チカーノ・バットマン
2013年11月8日 音楽 変わったバンド名を冠する在LAの変テコ4人組であるが、いくら聞いても、やっぱり変だよなあ。構成員はみんな中米か南米の属性を持っている人たちで、彼らが抱える因子をいろいろと応用した妄想系ミクスチャー・ロックをやっているのだが、この書き方では彼らのやっていることの半分ぐらいしか説明できていないかなー。あと、ヴィンテージなキーボード音を用いることに顕われているように、レトロなほんわか感も介する部分もあり、ときにメロディはオールディーズなそれを盛り込む。そして、曲(インスト曲も少なくない)はどこかぎくしゃくした構成を持ち、ヴォーカルのテイストも過激なところは何もないのに生理的に素っ頓狂……。
モーション・ブルー・ヨコハマ。日本先行リリースとなるセカンド作『サイクルズ・オブ・エグジステンシャル・ライム』をひっさげての、日本ツアーの初日。リード・ヴォーカル兼キーボード/ギター奏者(一応、リーダー格となるのかな)、黙々と弾くギタリスト(新作ジャケットで一番大きく映っているスキンへッド君。彼のみ、後から入った)、ときにはっとさせるフレイズを弾くベース奏者(1曲歌ったら、うまかった)、いろんなリズムを叩くドラマー、そんな4人で事に当たる。皆、水色のシャツ、黒の蝶ネクタイ、ベージュのスラックスを着用。しかし、日本の最初のパフォーマンスがここだと、その造型の立派さに驚くだろうな。彼らもこの日のトゥイッターで、“ザ・スーパー・ヴェニュー”と記していた。
で、アルバムでの何だこりゃは、ライヴ・パフォーマンスにおいても同様。基本ほんわかしているのに、曲の構成やつなぎや決めはけっこうブっとんでいる。面々、下手じゃないのは明らかだが、気分としてうまいんだかそうじゃないんだかよく分らない感じのなあなあ感覚に満ち、いろんな中南米語彙とロック的バンド音とオタクっぽいポップネスをミキサーにかけ、なんか珍妙な歌ものせて……。いやあ、こんなバンド、ぼくは他に知らない〜。
だが、生だとやはり音盤だけでは分らないところも分る。その新作1曲目はギターがちょいフランク・ザッパ的と感じさせる部分(『ホット・ラッツ』をチカーノ化したような……)を持つが、ライヴ・ヴァージョンだとそれがより濃く出て、おまえらザッパも好きなのかと思わされる。イビツな曲構成や妙な決めの作り方もそこから来ている? で、スペイン語歌謡調曲をやると場内は湧くのだが、彼らの根にあるエキゾ音楽語彙にしろ、他のポップ要素にしろ、その取り込み方はDJ感覚に近いとも感じさせられたか。彼らは、サイモン&ガーファンクルの「サウンド・オブ・サイレンス」のインスト・ヴァージョンや断片的にサンタナの「ジプシー・クイーン」の発展部リフを引用するところもあった。ザ・アイズリー・ブラザーズ曲もやったな。
<今日の、バットマン>
開演前に、いい感じのキャラを持つ面々に、楽屋でインタヴュー。全員、初来日。面白いのは、皆ブラジル音楽に興味を持っていると言っていたこと。彼らはスペイン語圏の血を引く人たちでそのバイリンガルだが、ブラジル音楽が好きだとポルトガル語でも歌ってみたくなるとも、言っていた。新作のアフロ・ビート語彙引用曲「ウェンズデイ・モーニング」の頭の方はポルトガル語で歌ってもいる。ちなみに、バンド名にある”バットマン”はアメリカの娯楽の象徴を意味するとか。
モーション・ブルー・ヨコハマ。日本先行リリースとなるセカンド作『サイクルズ・オブ・エグジステンシャル・ライム』をひっさげての、日本ツアーの初日。リード・ヴォーカル兼キーボード/ギター奏者(一応、リーダー格となるのかな)、黙々と弾くギタリスト(新作ジャケットで一番大きく映っているスキンへッド君。彼のみ、後から入った)、ときにはっとさせるフレイズを弾くベース奏者(1曲歌ったら、うまかった)、いろんなリズムを叩くドラマー、そんな4人で事に当たる。皆、水色のシャツ、黒の蝶ネクタイ、ベージュのスラックスを着用。しかし、日本の最初のパフォーマンスがここだと、その造型の立派さに驚くだろうな。彼らもこの日のトゥイッターで、“ザ・スーパー・ヴェニュー”と記していた。
で、アルバムでの何だこりゃは、ライヴ・パフォーマンスにおいても同様。基本ほんわかしているのに、曲の構成やつなぎや決めはけっこうブっとんでいる。面々、下手じゃないのは明らかだが、気分としてうまいんだかそうじゃないんだかよく分らない感じのなあなあ感覚に満ち、いろんな中南米語彙とロック的バンド音とオタクっぽいポップネスをミキサーにかけ、なんか珍妙な歌ものせて……。いやあ、こんなバンド、ぼくは他に知らない〜。
だが、生だとやはり音盤だけでは分らないところも分る。その新作1曲目はギターがちょいフランク・ザッパ的と感じさせる部分(『ホット・ラッツ』をチカーノ化したような……)を持つが、ライヴ・ヴァージョンだとそれがより濃く出て、おまえらザッパも好きなのかと思わされる。イビツな曲構成や妙な決めの作り方もそこから来ている? で、スペイン語歌謡調曲をやると場内は湧くのだが、彼らの根にあるエキゾ音楽語彙にしろ、他のポップ要素にしろ、その取り込み方はDJ感覚に近いとも感じさせられたか。彼らは、サイモン&ガーファンクルの「サウンド・オブ・サイレンス」のインスト・ヴァージョンや断片的にサンタナの「ジプシー・クイーン」の発展部リフを引用するところもあった。ザ・アイズリー・ブラザーズ曲もやったな。
<今日の、バットマン>
開演前に、いい感じのキャラを持つ面々に、楽屋でインタヴュー。全員、初来日。面白いのは、皆ブラジル音楽に興味を持っていると言っていたこと。彼らはスペイン語圏の血を引く人たちでそのバイリンガルだが、ブラジル音楽が好きだとポルトガル語でも歌ってみたくなるとも、言っていた。新作のアフロ・ビート語彙引用曲「ウェンズデイ・モーニング」の頭の方はポルトガル語で歌ってもいる。ちなみに、バンド名にある”バットマン”はアメリカの娯楽の象徴を意味するとか。