ベニー・ゴルソン・カルテット
2013年5月15日 音楽 このジャズ界に確かな活動歴を残すテナー・サックス奏者は何度も来日している(今回は5年ぶりのよう)はずだが、ぼくは今回初めて彼のことを見る。1929年1月生まれというから、すでに84歳。そろそろ、というのもありえるかもと思って見にいったんだけど、年齢より若く見えて、とても元気そうに思えた。MCや他者のソロのときは椅子に座ることも多かったが、歩行も普通だし、ぼくのなかの印象だと10歳は年下だな。そんなゴルソンさんはテナー・サックス奏者であるだけでなく、作/編曲の分野で多大な功績を残している人物。それゆえ、1960〜70年代にかけては映画/TV音楽作りで大々的に活躍したりもした。
出て来たゴルソンを見てすぐに思ったのは、エスタブリシュされている感が大ありということ。彼はいい感じで、ノーネクタイでスーツを着こなす。それは他のアフリカ系のリズム隊も同じ。華と格式を見る者に与えるな。で、一発吹いただけで、テナー音に風情あることも了解。くぐもった、スモーキーな響きはやはりヴェテランの味。そして、そんな彼→ピアノ→ベース→ドラムと判で押したようにソロを回して行く、危なげのない、穏健なジャズがゆうゆう披露される。壊れたジャズ、先を見たジャズが好きなぼくの好みからは離れるが、王道のジャズを豊穣な雰囲気のもと楽しみたいという人にはぴったりの出し物ではなかったか。先に書いたように出演者たちは名分を感じさせるし、ゴルソンのMCも風情あるし、演奏時間も長めだったし……。ましてや、このサックス奏者は、自由の象徴としてジャズを扱ってもいた、トム・ハンクス主演の2004年スピルバーグ映画「ターミナル」にキャミオ出演している人なんだよ、な〜んて蘊蓄を同行者に語ることもできるし(笑い)。
ずっと一緒にやっているカルテットのようで、白人のマイク・ルドン(ピアノ。1957年生まれ)、バスター・ウィリアムズ(ベース、1942年生まれ)、カール・アレン(ドラム。1961年生まれ。2012年3月3日、他)、3人ともかなりな数のリーダー作を出している腕利き達。とくにウィリアムズはセクタント期のハービー・ハンコック(や同傾向のエディ・ヘンダーソン)、ウディ・ショウ、マッコイ・タイナー、ベニー・モウピン、ラサーン・ローランド・カークなど、かつてぼくがよく聞いた1970年代上半期のジャズ・アルバムによく名を連ねていた人で、見ることができてうれしい。彼はロン・カーター(2012年12月11日、他)とともにウッド・ベース音を過剰目にアンプリファイドさせる傾向にあった奏者であったが、カーターが自然な音色で弾くようになった今も、彼はブーストしたベース音のもとひっぱるようなフレイズを繰り出していた。
曲はデューク・エリントンの「A列車で行こう」から、有名自作「ブルース・マーチ」まで。他人の曲も自作も、ジャズ史のなかでの横並びの財産という思いを出していた? もっと自作曲をやってもいいと思ったが、ワン・ホーンでやっていることはスタンダード多用となるのに繋がりを持つか。やはりゴスソン曲と言うと、管楽器の粋な絡みというのが重要事項として頭に思い浮かぶし。セロニアス・モンク/クーティ・ウィリアムズ作の「ラウンド・ミットナイト」もやったが、それはなんとバンマス抜きのピアノ・トリオにて披露された。
黒のスーツを見にまとい、やはりエスタブリッシュ感のある奥さんがずっと後ろで見ていた。すごく私生活、充実してそうだな。南青山・ブルーノート東京、セカンド・ショウ。
<今日の、新宿区霞ヶ丘町>
また、国立競技場にサッカーを見に行っちゃった。この日曜に行って、行くのがあまりに楽なことを再確認したゆえ。大江戸線の国立競技場駅出口の隣がスタジアムの入り口、家から30分で着いちゃうもの。しかも、陸上トラック付きの会場ではあるものの、味の素スタジアムよりもピッチが近く感じられるのもいい。その東京FC本拠地の味スタやさらにピッチが遠いマリノスがホームにする横浜国際総合競技場のサッカー会場としての存在価値って一体なんだ? ともあれ、500円高くなる当日券でも自由席で2000円なり。コストパフォーマンスの高い娯楽だな。
