六本木・ビルボードライブ東京(セカンド・ショウ)、デイヴィッド・ボウイ・トリビュート企画なり。ボウイの複数期に関与した米国人ギタリストのアール・スリック(彼は、ジョン・レノン表現にも関与したミュージシャンである)がリーダーシップを取る公演で、彼が関与した 1976年作『ステイション・トゥ・ステイション』を大々的に再演しちゃいますよというもの也。ボウイ役にはビル・ラズウェル関連ブツに長年(1983年〜)関わり、2000年代に入るとストーンズ(2003年3月15日)のバックグランド・シンガーの座にもついているアフリカ系シンガーのバーナード・ファウラー(2003年3月13日、2003年3月15日、2005年7月3日)が担う。

 他に、ギター、キーボード、ベース、ドラム、サックス/パーカッション/ギター、バックグランド・シンガーがサポート。サックス+奏者は元スパンダー・バレエのスティーヴ・ノーマンで、女性コーラスは昨年のトニー・ヴィスコンティ公演(2015年7月7日)に同行したミック・ロンソンの娘のリサ・ロンソンだ。
 
 アルバム通りの列車の音のSEとともに始まったショウは、まず『ステイション・トゥ・ステイション』をアルバムのままの曲順でやる。バンド・サウンドはこんなものでしょう、問題ない。笑っちゃったのはファウラーのヴォーカル。もうボウイの歌唱にきっちり沿い、こりゃ滅茶器用。さすが、長年セッション・シンガーの第一線にいる人物の実力を思い知らされた。というわけで、意固地な聞き手じゃないかぎり(そういう人はここに来ないか)、これはふふふと接することができたのではないかな。加えて、数曲ボウイ曲をやり、最後は「ヒーローズ」なり。1952年ブルックリン生まれのスリックはけっこうロックンローラーな外見をキープ。それにしても、キース・リチャーズ以後のある傾向のギタリストは似た風情を持つ人が少なくないなあ。

▶過去の、ザ・ローリング・ストーンズ
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-3.htm
▶過去の、バーナード・ファウラー
http://www.myagent.ne.jp/~newswave/live-2003-3.htm
http://43142.diarynote.jp/200507061225530000/
あと、文章では触れていないが、2004年のフジ・ロックにスティーヴィ・サラス・バンドの一員として来日。全員アフリカ系ミュージシャンで固めたそれは、ブラック・ロック志向でなかなか良かった。
http://43142.diarynote.jp/200407290730290000/
▶過去のトニー・ヴィスコンティ/リサ・ロンソン
http://43142.diarynote.jp/201507090944439091/

 その後、六本木・VARITに行く。お目当ては、アシッド・アラブ。普段はアルジェリア人のキーボードを入れたライヴ・セットでやることも多いようだが、今回は2人でのDJセットによる。ユニット名にあるように、アラブ音楽の語彙とアシッド・ハウスを重ねたようなことをやるが、それはチュニジアの島であったフェスに2人別々にが呼ばれたのがきっかけ。そのさい彼らはアラブ文化/音楽にやられ、その要素を取りこんだ DJ表現を志向するようになる。自らの文化にないものを持ってくるゆえ、ぼったくりにならないように気をつけるとともに、かような彼らのDJミュージックはワールド・ビートの発信地となったフランスならではのものであるとも、彼らは自認している。

 実際、好奇心に溢れたパリの裏道のビート表現という感じはあったか。なんか、ショウが終わる前に事故で電源が落ちてストップしてしまったのは残念。でも、そんなこともあるさと、メンバーは悠然としているように思えた。二分の一、ギド・ミニスキーは以前にルイ・ヴィトンの東京のパーティに呼ばれたことがあるという。

<今日の、体調>
 風邪で、変わらず熱っぽいでーす。鼻水がバカみたいに出てまーす。ゆえに、ずっと味覚も落ちてまーす。ところで、VARITの入り口で沼澤尚とすれ違う。彼も、変なとこ(では、ぜんぜんないが)に出入りしているなー。