、その端々からあふれる繊細さや瑞々しさのようなものに耳を奪われ、これは今のアヴァン・ジャズであるとぼくはうなった。
そして、その所感は実演に接しても変わらず。どんどん枠をこえていく加速力や飛躍力はまさしくそうなのだが、一方で確かな曲構造やメロディ性を見ている感覚があり、正統なピアノ・トリオとしての捨て去らなくていい語彙がいろいろ垣間見れるようなところがあり、それはやはり耳を引く。だから、不安定を出していても、そこにはある種の均衡美と言いたくなるものが存在。あっち側に行くのを第一義におかず、三者の澄んだミュージシャンシップや技量行使の野心的欲求から、彼らはアヴァンギャルドな項目に大きく踏み出していると了解出来る。
小林はちょうどNYに住んで20年になるそうだが、3人の表現はわざわざ彼の地に向かい、いろんな障害や苦労をものともせずにNYで音楽を追求している意気や高潔さがあるのも、このトリオの美点だろう。米沢はポール・ブレイや菊地雅章(1999年11月3日(2002年9月22日、2003年6月10日、2004年11月3日、2012年6月24日、2012年6月25日、2012年10月26日、2015年7月8日、2016年6月11日)らの指さばきを思い出させるところがあり、カマグチはなんか音が降りてくるのを待ち、それを拾うといった風情で高僧のよう。そして、小林(カナモノ系だけ、日本に持ってきたという。端にとっても小さなシンバルもおいた)はブラシによる演奏も含めスネア扱いが雄弁。それだけでも(多くは、一緒に足でハイハットとバスドラも鳴らすが)立派に意気揚々としたドラム伴奏になることを、ぼくは認知した。
3人のライヴは30日に稲毛のキャンディ、31日は新宿ピットインで持たれる。
▶過去の、ポール・ブレイ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/livejune.htm
▶過去の、サン・ラー亡き後のサン・ラー・アーケストラ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-8.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-7.htm
http://43142.diarynote.jp/201407051336285619/
▶過去の、菊地雅章
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/movember1999live.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-9.htm
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-6.htm
http://43142.diarynote.jp/?day=20041103
http://43142.diarynote.jp/201207031322126509/
http://43142.diarynote.jp/201207031323242844/
http://43142.diarynote.jp/201210271744294415/
http://43142.diarynote.jp/201507091044561526/
http://43142.diarynote.jp/?day=20160611
<今日の、汚名返上?>
http://43142.diarynote.jp/201710260824073577/ の下の項で、横浜をディスっているが、この晩は横浜っていい街だなと思った。実はエアジンへのみなとみらい線馬車道駅からの地図を印刷していたのだが、家においてきてしまう。暑いためもあり投げやりで、事前にぜんぜん地図を見ておらず、出る口さえ分からない。この4月にもエアジンに行ったが、あのときは日産スタジアムの後に回ったのでJRの桜木町から行き、帰りも同駅から戻ったので、馬車道駅からの行き方をまるで知らない。この辺は土地勘もないし、けっこうヤヴァいと思った。とりあえず、適当に地上にあがり、すぐ上にあった大きなビルづきの警備員さんに相談すると、丁重に対応してくれる。もし、あるとしたら、そっちのじゃないかなという進言にしたがい、大通りを渡り、なんとなく明るい目の道に曲がった。でも、それで店に辿り着くわけはない。すぐに白旗降参で、ある店のテラスにいた若人たちに聞くと、親切にスマホで地図をひいてくれ(ぼくはガラケイ愛好者で、店を検索できないんですよ)、また一人は店の中に入り情報を仕入れ、より行き方を明らかにしてくれる。ヨコハマの人たち皆、親切〜。素敵ィ。人にきけばなんとかなるという真実をぼくは新たにするとともに、横浜はいいなあと思いを改めたのだった。