ナビスコ・カップの、東京FCと新潟アルビレックスの試合。Jリーグが1993年のこの日にこの会場で始まったということで、初代チェアマンの川淵三郎が試合前にスピーチ。今は名誉欲まるだしの妖怪じじいという所感を与えるようになってしまったが、20年前は颯爽と理想主義に燃えている感じが本当にあった。Jリーグの当初の成功はやはり彼に負う所も小さくないのではないかな。
晴天で陽が暮れて……気持ちいい最高っとビール片手にうかれて見ていたら、途中から寒さを感じるようになる。だけど、売店ではアルコールはビールしか売っていない。トイレに何度も行ってしまったな。あ、それから主審は家本政明。かつてありえねー的レフリングの連発でJリーグ史上もっともディスられまくられた悲しいキャリアを持つ御仁。いつのまにか、普通の試合さばきをするようになっている。
今年絶好調の渡邉千真(現在J1のトップ・スコアラー!)やアルビレックスのブラジル人ボランチのレオ・シルバあたりはぼくの見たい筆頭選手であったが、彼らはこの試合サブか登録外でお休み。でも、リーグ戦の合間の平日に行われる傾向にあるカップ戦はキー・メンバーの1人や2人は休ませるのが常で、それはしょうがない。子供をくだらねえ校則で縛るようなJリーグのベスト・メンバー規定なんてなくなればいいのに。でも、逆にカップ戦だからこそ先発で出場することができた石川直宏のファイン・ゴールを見ることができたし、何より本人が超うれしそうなのは良かった。あと、後半に新潟の鈴木武蔵を見る事ができたのはうれしかった。
FC東京も新潟もともにまっとうなノリを持つ応援団だと思うが、それでも応援の太鼓やかけ声がぼくにはうるさすぎる。全体/付和雷同主義のダサさをやんわり認識させもするそれらは、ぼくがスタジアムに生試合を見に行くのを阻害する要因となるものであると再確認。ぼくはもっとゆったりサッカーを見たい。ただ、ACLのアウェー試合のときは、彼らのあり方を頼もしく感じて大肯定しそうな気も(唯一ACLで残っている柏が、今日アウェー試合で勝った!)。って、なんか書いていることがバラバラぢゃん。あと、ハーフタイムのときの、東京FCのマスコットと新潟のサポーターたちのやりとりが微笑ましかった。
で、そのあと、ブルーノート東京に行ったわけです。
ところで、後発の地下鉄線である大江戸線の駅はどれも地中深く設けられているが、混雑緩和のために「国立競技場駅」はより、わざと深めに作られているというのは本当だろうか。確かに、歩く(上り下りする)距離を長くすれば、人の混雑はバラける方向となるわけで……。
出て来たゴルソンを見てすぐに思ったのは、エスタブリシュされている感が大ありということ。彼はいい感じで、ノーネクタイでスーツを着こなす。それは他のアフリカ系のリズム隊も同じ。華と格式を見る者に与えるな。で、一発吹いただけで、テナー音に風情あることも了解。くぐもった、スモーキーな響きはやはりヴェテランの味。そして、そんな彼→ピアノ→ベース→ドラムと判で押したようにソロを回して行く、危なげのない、穏健なジャズがゆうゆう披露される。壊れたジャズ、先を見たジャズが好きなぼくの好みからは離れるが、王道のジャズを豊穣な雰囲気のもと楽しみたいという人にはぴったりの出し物ではなかったか。先に書いたように出演者たちは名分を感じさせるし、ゴルソンのMCも風情あるし、演奏時間も長めだったし……。ましてや、このサックス奏者は、自由の象徴としてジャズを扱ってもいた、トム・ハンクス主演の2004年スピルバーグ映画「ターミナル」にキャミオ出演している人なんだよ、な〜んて蘊蓄を同行者に語ることもできるし(笑い)。
ずっと一緒にやっているカルテットのようで、白人のマイク・ルドン(ピアノ。1957年生まれ)、バスター・ウィリアムズ(ベース、1942年生まれ)、カール・アレン(ドラム。1961年生まれ。2012年3月3日、他)、3人ともかなりな数のリーダー作を出している腕利き達。とくにウィリアムズはセクタント期のハービー・ハンコック(や同傾向のエディ・ヘンダーソン)、ウディ・ショウ、マッコイ・タイナー、ベニー・モウピン、ラサーン・ローランド・カークなど、かつてぼくがよく聞いた1970年代上半期のジャズ・アルバムによく名を連ねていた人で、見ることができてうれしい。彼はロン・カーター(2012年12月11日、他)とともにウッド・ベース音を過剰目にアンプリファイドさせる傾向にあった奏者であったが、カーターが自然な音色で弾くようになった今も、彼はブーストしたベース音のもとひっぱるようなフレイズを繰り出していた。
