WOMEX07

2007年10月24日
 WOMEXとはThe World Music Expoの略。いわば、ワールド・ミュージ
ック業界の交流会で、毎年ひらかれ、そこそこの回を重ねている。マメなド
イツ人が主催、近年はスペインのセビーリャで行われている。主たる開催
日は25日から3日間。24日に窓口に行き、パスとともに、本やチラシ、CD
などがいろいろつまった専用のバッグをもらう。で、その晩は前夜祭的な公
演とともに、華やかにパーティが開かれた。

 WOMEXを大きく分ければ、昼の部と夜の部がある。それぞれ会場を異
にして開かれ、昼の部は情報交換/ビジネス・ミーティングの場であり、夜
になると参加者はライヴをぞんぶんに享受する。セビーリャには10年強前
に一度来て観光した(現地のエキスパートが車で普通の観光客が行けないとこ
ろをいろいろと案内してくれた)ことがあったため、今回は観光はほば無し。
というか、以下にあるようにWOMEXは本当に盛り沢山で、それらをちゃ
んと受けようとすると観光の時間はあまりない。とはいいつつ、泊まったホ
テル近くの迷路のような古い街を歩くだけでも本当にスペインらしさ横溢で
感激させられたが。

 で、昼間は幕張メッセのようなところ(宮殿みたいデザインを持つ、新し
い建物)が会場。広いがらんどうのスペースにワールド・ミュージック関連
のレコード・レーベル(日本のアオラ・ミュージックもブースをだしていた
)やプロダクション、音楽振興団体、音楽雑誌、WOMAD他フェス主催者
たち、その他によるブースがいろいろ出され、参加者はそれらを回る。ちょ
いと回ればすぐに山のようにCDや資料がもらえちゃう。興行やリリース・
ライセンスに係わる人と違い情報収拾が目的のぼくのような立場の人間は気
楽だよなあ(といいつつ、アーティストにインタヴューしたりもしたけど)
。また、違う棟ではレクチャーやライヴ(夜登場のアクトとは別に、毎日2
アーティストがパフォーム)やいろんな映画(ぼくは『From Manbo to Hip
Hop:A Bronx Tale』という作品や実在のバンドを題材に今のコンゴ/ キンシ
ャサの状況を伝えもする『Jupiter’s Dance』というドキュメンタリー・フィ
ルムを見た) が放映されたりもする。と書くと、結構理知整然としたものに
思えるかもしれないが、全体的には実に和気あいとした雰囲気が流れていて
、年一度の各国ワールド・ミュージック関係者の顔繋ぎ〜お祭りみたいな感
じ(ワールド音楽業界でWOMEXが果たしている割合は相当に高いはず。
だからこそ、盛況しているわけだ)にもなっているようだ。
 
 夜の部(9時〜2時)はもっと市中心部にある別会場でライヴを大々的に
提供。こちらは一般の人にも有料で公開している。ライヴ会場A)はものす
ごい造形をもつ重厚な劇場とその横に作られた野外ステージの二つで、ライ
ヴ会場B)はそこから徒歩5分離れたものすごいデカい&古い寺院かなんか
の前庭みたいなところに作られた二つのテント(3.000 人規模のものか) …
…、ようは4つのステージを回して、いろんなアーティストが登場する。会
場B) のバーの深夜までいる売り子の女の子たちは未成年にしか見えなかっ
たが、どうなんだろう? また、会場A)の別スペースにはDJルームも設
けられ、夜の長いスペインのこと、ライヴ終了後もノルウェーやドイツのD
Jが日替わりでずっと回していたようだ。

 余談だが(このブロックは同業者に向けての記述っす)、現地まで行くの
は大変だが、登録料は安いし(プレス登録で税込み、147 ユーロ)、事前の
情報提供もちゃんとしていて(ネットの専用サイトにはそうした参加者がち
ゃんと分かるようになっている、一度参加するとそれはずっと残される)、
前もって私たちのブースを覗いてくださいという案内メールが多数来たり、
気の早い所はCDを送ってきたりする。で、実際に会場でブースを回れば、
いろんな資料をなんなく貰えるわけで、200 枚強のCDを入手したか。梱包
しきれなくて、50枚ぐらいホテルに置いてきちゃいました。最初の登録のと
きにバッグのなかに入っていたそこそこ厚いECMのカタログ(なぜか入っ
ていた)など本/冊子の類も間引きせずにはいられなかった。とかなんとか
、現地でもらえるものだけで、十二分に2万円の価値はあるだろうし、もし
ワールド・ミュージック主体でやっている人ならまさに得難い多大な情報を
得られる“黄金の会”なのではないか。

 ぼくがちょい見でもライヴに接したのは、以下のようなアーティストたち
。Yamandu costa (ブラジル)、Hazmat Modine(米国) 、Samputu &
Ingeli( ルワンダ) 、Maravilla de Florida( キューバ) 、Ensemble
"Altaikai"( ロシア) 、Vieux Farka Toure( マリ) 、Fanfara Tirana
( アルバニア) 、Shanbehzadeh Ensemble(イラン/ フランス) 、
Balkan Beat Box(米国/ イスラエル) 、Bajofondo Tangoclub(アルゼンチン
/ フランス) 、Tara Fuki(チェコ/ フランス) 、The Diz Plaatjies Ibuyambo Ensemble(南アフリカ) 、Jose Antonio Ramos( スペイン) 、
Kasai Allstars( コンゴ) 、Mamani Keita & Nicolas Repac
( マリ/ フランス) 、Marful(スペイン) 、La Shica( スペイン) 、Aman
Aman(スペイン) 、Mono Blanco(メキシコ) 、Seun Kuti &
Egypt80(ナイジェリア) 、Melingo( アルゼンチン/ フランス) 、
Majorstuen( ノルウェイ) 、Electric Kulintang( フィリピン/ キューバ/
米国) 、Marya Andrade(カーボ・ヴェルデ/フランス) 、
Gaiteirous de Lisboa( ポルトガル) 、Siba e a Fuloresta( ブラジル) 、Aamaailtman Vasarat(フィンランド) 、Lo Cor de la Plana
( フランス) 、Dengue Fever( カンボジア/ 米国) 、Telmary( キューバ) 。
うわあ、すげえ数。その内容を思い出せないものもいくつもあるが。

 それから、実演は見ることが出来なかったが、Julie Fowlis( スコッ
トランド) は会場であった一番綺麗な人だった。とっても、性格良さそう!
また、3Canal(トリニダード・トバゴ)はNYを経て同地に住むという日本
人のワタナベさんが付き添っていた。