映画「ブラック・クランズマン」。ウォリス・バード
2019年3月4日 音楽 汐留・電通本社試写室で、スパイク・リーの新作映画「ブラック・クランズマン」を見る。冒頭の映像の規模、凄し。予算が潤沢にあった映画なんだなと痛感させる。
同名の原作は、コロラド州コロラドスプリングス市警察所初のアフリカ系アメリカ人系刑事として勤務したロン・ストールワース(1953年、シカゴ生まれ)が書いた回顧録。映画はその中の一つの逸話を持ってきているようで、KKKと電話でコンタクトを取ることに成功し、その後も口巧みに連絡を取り合うストールワース(デンゼル・ワシントンの息子が演じる)と彼に代わりKKKのメンバーたちと実際に接触するユダヤ系刑事の活躍を描いたもの。KKKはユダヤ人排斥もしていたとは、知らなかった。一つ知識を得ました。
設定は原作に従い、1970年代半ばのよう。いや、少し前? アフリカ系登場人物のアフロ・ヘアー比率が高いっ。あと、「ライト・オン」と、「シスター」、「ブラザー」という言葉も台詞にはなんども出て来る。そういう時代があったんだよなあ。当時のブラックスプロイテーション映画へのオマージュもあり。
最後の、現況と繋げる力ワザにはわああ。リーさん、枯れてないなあ。よく黒人(マイノリティ)差別の現況について変わっていない、前よりも悪くなっているという言い方がされたりもするが、それは強いアメリカにおおいに陰りがでてきていることが大きいのだと思う。それは、ドナルド・トランプが大統領になったことでも明らかだ。悪い状況から逃れるために、人ははけ口として下にいる層を作り虐げ、自らの立ち位置を曖昧なものとする……。
エンド・ロールで流されるのは、プリンスのピアノ弾き語り曲「メアリー・ドント・ユー・ウィ・ウィープ」(昨年蔵出しリリースされた『ピアノ&ア・マイクロフォン 1983』に収録。映画のトレイラー映像にもまんまこの曲が使われた)。1900年代初頭に初吹き込みされた黒人霊歌で、解放を一つのテーマに置くこの曲は公民権運動期にクローズ・アップされた。
ビリー・プレストンの「マイ・カントリー・ティズ・オブ・ジー」/映画「ビール・ストリートの恋人たち」(2018年12月18日)、プロフェッサー・ロングヘアの「マルディグラ・イン・ニューオーリンズ」/映画「グリーンブック」(2019年1月29日)。そして、本作。ここのところの、日本公開もされている米国の黒人を取り巻く状況を扱う3本の映画は、どれもエンド・ロールで素晴らしい故人たちのピアノを使った曲を用いていることになりますね。
劇中にはザ・エドゥイン・ホーキンス・シンガース、ジェイムズ・ブラウン(2000年8月5日)、ザ・テンプテーションズ(2009年11月8日、2013年8月18日、2017年3月20日)、エマーソン・レイク&パーマーらの曲(1970年のアコースティック曲「ラッキー・マン」。大団円の部分で長々と流れる)が使われ、その一方で創作部分の音楽を担当しているのは、ジャズ・トランペッターのテレンス・ブランチャード(2002年7月3日、2005年8月21日、2009年3月26日、2013年8月18日)。ときに弦奏者もいっぱい使い、ジャズぽいところは皆無の音楽を彼は作っている。
▶︎過去の、映画「ビール・ストリートの恋人たち」
https://43142.diarynote.jp/201812201005369630/
▶︎過去の、映画「グリーンブック」
https://43142.diarynote.jp/201901301508232449/
▶過去の、JB(関連)
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-8.htm サマーソニック
https://43142.diarynote.jp/200702090041480000/ フレッド・ウェズリーやジョージ・ポーターらによるトリビュート・バンド
http://43142.diarynote.jp/201412310727087161/ ザ・オリジナル・ジェイムズ・ブラウン・バンド
https://43142.diarynote.jp/201503041619591535/ 映画「ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男」
https://43142.diarynote.jp/201606281735457440/ 映画「ミスター・ダイナマイト ファンクの帝王ジェームス・ブラウン」
https://43142.diarynote.jp/201806040807198626/ ザ・オリジナル・ジェイムズ・ブラウン・バンド
▶︎過去の、ザ・テンプテーションズ・レヴュー
http://43142.diarynote.jp/200911101136006646/
http://43142.diarynote.jp/201308191407221107/
