マンチェスター拠点のピアノ・トリオ(2017年9月2日)を南青山・ブルーノート東京で見る。ファースト・ショウ。3日間公演の最初のショウながら満場。客の反応も熱い。
ベーシストの実直ぽいMCのもと、ショウは進む。中央に立つ音の大きめなダブル・ベース音が全体表現を引っ張っているところもあるが、全員同い年(30歳)である彼らはデモクラティックなバンドであることを強調。というか、ベーシストは非オリジナル・メンバーで、2枚目から入ったんだよね。
今回、彼らには毎日新聞記事用にインタヴューしたのだが、素朴な連中。ちなみに、好きなフットボールのチームは、ニック・ブラッカ(ベース)はリーズ、ロブ・ターナー(ドラム)はボルトン、クリス・アイリングワース(ピアノ)は興味なし、とのこと。ブラッカとターナーはマンチェスターのチームならシティを応援するとのこと。アイリングワースとターナーは同じマンチェスターの音楽学校でクラシックを学んでおり、ブラッカはラム(http://43142.diarynote.jp/200905271738046764/ の終盤参照のこと)で弾いていたベーシストに習っていたそう。
そりゃインプロヴィゼイションの要素はあるものの、面々はイケてるソロを取ろうとするのではなく、三者の絡みの妙から響きや奥行きをつむぎだそうとしたり、ときにぱーんと昇天するハーモニーが湧く瞬間を得ようとするのが演奏指針の一義にあるように思えるとの問いかけに、彼らは同意した。譜面もイケるが、なるべく譜面は用いないようにしているそう。そんな彼らは旧来のジャズとは一線を画したいという意識(ちゃらいバンド名もその表われ)とジャズという軸の中に存在したいというアンビバレントな気持ちを持っているのが、面白かった。だから、ブルーノートからディールの話があったとき(ドン・ワズはノー・タッチ。それもあり、ブルーノートの2作はすべてマンチェ関連者/物件でまかなわれている)はマジうれしかったそうだし、好きな同社のアルバムを挙げてと言ったら、ジョー・ヘンダーソン作やホレス・シルヴァー作などを出した。間違っても、ギル・メレとかは言わなかった。そんな3人なので、電気的処理を楽器音に加えることはあっても、ピアノ、ダブル・ベース、ドラムという基本構成にはこだわっていきたいとのこと。そこには、同様のことをしていたE.S.T.(2003年6月17日、2007年1月13日)をに多大なインスピレーションを受けていることも関係あるようだが。
なお、ショウの最中、ハーモニウムのような音がずっと流れている箇所があったが、それはピアノの響きを拾ってアイリングワースが作っているそう。かつては、そういう音はベーシストが出していたが、同じ装置をピアノに転用することで今は実演で出しているという。それから、ドラマーがスネアを真正面に配置し(キック・ドラムは少し左取りにセッティングしていた)、タムは右側に置いていた。たまたま案内された席がソイル&ピンプ・セッションズ(2005年7月29日、2007年5月6日、2009年6月12日、2011年1月30日、2011年6月23日、2012年3月3日。2012年9月9日)の社長の隣であったのだが、彼も面白いセッティングだなと感想をもらす。ソイルは近くレコーディングが終わり、6月に5人になっての初のアルバムが出るそう。ターナー自身にその変速のセッティングはあなたがクラシックを学んでいたことと関係はあるのかと問うと、「たぶん、繋がっている。だって、僕はドラマーというよりパーカッショニストという意識が大きいから」。
▶︎過去の、ゴーゴー・ペンギン
http://43142.diarynote.jp/201709101059289712/
▶過去の、E.S.T.
