クリスティーナ・ブランコ
2004年6月27日 ポルトガルのファドの女性歌手で、青山・草月ホール。オーディエンスの
年齢層、高し。2部構成で、あわせて約1時間半。ポルトガル・ギター(高
目の音を出す)、ガット・ギター、ギター型のベース、3人のおっさん(割
りと小綺麗な)弦楽器奏者をバックにしてのもの。
おお、写真よりもだいぶ太めの人ですね。けっこう、上品な持ち味。総じ
ては、ポルトガル哀愁のフォークロアという感じ。そんなに、ファドのこと
知らないんですけど……。繊細さを出したいのかもしれないが、PAはもう
少しヴォーカルの声を大きくしてもいいかもしれない。開演前に彼女のメッ
セージや歌詞要約が記された印刷物を配付していたが、彼女は英語でいろい
ろと曲の背景を説明し、半数以上の曲ではステージ後方上部の横長スクリー
ンに、歌に合わせて歌詞が映し出される。丁寧な設定。それ、いい。やっぱ
、送り手が歌詞の内容を重視するならば。1曲、すごい高尚な言い回しなが
ら、けっこうエッチな歌詞と取れるものがあり、ぼくはクスクス笑ってしま
った。
背景に効果的に出される歌詞を見ながら、ぼくはいろいろ考えてしまった
な。かつてのフォークロア的な表現、往年のポップ・ミュージックはもっと
歌詞に重きがかかっていたはず。それが、(乱暴に言ってしまうが)ロック
時代になって、サウンドの比重が増し、どんどん歌詞の妙味の占める割合が
低くなっていった。もちろん、ロック界にもいい詩人は沢山いるが、大方の
歌詞はどーでもいいくだらないもの。でも、かっこいいサウンド/ビートや
全体のインパクトがあれば、にっこり聞けてしまう。旧時代の音楽か、それ
とも今様の音楽かは、どのぐらい歌詞の占める比重が高いかといういうこと
にも表れるのではないのか。そして、ワールド・ミュージック的な聞き方は
きわめてロック的、現代的な非米英圏音楽の聞き方なのだと思う。だって、
聞き手は自分の異なる文化(言語)を持つ表現に歌詞を越えた部分の面白さ
やインパクトを感じ、横にあるポップ・ミュージックと同様に愛でちゃう、
というのがワールド・ミュージック受容のあり方であるのだから。
そんなふうにいろいろと考えが飛んだのは、先(6月20日)のダーヴィッ
シュのジョーダン嬢の発言が頭にあったからかもしれない。「ステージで歌
詞の内容の説明をしたりするけど、まず耳に入ってくる直感で聞いちゃえば
いいのよ。私もワールド・ミュージックを聞くけど歌詞の内容はよく知らず
に楽しんでいるもの。それに、自分勝手な解釈のほうが、本来の意味よりも
鮮やかで素敵だったりすることもあるし。私の曲の説明を聞いて、そんな普
通の意味だったのかとがっかりするんじゃないか、なんて思うこともあるワ
(笑)」
年齢層、高し。2部構成で、あわせて約1時間半。ポルトガル・ギター(高
目の音を出す)、ガット・ギター、ギター型のベース、3人のおっさん(割
りと小綺麗な)弦楽器奏者をバックにしてのもの。
おお、写真よりもだいぶ太めの人ですね。けっこう、上品な持ち味。総じ
ては、ポルトガル哀愁のフォークロアという感じ。そんなに、ファドのこと
知らないんですけど……。繊細さを出したいのかもしれないが、PAはもう
少しヴォーカルの声を大きくしてもいいかもしれない。開演前に彼女のメッ
セージや歌詞要約が記された印刷物を配付していたが、彼女は英語でいろい
ろと曲の背景を説明し、半数以上の曲ではステージ後方上部の横長スクリー
ンに、歌に合わせて歌詞が映し出される。丁寧な設定。それ、いい。やっぱ
、送り手が歌詞の内容を重視するならば。1曲、すごい高尚な言い回しなが
ら、けっこうエッチな歌詞と取れるものがあり、ぼくはクスクス笑ってしま
った。
背景に効果的に出される歌詞を見ながら、ぼくはいろいろ考えてしまった
な。かつてのフォークロア的な表現、往年のポップ・ミュージックはもっと
歌詞に重きがかかっていたはず。それが、(乱暴に言ってしまうが)ロック
時代になって、サウンドの比重が増し、どんどん歌詞の妙味の占める割合が
低くなっていった。もちろん、ロック界にもいい詩人は沢山いるが、大方の
歌詞はどーでもいいくだらないもの。でも、かっこいいサウンド/ビートや
全体のインパクトがあれば、にっこり聞けてしまう。旧時代の音楽か、それ
とも今様の音楽かは、どのぐらい歌詞の占める比重が高いかといういうこと
にも表れるのではないのか。そして、ワールド・ミュージック的な聞き方は
きわめてロック的、現代的な非米英圏音楽の聞き方なのだと思う。だって、
聞き手は自分の異なる文化(言語)を持つ表現に歌詞を越えた部分の面白さ
やインパクトを感じ、横にあるポップ・ミュージックと同様に愛でちゃう、
というのがワールド・ミュージック受容のあり方であるのだから。
そんなふうにいろいろと考えが飛んだのは、先(6月20日)のダーヴィッ
シュのジョーダン嬢の発言が頭にあったからかもしれない。「ステージで歌
詞の内容の説明をしたりするけど、まず耳に入ってくる直感で聞いちゃえば
いいのよ。私もワールド・ミュージックを聞くけど歌詞の内容はよく知らず
に楽しんでいるもの。それに、自分勝手な解釈のほうが、本来の意味よりも
鮮やかで素敵だったりすることもあるし。私の曲の説明を聞いて、そんな普
通の意味だったのかとがっかりするんじゃないか、なんて思うこともあるワ
(笑)」