バルカン・ビート・ボックス
2008年7月8日 単独公演の日で、渋谷・デュオ。ほぼ、2時間のフルの長さのパフォーマンス。野音のときも思ったが、昨年見たときよりプリセット音の占める比重が増えている。というか、サウンド作りの要であるタミールはラップトップを扱いつつドラムを叩くわけだが、ドラムを叩かないときが増大している。6日の野音のときの文章でデジ・ロックという言葉もぼくは用いているが、それはそうしたところから得た所感が反映されていると思う。オトコの純情/心意気が迸っていることでぼくはフィッシュボーン(2000年7月28日、2000年10月30日、2007年4月6日)やオゾマトリ(2001年10月13日、2002年3月14日、2005年3月17日、2007年4月6日、2007年10月8日)をかつて近い例に挙げていたが、今ならエイジアン・ダブ・ファウンデイション(2000年10月6日)のほうが適切かもなとも思う。なんにせよ、彼らのライヴのように、客は大盛り上がり。ところで、彼らはNY居住組3人とイスラエル居住組3人で成り立つバンドだったが、今はNY組の二人もテル・アヴィブに戻ったとのこと。それは、バンドが軌道に乗り、必ずしも音楽産業の中心地にいる必要がなくなったことも示すものか。まあ、彼らが契約するレコード会社のクラムド・ディスクは在ベルギーだが。唯一NYに居住するオリ(2000年8月15日)も今の彼女がウィーンに住んでいて、NYと行き来する生活になっているそう。……あ、そういえば、ショウの始まりはステージ後方から打楽器と管楽器を手にしたメンバーが出てきて、フロアで車座になって演奏してから、ステージに上がるというもの。それ、オゾマトリの終わり方のちょうど逆じゃないか!