スコットランド生まれのハープ奏者と、一応英国スコットランド圏に今は入
りつつ、かつてはノルウェー領だったこともあるというシェトランド諸島出身
のフィドル奏者のデュオ。20才半ば以上30才未満の二人はグラスゴーの音楽大
学で知り合っており、一緒にフィドラーズ・ビドというグループを組むととも
に、デュオ演奏の機会も持ち、またソロとしてもそれぞれリーダー作を出して
いる。

 青砥・かつしかシンフォニーヒルズのアイスリー・ホール。初めて京成線に
乗り、初めて葛飾区に足を踏み入れる。やっぱ、一人の人間がカヴァーできる
領域なんて微々たるものだし、東京も本当に広い。当然のことだ。

 例によってトラディッショナルを中心に取り上げる。粛々と、ときに、それ
ぞれのソロ演奏も。スコティッシュ・ハープ(そういえば、ギネスのマークは
ハープだ。アイリッシュ・ハープとはかなり近いらしい)はけっこう小さい。
マッケイ嬢はステージの出入り時に、さらりと持ち運びする。おきゃんな彼女
は少女時代はソニック・ユースが好きだったようだが、ブラジルのミュージシ
ャンと重なるプロジェクトも経験、ブラジルに演奏旅行に行ったときに買った
パンデイロに現在凝っているという。スタウトともども思った以上に上品な演
奏ではありましたが。とはいえ、本編最後の曲の終わりに彼女は低音のほうの
、太い弦を切った。

 終わってから、笑顔で飲んじゃった。でも、毎度のようにはごんごん飲みま
くりはしなかったような。でも、とっても楽しかった。ぼくはお酒が好きなん
ではなく、酒の場が好きなのダと思うことにしました。