ハイエイタス・カイヨーテ。ラヴィ・コルトレーン・カルテット
2016年5月26日 音楽 まず、南青山・ブルーノート東京で、豪州4人組(2015年9月27日)を見る。激混み。で、前回に見た野外ライヴより、もっと音が良くて、バンド・アンサンブルもより精緻に噛み合っているパフォーマンスに触れながら、ひゃははははと笑いっぱなし。
よくもまあ、こーゆーの作るな。もうプログ・ポップというか。ポスト・ソウルというか。変な、でもクールなうねりを持つ楽器のアンサンブルやヴォーカルの絡みを考案し、実演で再現していると思う。その前によくもまあヴィジョンを同じくし、重ね合うことができる人たちが出会ったものだとも思う。
そのパフォーマンスの様は暗号を解読していく感覚、パズルを解いて行くような醍醐味を持つ。それらは周到に作りこまれており、実は即興性は少ない。でも、見事なアンサンブル構築のため、ある種ジャジーな感触や、爽快感も出てくる。そして、それらに触れながら、たとえば枠外しな周到変態アンサンブル表現を徹底して生の場で開きまくっていたフランク・ザッパのことを一瞬想起した。まあ、ザッパたちのほうが度を超して凝ってはいるが、この豪州バンドを書き記すのにあの人間基準法違反バンドの名を出すとは思いもしなかった。でもって、ぼくはなぜハイオエイタスのスタジオ盤を聞いて、どこか閉塞感を感じたかも了解(→→20代まではザッパはぼくのアーティスト十傑に入っていたが、齢を重ねるにつれ、凝りまくった仕掛けのため聞くのが辛くなった)。今回のライヴはもっとこなれた部分も出て来て、ヘラヘラ聞ける。
会場に、昨日見たキャンデス・スプリングスの姿も。彼女はハイエイタスを見て、何を感じたろうか。
▶過去の、ハイエイタス・カイヨーテ
http://43142.diarynote.jp/201510021129591335/
次は丸の内・コットンクラブでラヴィ・コルトレーン(2013年8月18日、2014年5月22日、2015年9月5日)のカルテットを見る。巨星ジョン・コルトレーンの息子さん。40歳で亡くなったジョン・コルトレーンが亡くなる2年間にアリス・コルトレーンの間に設けた子供(次男)だが、ラヴィももう50歳なのか。見た目はその年齢よりも若く見える。フライング・ロータス(2014年12月5日)は甥となりますね。
実は純ジャズ・マン二世で、同じジャズの道で大成した人ってかなり少ないんじゃないか。少なくても、ブラジル音楽界と比べたならその差はものすごい。なので、ラヴィは米国ジャズ界ではもっともいい感じのほうにいる二世となると思う。この晩のリーダー公演を見てそう思った。
ジャズ正道を行こうとしつつ、ちゃんと考えぬかれプライドに満ちたグループ・コンセプトとサイド・マン選択があり。2014年にはECMからリーダー作(トーマス・モーガンとマーカス・ギルモアのリズム隊)を出してしまったキューバ出身(1983年生まれの)ピアニストのダビィ・ビレージェス(2007年10月25日)、タブル・ベースのデゥロン・ダグラス(2015年1月9日)、ドラマーのジョナサン・ブレイク(2009年9月3日、2011年5月5日)という面々がつく。ラヴィを含め皆譜面台をおいていたので、その顔ぶれはワーキング・グループと言えないのかもしれない。ぼくは譜面台を置くプロのミュージシャンが大嫌い(→それは、役者が台本を手に舞台にあがるようなもの。©加古隆)。だが、そんなのを通り越して、イケてるバンド表現が繰り広げられていると思った。
各曲は15分ぐらいはあったか。それぞれの楽器の演奏一つ一つが生理的にイビツ、熟考した末に繰り出され、刺激的に絡み合うという感じ。だから、それは当然<テーマ→各者ソロ→テーマ>と呑気に記せないものになっているし、ダヴィ・ビレージェスは1曲目の冒頭10分ぐらいは、ピアノの前に座っていてもピアノを弾かなかった! もう、意志の塊のような、これこそは今の王道ジャズであるべきと思わせる四者の重なりがそこにはあった。ラヴィの演奏も正々堂々、感じいってしまう。父のジョンはストイックで、寡黙な人というイメージをぼくは持つが実際はどうだったんだろう? だって、ラヴィのMCを聞くとサバけた快活な人のようにも思えるから。
▶過去の、ラヴィ・コルトレーン
http://43142.diarynote.jp/?day=20130818
http://43142.diarynote.jp/201405231458349566/
http://43142.diarynote.jp/201509211331298145/
▶過去の、フライング・ロータス
http://43142.diarynote.jp/201412151251045801/
▶過去の、ダビィ・ビレージェス
http://43142.diarynote.jp/200711121022550000/ テルマリー
▶過去の、デズロン・ダクラス
http://43142.diarynote.jp/?day=20150109
▶過去の、ジョナサン・ブレイク
http://43142.diarynote.jp/200909120646397236/
http://43142.diarynote.jp/201105101010399933/
http://43142.diarynote.jp/201506251047401015/