http://43142.diarynote.jp/201703211232135720/
▶︎過去の、テレンス・ブランチャード
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-7.htm 3日
http://43142.diarynote.jp/?day=20050821
http://43142.diarynote.jp/200903271727246000/
http://43142.diarynote.jp/201308191407221107/
その後は、南青山・月見る君思フに行き、唯一無二の在独アイルランド人シンガー・ソングライター(2015年5月30日、2016年12月10日)を見る。
弦を切ったり(右利きのアコースティック・ギターを左利きの構えで弾く〜ようはジミ・ヘンドリクス様式でありますね〜彼女が切るのは、一番下に位置する一番太い弦だ!)、ストロークの勢いがありすぎでピックを落としたり、動きの余波でギターに差し込んだシールドのプラグが外れたりすることが、こんなに似合う人がいるだろうか。
それは、精気と正気にあふれ、まさしく生きた人間の行為であると確信させる一人パフォーマンスを彼女が遂行しているから。こんなタマ、そういてたまるものか。ぼくはショウの最中に高揚しながらそんな思いを頭のなかで反芻させていた。また、そこからは音楽を謳歌する素敵が溢れ、音楽の天使が彼女の頭上を舞う。やっぱり、選ばれた人だよな。
ファンにはおなじみの卓担当のエイダン・フローティングホーム、そして女性ツアー・マネイジャーが彼女をはさんでコーラスをつける曲もあり。それ、とってもいい感じ。ぼくは不意に、ザ・バンドの暖かさを思い出した。
▶︎過去の、ウォリス・バード
http://43142.diarynote.jp/201505310957591440/
https://43142.diarynote.jp/201612171136537817/
<今日は、やりなおし>
実は、この試写を見に行くのは2度目。先に行った際は20分前には一番町の試写場についたにも関わらず、もう満席ですと入場を断られてしまったのだ。それで、電通での試写が追加で設けられた。ここ30年の間で、満場札止めを試写で経験したのは2度目のこと。汐留にある電通本社はできて15年以上たっているはずだが、初めて行く。営団の新橋駅で降り、下からの地下道(タワー・レコード店舗があった)から入ったので、50階弱のビル外観にはまったく触れず。メインテナンスがいきとどいているのか、中はけっこう新し目に感じた。試写室は14階にありました。
同名の原作は、コロラド州コロラドスプリングス市警察所初のアフリカ系アメリカ人系刑事として勤務したロン・ストールワース(1953年、シカゴ生まれ)が書いた回顧録。映画はその中の一つの逸話を持ってきているようで、KKKと電話でコンタクトを取ることに成功し、その後も口巧みに連絡を取り合うストールワース(デンゼル・ワシントンの息子が演じる)と彼に代わりKKKのメンバーたちと実際に接触するユダヤ系刑事の活躍を描いたもの。KKKはユダヤ人排斥もしていたとは、知らなかった。一つ知識を得ました。
設定は原作に従い、1970年代半ばのよう。いや、少し前? アフリカ系登場人物のアフロ・ヘアー比率が高いっ。あと、「ライト・オン」と、「シスター」、「ブラザー」という言葉も台詞にはなんども出て来る。そういう時代があったんだよなあ。当時のブラックスプロイテーション映画へのオマージュもあり。
最後の、現況と繋げる力ワザにはわああ。リーさん、枯れてないなあ。よく黒人(マイノリティ)差別の現況について変わっていない、前よりも悪くなっているという言い方がされたりもするが、それは強いアメリカにおおいに陰りがでてきていることが大きいのだと思う。それは、ドナルド・トランプが大統領になったことでも明らかだ。悪い状況から逃れるために、人ははけ口として下にいる層を作り虐げ、自らの立ち位置を曖昧なものとする……。
エンド・ロールで流されるのは、プリンスのピアノ弾き語り曲「メアリー・ドント・ユー・ウィ・ウィープ」(昨年蔵出しリリースされた『ピアノ&ア・マイクロフォン 1983』に収録。映画のトレイラー映像にもまんまこの曲が使われた)。1900年代初頭に初吹き込みされた黒人霊歌で、解放を一つのテーマに置くこの曲は公民権運動期にクローズ・アップされた。
ビリー・プレストンの「マイ・カントリー・ティズ・オブ・ジー」/映画「ビール・ストリートの恋人たち」(2018年12月18日)、プロフェッサー・ロングヘアの「マルディグラ・イン・ニューオーリンズ」/映画「グリーンブック」(2019年1月29日)。そして、本作。ここのところの、日本公開もされている米国の黒人を取り巻く状況を扱う3本の映画は、どれもエンド・ロールで素晴らしい故人たちのピアノを使った曲を用いていることになりますね。
