ジェシー・ハリス

2005年9月7日
 渋谷・デュオミュージックエクスチェンジ。1時間弱のセットを淡々と二
つ。

 アコースティック・ギターを弾きながら歌う本人(2002年12月21日)
に加えて、電気ベース、オルガン、ドラムという編成による。オルガン奏者
とデュオでやった曲もあったが、ハモンドを入れているというのは実は彼の
今のモード。すでにハリスはラリー・ゴールディングス(1999年4月13
日、2000年3月2日)と長年の付き合いのケニー・ウォルセン(ドラム
、セックスモブ他:2000年7月21日)というトリオ編成で新作を録っ
ていて、新曲もいろいろとやった今回のライヴはそのノリに従ったものでも
あったのだ。なんでも、その編成はLAで諸都合でたまたまその3人で実演
をやったら凄く良かったからだという。『ミネラル』と名付けられたその新
作はヴァーヴを離れて新たに設立する自己ーベルから1月にリリースされる
が、同作はとっても出来がいい。ときにポール・サイモンぽいゾと思わせる
局面が出ているのはあららだが、二人とも生粋のNYっ子であるんだよなあ
……。今回、ベース奏者が同行しているのは、オルガン奏者がベースも兼任
できないためらしい。

 セカンド・セット終盤ではノラ・ジョーンズ(2002年5月20日、20
02年9月12日、2004年1月19日)でヒットした「ドント・ノウ・ホ
ワイ」もやはり披露する。本当にいい曲。もしこの曲がなかったら、彼の人
生は……なんてことも考えさせる曲ではありますね。とともに、彼の甘い鼻
声を聞きながら、ジョーズのそれとの相似性も感じる。テキサス州からジャ
ズ・ピアニスト志向でNYに出てきた彼女にキミはもっと歌うべきだと強く
諭したのはハリスだが、ジョーンズはかなり彼の歌い方を参考にしたんじゃ
ないかなとも思わされた。