マリアリー・パチェーコ。オリアンティ
2013年5月13日 音楽 マリアリー・パチェーコはキューバ生まれの女性ジャズ・ピアニスト(30歳ちょいぐらい?)。同国のミュージシャンの例にもれず英才教育を得て今があるらしいが、若い時分から国外に出て、現在まで5枚ほどリーダー作を出しているようだ。また、MCではハバナから来ましたァみたいなことを行っていたが、そのHPによれば、2009年からオーストラリアのブリスベンに居住しているよう。でも、英語のMCは達者な感じではなかったな。ともあれ、耳にしたアルバムがキューバ出身者であることが見え隠れしつつ甘さを排した現代的なピアノ弾きであること出していて、少しでもその生に触れたいと思った。
モーションブルー・ヨコハマ、ファースト・ショウ。丸の内にコットンクラブができる前は月に何度も行っていたりもしたが、今は本当に足が遠のいてしまったな。場内の席配置/構成が変わっていたが、なるほどアトラクティヴな内装を持つハコだと再認識。普段こぎたないクラブ公演をこなしている外国人ミュージシャンがここに来て演奏したら、感激するだろうなあと思った。
ショウはソロにて。ステージに出て来たパチェーコはすらり長身、人懐こい情緒を振りまく人で、陽気。弾いている最中にも笑顔をこぼしたりする。で、悠々と指を這わせるわけだが、やはりどこかにキューバンらしいアクセントを残しつつ、硬質なフレイズを連ねて行く。少し、キース・ジャレッットも好きなんだろうなと思わせるところも顔を出す。スタンダードや自作をやったのかな? それと、キューバの曲をやったときは少し色彩感を増し、華やかなメロディ感覚も前に出た。
その後は、六本木・ビルボードライブ東京に。こちらの出演者は、故マイケル・ジャクソンの幻のツアー“ディス・イズ・イット”の構成員に抜擢され、そのリハの様をまとめた同名映画(2009年10月30日)で紹介されたことで一躍脚光を浴びた金髪ギタリストのオリアンティ(2011年11月22日。今はLA在住のようだが豪州出身、ユニヴァーサル系列から3作のアルバムを出している。
そのリーダー作を聞くと、中途半端に機械ビートなども使った産業ポップ・ロックを聞かせていて、ぼくの興味対象外と感じずにはいられないが、実演はそれと繋がらないものでおもしろかった。とともに、アルバム群は船頭たちが売れ線を狙って彼女のやりたいことをツブしているんだろうとも、思わずにはいられず。ま、なんにせよ、きっちりギターが弾けるだけでなく、ちゃんと歌えもする総合的なロッカーであるのを出していた。
大味なドラマーとベーシスト(ピック弾き)を従えての、トリオによるライヴ。プリセット音使用はなく(一部分、あれっという所はあったが)、どすこいな生音で勝負。途中2曲でローディみたいなお兄さんが補助ギターを弾いたが、別に入らなくても平気だったような。
3人でやるのは基本、もうタネもしかけもない、古くささ100%の鈍重なロック。どう見たって、それは20代の女性がやるものではなく、60ぐらいの駄目おやじが某弱無人にコレしかできないんですとやるような感じのもの。ときに、エモが入ったポップ・ロック調曲もやったが、全体のトーンを定めるのは時代錯誤調ロック。それだけだったら、ぼくは興味をひかれることはなかったのだが(頭のほうは少し苦々しい思いで実演に接していた)、なんとそこかしこから、ジミ・ヘンドリックスやブルース(スライド・バーを用いた曲もあった)に対する思慕のようなものがこぼれてくる! それには、おおおお。応援したくなる。そっちのほうに、舵を切ったアルバムを出してほしいと切に思う。彼女、絶対にヘンドリックス/ブルースも好きだし、知識も持っている。いやあ、ライヴ見なきゃ本質見えないときもやっぱあるのだなあ。
<今日の、T・レックス>
T・レックスの『ザ・スタイダー』の発売40周年セットという名目のブック装丁仕立ての2CD+DVD+のブツが届く。ザ・ビートルズはリアル・タイムでほぼ聞けなかったが、T・レックスはリアル・タイムで接することができた僥倖……みたいな原稿を書いたことがあるぼくとしては胸弾む。制作者トニー・ヴィスコンティの最新磨き込み音の検証についてはこれからゆっくり。DVDにはヴィスコンティの最新インタヴュー映像が収められていて、ほうヴィスコンティってこういう人なのか。いい感じぢゃ。そして、マークは精神性をもっていたが、その正しさゆえ仏教にもヒンドゥー教にもはまらなかった、みたいな発言内容も興味深い。次世代のマーク・ボランなるものというと、ぼくはまずプリンスを思い浮かべてしまう……。