劇中にはザ・エドゥイン・ホーキンス・シンガース、ジェイムズ・ブラウン(2000年8月5日)、ザ・テンプテーションズ(2009年11月8日、2013年8月18日、2017年3月20日)、エマーソン・レイク&パーマーらの曲(1970年のアコースティック曲「ラッキー・マン」。大団円の部分で長々と流れる)が使われ、その一方で創作部分の音楽を担当しているのは、ジャズ・トランペッターのテレンス・ブランチャード(2002年7月3日、2005年8月21日、2009年3月26日、2013年8月18日)。ときに弦奏者もいっぱい使い、ジャズぽいところは皆無の音楽を彼は作っている。
▶︎過去の、映画「ビール・ストリートの恋人たち」
https://43142.diarynote.jp/201812201005369630/
▶︎過去の、映画「グリーンブック」
https://43142.diarynote.jp/201901301508232449/
▶過去の、JB(関連)
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2000-8.htm サマーソニック
https://43142.diarynote.jp/200702090041480000/ フレッド・ウェズリーやジョージ・ポーターらによるトリビュート・バンド
http://43142.diarynote.jp/201412310727087161/ ザ・オリジナル・ジェイムズ・ブラウン・バンド
https://43142.diarynote.jp/201503041619591535/ 映画「ジェームス・ブラウン 最高の魂を持つ男」
https://43142.diarynote.jp/201606281735457440/ 映画「ミスター・ダイナマイト ファンクの帝王ジェームス・ブラウン」
https://43142.diarynote.jp/201806040807198626/ ザ・オリジナル・ジェイムズ・ブラウン・バンド
▶︎過去の、ザ・テンプテーションズ・レヴュー
http://43142.diarynote.jp/200911101136006646/
http://43142.diarynote.jp/201308191407221107/
http://43142.diarynote.jp/201703211232135720/
▶︎過去の、テレンス・ブランチャード
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2002-7.htm 3日
http://43142.diarynote.jp/?day=20050821
http://43142.diarynote.jp/200903271727246000/
http://43142.diarynote.jp/201308191407221107/
その後は、南青山・月見る君思フに行き、唯一無二の在独アイルランド人シンガー・ソングライター(2015年5月30日、2016年12月10日)を見る。
弦を切ったり(右利きのアコースティック・ギターを左利きの構えで弾く〜ようはジミ・ヘンドリクス様式でありますね〜彼女が切るのは、一番下に位置する一番太い弦だ!)、ストロークの勢いがありすぎでピックを落としたり、動きの余波でギターに差し込んだシールドのプラグが外れたりすることが、こんなに似合う人がいるだろうか。
それは、精気と正気にあふれ、まさしく生きた人間の行為であると確信させる一人パフォーマンスを彼女が遂行しているから。こんなタマ、そういてたまるものか。ぼくはショウの最中に高揚しながらそんな思いを頭のなかで反芻させていた。また、そこからは音楽を謳歌する素敵が溢れ、音楽の天使が彼女の頭上を舞う。やっぱり、選ばれた人だよな。
ファンにはおなじみの卓担当のエイダン・フローティングホーム、そして女性ツアー・マネイジャーが彼女をはさんでコーラスをつける曲もあり。それ、とってもいい感じ。ぼくは不意に、ザ・バンドの暖かさを思い出した。
▶︎過去の、ウォリス・バード
http://43142.diarynote.jp/201505310957591440/
https://43142.diarynote.jp/201612171136537817/
<今日は、やりなおし>
実は、この試写を見に行くのは2度目。先に行った際は20分前には一番町の試写場についたにも関わらず、もう満席ですと入場を断られてしまったのだ。それで、電通での試写が追加で設けられた。ここ30年の間で、満場札止めを試写で経験したのは2度目のこと。汐留にある電通本社はできて15年以上たっているはずだが、初めて行く。営団の新橋駅で降り、下からの地下道(タワー・レコード店舗があった)から入ったので、50階弱のビル外観にはまったく触れず。メインテナンスがいきとどいているのか、中はけっこう新し目に感じた。試写室は14階にありました。