曲はデューク・エリントンの「A列車で行こう」から、有名自作「ブルース・マーチ」まで。他人の曲も自作も、ジャズ史のなかでの横並びの財産という思いを出していた? もっと自作曲をやってもいいと思ったが、ワン・ホーンでやっていることはスタンダード多用となるのに繋がりを持つか。やはりゴスソン曲と言うと、管楽器の粋な絡みというのが重要事項として頭に思い浮かぶし。セロニアス・モンク/クーティ・ウィリアムズ作の「ラウンド・ミットナイト」もやったが、それはなんとバンマス抜きのピアノ・トリオにて披露された。
黒のスーツを見にまとい、やはりエスタブリッシュ感のある奥さんがずっと後ろで見ていた。すごく私生活、充実してそうだな。南青山・ブルーノート東京、セカンド・ショウ。
<今日の、新宿区霞ヶ丘町>
また、国立競技場にサッカーを見に行っちゃった。この日曜に行って、行くのがあまりに楽なことを再確認したゆえ。大江戸線の国立競技場駅出口の隣がスタジアムの入り口、家から30分で着いちゃうもの。しかも、陸上トラック付きの会場ではあるものの、味の素スタジアムよりもピッチが近く感じられるのもいい。その東京FC本拠地の味スタやさらにピッチが遠いマリノスがホームにする横浜国際総合競技場のサッカー会場としての存在価値って一体なんだ? ともあれ、500円高くなる当日券でも自由席で2000円なり。コストパフォーマンスの高い娯楽だな。
ナビスコ・カップの、東京FCと新潟アルビレックスの試合。Jリーグが1993年のこの日にこの会場で始まったということで、初代チェアマンの川淵三郎が試合前にスピーチ。今は名誉欲まるだしの妖怪じじいという所感を与えるようになってしまったが、20年前は颯爽と理想主義に燃えている感じが本当にあった。Jリーグの当初の成功はやはり彼に負う所も小さくないのではないかな。
晴天で陽が暮れて……気持ちいい最高っとビール片手にうかれて見ていたら、途中から寒さを感じるようになる。だけど、売店ではアルコールはビールしか売っていない。トイレに何度も行ってしまったな。あ、それから主審は家本政明。かつてありえねー的レフリングの連発でJリーグ史上もっともディスられまくられた悲しいキャリアを持つ御仁。いつのまにか、普通の試合さばきをするようになっている。
今年絶好調の渡邉千真(現在J1のトップ・スコアラー!)やアルビレックスのブラジル人ボランチのレオ・シルバあたりはぼくの見たい筆頭選手であったが、彼らはこの試合サブか登録外でお休み。でも、リーグ戦の合間の平日に行われる傾向にあるカップ戦はキー・メンバーの1人や2人は休ませるのが常で、それはしょうがない。子供をくだらねえ校則で縛るようなJリーグのベスト・メンバー規定なんてなくなればいいのに。でも、逆にカップ戦だからこそ先発で出場することができた石川直宏のファイン・ゴールを見ることができたし、何より本人が超うれしそうなのは良かった。あと、後半に新潟の鈴木武蔵を見る事ができたのはうれしかった。
FC東京も新潟もともにまっとうなノリを持つ応援団だと思うが、それでも応援の太鼓やかけ声がぼくにはうるさすぎる。全体/付和雷同主義のダサさをやんわり認識させもするそれらは、ぼくがスタジアムに生試合を見に行くのを阻害する要因となるものであると再確認。ぼくはもっとゆったりサッカーを見たい。ただ、ACLのアウェー試合のときは、彼らのあり方を頼もしく感じて大肯定しそうな気も(唯一ACLで残っている柏が、今日アウェー試合で勝った!)。って、なんか書いていることがバラバラぢゃん。あと、ハーフタイムのときの、東京FCのマスコットと新潟のサポーターたちのやりとりが微笑ましかった。
で、そのあと、ブルーノート東京に行ったわけです。
ところで、後発の地下鉄線である大江戸線の駅はどれも地中深く設けられているが、混雑緩和のために「国立競技場駅」はより、わざと深めに作られているというのは本当だろうか。確かに、歩く(上り下りする)距離を長くすれば、人の混雑はバラける方向となるわけで……。