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-6.htm
http://43142.diarynote.jp/200701141431470000/
▶過去の、SOIL & “PIMP” SESSIONS
http://43142.diarynote.jp/200508042335560000/
http://43142.diarynote.jp/200705181805330000/
http://43142.diarynote.jp/200906160733018341/
http://43142.diarynote.jp/201102091715522875/
http://43142.diarynote.jp/201107020946473690/
http://43142.diarynote.jp/201203062005542291/
http://43142.diarynote.jp/201209191229057579/
<今日の、訃報>
2018年2月18日に、フランスのジャズ・ヴァイオリン奏者のディディエ・ロックウッド(2016年4月10日)が心臓発作でおなくなりになった。前日にはライヴを行っていたという。この2月11日に62歳になったばかりで、彼には奥さんと3人の娘さんがいた。彼の死を伝える報によれば、若くしてステファン・グラッペリに認められ、プログ・ロック・グループのマグマに入ったこともあったらしい。2年前に偶然とはえ、彼の瞬発力にたけた演奏に触れることができて本当によかった。
▶︎過去の、ディディエ・ロックウッド
http://43142.diarynote.jp/201604190912403018/
ベーシストの実直ぽいMCのもと、ショウは進む。中央に立つ音の大きめなダブル・ベース音が全体表現を引っ張っているところもあるが、全員同い年(30歳)である彼らはデモクラティックなバンドであることを強調。というか、ベーシストは非オリジナル・メンバーで、2枚目から入ったんだよね。
今回、彼らには毎日新聞記事用にインタヴューしたのだが、素朴な連中。ちなみに、好きなフットボールのチームは、ニック・ブラッカ(ベース)はリーズ、ロブ・ターナー(ドラム)はボルトン、クリス・アイリングワース(ピアノ)は興味なし、とのこと。ブラッカとターナーはマンチェスターのチームならシティを応援するとのこと。アイリングワースとターナーは同じマンチェスターの音楽学校でクラシックを学んでおり、ブラッカはラム(http://43142.diarynote.jp/200905271738046764/ の終盤参照のこと)で弾いていたベーシストに習っていたそう。
そりゃインプロヴィゼイションの要素はあるものの、面々はイケてるソロを取ろうとするのではなく、三者の絡みの妙から響きや奥行きをつむぎだそうとしたり、ときにぱーんと昇天するハーモニーが湧く瞬間を得ようとするのが演奏指針の一義にあるように思えるとの問いかけに、彼らは同意した。譜面もイケるが、なるべく譜面は用いないようにしているそう。そんな彼らは旧来のジャズとは一線を画したいという意識(ちゃらいバンド名もその表われ)とジャズという軸の中に存在したいというアンビバレントな気持ちを持っているのが、面白かった。だから、ブルーノートからディールの話があったとき(ドン・ワズはノー・タッチ。それもあり、ブルーノートの2作はすべてマンチェ関連者/物件でまかなわれている)はマジうれしかったそうだし、好きな同社のアルバムを挙げてと言ったら、ジョー・ヘンダーソン作やホレス・シルヴァー作などを出した。間違っても、ギル・メレとかは言わなかった。そんな3人なので、電気的処理を楽器音に加えることはあっても、ピアノ、ダブル・ベース、ドラムという基本構成にはこだわっていきたいとのこと。そこには、同様のことをしていたE.S.T.(2003年6月17日、2007年1月13日)をに多大なインスピレーションを受けていることも関係あるようだが。
なお、ショウの最中、ハーモニウムのような音がずっと流れている箇所があったが、それはピアノの響きを拾ってアイリングワースが作っているそう。かつては、そういう音はベーシストが出していたが、同じ装置をピアノに転用することで今は実演で出しているという。それから、ドラマーがスネアを真正面に配置し(キック・ドラムは少し左取りにセッティングしていた)、タムは右側に置いていた。たまたま案内された席がソイル&ピンプ・セッションズ(2005年7月29日、2007年5月6日、2009年6月12日、2011年1月30日、2011年6月23日、2012年3月3日。2012年9月9日)の社長の隣であったのだが、彼も面白いセッティングだなと感想をもらす。ソイルは近くレコーディングが終わり、6月に5人になっての初のアルバムが出るそう。ターナー自身にその変速のセッティングはあなたがクラシックを学んでいたことと関係はあるのかと問うと、「たぶん、繋がっている。だって、僕はドラマーというよりパーカッショニストという意識が大きいから」。
▶︎過去の、ゴーゴー・ペンギン
http://43142.diarynote.jp/201709101059289712/
▶過去の、E.S.T.
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-6.htm
http://43142.diarynote.jp/200701141431470000/
▶過去の、SOIL & “PIMP” SESSIONS
http://43142.diarynote.jp/200508042335560000/
http://43142.diarynote.jp/200705181805330000/
http://43142.diarynote.jp/200906160733018341/
http://43142.diarynote.jp/201102091715522875/
http://43142.diarynote.jp/201107020946473690/
http://43142.diarynote.jp/201203062005542291/
http://43142.diarynote.jp/201209191229057579/
<今日の、訃報>
2018年2月18日に、フランスのジャズ・ヴァイオリン奏者のディディエ・ロックウッド(2016年4月10日)が心臓発作でおなくなりになった。前日にはライヴを行っていたという。この2月11日に62歳になったばかりで、彼には奥さんと3人の娘さんがいた。彼の死を伝える報によれば、若くしてステファン・グラッペリに認められ、プログ・ロック・グループのマグマに入ったこともあったらしい。2年前に偶然とはえ、彼の瞬発力にたけた演奏に触れることができて本当によかった。
▶︎過去の、ディディエ・ロックウッド
http://43142.diarynote.jp/201604190912403018/