南青山・ブルーノート東京。調べたら、この項4度目(19
99年5月11日、2001年1月11日、2002年1月24日に続く)の
登場ぢゃ。

 近く出る新作はけっこうストレート・ジャズ傾向でもある
トリオ編成によるライヴ録音作(昨年12月の録音)だが、今
度の来日公演は前2回と同様に電化効果活用跳ね返り傾向の
“ウーバージャム・バンド”編成によるもの。ただし、前回
ライヴの文章でぼくがまず褒めているベーシストのジェシー
・マーフィは脱退(彼はアップライトもいけるし、何があっ
ても彼は残したい、なんてスコは言っていたのだが)、今回
はマーク・ケリーという人が同行。すべて五弦電気ベースで
通す彼は貧相な若い黒人奏者。ドラムのアダム・ダイチ(レ
タスのドラマーにして、去年のミシェル・ンゲゲオチェロ・
パピロン・バンドでも叩いていた人。2003年11月18、22日)
も若く見えるし、サンプル音/サイド・ギターのアヴィ・ボー
トニックもまだ30才ぐらいに見え、ライヴを見るとウーバー
ジャム・バンドはスコが若い人達とのやりとりを主眼とする
場であるというノリも強調されますね。
 
 前回来日したときにある雑誌の企画でお気に入り5枚を挙
げてもらったりしたのだが、そのときまっさきに上げたのが
マウス・オン・マーズ(2000年4月8日)のアルバム(あと
は、ハウリン・ウルフ、61年コルトレーン、レディオヘッド
、50年代マイルス。あれれ、大好きなはずのニューオリンズ
ものはと問いかけると、忘れてたぁプロフェサー・ロングヘ
アー入れたかったなあと発言)だったりした彼だったが、今
回サンプル音/プリセット音採用度合いは少し高まる。でも
、そうなるとボートニックの力量では多少不足気味となりメ
ンバー・チェンジの必要をぼくは感じるが。彼の刻みのギタ
ーも今回見て、もの足りなかったし。

 スコのソロに関しては、ときに弦のこすり音を見事にソロ
・ラインに組み込んでいて、それは新たな感興あり。また、
本人もMCで“アフロ・ビート”と断ってたが、フェラ・ク
ティのリズム・パーターンを応用した曲を披露したりも(そ
こでのソロはリンガラぽかった)。この日(セカンド)、客
席側の男性比率がとっても高かった。