モーションブルー・ヨコハマ、ファースト・ショウ。丸の内にコットンクラブができる前は月に何度も行っていたりもしたが、今は本当に足が遠のいてしまったな。場内の席配置/構成が変わっていたが、なるほどアトラクティヴな内装を持つハコだと再認識。普段こぎたないクラブ公演をこなしている外国人ミュージシャンがここに来て演奏したら、感激するだろうなあと思った。
ショウはソロにて。ステージに出て来たパチェーコはすらり長身、人懐こい情緒を振りまく人で、陽気。弾いている最中にも笑顔をこぼしたりする。で、悠々と指を這わせるわけだが、やはりどこかにキューバンらしいアクセントを残しつつ、硬質なフレイズを連ねて行く。少し、キース・ジャレッットも好きなんだろうなと思わせるところも顔を出す。スタンダードや自作をやったのかな? それと、キューバの曲をやったときは少し色彩感を増し、華やかなメロディ感覚も前に出た。
その後は、六本木・ビルボードライブ東京に。こちらの出演者は、故マイケル・ジャクソンの幻のツアー“ディス・イズ・イット”の構成員に抜擢され、そのリハの様をまとめた同名映画(2009年10月30日)で紹介されたことで一躍脚光を浴びた金髪ギタリストのオリアンティ(2011年11月22日。今はLA在住のようだが豪州出身、ユニヴァーサル系列から3作のアルバムを出している。
そのリーダー作を聞くと、中途半端に機械ビートなども使った産業ポップ・ロックを聞かせていて、ぼくの興味対象外と感じずにはいられないが、実演はそれと繋がらないものでおもしろかった。とともに、アルバム群は船頭たちが売れ線を狙って彼女のやりたいことをツブしているんだろうとも、思わずにはいられず。ま、なんにせよ、きっちりギターが弾けるだけでなく、ちゃんと歌えもする総合的なロッカーであるのを出していた。
大味なドラマーとベーシスト(ピック弾き)を従えての、トリオによるライヴ。プリセット音使用はなく(一部分、あれっという所はあったが)、どすこいな生音で勝負。途中2曲でローディみたいなお兄さんが補助ギターを弾いたが、別に入らなくても平気だったような。
3人でやるのは基本、もうタネもしかけもない、古くささ100%の鈍重なロック。どう見たって、それは20代の女性がやるものではなく、60ぐらいの駄目おやじが某弱無人にコレしかできないんですとやるような感じのもの。ときに、エモが入ったポップ・ロック調曲もやったが、全体のトーンを定めるのは時代錯誤調ロック。それだけだったら、ぼくは興味をひかれることはなかったのだが(頭のほうは少し苦々しい思いで実演に接していた)、なんとそこかしこから、ジミ・ヘンドリックスやブルース(スライド・バーを用いた曲もあった)に対する思慕のようなものがこぼれてくる! それには、おおおお。応援したくなる。そっちのほうに、舵を切ったアルバムを出してほしいと切に思う。彼女、絶対にヘンドリックス/ブルースも好きだし、知識も持っている。いやあ、ライヴ見なきゃ本質見えないときもやっぱあるのだなあ。
<今日の、T・レックス>
T・レックスの『ザ・スタイダー』の発売40周年セットという名目のブック装丁仕立ての2CD+DVD+のブツが届く。ザ・ビートルズはリアル・タイムでほぼ聞けなかったが、T・レックスはリアル・タイムで接することができた僥倖……みたいな原稿を書いたことがあるぼくとしては胸弾む。制作者トニー・ヴィスコンティの最新磨き込み音の検証についてはこれからゆっくり。DVDにはヴィスコンティの最新インタヴュー映像が収められていて、ほうヴィスコンティってこういう人なのか。いい感じぢゃ。そして、マークは精神性をもっていたが、その正しさゆえ仏教にもヒンドゥー教にもはまらなかった、みたいな発言内容も興味深い。次世代のマーク・ボランなるものというと、ぼくはまずプリンスを思い浮かべてしまう……。