<今日の、所感>
忙しすぎて、なにもありません。まだ、出口は見えず(すこし、おおげさ)。。。。でも、夜は机に向かわず、遊ぶ。それ、プロの物書きの矜持なり。
よくもまあ、こーゆーの作るな。もうプログ・ポップというか。ポスト・ソウルというか。変な、でもクールなうねりを持つ楽器のアンサンブルやヴォーカルの絡みを考案し、実演で再現していると思う。その前によくもまあヴィジョンを同じくし、重ね合うことができる人たちが出会ったものだとも思う。
そのパフォーマンスの様は暗号を解読していく感覚、パズルを解いて行くような醍醐味を持つ。それらは周到に作りこまれており、実は即興性は少ない。でも、見事なアンサンブル構築のため、ある種ジャジーな感触や、爽快感も出てくる。そして、それらに触れながら、たとえば枠外しな周到変態アンサンブル表現を徹底して生の場で開きまくっていたフランク・ザッパのことを一瞬想起した。まあ、ザッパたちのほうが度を超して凝ってはいるが、この豪州バンドを書き記すのにあの人間基準法違反バンドの名を出すとは思いもしなかった。でもって、ぼくはなぜハイオエイタスのスタジオ盤を聞いて、どこか閉塞感を感じたかも了解(→→20代まではザッパはぼくのアーティスト十傑に入っていたが、齢を重ねるにつれ、凝りまくった仕掛けのため聞くのが辛くなった)。今回のライヴはもっとこなれた部分も出て来て、ヘラヘラ聞ける。
会場に、昨日見たキャンデス・スプリングスの姿も。彼女はハイエイタスを見て、何を感じたろうか。
▶過去の、ハイエイタス・カイヨーテ
http://43142.diarynote.jp/201510021129591335/
次は丸の内・コットンクラブでラヴィ・コルトレーン(2013年8月18日、2014年5月22日、2015年9月5日)のカルテットを見る。巨星ジョン・コルトレーンの息子さん。40歳で亡くなったジョン・コルトレーンが亡くなる2年間にアリス・コルトレーンの間に設けた子供(次男)だが、ラヴィももう50歳なのか。見た目はその年齢よりも若く見える。フライング・ロータス(2014年12月5日)は甥となりますね。
実は純ジャズ・マン二世で、同じジャズの道で大成した人ってかなり少ないんじゃないか。少なくても、ブラジル音楽界と比べたならその差はものすごい。なので、ラヴィは米国ジャズ界ではもっともいい感じのほうにいる二世となると思う。この晩のリーダー公演を見てそう思った。
ジャズ正道を行こうとしつつ、ちゃんと考えぬかれプライドに満ちたグループ・コンセプトとサイド・マン選択があり。2014年にはECMからリーダー作(トーマス・モーガンとマーカス・ギルモアのリズム隊)を出してしまったキューバ出身(1983年生まれの)ピアニストのダビィ・ビレージェス(2007年10月25日)、タブル・ベースのデゥロン・ダグラス(2015年1月9日)、ドラマーのジョナサン・ブレイク(2009年9月3日、2011年5月5日)という面々がつく。ラヴィを含め皆譜面台をおいていたので、その顔ぶれはワーキング・グループと言えないのかもしれない。ぼくは譜面台を置くプロのミュージシャンが大嫌い(→それは、役者が台本を手に舞台にあがるようなもの。©加古隆)。だが、そんなのを通り越して、イケてるバンド表現が繰り広げられていると思った。
各曲は15分ぐらいはあったか。それぞれの楽器の演奏一つ一つが生理的にイビツ、熟考した末に繰り出され、刺激的に絡み合うという感じ。だから、それは当然<テーマ→各者ソロ→テーマ>と呑気に記せないものになっているし、ダヴィ・ビレージェスは1曲目の冒頭10分ぐらいは、ピアノの前に座っていてもピアノを弾かなかった! もう、意志の塊のような、これこそは今の王道ジャズであるべきと思わせる四者の重なりがそこにはあった。ラヴィの演奏も正々堂々、感じいってしまう。父のジョンはストイックで、寡黙な人というイメージをぼくは持つが実際はどうだったんだろう? だって、ラヴィのMCを聞くとサバけた快活な人のようにも思えるから。
▶過去の、ラヴィ・コルトレーン
http://43142.diarynote.jp/?day=20130818
http://43142.diarynote.jp/201405231458349566/
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▶過去の、フライング・ロータス
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▶過去の、ダビィ・ビレージェス
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▶過去の、デズロン・ダクラス
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▶過去の、ジョナサン・ブレイク
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http://43142.diarynote.jp/201506251047401015/
<今日の、所感>
忙しすぎて、なにもありません。まだ、出口は見えず(すこし、おおげさ)。。。。でも、夜は机に向かわず、遊ぶ。それ、プロの物書きの矜持なり。