ボビー・リー・ロジャース&ザ・コードトーカーズ
2008年5月12日 ジョージア州アトランタをベースとする、本国ではさんざんライヴをやっているだろう白人トリオ編成バンド。CDを聞いたら少し多彩すぎるきらいはあるものの含蓄豊かでソウルフルなビート・ロックを展開していて気になっていた連中、その初来日公演だ。CDの所感からぼくが期待したのは、米国版ザ・キンクスみたいな実演だったが、確かにそういう方向の曲もなくはないものの、この晩に主にやっていたのは、『ブラザーズ&シスターズ』の頃のジ・オールマン・ブラザーズのノリ(ようは、デュエイン・オールマン亡き後、ブルース臭が薄くなり寛ぎ志向になった時期ですね)の演奏。ようは、ジャム・バンド的だともおおいに思わせられたわけ(編成が同じこともあって、少しザ・スリップを思い出したか)で、それにはリード・ヴォーカルも取るギタリストのロジャーズがどんなもんだいと延々とギター・ソロを取ることが大きい。で、これが確かにウマくて、いろんなロック奏法をできるんだろう(はては、ジョン・スコフィールドも問題なく出来そう、とも思った)なと思わせる。ただ、セミアコ(トロモロ・アーム付き。それは使用せず)を用いるくせに、音にリヴァーヴをかけすぎ。それ、リアリティを間違いなく減らしている。巧いといえば、それはベーシスト(6弦エレクトリックを使用)とドラマー(とてもシンプルなキットを使用)も同様で、やっぱアメリカは予備軍の層の厚さが違うよナと実感。3人(年齢は、20代後半〜30歳ちょいぐらい?)とも、お揃いのスーツ(ネクタイも3人おなじものをつける)を着て、パフォーマンスする。実はリズム隊の二人はけっこうルックス良好なお兄さんたちでへえ。やっぱり音楽的な間口を広げ過ぎ、それなりの曲も書けるようだし、歌もヘタじゃないし、ぼくとしてはもう少しシンプルにビート・バンドのりでつっぱしってほしいところ(それだと、メジャー契約がとれなきゃ嘘だ)だが、悪いバンドではないし、また来たら見に行ってもいいな。渋谷・デュオ。二日公演が組まれるなかの、初日。