スウェーデンの人たちって、素朴でいい人が多いんだけど、彼らも出てき
た途端、そういう感じは大アリ。アルバム記載を見ると3人ともいろんな楽
器がクレジットされているけど、ライヴではピーターがギター、ビョーンが
ベース、ジョン(ヨン。スウーデン語では)がドラム。何曲かはプリセット
音をほんのり無理なく重ねたりも。歌はピーターとビューンが取り(ピータ
ーがリードを取る場合が多い。二人ではもり合うときも)、ドラマーも1曲
歌う。ギタリストはとてもいろんな弾き方が出来る人で、器用。また、彼は
足元に置いたカンペを見ながらではあったが、簡単なMCを日本語でこなす
。人間味ありました。

話題を呼んだ口笛使用のほのぼの曲「ヤング・フォークス」に代表される
ようにほんわかした感じで進むのかと思ったら、けっこうビートはあるし、
ギターも効いてて、思った以上にビート・バンドっぽいと思った。また、ザ
・ビートルズの尻尾を感じさせる(ピーターの歌は、ジョン・レノンぽいと
感じさせる局面もありました)ときもあるし、簡素な編成のわりにはライヴ
におけるアレンジもしなやかで、音楽の自由を意外なくらいぼくは感じてし
まったな。ちょっとしたところにアイデアや洒脱があり、一方でしっかりと
ロックでありたいという気持ちもあり。聞くに耐えないとのたまって後半か
えってしまった同業者がいたけど、その所感はまったくもって謎。あまりの
感じ方の差に驚く。

なんと、「ヤング・フォークス」ではオリジナルでも歌っていたヴィクト
リア・バーグスマンが出てきてピーターとデュエット。そして、アンコール
では、そのバーグスマンが参加していたスエーデンの先輩バンドのザ・コン
クリーツの「ティーン・ラヴ」を3人(バーグスマン抜き)で演奏。また、
続けて英国ポスト・パンク・バンドのテレヴィジョン・パーソナリティーズ
の「シリー・ラヴ」も彼らはカヴァー披露した。会場は、恵比寿・リキッド
ルーム。