毎年来ていても、毎回違いや見所があるので、毎度見るべき人。そういう所感を、このキューバ出身の怪傑ピアニスト(2009年5月12日、他)には持っているが、まったくもって。南青山・ブルーノート東京。セカンド・ショウ。

 今回は、アイランド/アンティルズ他からリーダー作を出してもいる自由主義的感覚をおおいに持つサックス奏者のピーター・アプフェルバウム(西海岸バークレー生まれで、ドン・チェリーからフィッシュまで)と、ドイツ出身らしいトランぺッターのヨー・クラウスという、二管を伴っていること。電気ベースとドラムは過去ソーサ公演に複数回同行している、チルド・トーマスとマーク・ギルモア。その5人は自在に絡み、何とも形容に困る、肉声や変テコ音や、エスニックな渦や鼓動の感覚を伴う、我流ジャズ発展インストがごんごんと送り出す。悠々、怒濤。あ、この晩のソーサのコスチュームはまた白色に戻っていました。